* 韓国の連續ドラマらしい『華政』とやら、不快。
ロバート・デニーロの『マイ・インターン』は心よく観ていられる、まだ途中までだが。戴いていた「白」の好い美味いワインを飲みかわしながら、国際情勢の宜しくない荒れ模様を妻と案じたり、小説を書き継ぎつつ、収束を大事に綺麗にと逸ったり。
「読む」のは、やはり源氏物語、今は『明石』巻、そして『参考源平盛衰記』で、皇子誕生の祈祷の功に報いられないのを恨む僧都頼豪が、朝廷相手に悶着を起こしかけ暴れかけている。
それ以上に、今日、なにより心惹かれたのはドストエフスキー『カラマゾフの兄弟』の「序」の深切。それにも増し、長老ゾシマの信者らへの教諭や激励や説教の「うつくしい」ほど感銘深かったこと。
2023 1/2
* テレビドラマの日本現代モノでは久しく感銘作に出会わない「ゼロ」であるが、゛時代モノだと化けの皮の着心地により『剣客商売』や『残日録』などの一部に心惹かれて繰り返し見入れる編もある。かりにもピストルや銃のような凶器のよりも、遣い手の剣は清冽の魅惑である。秋山小兵衛、大三郎、田沼みふゆらの剣は、私のようなド素人なればこそ、フムフムと感じ入って見てられる。現代劇には、コノ、感じ入らせる力感に富んだ刺激が弱い。無い。
2023 2/14
* 韓国劇の『華政』を、途中から時折見始めて最近に、モンゴル系満州閥の後金即ち清にに脅かされ屈服の余儀なかった経緯を、歴史の勉強利用に見守ってきた。よほど以前に朝鮮古代史を読んでいるが、中近世史が識りたいと思ってきつつ、適当な本が見つかっていない。世界史の文庫本で朝鮮史は一通りは識っているがもうすこし本格に識りたい。 2023 1/19
* 大相撲千秋楽結びの一番で最高位「独り大関」として場所を率いた貴景勝が、もの凄いまでの強い好い勝ち相撲で、幕内最高優勝、面目を遂げた。横綱休場、降格された二人の元大関二人はまたも不成績。やれやれ。そんな不景気な場所であっただけに、「独り大関」貴景勝、三敗は物足りないが「優勝」してくれ、ホッとした。彼のあの愛らしげなブッとした表情・風貌が、私、好きなんである。
* 相撲の前にショーン・コネリーの代表作の一つ映画「薔薇のなまえ」に何度目かまた惹き込まれていたが、この録画板に傷が入っていて、終盤の画面展開がはなはだ宜しくないのを辛抱に辛抱して観ていたが、けっきょく最期のたぶんもう15分ぶんほどが観られなかったのが口惜しかった。すつて二度は見通していて場面は記憶しているが、映像で楽しみたかった。銀座で探せば買えるだろう、が。それもそうだが原作本を読みたい。内の書庫に在ったかなあ。ちょっと心許ない。古書店へ探しに行くのもムリな現在。残念。
2023 2/22
* 映画「ホビットの冒険」を楽しんだ。創られたのであろう、高遠の大自然/大城郭を初め大群衆や大戰闘の「映像美」に胸打たれる。この方面での映像としては、ストーリーの面白さも抜群で、圧倒的に美しく烈しく目にしみる。
2023 1/25
* テレビが認知症の話をしていたが、出演者の誰一人も、「読む・書く・読書/表現」に触れも云いもしないのに驚いた。読めていて、かけていて、本が面白く読めて、゛な生活中の表現好意が出来て、認知症とは云えない、ないし、殆ど懼れる段階にはいない。自然な物忘れは、若い人でも有る。年寄りにはまま有っても、大凡必要な読み書きや、好きな読書が楽しめれば、過大に認知症など騒ぐことは無い。せいぜい文通しせいぜい本を読み、テレビでも淹れ加野江南ニュースやドラマも楽しめばいい、楽しめ根なら「症」などと怯えなくて佳い。ものを忘れて行くのも老齢の一つの生き方・特権に部類できる。
なにより「表現行為」に自信と好尚をもち、服装でも、親書交換でも、たとえ紙風船造りでも、駄句や警句や干潟ジョークでも、部屋の模様替えでも、とにかくも何か「表現」出来れば、健康だ。歓びにも成る。「認知症」などと謂うアイマイ・モコに左右されるのは、愚。
2023 2/3
* 朝の「羽鳥」番組に玉川クンがもどってきて、その周到で視野の広い調査力に教えられ励まされもする。こういう人ほど、イヤミにラチの外へ押し出されやすいが、挫けないでたくさん教えて欲しい。
2023 2/8
* 「建国」とまではシカと自覚しづらい。茫漠と「紀元節」の方が懐かしい。こんなのは、神話っぽいのが大らかに胸に納まる。紀元節というと、少年の昔は熱い粕汁がキマリだった。「酒粕」「酒」も大好きになった。秦の父は、雫ほども酒がダメ。母の話では若い頃は茶屋遊びしたと聞いたが。
* そういえば昨晩は妻と映画、最高に盛りの頃の木暮実千代・デビューしたばかりの若尾文子の『祇園囃子』(編集短縮されていたが)を久しぶりに観た。高校生も早い時季だったが、四条河原町の映画館、満員の立ち見で独りで観た。かなりの刺戟作と観た、少年ながら。
育った家は、抜けロージの一本で花街・甲部乙部の祇園町と背中合わせだった。尋常の道路は無く、「隔て」られていた。いくら隔てても、祇園のこと、子供にもよーく知れていた。秦の父に甲部と乙部とどう異なうと聞くと、現下に「藝妓と娼妓と」と。明快。とはいえ、藝妓の甲部とて…と子供心に「分かって」いた。その分かっていた内実をえぐるように描いて見せたのが映画『祇園囃子』、高校生とてなにも吃驚などせず、即、納得した。通った祇園石段下戦後新制の「弥栄中学」へは、乙部の子も甲部の子も同学年で大勢通学していた。じつに「異色」の新制中学だった。私の処女作で、好評注目されてそのごの足どりを華やかにしてくれたのが「祇園の子」だった。幼い実在したヒロインは、利発によく出来た「祇園乙部」の置屋育ちの子だった。知恩院新門前から通学のわたしは、その印象清潔な同年女生徒を、遠見に、敬愛すらしていた。昨晩観た映画「祇園囃子」は
変わりなく胸に食い込んだ。「男」という「獣を」概して「嫌う」ようになって「学んだ」映画であった。なにとなく、見聞体験の材料はまこと豊富なのに、わたしは「祇園」をめったには小説にしてこなかった。
2023 2/11
* ガックリの一日だった。シクジリを重ね、前へ1歩2歩とこころがけて5メートルもあとじさりになった。
明日ありと想ふ心のあだ櫻 夜半に嵐の吹かぬものかは とか謂うたが。櫻は、まだ。杉花粉が凄いとテレビが脅している。が、杉花粉どころか、明朝には『湖の本 162』の再校分が届くとの通知。かくては、「責了」「発送用意」「発送」と連続して、又又の我が家は「戦場」となる。新刊の成るのは楽しみだが、次巻『163』を「入稿」もしておきたいがモタついている。
息つく暇ない我が家の一等熱くなる時節が近づいたと謂うこと。泣言も寝言も、アウト。
今夜は、もう寝てしまおう、八時、本を読もう。
と、思いつつ、撮って置きの好きな映画、個性派の好きな女優ミシェル・ファイファーが、悪司教恋着の余りの「呪い」をうけ、日の存るうちは美しい鷹となり空に舞い、日が沈むと美女に変じて恋人との成らぬ愛の日々を過ごす、伝奇のロマンスにまたまたまた、妻と、惹き込まれていた。恋人の、日の存るあいだ騎士の方は、日が沈むと狼にされている。この騎士も、この作、絶好に嵌まっている。
ミシェル・ファイファーは田の映画『恋の行方 フアビュラス・ベーカーズ』で兄弟のピアノ弾きを魅了しながら魅力の歌唱を聴かせて呉れる。
* さ、寝るぞ。明日からさらに忙しくなる。
2023 2/13
* 午近く、尾張の鳶、京都からか、家に帰ってからか、大きなダンボール箱に、京都の、好きな鰊蕎麦をはじめ、おやま、あらま、まだあるよと、沢山な京土産がマンパイに詰まっていた。食べて元気になれという鳶の見舞い、感謝に絶えず嬉しく頂戴した。午は「鰊蕎麦、ゼッタイ」と、午後一時を期して妻によういしてもらい、映画『トスカ』の詠唱と奇怪に展開の画面を観ていた。
鰊蕎麦、ことに京の蕎麦の風味最高、喜んでご馳走になった。一合余の名酒「久保田」も呑んでいた.尾張の鳶、ありがとう、ご馳走さん !
そして、二階へ来て、奇怪前の倚子に向く前に、気に入りのソファに甘える気分で古詩を下ろした、忽ちに寝入った らしい。夢も見ない 快眠の、熟睡…。目覚めたら、もう夕方へ日の傾いた、五時!! この眠りもまた尾張の鳶から戴きものであった。ありがとう、感謝感謝。 あれもこれも、いろいろ。つぎつぎにご馳走になります!
それにしても心神「疲労」の深さにも、愕く。 五時四十分。
2023 2/19
* 夕方、妻と、実に久しぶりに俳優座劇団公演,夏目漱石原作・秦恒平劇作『心』を、加藤剛、香野百合子主演で、懐かしくもしみじみと観直して、色んな場面と科白とで泣けた。気恥ずかしくもあり、しかし強く踏み込んで私なりの「想や情や劇」を真摯に打ち出していた。初めのうちは首もひねったがやはり「k」の登場からは私の創作度が深まり、妻とも頷き頷き観ていられた。この舞台のあちこちに妻の想も組み入れられていて、懐かしくも胸に響いて各場面からの放射が嬉しく快かった。ああこんな創作もしていたんだと王師の感慨が深々と蘇って嬉しかった。
漱石の『心』は、弥栄中学を私の一年早くに卒業していった慕わしくも愛おしかった「姉さん(梶川芳江)」が記念にと私の手にのこしい謂った文庫本、署名もしてあった。その『心』は我が聖書ともなり、数十百度も読みに読み返した名作なのである。そんなことは識らない俳優座を代表していた人気の加藤剛が、私に『心 わが愛』として脚色を強く希望し依頼してきたのだった。加藤剛も演出の村上安行ももう亡き人。お嬢さん・奥さんの香野百合子も母親の阿部百合子も,それ以上に「k」も「私」も美事な好演だった。懐かしく涙の浮かぶのは当然しごくの舞台だったのだ。幕が降りて、拍手が永くやまなかった。
* おかげで、色んな事を華々しくもさせて貰えた永い人生であった。
2023 2/26
* 躊躇わず寝入る。疲労に抵抗するのは危険。それでも,仕事はする。そして躊躇わず寝入る。夕方、ジェシカ・タンディイ と もう一人の黒人男性の名優との、胸にしみいる静かに佳い映画を観た。佳いモノは佳い。理屈抜きに。
2023 3/2
* 「湖の本 162」三校ゲラが届き、即、「責了紙」として郵送した。三月十四日の、64年めの結婚記念日頃には「第一六二巻 わが作家人生のまえがき とめども波の 洞然風聲」刊行、發送出来るだろう。
自転車での郵送の脚で、久しぶりに下保谷の奥寄りを走ってきたが、ぼろにいろいろ想い出しながらも途に迷い、かなりり遠回りになって戻れた。「セイムス」に寄り、このごろややクセめいてきた買いものをして家に帰った。ヘルメトをかぶって走ってきたが、脚は相当疲れた。「一と仕事」して、ひと寝入りもして、あと『遠い太鼓』という、ゲリー・クーパー主演、密林での戰闘映画を観た。底知れない大密林のなかの河や沼や木々や草むらでの戰闘は、観ていてもほとほと疲れました。
2023 3/3
* 是まで気を入れて観ていながら得心仕切れてなかった気になる映画に、最期にマーロン・ブランドがもの凄く登場の『地獄の黙示録』がある。これは昨日観ていたゲリー・クーパーの『遠い太鼓』と、趣が、よほど違う。映像の凄みに魅入られる。
2023 3/4
* 例年よりはやかったか、昨日今日をとおして映画『日本のいちばん長かった日』(昭和二十年八月十五日 天皇による敗戦の放送日)を、また見届けた。見直すことを私は日本国民である自身の義務と考え続けてきた。例年八月には必ずこの映画を観てきた、重い義務のように。
2023 3/5
* 食事は出来る、が、疲れきって、痛むほどの視野の鈍さにも、もう。明日の外出に備えて、そして床に就きたい。好きな映画の『冒険者たち』も、重苦しくなり、途中で投げた。七時。もう退却する。
2023 3/6
* 録画を繰り返して楽しめる映画や、連続ドラマがそう再々あるものでないが『明日へのカルテ ドック』は感動へ惹き込まれ、第一期の十数回分を一回一回見直してきた。醫師と醫学ものには、惹かれる。診断に重点の『ドック』は手術に重点の外科ものよりもより醫学そのものに密接していて、永らく醫書や醫誌を編集し企画してきた体験からも、より外科重点よりも心惹かれる。
2023 3/9
* 晩、久々にセガールの『ハード・トゥ・キル(ぶっ殺せ)』を観た。隅々まで、よく憶えているもんだ。昼には、メル・ギブソンの『ダイ・ハード(ぶっ殺せ)』も久しぶりに。殺しまくっていた。不思議に鎮静剤のように働く。敵に
2023 3/18
* 映画『ウインストン・チャーチル』に感動。わたくしも、もし日本国土と国民とが-暴國にに占領占拠支配されるよりは、国土と国民とを挙げての徹底抗戦を支持し決意して奮闘したい。國と国民とは、無道の占領と支配に徹底して甘んじてはならない。
2023 3/24
* ほぼ終日、寝入ってたのではないか。午後の韓ドラマ『オクニョ』最終回は観たから、今日が金曜、つまりは十四日と辛うじて納得できた只今が、るう夜分八時半。かつがつ三度の食事らしきはしていたと思うが、その前後の多くを寝入っていたらしい。
2023 4/14
* 二時半。昼食前も後も寝入っていた。とにかくも寝てしまう。目の縁から微かな痛みと濃いつかれが全身へ広がる。テレビを見ても日本勢のドラマの低調拙劣はどうしようなく、韓国ドラマの時代モノに目はとめるが、なんとも凄まじく、毒の、殺すの、騙すの、陥れるのと、それも女がじつに邪慳に企み、脅かす。
2023 4/26
* それにしても、そんな朝から、いま夜の九時、形ばかりに昼食も夕飯もしたし、連續の韓国もの『チャングム』観た気はしているが、実感としてはずうっと床に就いていた、エーコ『薔薇の名前』『源氏物語」の「松風」へ、そして『参考源平盛衰記』の以仁王蹶起と宮侍信連の獅子奮迅、また源三位頼政子息中津なの愛馬「木下」をめぐる平家二子定盛の横暴や長子重盛の「蛇」を懐中しての沈着とうとう、読むはたしかに読んでいたけれど、そのつど深く寝入り続けもしていた。目下に必要な仕事は、進むに進まない。
2023 4/28
* 半日をかけて進めた「入稿」のための作業が、なぜかまるで「保存」出来てなく、落胆。 それでも今日は妻と、私のいわば不覚敬愛する名作映画、一つは『ウインストン・チャーチル』と、もう一つは黒澤明が書いて監督し、スピルバーグが製作協力した『夢』、此の二作に、心魂を揺すられ感嘆できた幸福を衷心喜びたい。
私の前途はもう短く且つ険しいと覚悟しているが、楽しみたい。
2023 4/29
* 五体放心のていにほとほと疲れていて、妻も同じく、先に寝にゆかせ、しばらくは独り『デイ・アフター・ツモロー』とか謂うコワイ映画を観ていたが、それも途中で投げて、さほど遅くは歯無かったろうが床に就いて灯を消した。
2023 5/17
* 暑い梅雨の入り。ナンともいえす、しんどい。
市川猿之助が両親と倶に倒れてい、母は既に死亡と。追い掛けて父母ともに死去、猿之助は朦朧の気味ながら、生存が確認されると。
耳にも目にもよろしからぬニュースに、世界が汚れている。他界へ逃げたくなる。
2023 5/18
* 韓国ドラマの「チャングム」は不愉快に煩く、日本の「剣客商売」は、心清しい。 2023 5/18
* 「湖の本 164」初校すすめながら、晩の遅くに速くから心惹かれてきた映画、トム・ハンクスらが演じた『ダ・ビンチコード』にも見入った。イエス・キリストとマグダラのマリア「夫妻」との「血脈の子孫」を描き出していた。在りえたことだろう。キーになる言葉の「ローズ 薔薇」に惹かれる。いまもよほど真剣に読み進んでいるウンベルト・エーコの大長編『薔薇の名前』との関連を興味津々想い描きながら。
その一方、湖の本のために初校している吾が処女作二編『少女』そして長編『或る折臂翁』へよほど強烈に惹き戻されてもいる、「よく書いたなあ」と感謝しながら。
2023 6/22
* 戸外生活が三年もほぼ完全に鎖されまた鎖してもいる。そのせいもあり、「読み・下記・讀書・創作」の余に、テレビでの「映画」「連續ドラマ」もかなり多用している。映画はよそ300枚ちかい「録画盤」から和・洋、観たいときに好きに選べる。
連續ドラマも韓国作で「い・さん」「とん・い」このかた現在も「チャングム」など見続けてきた、そのわりに日本勢は、忠臣藏系はべつとして、『剣客商売』『鎌倉殿の13人』ぐらいしか印象にない、創りが総じて、ヤワイ。日本のドラマは、おおかた上出来が乏しい、『阿部一族』『最後の忠臣蔵』など希有の出来だったが。
2023 5/24
* 夫婦して、大好きな映画『オペラ座の怪人』に泪して惹きこまれ、美事な歌唱、ことに終盤 オペラ座の「悲しい怪人と天才の歌姫クリスティーネ」との美しいかぎりの「フアウスト」熱唱には、眞実、噴く泪で感動した。素晴らしい映像と声楽。
2023 5/30
* 歯医者から帰って、妻と、大好きな映画「帰らざる河」のマリリン・モンローとロバート・ミッチャムを存分に愉しんだ、こに此の映画で歌うマリリン・モンローがステキに佳い。ロバート・ミッチャムも帰らざる河の荒れた迫力も満点。子役のしどみろにも魅惑の味わい。
ひきつづいて映画「タイタニック」は、怖ろしい映画、息切れそうなので、本画面に入ったところで一旦休むことにした。
よほど私は映画が好き。蓄えた映像の「板」を目で数えても、我ながら感じ入ってしまう枚数、とてもみんなは観られまいか。
2023 6/3
*鞘から見始めていた映画「タイタニック」を終えた、怖ろしくも怖い逃げ支わしい生気の大難破、大沈没。デカプリオとケイト・ウインスレットとの恋も死別も凄惨であった。怖い映画だった。二度三度目だが度肝を抜かれる怖さ悲しさで会った。こう言う理を見ると、小説は映画に負けると実感する。
2023 6/4
* 何の因果か我が家では、つまりは妻と私二人は、よほど以前から韓国製の連續劇をよく観てきた、日本製でも西洋製でも中国製でも無く、ただし歴史ものに限って。すなわち「イ、サン」「トン・イ」「チャングム」など、それも機會あらば何とはなく「繰り返し」観てきた。とくに理由も無く、例外のようにアメリカ産チームワークの佳い「ncis特命捜査班」は愛していたしフランス製の「アストリッドとラファエル」も好んで観てはいるが。
韓国・朝鮮の歴史にある程度親和していると、日本の古代史、中世・近世への視線をも深くも濃くもしてくれるのが有難いのだ、何と云っても一衣帯水の隣国。そのてん、欧米やロシアは、中国ですら、気遠いモノが有る。
* わたしは映画・映像劇が殊に好きなタチであるらしく、最近も(保存の録画で)観た『帰らざる河』も好き、『タイタニック』は慄然と怖がりながら惹き込まれた。昨夜も妻もネコたちも寝入ってから、独り、ふと思いついて、録画の超大作、一つはオードリー・ヘプバーンとヘンリー・フォンダの『戰争と平和』 もう一つはチャールトン・ヘストンの『ベン・ハー』、倶に「出だし」の辺だけに見入り魅入られていた。「映画」こそは「文學」の強敵としみじみ感じ入る。
とはいえ映像の秀作は、多く「文藝の創作」を借りて産まれている。『ウエストサイド・ストーリー』など、あれは「例外の」傑作なのか。「原作」があるのか。『薔薇の名前』など、映画は、原作に遙かに及ばなかった。
2023 6/6
* 何がといって、昨夜、妻は寝室へ引っ込んだアト、三度目ほどの映画『渚にて』の怕さには身動ぎも成らなかった。世界を挙げての核戰争の結果、地球上の大気も世界の人類・生物の大方既に死に果てて、わずかに南太平洋のオーストラリアにだけまだ忍下も生存し得ているが、それも人間・生物の最期までにようやく五ヶ月ものこっているかどうか。生存の人は甥も幼子もみながすでに安楽死の薬物を政府から配布されている。リチャード・ウィドマークをかん腸しする潜水艦いっそうが強烈な大気汚染というよりも大気死没の状況を僅かにサンフランシスコなど遠望視察しているが、それもオーストラリアへ帰港、残り僅かな命を線香花火ほどに耀かせながら「その日」の到る前に「死」を受け容れて死滅の地表から一足早く愛に悲しみながら遁れて行く。
怖ろしい、が、これこそは明日にも蓋をあけて起こりうる絶死滅への地獄のさそいなのである。侵略ロシアが核を用い、応戦ウクライナないし西欧が核を乱射し、アメリカも中国も打ち上げ花火のように競い打ち合えば、大気の核汚染は、世界文明の殆ど和神事に冒して殲滅すだろう。南洋のオーストラリアが最期になるか成らないかは私には判らないが、孰れ大気の動きにしたがい、準じに全世界が詩ノ放射能に食い尽くされるのは相違ないしんそうになるのだろう。
映画『渚にて』ほど徹底して全滅死静寂の必然を説いて聞かせた他の作を私は知らない。その怖さは、『タイタニック』沈没や、「ヒロシマ・ナガサキ」の比では無い。世界と人類全滅の静寂という怕さ、だ。
2023 6/9
* 晩、思いを新たにすべく、また、妻と映画『渚にて』を心して丁寧に見入った、しみじみ魅入られた。中学では適切で無い。よくない。
高校の上級生ないし大学の一般教養生に、心底、観てほしいなと願う。名目を問わず少なくも公の「議員」の名の着く全員は、観て、心して、よく考えて欲しい。
2023 6/9
* 寝汗もかいて何度か寝入っていた。あわいに、昨日も觀終えた感動の名画チャールトン・ヘストンが主演の『ベン・ハー』についで、今日も大作オードリー・ヘプバーンとヘンリー・フォンダの『戦争と平和』を観終えた。信仰が導く深い深い感動は前作が勝っていたが、モスクワやロシア国土へ作家の高橋さんらと旅した想い出も蘇って、『戦争と平和』の大いさは、さすがにトルストイと懐かしく頷かせた。
もとよりまるでサマは異にしながら『参考源平盛衰記』の、『源氏物語』の、さらに秋聲『あらくれ』のせいみつと謂うしか無いリアルな筆触の味わいにも魅されていた。
本が読める幸せは、私の人生を底から喜ばしくそ支えてくれる。その喜びと感謝のためにも窶れゆく視力を大切に保たねば。
2023 6/18
* 昨夜寝がけに、泉鏡花の名作『天守物語』を七之助、勘九郎、扇若らで観た。玉三郎、当時の新之介、左団次、南美江、宮沢りえ等の初演には遠く及ばなかったが、それでも鏡花の魔才の程が楽しめ、懐かしかった。
2023 6/26
* 夕方、田中好子が遺していった原爆の悲惨、映画「黒い雨」を観た。つらくても,時に繰り返しいくらかは「義務」めいて観ずにはすまない問題作。制作の時期もよろしくなく,例の録音不調でセリフ聞きづらい、が、原爆、昨今の水爆からすれば極くちっぽけな力とは謂え、敗戦直前に日本国土を冒した言語に絶した爆厓、放射能被害であった、もう一度と謂えども人間や生物や自然を核爆弾で撃って穢してはならない。この映画『黒い雨』は、原爆に襲われた日本人全員も、爆撃した側のアメリカ人等も、心して時に繰り返し観たがいいと思う。
* そして晩には、またまた黒澤明創作映画『夢 こんな夢を観た』の前半を気を入れ息を呑んで観ていた。
2023 6/28
* 黒澤明の作・監督の『夢』にまたしても魅され惹き込まれて居る。こういう才能を継いで展開している人はいるのかな。
2023 6/29
* チャップリンの作・主演、撮影/監督の映画『殺人狂時代』を鈍く痺れる苦みで観た。
進めるべき「書き・/創り」仕事を握りしめながら疲労の穴へ沈んでいる。情けない。
2023 7/4
* テレビの、「コマーシャル」とは限らず顔を出してくる、主には男だが時に女でも、あ、云うぞこいつはと観て聞いていると、ほぼ確実に「ナント」と声を張る。肩を揺すって強調し連発するのもいる。なにかと「売る」ためでもあり、主張のためでもあり、とにかくも「ナント」「ナント」と息せき声を張る。
わたくしはこれらを「ナント屋」と名づけ、「さあ云うぞ」「また云うぞ」と云い手の顔つきや声音も覚えつ眺めつ聴いている。気負ってもの云うことに生き甲斐を感じるらしいほどの「ナント屋」さんの煩いことよ。
2023 7/6
* 夜前は「書き」仕事のハカをいかせたもう零時を半ば過ぎた時分から、独り、キチンでテレビドラマ「アストリッドとラファエル」の一回分を茫然と観て、観終えて、寝に行った。眠りはよほど雑に寸断され、つまりは書き継ぐ小説のこの先のいろいろを想っていた。五時過ぎ、起きようかと想ったが流石に根が足りないと感じてもう一寝入りした。
からだは疲れてグタグタだが、思いやアタマは刺激的である。
2023 7/10
* 晩、二度目の映画『ウインストン・チャーチル』に感銘を新たにした。幼少の昔にはルーズベルトとならべて「鬼畜」などと日本人は謂うていた。「昭和」は遠く遠くなった。
2023 7/12
* やすみやすみという物言いがある、が、なにもかも休みながらしか科出来ないほど。ならば、と腹をくくって映画「ホビットの冒険」を長々と観、また中国現代を小説『主演女優』をのびのび読み進んだ。寝入って仕舞うとキリなく眠りこけそうなので、気を入れて読んでいた。此の部屋も,下階も冷房しているが道路向きに小窓が四つの二階廊下の暑さ、まるで火傷しそうほど熱中している。
2023 7/16
* 「口癖」のように自身の日々を「読み(調べ読み)・書き(私語の刻)・讀書と創作」と謂うている。ほぼ言い尽くせている。娯楽や慰安は、ま、テレビで映画(「ホビットの冒険」や「剣客商売」など)、そして(在れば「酒」とか)。「讀書」なくては、生きた心地がしまい、これはもう幼少來の姑癖に
当たる。枕元には日々に読み継いで手放せない本が何冊も並び、積まれている。「積ん讀」では無い。今ぶん…
日本文学 「源氏物語 少女」 「参考源平盛衰記 巻二十一」 藤村「新生」 秋聲「あらくれ」「新世帯」 坪谷善四郎「明治歴史 下巻」越
中国文学 「四書講義下巻 孟子」 「聊齊志異」 「水滸伝」 「遊仙窟」 文彦「主演女優」 西欧文学 ホメロスの神話 ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」 トールキン「ホビットの冒険」ま、穏健な楽しみようであろう。勉強に類するのは「孟子」と「名詞維新 下巻」くらい。
2023 7/17
* 仕懸かりの「長編」を「読み返し」ていた一日。
今日水曜は生協の四合瓶が一本届くのを、待ちかね半分がた直ぐ呑んで、また読んで、寝入って。妻も不調で寝入っていること多く、ひとりテレビで気に入りの映画「雨あがる」を楽しんでいたが、後半の画面が愚茶に乱れ頽れて。で、この機械前へ戻って親しい「e-old勝田貞夫さん」のメールを読んだところ。
2023 7/19
*「絶景}の随所・各所に満開の『京都』をテレビで。ためいきをつき、想わず声を放って懐かしんだ、わたしの行ったことの無いけしきなどほとんど被一つも無い、瞬時に、此処は、これは、あそこは と判る。なんという、やわらかに優しい翠に満ち満ち、穏和に静かに冴え冴えと美しい「京都」ょ、懐かしい、涙ぐむほども。直ぐにも帰りたい……。
晩のテレビは、祇園会山鉾の巡行などを見せると。すぐ録画の手配。
2023 7/22
* 今日、わたしは、何をしてたろう。今日の「祇園会 山鉾」の放映を懐かしんでいた。中国小説『主演女優』の面白さと、蹶起の前兵衛佐源頼朝をめぐる源平双方の東国武士たちの烈しい武闘の「叙事」に惹かれていたのは覚えているが。いま、夜の九時四五分。そうそう、妻が贔屓の関脇豊昇龍が「優勝」していた。そのほかは。おぼえてない、ああ、素晴らしい、大きな葡萄の房を三つも四つも頂戴していた。感謝。
ラファエル
2023 7/23
* このところ見続けている韓国ドラマ『緑豆の花』で、日本と日本軍の強硬な支配欲にうちひしがれて行く朝鮮国家と人民の惨憺に目を掩うて居る。
「明治」という「維新」を「威信」と「支配欲」に敢えて変質させ、日本はひたすら先ずは主に「朝鮮の国土と人」とを貪り喰った。
朝鮮の古代史は読めていながら、その近世、近代に濃い関心をもちつつ、然るべき「通史」をすら手に入れていないのが、残念至極。「日本」と「日本人」との、「近代」における頌うべくもない「強欲と支配欲との歴史」を私はさらにさらに整理された認識や解説によっても教わりたいのだが。
「朝鮮半島との関わり」に於ける日本史は久しい、が、それにも幾山川があった。日本人はよく学び返して觀べきである。
近代日本と日本人とは、誇るにたる品位と知性とを、少なくも朝鮮、支那、東南アジア、南海諸島にたいしては、「保つ」より「かなぐり棄てて」いた。私は久しくそう感じていて、誤った感想とは思われない。
2023 8/4
* 午後一の韓国ドラマ、終盤へ向かう『緑豆の花』を心して観てきた。是まで幾つも観てきた韓国の歴史ドラマでは飛び抜けて近代の嵐をよくか描き上げてきた。日本内侍日本具との葛藤や苦闘が加わっていて、それは日本人で在るこんな知の私の膚へも手厳しく突き刺さってくる問題が回を追い露呈する。「朝鮮と朝鮮人」の苦渋と苦闘と悲哀が、「見聞の知識」から「凄惨な体験のかたちで画像化されている意義を、よく汲み取りたい。明治の西郷等が振りかざした「征韓論」の身勝手な欲求、やがては伊藤博文の客死へ大きな結び目の一つと鳴って現れ、日本の敗戦のまで失せない濁流を成したのだ、どま『緑豆の花』には日本人が今も学ぶべきだ。
2023 8/8
* 何かを書きついでいた気がするの゛が、アイマイに覚えない。韓国ドラマの「い・さん」で、韓国人ヒロインのビカ一「ソン・ソンヨン」だけ心寄せて観、ついで朝鮮立国の苦闘ドラマ『緑豆の花』最終回を観ていた。後者の持ち出して見せた問題は大きく深い。伊藤博文ハルビン駅頭の暗殺までやって欲しかったが。
「明治の日本」 今日の日本人にも大勉強・大批評の課題だろう、「維新」という複雑な歴史を践まねぎ済まないだけに、「昭和の日本」より難題。
2023 8/10
* 「戰争と僧侶」「恐竜の末期」と謂ったテレビ番組に見応えがあって、よかった。よかったと思えることに出逢うのは此の歳になっても有難い。
2023 8/13
* 濃い敗色に掩われていったあの藻掻くような南湖の島々での日本兵惨敗の地獄苦なども、敢えて承知の務めかのようにテレビで見入った、昨日。例年の此の時期には意識し務めて往年のサンクを顧み自身その中へ混じる様にしている。忘れたいが、わすれてはならぬという自覚は失せない。国民学校一年坊主の私に既にソレしか無いと判りきっていた敗戦必至の戰争だった。先生や上級生に亡くくられようが蹴られようが、「買ったらフシギや」という、あの祖父旧蔵の白詩『新豊拙臂翁』に頷き聴き入っていた少年は、どう先生に殴りトバされ上級生に胸倉取られようが蹴倒されようが、「負けるしかない戦争」という至当の確信は脱けなかった。戰争は所詮「おかねのいくさ」鉄砲や弾や舟や飛行機の「數」で決まってくると私は感じ、それで、入学し立ての国民学校教員角牢から貼られた大きな世界地図の真っ赤い「日本列島」と宏大な真緑りのアメリカ国土を見比べ、「勝てるワケがないやん」と友だちに語った途端通りがかりの男先生に廊下の壁にたたきつけるほど顔を貼られた、ゼッタイに忘れないし、誤ったとも決して想わなかった。
「負けるに決まった戰争」を、どう、藻掻きながら相手の「上」へ出るかは、一にも二にも『悪意の算術』と私の名づけてきた「巧みな外交の技と力」なしには凌げない、どんな大昔からも、弱小国はそれでかつがつ切り抜けてきた。「歴史」が好きで学ぼうとしていた小学生私の、本能的なそれが確信だった、そしてそのまま「処女作小説」の『在る拙臂翁』へ表現されたのだった、最近「湖の本 164」に再掲し、相当な反応のあったことに首肯いている。
2023 8/14
* いけない。寒け。
* でも、心して務めて、往年敗戦への道を少年四年生の私もともに歩んだ持ちを新たにする報道や番組に顔も耳も向けた。あそこを通ってきて「今」なのだと。
2023 8/14
* この八月なかば。原爆の思い出、そして開戦や敗戦・終戦「事情」にかかわるテレビ番組の幾つもを、例年のように心して見聞きした、務めかのように。『東条英機』と表題された一篇も、じいっと見つめた。あの「戰争」にかかわ見聞の何もかもを、忘れず、「向こう」へ持って行く気だ、美しく燃える「大文字」の夜景も倶に。
2023 8/20
* 心身不快、ことに「心」の内に濃厚な不快と不信と不和が、ドス黒い団子のよう。体力が許すなら、独りで、旅に出たい、旅先に、孤心を憩わせる小さな家寓が欲しい。
迂闊な私は気付けてなかった。自分の島に、やっぱり自分「独り」しか立ててないと、不本意ながら気がついたとは情けない。ありていに言えば、私には「身内」と謂うに同じい良い・大事な「読者」が有難い、が……、いやはや。
*各地での「競馬」実況を幾つか続けてテレビで見た。爽快感に、不快に沈む気分、すこし明るんだ、が。
誰かさんからの絵葉書、啄木の歌集『悲しき玩具』に
呼吸すれば
胸の中にて鳴る音あり。
凩よりもさびしきその音
と。私の不快に、とてもとても然様の風情は影も無い。
2023 8/20
* 寅さんをちょっと観た。みな「いいひと」て懐かしく、柴又も懐かしい。
作劇として、優に。およそ「作物」には此の「懐かしい」が薄かったり涸れていては話にならない。「霧」の「霞の」と名高いばかりの「盗賊劇」も少し観ていたが、低俗に強張(こわば)っていた。
2023 8/26
* 晩、たまたま歌番組に出逢って、うまい・へたの極端例に、閉口してられず、盛んに褒めたりクサシたりして楽しんだ。美空ひばりがしみじみ懐かしく、ひょっとして彼女こそがわが「初恋人」であったのかも、などと独り合点したり。
小学校六年か戦後新制中学一年の真夏も真夏、わたしは売り出して盛んなひばりと、家から間近い新橋白川ばたで、触れ合うほど間近に出会っている。ちっこい女の子だった、わたしは「ひばりが来てる」と耳にするやパンツ一枚のはだかのはだしで駆けつけたのだ、人がギシと取り巻いてる輪を潜り入るようにして、もうホンマに触れ合う近さまで攻めよったものだ、口は噤んでいた、あれで有済小学校の卒業式には卒業生答辞を読んだ生徒会長だったが、油照りにクソ暑い京の真夏の夏休みの男子にはパンツ一枚のハダカが、ま、「制服」だった。ちっちゃい幼い、見るから子供の「有名な美空ひばり」は「よそ行き」のスカート姿だった、それにも少年は見惚れたものだ、暑い暑い京都祇園の真夏の午下がりだった。傍らにせせらいでいた白川は、今も変わりなく清う流れているはず。
* こんな、ラクガキばっかりしてては、オハナシに成らん。あすからは「湖の本 165」初校という大仕事が加わる。犇めき寄ってくる「仕事の嵩」には愕ろかない。必ず、成るように成る。
* 宵の早寝から翌る零時すぎて目ざめ、独り起きて「雲霧なんとか」謂うつまらん時代モノを見てからまた寝入った、が…
2023 8/28
* 明いてられないほど目が霞んで、痛みさえも。六時前に起きて午前十時半。韓国歴史ドラマでは最も信愛し親和できた『い・さん』が終えた、往年の仲良し少年・少女 イ・サン、ソン・ソンヨン、バク・テスが、王になり愛妃なり重臣になって行ったものがたり、他に比していっとう快い「生涯の劇」であった、パク・テスひとりが生きて遺され地。じつは少なくも過去に二度は通して観ていたのだが。
2023 8/31
* もう午後二時半を過ぎている。午前はアレコレを先へと押していた‥昼食後は一時からの『奇皇后』とか謂う韓国ドラマを一時間見た後、卓前での「居眠り」半時間。とにかくも睡眠の「薬効!」に応援されるよう努めている。
2023 9/19
* アメリカでの同時多発核のテロが、風聞なりに予告されていたりする。私は映画『渚にて』の身も心も凍る「無人」世界への怯えを決して架空の空想とは感じて居ない。朝起きると一番に世界の「今と明日」に節に触れて知らせてる数々をアタマにいれるようにしにしている。以前は「世界の動き」になど関わらない市井で居たが、あのとき、「尾張の鳶」のメールに「世界事情」を日々の習いに注目していると在り、倣うように努めてきた。
2023 9/21
* 夜前、日付の変わる少し前から独りキチンに入りテレビを見た。ふしぎと此の時間帯に好い映像が見受けられるから、ワールドニュースのついでに暫くめずらかな絵など見るのである。昨夜は潜入司祭や隠れキリシタンらの物語られて行く珍しい映像に、京都新聞連載『親指のマリア= シドッチ神父と新井白石』を書いた昔を懐かしみもした。「大きな仕事になりましたね」とわざわざ褒めて貰った大岡信さんも、もう亡くなって久しい。一律に着物を着せられ、折りごとにに「踏み絵」を強いられる棄教司祭等のそれぞれの最期など観てとれて、ああ書いた、みんな書いたなと感慨を強いられた。今朝のは、だれだったかの小説『沈黙』の映像化であったのかも。『シドッチと白石』、読み直したくなった。が、私自身の「選集」全三十三巻をみな読み返すとなると大変な精力と時間が要る。まだ死ねんなあと思う。
2023 9/30
* 晩、古い「やくざ」映画に付き合った。主演のほかに鶴田浩二ら見なれた顔は多かったが、むしろ点綴していた女優の数人に風情があった、がこれも八千草薫ぐらいしか名は覚えてなかった。「忘れる」という生き様を日々に納得している。
2023 11/1
* テレビでは、採って置きの気に入り劇だけを観ている。「馬醫」「DOC」「剣客商売」 日本製の現代ドラマは悉く力不足の「ええかげんな」「ヘタ」そろいで、マシな出逢いがない。映画の「寅さん」ものに蹴散らされの有様。ツマラナイ。
2023 11/18
* もう少しと思いながら独り起きて,二階へ上がらず、キッチンで独り雑然と朝食し酒も呑んでいた。このところずうっと続けて録画をみている『馬醫』をみていた。韓国製の連續檄は「イ・サン」のころからぼ欠けなくみてきたが、日本勢のこしのぬけたようなヘナチョコ練足檄より遙かに劇的に上手に客を呼び込む。この『馬醫』も対象が命がけの外科手術だけあって、医療場面にも迫力と興味がある。
日本の、ま、良い方の『剣客商売』など、一回読み切りの紙芝居で連續の迫力が無い。かつては、北大路欣也がやったような連續の剣客物があったが、いまは制作者達の能も意欲も払底している。しっかり、せいや。
2023 12/8
* 日のあるうち何をした記憶すら無く、よるは、明日の討ち入り前、あかり出来の良くない相も変わらず『忠臣蔵』前半を観ていたが。
2023 12/13
* よくよくの好きとみえ、暮れの『忠臣蔵』はまさに定番、暮れまでにも,、私、何度も色んな映像でいつも気に入ってみてきた。長谷川一夫と鴈治郎とが垣見九郎兵衛で対座する作が一等好きで、京マチ子、若尾文子、山本富士子と女優陣も一際お揃いで懐かしく。
日本人の『忠臣蔵』好きの心理も生理も病野すらももう時尽くされているだろうと想うので、云わない。主君の仇討ちだけの力学でも美学でも、なかろうよ。
2023 12/14
* 韓国産の連續ドラマ『馬醫』が明日で終える。かなり楽しませ娯しませて貰った。日本の関係者には斯う創るちからが無いのか。観続けたいと思えたこと,稀も稀、かなり情けない。
2023 12/28