ぜんぶ秦恒平文学の話

スポーツ 2016年

* 大関琴奨菊、十四勝一敗で幕の内最高初優勝を遂げた。賞賛に値する一途の敢闘であった。大関栃東の優勝いらい日本人力士十年目の優勝とはすこし情けないが、それほどモンゴル横綱たちの強さが際立っていた。ようやく琴奨菊が賜杯を手にしたのは、祝着。

もうわれわれも本場所を国技館で観戦する体力と根気ががなくなってきたと思う。もとどおり、またテレビ桟敷で観戦し続けよう。八海山で和可奈の鮓。

暫く機械のまえでうたた寝していた。

Glenn Gould Legacy に聴き惚れた。ピアノ曲がしみじみ身に沁みる。

一気に作業を頑張って妻も私も、したたかに疲れている。熟睡をむさぼりたい心地。

2016 1/24 170

 

 

* もうすぐ、リオのオリンピックが来る。惨憺たる軽犯罪や暴行・窃盗犯罪の跳梁に終わらないで欲しいが、治安は、過去オリンピックの最低になりはせぬかと、不安は濃い。せっかく初の南米五輪、きれいに無事に花咲いて欲しいが、伝染病不安も加わりはせぬか。

2016 2/19 171

 

 

* 昨日は、初日に不甲斐ない見苦しい負けをとった横綱白鵬など観たくなくて、大相撲の時間、大好きな映画「レディホーク」を妻と観ていた。昼間は鷹に身 を換えるミシェル・ファイファーがとても佳い。夜は狼に身を換えるルトガー・ハウアーもおみごと。何と云っても物語のふしぎな哀れさと大きな展開。中世の 欧州の静かに深い風土や、おそろしい司教が支配する暗い時勢。劇的な推移はあくまでも不思議に、そして大きく展開して、鷹にされ狼にされて女と男として逢 えぬ呪いを受けてきた恋人らの呪いが溶ける。映画さのみのに、いい知れない優しい魅力があふれていて、いつ、どんなときに繰り返し観てもこの作には飽きが 無い。まったく無い。よかった。気も静かに落ち着いた。

 

* マスコミのハナクソのような見せ物や喋り場が目立ちすぎる当節、紛れもない他界へ誘ってくれるこういう映画に、つい心惹かれて行く。

2016 3/15 172

 

 

* 大相撲十四日目、白鵬が初日一敗のぶざまを美事にはね返して優勝宣戦に競り勝って単独一位のまま、二敗の大関(稀勢乃里或いは豪栄道)を置き去りに明日四場所ぶりに優勝してくれそうな勢い。がっちり優勝して欲しい。

初日の元横綱北の富士の解説、ことに今日の元横綱九重(千代の富士)の解説は、理に深く嵌って一々聴くに値する深みがあった。

2016 3/26 172

 

 

* 相撲茶屋の竹蔵くんから、はや夏場所の番付が来た。「ホウ」と気合いで敢闘大勝ちした琴勇輝と男前の勢が東西の関脇へ上がってきた。妻が横抱きにされて写真を撮った怪我の遠藤が、辛うじて幕内へ復帰してきた。

観に行くとしても、こちらの体力からして、最後になるかも。五月八日初日。

2016 4/26 173

 

 

*  昨日の本場所九日目、横綱白鵬の小結勢をかちあげ一発で昏倒させたのにはビックリした。底知れぬ破壊兵器を、優勝36回体験者が今にして持ち出してくる凄 み、下位は怯えるだろう。今場所はもう白鵬と大関稀勢乃里との全勝正面衝突に尽きた。どうなるか。いい相撲で結着して欲しい。

2016 5/17 174

 

 

* さてさて、今日は土つかず全勝同士横綱白鵬と大関稀勢乃里との大一番。おそらく日本中をあげて日本人力士の初優勝と横綱昇進を願って大関を応援するだ ろうが、わたしは、頂点で孤独に耐え抜いて奮励しているモンゴル出の横綱白鵬を、一日本人として応援する。攻め方、守り方、自由自在に強烈なカチあげもよ し流れで逸らしても、すべては相撲の技、ちっとも構わない。恥ずかしからぬ力闘を願う。

 

* 白鵬 勝つ。横綱の戦闘的で柔軟な対応が優っていた。大関は控えの内から強いて落ち着こうとしながらいつもの落ち着き無さへ向かっていた。横綱は闘志をしっかり面に浮かべて対峙していたので期待が持てた。さすがの白鵬。よしよし。

2016 5/20 174

 

 

* 白鵬が日馬富士に勝ち、稀勢の里が鶴龍に負け、白鵬の四十七回の優勝が決まった。それでよい。

2016 5/21 174

 

 

* 武双山 魁皇 琴欧州のトーク番組で数々の佳い相撲をたのしませてもらった。

2016 5/30 174

 

 

* 七月大相撲名古屋場所が始まった。

八月にはリオ・オリンピックと。無事に幕が開き無事に閉幕できるように願う。

2016 7/10 176

 

 

* 「れいじょう三千盛」を、唐津のぐい飲みでぐいとやった。酔いを発し、寝入った。目ざめたら、大相撲名古屋場所十二日目の幕内土俵入りをしていた。

2016 7/21 176

 

 

*   大相撲の山場をテレビの前から離れてきて、『斎王譜』の祇園会あと祭りの場面を読んでいた。泣きたくなるほど懐かしい好きな場面、三つになる朝日子の夢中 で興奮していた声が耳の奥に宿っている。親娘三人で祇園会に京都へ帰るのが心底楽しみだった。夫婦で、街の夜歩き食べ歩きを楽しんだ。美しい京都であっ た。

 

* さ、日馬富士が優勝へ足場をかためたろうか。足の力指を傷つけてしまった白鵬には今場所もう無理をして欲しくない。毎日、横綱二人の写真へ、がんばれよと声をかけ続けてきた。

2016 7/23 176

 

 

 

* 毎日、貼った写真へのわが声援をうけ、横綱日馬富士、健闘これつとめて八度目の幕内最高優勝はめでたい。足の指を怪我で傷めた東横綱白鵬、休場せず千秋楽の大相撲まで誠実に責任を果たしてくれた。それも立派。

2016 7/24 176

 

 

*  都知事選終え、次のお祭りはリオ・オリンピック。

そんな時に偉大な小兵横綱千代の富士、61歳逝去の報。こころから、引退まで応援していた。栃錦、北の湖、千代の富士、そして白鵬を応援してきた。また一時代が流れ去った。白鵬の敢闘を願うのみ。

昨日も若くしてあの世へもぎ取られた中村勘三郎の回顧番組をみながら感極まった。惜しかった。口惜しかった、あまりに酷い早い死が。

勘三郎にせよ千代の富士にせよ、何が彼らを「死なせた」か。人間の力不足か、自然の力が圧倒的に険しいのか。

2016 8/1 177

 

 

* さすがに疲れた。十時半だが休息に入る。

リオ・オリンピック始まり、日本男子サッカーはナイジェリアに敗れた。

2016 8/5 177

 

 

* リオ五輪、日本選手の健闘を願うが、メダル至上主義に脱線して欲しくない。精魂こめて健闘し、怪我や事故に遭わないで帰ってきてほしい。リオ五輪の無事の成功を願っている。

 

* 女子重量挙げの三宅ひろみの敢闘に喝采した。公介と大也の400メドレー金と銅にも拍手したが、順当勝ちであろう。大也が二位でもおかしくはなかった。

2016 8/7 177

 

 

*  萩野、瀬戸の仲良しライバルが個人400メドレーを一、三位で表彰されたのは気持ちよく、また男子体操が団体でみごとに優勝したのは、とても目出度かっ た。

* イチローのメジャーでの3000本安打達成、まだまだ経過中という意味からも、心嬉しい朗報であった。

2016 8/9 177

 

 

* 卓球福原愛の猛健闘、カヤックでのアジアでの初の銅メダル、男子水上八百メドレーの銅メダル、男子バタフライ二百の銀メダル等々、感動的な競い目白押しで、心はずんだ。メダルの如何でなく、選手達の果敢な努力が観ている胸を震わせた。

2016 8/10 177

 

 

* だいぶ前から気が付いていたが、むかし、わたしの青少年のころ、「恒平 コウヘイ」といった「ヘイ」名前の人にあまり出会わなかった。わたし自身、自 分の名になかなか馴染まなかった。同年輩の友人の中でも見当たらなかった。だから「菅原万佐」などとペンネームをつかって初期私家版の三冊まで「秦 恒平」を使わなかった。新潮の編集長に本名で書きなさいと云われてなければ作家・秦 恒平は無かったかもしれない。

ところが近年、「ヘイ」名前の人が増えている。オリンピックの選集達の中にも、体操団体優勝、個人総合優勝の内村「コウヘイ 航平」君をはじめとし、オヤ、マタ。ホラ、マタと何人も何人も現れて活躍してくれるので、妙に嬉しくなる。

わたしの「秦 恒平」は中国読みすれば「チン ハンピン」と立派な中国名のりで通用する。訪中日本作家代表団で渡り、北京の大会堂で周恩来夫人と会ったとき「ハタ先生は お里帰りですか」と諧謔を弄されたほど、むこうでは佳い名のりらしかった。山本健吉先生が、「わたしなんか、シェンポン・ゲンジイなんだぜ、冴えないモ ン。秦さん羨ましいよ」と笑ってられたのも懐かしいが。、国人には「ヘイ」名前は、国家主席にもトウ・ショウヘイ、シュウ・キンペイと、二人もいる。必ず しも「ヘイ」とばかりは初音しなくても日本古代いらいの王族、貴族や武家にも、たくさん「ヘイ」名のりの知名人はいた。行平、業平、具平、常平、時平、貞 平、むろん恒平という太政大臣もいた。

 

* それより気になっているのは女子の名のかなりハチャメチャなこと。月とかいてルナなんてのは微笑ましいが、あまりに命名感覚に節度を欠いて見えて、顔 をしかめてしまう例が街中に氾濫している。節子、文子、靖子、道子、華子、幸子、鶴子、雪子、妙子、徳子など、「子」名前は払底ぎみになかなか出逢えな い。「子」名前、清潔でいいと思うのになあ、若い親たちはあまり見向く気もないようだ。男の子達の名のりの方が、このところ比較的キッパリしてきている。 高校野球を観ていてそうかんじる。

 

* 個人的にわたしの、もっとイヤがっているのは、大相撲の力士達の四股名。ケチはつけたくないが、豪栄道だの琴奨菊なんてのは、大関になった時にもっと 美しい清々しい強い名に変えるべきだった。十両、幕下へ行けば行くほど混乱し混濁して、スカッとした名が少ない。観ても聞いても気が晴れない。なんとかな りませんか。

2016 8/11 177

 

 

*ウサイン・ボルトの百メートル断乎とした優勝に感嘆した。テニスの錦織選手銅メダルも敢闘精神おみごとであった。卓球男子も女子もよく健闘し感動させてくれた。

2016 8/15 177

 

 

* 卓球女子男子の健闘、は喜ばしい興奮に包まれ、けっこうであった。福原愛らに敢闘賞を呈したかった。銅メダルに手が届いたのは、ひとしおの歓びであった、まことによく健闘した。

2016 8/17 177

 

 

* 大相撲秋場所、よこづな白鵬全休では寂しすぎる。

2016 9/11 178

 

 

*  怪我多くなさけないほど負けた大関豪栄道が全勝優勝したのは、えらい。来場所も優勝すれば横綱昇進に何の異議もない。が、ひとつ異議がある。本名の「豪太 郎」君は好い。しかし四股名の「豪栄道」には、わたしの美意識にはガマンならない。このまえに優勝した「琴奨菊」にもおなじ事を感じていて、彼らの人柄は べつにし、こんな四股名の日本力士を応援する気にはとてもなれないで来た。大阪の大先輩力士大錦や山錦にならぶ清冽の名のりをよく親方と相談して付け替え て欲しいと希望しておく。

2016 9/26 178

 

 

* がっくり疲れる。できれば、すーうっと眠りに引き込まれたくなる。大相撲も白鵬に威勢が欠けていて乗れない。

望ましいのは、想像と創作の世界へもぐり込むこと。

2016 11/22 180

 

 

* 九州場所は十四日にして横綱鶴龍の手堅い優勝が決まった。それもよし。

2016 11/26 180

 

 

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