創作という実には花が匂ってなければならない。咲いて見えるだけではダメ、匂ってでないと。
2015 1/11 159
* ま、仕残しているしたい仕事の山登りをせっせと楽しもうと思う。みなさん、くれぐれも自愛せよと誡めて下さる。有り難い、が、したいことが有る、有るという生きる幸せを、大事にし満喫して生涯を終えたい。仕事に終わりはない。
2015 5・28 162
* 根気がどんなに大事な気力かを永年かけて覚えてきた。退屈しないことの底を支えるのが根気だ。この年齢で、余儀ない間違いや仕違いをする。大事な要を忘れる。半ばは仕方ないとして、いらだってくる気持ちを静めるのが根気だ。立ち直るのだ。グチや泣き言すらときには必要だが、要するに根気で立ち直りまた立ち向かうのだ。
2015 6・11 163
* 小説は、心迷えば迷うほど難渋し難航する。あせると文章が雑音のように乱れ出す。参る。いくら参っても、放り出せない。わたしは昔から、書き損じた原稿用紙をくしゃくしゃに丸めて坐辺を騒がせることはしなかった。原稿用紙二十行の十七、八行を書き潰しても一行二行を書きのこした。文章には、言葉から言葉へ微妙な「橋」を架け続けねばならない。踏もうが跳ぼうが「橋」は橋なのであり、渡らねば進めない。難儀なことに「橋」は在るはずだが見えないのだ。苦心して見つけ出すのである、書いてみて、書いてみて、書いてみて。ウソのようにすらすらと渡れるときも、半日かけても橋が現れてくれないことも、ある。黙然と、唸る。しかし諦めない。しかし、むずかしい。
2015 8/11 165