ぜんぶ秦恒平文学の話

美術

美術 2024年

* 玄関に掛けていた岸連山「富士」の好い墨軸をはずして、明日『湖の本』最終166巻の納品に備えた。軸のアトへは、これも好きな弍羽の小鳥の色彩畫額を掛けた。 四十年近く年に数回ずつ手懸けてきた「湖の本」発送を終える、心残り […]

美術 2023年

〇 ”詩は、分からない。 絵は、観るに難儀。”と。 詩、書き手自身どこまで分かっているか、現代詩の大いなる病いではないでしょうか。 絵は鴉の視力さえ良ければと、これは哀しく残念。 あの「浄瑠璃寺」

美術 2022年

* 終夜、尿意と便意とになやまされ、床を立つこと四度。便座の傍へ、もちこんで備前焼の勉強をしている。茶の湯を叔母の稽古場で習いかけた少学校頃から、一井戸、二楽はもとよりとして、三の唐津にならび備前焼に心惹かれていた。 あ

美術 2021年

* 六時半、午から根気よく機械仕事を継いでいた。疲れに、睡魔がすり寄ってきている、が。 静かなジャズ そして、この日記のアタマに置いた土牛と薫の「丑」の繪や、生まれる以前から知っていたような「少女」像に見入って気をやすめ

美術 2020年

* 朝いちばんに機械を明けて、私のHP「私語の刻」のアタマで三枚の写真、京祇園白川辰巳橋からの花櫻、東京築地明石町で通院の通りがかりにふと撮った 名を知らぬ紫色の花、そして高木冨子の美しい「浄瑠璃寺夜色」を目にすると、し

美術 2019年

* あの敗戦後に日本流に謂う米進駐軍内の乃至は関係の目利きらが、選り抜きの日本の美術品を、幸いに没収や破毀でなく買い上げて持ち帰り、美術 館に買い取らせることで保全を得ていたというテレビ番組を昨日観た。ああこれが「戦争に

美術 2018年

白鸚在樹 蓬莱山 秋石・画(部分) はるか天上には 旭日 * 我が家の正月、必ず玄関にこの「松」が立つ。函には「蓬莱山」と画家自身が題している。 明けて今月、晴の三代襲名歌舞伎座舞台に奮励の「松本」高麗屋へ、慶賀・激励の

美術 2017年

*  夕方まで建日子と過ごした。雑煮も食事もともにし、建日子はこつこつ仕事をしていた。わたしも機械の前で昔々の谷崎潤一郎を語り合った鼎談の色淡くなっ い原稿を苦心しながら読んでいったりした。ときどき階下へ降り、親子三人で

美術 2016年

* 村上華岳のことをいろいろに思いまた考えては書いたり話したりしていたのを見直している。 華岳はたまらなく懐かしい。そういう思いを惹く近代の画人は、少ない。無いといいたいほどである。好きな画人ならいるが。 文学の方で、溜

美術 2015年

* たしか『京のひる寝』に「冬の花」を書いていて想像以上に多彩なのが嬉しかったのを思い出す、が、王者はやはり「梅」か。水戸の梅、北野の梅、青梅の梅。元気に身を働かせ、脚を運んでみたいもの。根津美術館へも五島美術館へも久し

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