* おおずもう初場所が始まった。白鵬の三十三回優勝を期待する。しかし今場所の桟敷入りは見合わせる。食べる物は食べているのに、なにとなくけだるい疲れが薄雲のようにみうちに漂っている。それだけの仕事をつづけざま片付けて来たのだからムリもない。目前に迫ってきた「選集④」の荷造りと発送とがかなり身に堪えるだろう。湖の本のように宅急便に集荷に来てもらえず、せまい坂道を数重ねて自転車で運ばねばならない。怪我をしてはならない。
2015 1/11 159
* 機械の輝度を2まで下げても眩しい。一日中眼をあいて水の底を歩いているようだ。危険なこと限りない。注意して生きて行くしかない。重労働も余儀ない発送を始める前に、今年初の歌舞伎座を楽しみたい。大相撲は白鵬の優勝新記録をテレビの前でせいえんするだけで我慢。なにしろ秋場所には「カーン」と場内に鳴ったというほどはげしく額から桟敷の囲いに落ちた。診療所へ担ぎ込まれたなど全く記憶にない。
* 昨夜は目覚めがちだった。今夜はリーゼの世話になろう。
2015 1・13 159
* 相撲がおもしろい。白鵬への、このところ拮抗していた大関豪栄道の、角番を背負っての挑戦が気になる。願わくは白鵬全勝で優勝三十三回の大記録を遂げて欲しい。
* 白鵬、豪栄道を降した。碧山が横綱日馬富士に勝ち、大関琴奨菊が横綱鶴龍に勝って角番を立派に脱した。
2015 1・21 159
* 帰ってから録画の大相撲を見て、横綱白鵬が大関稀勢の里と取り直し二番ともに勝ち、十三日にして三十三回優勝という未曾有の大・快記録を成し遂げたのを確認できた。ヨッシャー、やったと声を挙げた。大記録をこの目で見届け得た同時代人として、えもいわれぬ喜び。この大記録を超すはおろか並ぶ力士も、大鵬から白鵬までの例が示している、もう数十年も待たねば現れまい。
2015 1・23 159
* あのトルネード投法の野茂選手、わたしにはイチローに先駆した最高最良のスポーツマンと見えていて、その大リーガーとしての見事な活躍を、今朝、例の「今でしょ」先生がテレビに堂々取り上げてくれていた。嬉しかった。日本の野球界は野茂選手の偉大といえる先駆者としての十二分の成績と活躍また貢献にたいし、狭量なほど冷淡な気がしてわたしはそれを憎んできた。男らしいととのったいい顔のまさしくイケメン青年だった。彼の精神力と技術を本気で後進は受け継いで欲しい。
2015 2・8 160
* 横綱白鵬が、破竹の勢いの新関脇照の富士に全勝と優勝とを阻まれた。やんぬるかな。
2015 3・20 160
* 一時。すばらしい上天気だが。ゲラ三種持って電車に乗りに出ようか。
* 西武線で飯能まで行ったが、さて、めんどうくさくなり、そのままひばりヶ丘へ戻って、馴染みのビストロでワインを飲みソーセージをたっぷり食べただけで帰ってきた。照の富士と豪栄道、白鵬と日馬富士が大相撲だったと聞いた。照の富士は勝って二敗を保ったが一敗の白鵬が結びの一番に勝って三十四回目の最高優勝を決めたのは、ま、なによりだった。照の富士の来る夏場所が楽しみだ。大きく化けるか、拍子抜けになるか。
豪栄道、琴奨菊の不成績は、稀勢の里のそれも、目に余る。先の二人は四股名もあんまりひどい。相撲の美学を大いに損ねている。いまや角界の四股名のでたらめたるや放埒無惨。気分わるくてムカつく。豪栄道、琴奨菊など、当人には理由が有ろうけれども、見苦しく聴き苦しい。挙げれば掃いて捨てるほどひどい四股名が土俵を占有している。朝青龍あたりからの悪しき流行。手を着いての立ち会いに次いで八百長放逐が成果を挙げた。次は、でたらめな、清明感を欠きすぎた四股名を改めて貰いたい。双葉山、羽黒山、安藝の海、名寄岩、千代の山、朝潮、玉の海、大鵬、柏戸、琴櫻、小錦、三重の海、霧島、北の湖、千代の富士などよろしく、白鵬もけっこう。照の富士も佳い。日馬富士のムリ読みは気になる。とにかくも、美しくスッキリしてほしい。もう一度云う、豪栄道、琴奨菊なんてのは力士の四股名とは受け取れない。まさに醜名である。
ついでに云うが、人気の遠藤もおおたぶさが結えるようになったら立派な四股名を名告って欲しい。
2015 3・22 160
* 二敗の関脇照の富士が大関豪栄道を振り回すように圧倒し、一敗の東の横綱白鵬が西の横綱日馬富士を熱戦してやぶった。二番を放送映像で観た。
白鵬をスタジオに呼んでインタビューしたのは良い、だが一言も殊勲と敢闘賞に輝いた照の富士の相撲、横綱が彼からきっした一敗の相撲にたった一言も触れないインタビュアーにも放送姿勢にも、むしろ不快を覚えた。放送という名のジャーナリズムが死んでいる。あれはNHKだったと思う。フェアでない。
2015 3・22 160
* 夏場所の誘いがきたが、今回は断念した。選集六巻の発送、つづいて湖の本今回上巻の、さらにし中巻下巻の発送も予定しながら、つづいて選集七巻の仕上がりがある。五月は繰り返し病院通いもある。ま、白鵬の優勝新記録は実現したし、にわかに下位力士が大化けして来るとも想いにくい。ま、関脇照の富士が今度の場所で大関の地位を一気に践むならたいしたものだ。
2015 4・25 161
* 白鵬が負けて三敗。やんぬるかな。やれやれ、落胆。
2015 5・23 162
* 新大関照の富士が誕生、決勝戦をまたず、大きな横綱白鵬に逆転優勝を遂げたのだから偉い。今場所の白鵬には昨日から諦めをつけていた。大物の伸び上がってくるときとはこういうものだ。
2015 5・24 162
* なでしこジャパンが、ドイツに初勝利、延長を前後とも闘い抜いて、1:0。沢選手以下、みな懸命に、よくやった。勝ちぬいた。
2015 6・5 163
* なでしこジャパン、ワールドカップで、ドイツに次いでアメリカも降し、優勝。じつに、よくやった。沢、宮間、川澄ら、心を一つにしての優勝。アメリカとのPK戦、圧勝の興奮。見応え有った。
2015 6・6 163
* けっこう自分たちのボケてきているのを、夫婦して苦笑している、いろいろと。なでしこジャパン四年前の大健闘再放映を見て感激していた。ま、よい。感激したのだ、わるいことでない。
2015 6・7 163
* 四時半に一度起きて五時からの、なでしこジャパン対オーストラリア戦の前半だけみてまた床に戻った。
2015 6・28 163
* サッカーなでしこジャパンがイングランドに勝ち、決勝戦でアメリカと戦うことに。前回ワールドカツプ決勝戦の再現。健闘を!
ゲームを見ながら、入金事情を点検しながら宛名の貼り込みを終えた。妻にさらに再点検してもらっている。このごろ、わたしが、ちょくちょくイージィミスをしでかす。上中下巻、間隔をつめて送り出してきただけに「未入金者」は現状かなりの数になる。
非売の選集はもとより経費は総額支出が当然で、ごく少数の熱心な希望讀者には一冊経費相当をご支援願っているのだが、「湖の本」は買って頂いている、しかし、現状は大幅赤字になっていて、三十年近く、百三十巻に近いのだもの、収益のことは半ば最早度外視している。何冊も未入金の人には、もう送本しなければよいと割り切り、ただただ久しいお付き合いの今後も続く方々に、深甚感謝している。「文学活動」としては、各界の知己、大学、短大、高校、研究施設、図書館等への寄贈を大事に考えているが、幸い、九割九部がた喜んで受け容れられていて嬉しい。眼が届かずに洩れている学校があれば、お声を掛けて頂きたい。とにかくも無用の出血負担を減らすためには、製本部数をむりなく漸減することも当然考えている。幸い、掲載原稿はまだまだ有り余っている。書き下ろし小説の新作も何作か用意しているし、未刊行エッセイはわたしも驚くほど大量待機していて、百五十巻はらくに越えて行く。
とはいえ、わたしたちの健康からも、賢い潮時は考えつつ「選集」の良い形での増刊を平静に心がけ続けねばならない。
2015 7・2 164
* 混戦模様の名古屋場所、へんに面白くない。復帰の横綱鶴龍のほか、大関も横綱もてんで相撲になってない。日馬富士と妙義龍の相撲など、分は横綱にワルくて、取り直しが順当。白鵬も宝富士に棒立ちにされてしまっての辛勝など、解説舞の海に無遠慮に「力落ちた」などと言わせているのでは、なんとも情けない。イヤな感じ。大相撲いよいよ混戦時代に入るか。
2015 7・12 164
* さ、さしもの大横綱白鵬も下から攻め上ってきた大関や関脇に苦戦を強いられる土俵を見せてもらおう。新旧交代は生き物の世界では当たり前といえば当たり前。それを凌ぐのは先輩には厳しいけれども、そこに妙味もある。
2015 7/22 164
* 横綱白鵬、一敗で首位に立つ。あと二日。健闘あれ。
2015 7・24 164
* 白鵬 三十五度め十四勝一敗の幕内最高優勝、よし! 負けた横綱鶴龍も健闘した。 2015 7・26 164
* 時折り高校野球を観ている。九州国際大付属高と大阪偕星高の10:9の九国大高さよなら勝ちは、見応えある乱戦だった。福岡の一番に、(吉井)恒平君がいてよく打った。少年達の熱闘、猛暑のもと清々しい。
2015 8/13 165
* 北京の世界陸上、ときどき観ている。日本女子の福島が100 200をどう走るか。女子マラソンはどうか。男子には希望が無い。
十時過ぎに、男子100の決勝がある。常勝のウサイン・ボルトが苦戦するのではないか。
2015 8/23 165
* ウサイン・ボルト100メートル決勝を制し、金メダル。白熱の競走を勝ちぬいた。伝説の厚みをまた加えた。
2015 8/23 165
* 少し世界陸上を観て、リーゼを服して、ぐっすり寝よう。
2015 8/24 165
* むくむくと、もっとしておきたい仕事のあれやこれやが、小さな元気な児らにとびつかれるように、肌身に感じられる。生きている嬉しさである。
世界陸上女子の七種競技、陸上の華と観て感動した。
2015 8/25 165
* ウサイン・ボルト、200も断然制した。世界陸上、アメリカも日本も、中国も、振るわず。
2015 8/27 165
* 北京の世界陸上、50キロ競歩の三位銅メダルそして四位に日本選手が食い込み、日章旗が今回初めて揚がった。
男子100X4リレーはバトンミスで上へ上がれなかった。
明日で終わる。
2015 8/29 165
* 昼は小説の三作に手をかけ、夜は世界陸上の決勝を楽しんだ。キング オブ アスリート十種競技の世界新記録、女子の走り高跳び、そして女子男子とも100X4リレーでのジャマイカ勢の快勝。楽しめた。
2015 8/29 165
* 外出したかったが、気が乗らず、結局、午后もまた寝入っていた。
これは自分一人の決心しだいなので、どう転んでも怪我はないが、そうはならぬ場合もあるだろう。たとえば相撲の面白さは、いまのわたしなら、実際に国技 館へ見に行けばなおなお、掛け値なく「相撲は立ち合い」だと言いきるが、初心の頃は「仕切り・立ち合い」が退屈で堪らなかった。
しかし「立ち合いの気合い」ほど、なにかにつけ大事なものはない、相撲でだけではない。「気合い」が逸れていては、少なくも仲間仕事はうまく行かない。ましてやセームタイム・セームプレースと謂われるデートなどそうであろうなと、遠目に想像する。
あの人とは「よく気が合う、合わない」などと謂うようだが、これって、根深い性格の差異なんかではあるまい、ちょっとした互いに「合わせる気遣い」がよくもあしくも響くのだろう。
「うてば響く」か「うてど響かない」かは、やはり「気合い・気遣い」の問題だろうと思うし、案外に容易で無いとも思う。ひとにしてもらおう、ひとに決め てもらおうでは、兵隊は知らず、お互い同士では成る話も成らなくなる。「成ると成らぬは目もとで知れる けさの目もとはは成るめもと」と都々逸はうたう。 目もとなど見たくても見えないまま「気が合う」とは、簡単なことではない。友情や愛情という妙薬がきっとものを言うのだろう。一目惚れという不思議もあれ ば、百年の恋も一瞬に褪めるとも謂う。恋も愛も容易でない。その難しさゆえに昨今では恋も愛もとびこえていきなり「付き合う」習い慣いが人の世をおおって いるらしい。「人柄」「人品」「人格」なんて言葉は有名無実の死語と化しかけている。「気合い」なんてもはや神秘に属し、若きも老いもスマホのラインで踊 り狂っているらしい。 2015 8/31 165
* 信じがたくも横綱白鵬が初日二日目と連敗、体調を損じているのではと案じる。むりをせず、初の休場もいいのではないか。まだまだ先がある。強さは信頼している。
2015 9/14 166
* 処方薬を手に入れてから、だらだらと歩いて、松屋八階の「つな八」で天麩羅。これが少々ぞっとしない揚げようで、烏賊の硬いのにがっかりした。
天麩羅職人の腕前は烏賊の揚げようできまるというのがわたしの持論。コリコリの烏賊天にはガッカリして、酒もしっくり来なかった。わたしも存外に疲れていたのだろう。
往きの電車でも、二つの外来でも、薬局でも、そして松屋銀座から帰りの電車でも、ずうっと校正し続けていて、保谷駅へ電車を降りたときから、胸が圧しこまれるように苦しくなってきた。タクシーを待っている間、かつてない、地面に尻を落としていた。
玄関へ入って、妻にすぐニトロを貰った。
いまは、もう落ち着いているが、明日の俳優座稽古場の「ヘッダ・ガブリエル」の招待、残念ながら電話で辞退した。どのドクターも口を揃えて歩いて下さい と奨める。のに、ますます出不精になり、両国秋場所の大相撲も、茶屋からす奨めてきたけれど今回は辞退した。明日、六本木まで重い芝居を観に出かけられか 自信がなくてお断りした。かなり惜しいけれど。
2015 9/16 166
* 大相撲は、白鵬初の休場で混戦模様だが、新大関照の富士が圧倒して行く気配。どっちみち、今場所へのわたしの熱は引いている。それよりは「仕事」。
十月上旬には選集第九巻が出来てくる。師走には第十巻までと気張っている。しょせん文学しかないわたしであり、奮励、余命を退屈して終わらせまいと思 う。そんなものの一切が、いずれ人類社会が灰燼に帰するとともに無になることを重々分かっていて、それ自体は今を生きるわたしには関わり無しと見捨ててい る。わたしの「今・此処」は、心ゆく仕事でありたい。
2015 9/18 166
* もう夕暮れ、大相撲はそろそろ大関、横綱の出番だろう、わたしは、朝から折りさえあえば二階へ来て小説「チャイムが鳴って更級日記」に食いついて仕上 げに熱中してきた。熱中というと聞こえはいいが、じつは眼がすぐ疲れて見えなくて、途中何度もやかまざるを得なかった。階下で、天海祐希の刑事ドラマや例 の「相棒」などを観ていたがてれびの大きな画面の俳優達の顔さえみにくく滲んで歪んでいる。辛抱しきれなくなるとまた機械の前へ戻るが、なかなか原稿が霞 んで滲んで歪んで掠れて、うまく読めない。自分の文章だから出来るので、半ば以上はアテズッポウで字を探っている。
この調子で、いつまで眼が持つか、間に合うか、分からない。抗癌剤「ts1」が眼への深刻な副作用を持つらしいと確認されてきたのは昨今で、新聞がそん な記事を大きく出していた。自分でガンとして服用と選んだのだから文句は言えない。せめて眼鏡がもうすこし合って欲しい。いま七つ使っている眼鏡の只一つ も視力と視野とを助けてくれない。青山の保谷眼鏡へ半日一日も早く行ってみなければならない、もう土壇場に間近い。
2015 9/22 166
* 本割りで怪我の照の富士が横綱鶴龍を圧倒した。優勝決定戦も応援したが、勝てなかった。だが根性のよさに惚れた。陰気な横綱には気が寄らない。
2015 9/27 166
* 対サモアのラグビーを見ていた。いまのところ10:0でリードしているが、サモアの膂力は強い。油断ならない。
2015 10/3 167
* 獅子の仔の兄弟(えと)の三(み)匹に目守(まも)らえつ
われは尿(しと)する夜半(よは)の便座に 遠
* 家中でいちばん好きで落ち着く手洗い。便座につくとやや伏し目のまんまえに三匹の仔ライオンが揃ってわたしと視線を合わせてくる。可愛くて、いつも話しかけている、「げんきでいろよ」と。太郎、次郎、小次郎と名が付けてある。
ライオンのすぐ真上に、犬のヘンリーと猫のモーリーの漫画像が夫婦然と座って微笑んでいる。大好き。さらにその上に、太刀を横たえた横綱白鵬と日馬富士との腕を張った立ち写真が大きい。見上げては、「はやく快くなって、またガンバレヨ」と励ます。
そして、しばしば、そのままの姿勢でへたな歌を按じる。妻が、きれいに花を挿して置いてくれると自然と気持ちゆっくりする。
2015 10/5 167
* 今日一日のテレビで釘付けにされたのは、再放送ながら日本と南アフリカとのラグビー、南アフリカとウエールズとのラグビー決戦。ラグビーは見はじめると動けない。昂奮できる。
2015 10/23 167
* 大相撲九州場所に三横綱が揃った。白鵬の健闘を願う。
2015 11/8 168
* どうしてこう疲れが濃いのだろう。腕で胸を抱えて眼をとじると、すぐ昏々と寝入ってしまい、はっと機械の前で目を覚ます。今場所は相撲もまともに観ていない。
2015 11/18 168