ぜんぶ秦恒平文学の話

古典愛読

秋成生母の死と京の袋町

「実母只一面耳」と最晩年、秋成は書いた。同じ頃べつに「四歳母マタ捨ツ」とも書いた。が、四歳で自分を捨て、以後一度逢ったというだけの実母の法名と祥 月命日とを秋成は知っていた。 その「実妣法名妙善」はともかく、秋成が実法院 […]

花と岩――拝啓・高田衛 様

 お手紙と、ご本『お岩と伊右衛門』を頂戴して、数日を経ました。ご本を読み終えてからと思っておりました。夜前、ことごとく読了、あらためて御礼を申し 上げます。  私は怖がりで、芝居は殊に好きでよく観に参りますのに、四谷怪談

古典愛読   一つの自叙伝

古典愛読 1981.10.15刊 中公新書      目 次 はじめに――思想の本として 一字一句――ふかく読み透す 歓喜咲楽――伏流する裏文化 一期一会――散ってまた咲く 断絶平家――死なせた者の声 一知半解――それで

春は、あけぼの

枕草子NHKラヂオ放送・エッセイ 等         春は、あけ ぼの             秦 恒平  * わたしの枕草子   * 参考・枕草子 第一段  * NHKラヂオ放送  春は、あけぼの 1979.8-9  

桐壺更衣と宇治中君 講演

ー紫のゆかり成す、愛らしき女人たちー  源氏物語の美しい命脈      (演者関連著書) 『加賀少納言』『或る雲隠れ考』『夕顔』『絵巻』『源氏物語の本筋』 『女文化の終焉』『京のわる口』『京都感覚』『春は、あけぼのあ』 

能の平家物語 ー書下ろしー

  十六  はじめに  平家物語は、わたしの、最もはやくに馴染み、もっとも永く親しんできた古典のひとつである。源氏物語、徒然草、古事 記、百人一首も同じように親しんできたと言える。  古典文学として親しんだかどうかはとも

『源氏物語』への旅

     北山・小野の里 『源氏物語』に限っていわば旅寝の名どころをさぐってみても、有名な須磨明石の流されや住吉・石山・長谷などの詣で、それに宇治十帖の舞台になる宇治や小 野の里など京の郊外が見られる程度で、おおかたは十

 秋萩帖の道風 後撰集の大輔

       漢字がひらがなになる、ちょうど過渡期に草仮名が用いられていた。「あきはぎの」とあるところを「安幾破起乃」と漢字 をかなり砕いた草書で書いた。その時期はある程度限られていて、それが小野道風の活躍期と重なってい

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