ぜんぶ秦恒平文学の話

秦恒平の有楽帖 観客として

美術 2017年

*  夕方まで建日子と過ごした。雑煮も食事もともにし、建日子はこつこつ仕事をしていた。わたしも機械の前で昔々の谷崎潤一郎を語り合った鼎談の色淡くなっ い原稿を苦心しながら読んでいったりした。ときどき階下へ降り、親子三人で […]

能・狂言・古典芸能 2017年

* 強い地震もまた福島沖で。かくて、二月は逃げて行く。「選集第二十巻」の初校を終えた。この巻は、第十三巻と同頁数、最も分厚い一巻になる。まだ再校 が必要。そして「選集第二十一巻」も前巻を引き継いでもう初校が組み上がってい

歌舞伎 2017年

* 寒気がしてくしゃみも出る。明後日の初春歌舞伎座に障ってはいけない。 2017 1/10 182   * 明日は初春の歌舞伎座へ。幸四郎と玉三郎の「井伊大老」は、あの高麗屋八代目が六代目歌右衛門との生涯最後の

音楽 2017年

* 『ユニオ・ミスティカ 或る寓話』にかかり切っていた、が、終始めがねの視力が機械面に組み合わず、気を殺がれて苦労も疲労もおびただしい。眼を閉じ、闇に埋もれ沈んでいるのが、らく。 機械を離れていい照明で読書している方が、

舞台・演劇 2017年

* 今日の午後は俳優座の招待で、モリエールの芝居を観る。笑わせてくれるといいが、それより指定された席から舞台が見えると善いと願っている。正月二度目の外出。 * 家を出がけ、選集第二十巻の零校正が出てきた。 * 俳優座公演

映画・テレビ 2017年

* 昨日、長時間ドラマ「下町ロケット」の前回を面白く見たが、今朝は二回目、精微な人工弁製作の成功を目指して、ロケットのバルブ以上の陰惨な苦戦が始 まっている。ロケットの時の障碍は競走の大企業であり資金面にひびく銀行等であ

美術 2016年

* 村上華岳のことをいろいろに思いまた考えては書いたり話したりしていたのを見直している。 華岳はたまらなく懐かしい。そういう思いを惹く近代の画人は、少ない。無いといいたいほどである。好きな画人ならいるが。 文学の方で、溜

能・狂言・古典芸能 2016年

* 喜多流宗家十六世喜多六平太(喜多長世)さんが九十一歳で亡くなられた。 もう永くあまりに永く、流儀の何かの事情あって、宗家長世さんの能を舞台で観ることが出来なかった。惜しくも口惜しくもあった。職分会がここ久しく喜多 流

歌舞伎 2016年

* 昨日は手術後、真夜中まで、病室のベッドで、裸眼、200頁近く再校ゲラを読んだため、さすがに今日は視力が宙に濡れて浮かんでいる。九時まえだが、今夜はもう休息しよう。 すでに湖の本128送本用意に掛かっている。二十二日朝

音楽 2016年

* このところ、何度も、グノーの歌劇「フアウスト」を、ただ音楽として聴きながら、原作を想っている。つれて、ミルトンの『失楽園』をなんともいえない 憧れ心地で思い出す。幼少、誰にも知られずわたしは河原町三条の基督教教会へ行

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