ぜんぶ秦恒平文学の話

「もらひ子」として

家族・血縁 2012年

  * 賀正 あなうれしと言ふてひろげて抱きうけめ これぞことしの朝日の光    秦恒平 * 春立つ  長春道 春 香火に生つて暁爐燃ゆ。 * なにごともなく、新春東君を迎えた。 「おめでとう」 零時。淡々、妻 […]

家族・血縁 2011年

    * 賀正  平成二十三年(2011) 元旦      秦恒平   雲中白鶴 これやこのゆくもかへるも別れ路の 旅のあなたの有明の月   朝ぼらけありあけ月のゆめ覚めて 朱(

家族・血縁 2010年

    * 新年 穆々和春  ただ平安を願う。   * 目覚めたときには建日子たちが来ていた。 秦の父、母、叔母の位牌に挨拶し、みなみなの平安を願った。 揃って新年の雑煮を祝った。建日子、わ

家族・血縁 2009年

  * 平成二十一年(2009) 元旦 木 * 賀正 存吾春 あなたのお幸せを祈ります。 牛のように歩んで行きます。     秦 恒平 騒壇余人 ひむがしに月のこりゐて天霧らし丘の上に我は思惟すてかねつ  十七

家族・血縁 2008年

* むかし家族で櫻の頃に川越の喜多院へ出かけた。うまい鰻を食った。もっとほかの何か池か沼のようなところへも行った。電車でなく建日子の運転する車だったろうか、姉娘も、ひょっとしてやす香もいっしょだったか。 喜多院へはそれよ

家族・血縁 2007年

  * 平成十九年(2007) 元旦 月  晴天 * 新年になった。「今・此処」がつづくのである。だれもだれもの平安を、ただ願う。 * 元旦、やす香の写真もある膳について、雑煮を祝う前に建日子に読んでもらった。

家族・血縁 2006年

    * 元旦、二時が過ぎた。そろそろやすもうか。もうすこし、呑んで寝るか。もう起きているのは、わたしと、建日子の連れてきた猫のグーだけ。黒いマゴの方は、妻と枕をならべて熟睡している。 2006 1

家族・血縁 2005年

  * 謹賀新年  二○○五年 (平成十七年) 土  元旦 百禄是荷  手にうくるなになけれども日の光  六九郎 雪といふ不思議なもののふる我ぞ  恒平 あけぼのは春と定めてためらはず  湖 ご平安・ご多祥を祈

家族・血縁 2004年

  * 小一時間に、たちまちに二十人ちかくメールの賀詞が届いた。ペンの小中理事からも。早々に出稿してもらえるらしい。もう仕事が始まっている。 さ、朝には息子達が来る。もうやすもう。静かな、温かな元日だ。朝あかね

家族・血縁 2003年

  * とうどう、妻とふたりだけの、いや、黒いマゴと三人だけの元日になった。静かだ。隣の部屋でムローヴァのバイオリンが鳴っている。 読み始めに、ある修道女のエッセイをわたしが読み、妻は目をとじて聴いた。一日の終

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