ぜんぶ秦恒平文学の話

食べて飲んで 2016年

☆ 安心しました。
心臓が強い、丈夫というのは、そのまま喜びましょう!
大事に、元気に。
娘たち四人が(=海外へ)帰り、掃除洗濯を終え、ひたすら眠っています。 尾張の鳶

* 「祇園の子」内田豊子さんから、黒田庄九平次が醸造選り抜きの名酒二種、手紙とともに頂戴した。謙遜されているが、お酒のことには精しい人、とびきりのお酒とは、瓶を観ただけでもわかる。ありがとう。
「豊子ちゃん」か、なんと懐かしい。大勢の識者から賞された「祇園の子」菊子に作中、おめでとうさん、よかったえと賞められて校内で優勝した、弥栄中学 一年二組の劇「山すそ」に主演してくれたのが、内田さんだった。この人もまさに祇園の子であった。独身で、ながらく「とよ」のママだった。妻もつれて飲み に行ったこともある。「樅」のママの横井さんと近所で仲良しだった。横井さんは、小説『お父さん、絵を描いてください』の冒頭、音楽室の掃除当番を怠ける 男子生徒をモップで叩き出す勇ましい女生徒である。
弥栄中学はもう廃校され、幼なじみも例外無く八十、無事を喜び合うばかり。

☆ 良いお年を
お迎えになったことと存じます。お元気でいらっしゃいますか。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年はかぶき(=にも触れた本)『有楽帖』を送って下さり、とてもうれしくその日に一日家にいて読みふけりました。綿抜く死の宝物にしております。
秦さんに何かお送りしたいと常々思っていたのですが、昨年京都の高島のお酒売場に通った時、投票用紙がおいてあり 少人数の人しか当たらないお酒とかで 養子をもらい(投票の)箱に入れ、帰りました。
後日当選しましたと通知が来て行きますと 店の方が このお酒はまだ知名度がないので応募が少なかったのですがこれからも酒屋さんで売らないのでこちら では定価でお売りしますが貴重なお酒と分かれば投票する人が多くなりもう当たることはむずかしいですよ、おめでとうございますと云われました。お酒のこと はよく分かりませんが すぐ これを秦さんにお送りして飲んで貰おうと 恥かしながら送らせていただきました。
御笑飲くださいませ。
余談になりますが 子供の時から歌舞伎が大好きでそのことをまた お手紙にして読んでいただこうと思っていますが!
役者さんでお独りだけ秦さんのお心にとめていただきたい人がいらっしゃいます。それは中村扇之丞さんです。坂田藤十郎さんの門下で、この扇ちゃんが二十 五歳位の時から家族ぐるみのおつき合いです。これからも山城屋さん(=藤十郎)さんをおささえしていくんだと頑張ってられます。何よりも人間味のとても素 敵な人です。
今年は暖冬とはいえ寒さきびしくなります。秦さんもくれぐれもお身体お大事になさって下さいませ。ご夫妻様の御健勝をお祈りします。

* お酒の二種は名高い米の山田錦を贅沢に用い、日本酒をワイン感覚に追究試作した未売の珍品らしく、戴くのが、楽しみ。

* しばらく音沙汰なくて案じていた東工大卒の子松君が、転勤先の倉敷から元気そうに賀詞と近況報告とを呉れた。安心。卒業生の賀状、例年と変わらず十数通に及んだ。
2016 1/9 170

* 「祇園の子」内田豊子さんから、黒田庄九平次が醸造選り抜きの名酒二種、手紙とともに頂戴した。謙遜されているが、お酒のことには精しい人、とびきりのお酒とは、瓶を観ただけでもわかる。ありがとう。
「豊子ちゃん」か、なんと懐かしい。大勢の識者から賞された「祇園の子」菊子に作中、おめでとうさん、よかったえと賞められて校内で優勝した、弥栄中学 一年二組の劇「山すそ」に主演してくれたのが、内田さんだった。この人もまさに祇園の子であった。独身で、ながらく「とよ」のママだった。妻もつれて飲み に行ったこともある。「樅」のママの横井さんと近所で仲良しだった。横井さんは、小説『お父さん、絵を描いてください』の冒頭、音楽室の掃除当番を怠ける 男子生徒をモップで叩き出す勇ましい女生徒である。
弥栄中学はもう廃校され、幼なじみも例外無く八十、無事を喜び合うばかり。

☆ 良いお年を
お迎えになったことと存じます。お元気でいらっしゃいますか。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年はかぶき(=にも触れた本)『有楽帖』を送って下さり、とてもうれしくその日に一日家にいて読みふけりました。綿抜く死の宝物にしております。
秦さんに何かお送りしたいと常々思っていたのですが、昨年京都の高島のお酒売場に通った時、投票用紙がおいてあり 少人数の人しか当たらないお酒とかで 養子をもらい(投票の)箱に入れ、帰りました。
後日当選しましたと通知が来て行きますと 店の方が このお酒はまだ知名度がないので応募が少なかったのですがこれからも酒屋さんで売らないのでこちら では定価でお売りしますが貴重なお酒と分かれば投票する人が多くなりもう当たることはむずかしいですよ、おめでとうございますと云われました。お酒のこと はよく分かりませんが すぐ これを秦さんにお送りして飲んで貰おうと 恥かしながら送らせていただきました。
御笑飲くださいませ。
余談になりますが 子供の時から歌舞伎が大好きでそのことをまた お手紙にして読んでいただこうと思っていますが!
役者さんでお独りだけ秦さんのお心にとめていただきたい人がいらっしゃいます。それは中村扇之丞さんです。坂田藤十郎さんの門下で、この扇ちゃんが二十 五歳位の時から家族ぐるみのおつき合いです。これからも山城屋さん(=藤十郎)さんをおささえしていくんだと頑張ってられます。何よりも人間味のとても素 敵な人です。
今年は暖冬とはいえ寒さきびしくなります。秦さんもくれぐれもお身体お大事になさって下さいませ。ご夫妻様の御健勝をお祈りします。

* お酒の二種は名高い米の山田錦を贅沢に用い、日本酒をワイン感覚に追究試作した未売の珍品らしく、戴くのが、楽しみ。
2016 1/9 170

*川柳作家の速川和男さん、湖の本への礼状に添えて泉屋のクッキーを下さる。
2016 1/9 170

* 内田さんの呉れた日本酒はまさに「和製シャンペン」であった、下関の大庭さんに戴いた雲丹が恰好の肴で、美味かった。感謝。
2016 1/10 170

* 十時過ぎに家を出て十一時半には腫瘍内科指示の腹部CT検査。一時前には終えて、一時半予約の泌尿器科で、利尿の処方薬をもらい、築地 の薬局で「フリバス」といういつもの薬を受け取った。朝から食餌摂取を禁じられていたので、銀座へ出て、例の三笠会館、ここは何時に入ってもまともに食事 させてくれる処で、二階のフレンチ「榛名」へ久々に上がった。
今日は何が何でもしっかり喰うぞと肚をくくり、飲み物はキールロワイヤルとブルターニュの赤ワイン、佳いメニュのランチを、魚も肉も、サラダからデザー ト、ブティフールとカフェまで、意欲的に喰った。もうこの上はムリというほど満腹した。近来、そういうことは皆無で、いつでもどこでも食は進まなかった。 今日は頑張って進めた感じ。「アミューズブーシュ」「鮮魚貝類のサラダ仕立て」「真鯛のポワレと冬野菜 ブールノワゼットソース」「黒毛和牛フィレ肉のグ リル ボルドレーズソース」「季節のデザートヴァリエ」「ブティフホルとカフェ」 シェフ自信のデジュネ トラディション。コ゜スもよかったが、注文した キールロワイヤルとワインとが堪らなかった。美味かった。
座って帰りたかったので、銀座一丁目までもどり、幸い西武線へはいる地下鉄で、寝もしないで校正を楽しみながら保谷まで。
子尿奇禍のドクターによれば、今日のCT検査も、ざっとみて「落ち着いてるようですよ」と。とにかくもわたしは聖路加病院に今世紀初めから通って今も各科のお世話になっている。電子化されたカルテで、どの先生もみな私の容態は分かっている。      2016 1/11 170

* 小豆の雑煮を祝う。京の酢茎も戴いた。小梅の茶も。鶴を彫んだ干菓子も美味かった。
鏡割りの善哉も十一日に祝った。七日七草粥も四日焼き餅の雑煮も、三が日の味噌雑煮も、みな型通りに祝ってきた。どうしても蛤が手に入らず、年々少しずつ事そいで簡略にはなってきたが。元日には気分悪く、初詣もせずに正月が終えた。

* 効率よく事を運んでいる。
夕方、久し振りに歯科へ。
帰途、「リオン」でフレンチ。前菜に美味い牡蛎、スプに輪をかけて美味い魚味のスープ。メインに黒毛和牛のフィレ。ここでキールロワイヤルからアルゼンチ ンの赤ワインに替えて。たっぷりの珈琲で、デゾートに珍しい二種を選んだ。胡桃をくるんだケーキが美味かった。
2016 1/15 170

*  十二時前に病院に入り、すぐ生理検査。検査結果が出るのにほぼ一時間かかり、診察はその結果後になる。内分泌の診察予約一時半、それが三時に。諸結果は 良好、問題なく。引き続いて二時半予約の感染症内科。ここも全く問題なく。感染症内科では全身状態を検査で把握し、ビタミン薬が三種処方されている。これ を有り難く受けに出掛けている。
築地の薬局で処方された両科の薬など買い取って、四時半。
なにしろ歯抜けで、気勢はあがらない、それでも玉寿司に入り、二合の酒で佳い刺身を奢り、牡丹海老と真鯛を一貫ずつ握ってもらった。病院でも校正し続けていた「四度の瀧」を寿司店で仕上げた。
地下鉄へと歩く途中、「一杯のワインでもけっこう」と誘っている店で赤ワインをたっぷり一杯。空腹のあとで、すこし利いた。のに、もう数軒先の店でハイ ネケンが呑みたくなった。この店、注文しないのに大きなビザとポテトチップを出してきた。ま、いいかと半分ずつ喰って呑んだ。美味くはあったが、酔いまし た。
新富町駅で、幸い座れたが、徐々に胸苦しくなり、保谷で下車の頃、かなり辛くなっていたが気を張って階段をおり、タクシーに乗れた。ま、なんとのう無事 に帰宅できラッキーだった。空腹でのハシゴは危なかった。水分を持ってなかったのが堪えた。帰宅して水とお茶をたっぷり呑んで、常態に復した。 やれや れ、でした。         2016 2/1 171

* 朝、いちばんに、京の「華」さんから、おいしい「葛」や、俵屋吉富や仙太郎の和菓子など、たくさん届いた。お茶を点てて戴こう。
2016 2/6 171

* ペン会員のつかださんからバレンタインデーのチョコやお菓子を添えて、『東欧の想像力』訳本や詩集『世界』の訳本など戴く。
2016 2/6 171

☆ 選集ありがとうございました。
早々と、今日夕方、選集11巻届きました、限られた冊数にもかかわらずお送り頂き有難うございました。懐かしい所が沢山出て来る様で楽しみです。
お菓子喜んで頂き嬉しいです、お疲れたまらない様にお気を付けて下さい。
では  京・苦集滅路  華

* 「地(ぢ)=祇園・京」の作を揃えてみたので、昔の友だちには読んで貰い易いかなあと。まるまる京ことばでの作が二つもあり、少し冒険でもあったのだけれど。
仙太郎の最中、最中の好きな甘党のわたしにも、とびぬけて思い出のしみこんだ美味い甘みを堪能した。俵屋の葛も、京菓子の粋の粋。感謝、新た。
このところテレビで、京都探索の番組にしばしば出会い、みなそれぞれの魅力を見せていた。わたしにも、わたしの「京都」を見続けた歴史があり、何度も連 載で書いたり本にしたりしてきたが、もっとプライベートに近い、それだけ濃い翳りも匂いももった思い出はまだ沢山ある。「湖の本」編輯のついでのような付 け足しで何度か紹介はしているが、腰を据えて書き置きたい「京」はまだ有る、かも。そんなのは存外に此の「闇に言い置く 私語」にこそ書き散らされている のかも知れないが。ま、ま、…宿題の多いこと。
2016 2/9 171

☆ 選集を有難う御座いました。
選集を読ませていただいたり、選集の校正をされている秦様のブログを読んでいますと、それぞれに作品の年・歳を思い出します。
お病気もお歳も考えられないご活躍に、一層のご充実の日々をお過ごしくださいますように。
お二人に佳い春が訪れますように。  練馬  晴  妻の親友

* 京都の上澄みの文化はたしかに美しく心を和ませてくれるが、京都を書いた物語は、そう気楽なものは実は少ない。今度の一巻にも、殺人が二件も三件も起きている。それだけに、堅い挨拶の遠慮や会釈ぬきに、厳しい読後感が頂けると嬉しい。

* 俵屋の葛を晩にも美味しく戴いた。和菓子と庭とは、京都より優れた例はめったに知らない。
「庭」の根は、墓である。奥津城なのであり、そこに庭師の伝統の苦渋も諦観も創意もあらわれる。
「菓子」にも、根源、霊性への馳走・参仕という面があり、ただ味わいだけで済まない、もっと厳しい工夫が活かされ求められてきた。庭も菓子もどうしても「京都」となってくるのは、他府県のその仕事がどうしても上澄みの文化で済まされてしまうからである。
2016 2/9 171

☆ 拝啓
暦の上では春立ちましたが変わらずの厳しい寒が続いております。如何お過ごしかとお伺い申し上げます。
本日先生からご本が届きました 時間をかけてゆっくり読んで参ります 心よりお礼申し上げます。
私共 お陰様で元気にしております。
今の(京都)河原町商店街は昨年八月二十一日にオープンされました、地下一、二階に丸善が戻って参りました、よって来客数も増えて来ております。
四条通も歩道拡幅工事も済み、沢山の人が来訪されております。
むし寿しをお送り致しましたので ご笑納ください。
結びに 先生 どうぞお身体はご自愛の上 ご家族様のご健康をとも お祈り申し上げます。
四条河原町上ル西側   ひさご寿し

* 「ひさご寿し」はあの河原町の繁華で、店の前に行列がたつほどの人気の、また美味い寿司店で、亡兄北澤恒彦が親しく経営診断や指導をしていた縁で、ま ことに珍しくこの店の二階で兄と歓談し食事もしたことがあり、私ひとりでも、妻と一緒にも、京都へ帰るとよく立ち寄ってきた。感じの良いご夫婦がじつに勉 強に熱心な優等のお寿司屋さんで、たえず新工夫が実現している。兄と私とのこともよく分かってくれていて、気分的には親戚のように思い、また湖の本にも応 援して貰ってきた。兄も亡くなるので湖の本の親切な応援者でいてくれた。「ひさご寿し」には、少なくも第十一巻と、いずれの『いきたかりしに』は謹呈した いと思っていた。
特製の、おおきな「むし寿し」二た鉢が美しい荷につくられて届いたばかり、いま、妻が階下で温めてくれている。ご馳走になります。
2016 2/10 171

* 吉備の人から、雄町のこわいほど美味い名酒一升頂戴し。暫時はガマンしていたが、湯飲みに一杯二杯と戴き、陶然。このところお酒が出払っていたので、堪らなく愛飲、しせつに美味。いいものはいいなあ…と、好い酩酊に大満足。ありがとう存じます、有元さん。
2016 2/13 171

* 「珠」さんからは、すばらしく選りすぐりの純米仕立て二種の冷蔵名酒に添え、福光屋の自家製味醂粕を使った風情満点のチョコレート・クランチを頂戴。精選の清酒とチョコとは。いつもながらお見立て、こころにくい。有難う。

* 吉備の人から、妻へ、めずらかな備中神楽最中をたくさん頂戴しました。私もお相伴に与ります。感謝。
2016 2/14 171

☆ 秦 恒平様
不順な気候が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか、
この度も『秦 恒平選集』第十一巻を賜りありがとうございました。掛け替えのない貴重な御本を次々といただきながら、私の方はグズグズして クッキーをお送りするのが遅くなってしまいました。お恥ずかしい限りです。
どうぞ御身御大切に お加減良く過ごされますことを願っております。  道

* 村上開進堂の社長から、缶にびっしり、よくこうも大小も形もさまざまなクッキーがどっさり詰まると、いつもびっくりポンの美味しいクッキーを、お手紙添って頂戴した。感謝。
2016 2/14 171

* そぼふる雨の中、歯医者へ行ってきた。少し下の歯がいまぶん落ち着いている。行くまでは食べるたびに、食べなくても、簡単に落ちた。少しは落ち着いて 貰いたい。帰りに「中華家族」で。わたしはマオタイ。妻はいろいろ。いつも杏仁豆腐をおしまいにサービスしてくれるのが冷たくて快い。
朝日子の小さかった頃いらいの歯医者さん通い。半世紀を優に超えている。江古田駅前もすっかり変わった。
2016 2/15 171

* 選集第十一巻分の支払いを銀行で済ませてきた。往復、二人で歩いた。もう何年も往復歩いたことはなかった。往きに、喫茶店ペルトのとなりに饂飩やが出来ているのを見つけ、昼食に入った。唐津のやきものを気持ちよく飾った店で、いい出汁、うまい饂飩だった。気に入った。
2016 2/17 171

* 各務原の山中さん、名酒「三千盛」二升 送って来て下さる。ありがとう存じます。 2016 2/18 171

☆ 謹啓
余寒なお厳しき折、皆様お変りなくお過しのこととお慶び申し上げます。
このたびは『秦 恒平選集第十一巻』(私家版)賜り、誠に有難うございます。恐縮しております。
京都で生まれ京で育ってこられた先生の若き日の京の文化風土 懐かしく拝読させていただきました。厚くお礼を申し上げるとともに、ご病状の恢復を祈念しております。
さきに「どんなに疲れてしんどかろうとも 元気に満ちている」(湖の本128)「私語の刻」でお書きになっておられますが、季節の変り目はなによりも身体が大切と存じます。いまはただご療養に専念なさいますよう、じっくりご静養ください。
この春 傘寿をお迎えになる奥様ともども傘寿ご夫妻の平安と長寿を祈っております。
遅ればせながら心ばかりの品を送らせていただきましたのでなにとぞよろしくお納めください。
くれぐれもご自愛のほど、お祈りいたします。 敬具  京・山科  あきとし じゅん  詩人

* 鶴屋吉信の「柚餅」と棹ものの「京観世」 京菓子の粋 ありがたく頂戴しました。
2016 2/20 171

* 元朝日新聞社の伊藤壮さん、「越の寒梅」二升下さる。湖の本三十年の大きな恩人であるのに、お祝い戴いて。恐れ入ります。有難う存じます。さっそく頂戴しました。
信太周さんからも、稲庭饂飩をたくさん戴いた。恐れ入ります。          2016 2/21 171

* 教徒の桐山恵美子さんから、千本玉壽軒の名菓「西陣風味」に据えて「和三盆」をたっぷり頂戴した。目下、糖尿の方は順調に正常値域を持している。お菓 子もお酒もしみじみ戴いている。食はあまり進んでいないが、むしろ抑えているというて良いか。はらの張りは辛いので、つい。
2016 2/22 171

* 神戸の岡田昌也さん、北陸の貴重な珍味「このわた」などを下さる。お酒がますます美味しくなる。有難う存じます。
2016 2/25 171

* 朝一番に芹沢光治良の娘さん岡玲子さんから美味しいネーブルを沢山戴き、持田晴美さんから山形の純米精醸酒を二本頂戴した。「水滸伝」の豪傑武松ほど瀧のように呑んでも美味いお酒。武松の酒量・食量、底知れないほど豪快。
昨日、澤地久枝さんから、落合恵子との対談本『われらが胸の底』を戴き、妻がさきに読んでいる。澤地さん墨書で「どうぞお元気で」と署名・添え書きしてあった。感謝。
2016 2/28 171

☆ 秦 恒平先生
先生から色々著書をたまわりましてありがたう存じております。 永いこと御礼のお便りを申し上げることも出来ないままで申し訳なく存じております。
と申しますのは (略)
先生はお仕事に元気で過ごされていらっしゃいますお姿を 感動して拝見させていただいております、ありがとうございます。
昨日デパートに久しぶりに参りましたら 父(=元日本ペンクラブ会長・作家・芹沢光治良・日本人初のノーベル文学賞候補)が好きでしたタンカンがとても おいしそうに見えました。ほんのわずかですが 春のビタミンをお召し上がり下さいましたらと存じ(配送を=)頼んでまいりました。 そのうち届くと存じま すが お召し上がり下さいましたら嬉しく存じます。
どうぞお身体をお大切になさっていただけますようにお願い申し上げます いろいろ ありがとうございます。   中野区  玲

* 恐れ入ります、とても美味しい食べ佳い果物ですね、夫婦して喜んで戴いております。
なにかとご心配もございますようで。お大事にごへいあんにと心よりお祈り申し上げます。
2016 2/29 171

* 山形県は純正純米吟醸の山形酒に審査会認定をあたえて大事に送り出している。持田さんに戴いたのはその純米吟醸「最上川」が二本。最上徳内の取材で出向いた山形県また最上川。なつかしい思い出もある。
黒川能まで辿り着かれたとは、敬服。やがては傘寿を迎えられることと。みーんな、齢を重ねてきた。どこまで歩めるか、一歩一歩と思うばかり。
2016 3/1 172

* ところで洋子さんのプレゼント、なんと、お膳に「讃岐うどん」と牡丹餅のような菓子が二つ載っていて、箸が饂飩ひと筋を掬いあげている、のだ。重いめ の透明なガラス台にお膳が載っている。思わずふたり大声で笑いました。讃岐うどんの出汁の香がするようで腹の虫が啼きました。ありがとうございました。                2016 3/1 172

孫姉妹で飾った雛人形
姉やす香はこの年十九歳で亡くなった。

花さそふ風のほのかににほふまで
春はきにけり桃のはやしに  爺

* 七時、雛祭りを祝った妻が久し振りのちらし寿司、蛤の汁、苺がうまく、戴いた絶妙の純米吟醸「最上川」ももう二本目に喉を鳴らしている。
2016 3/3 172

* 高円寺駅ちかくの「ふく玄」で久し振りに河豚を食べてきた。八海山300ccが利いた。妻は、梅酒のようなのを頼んでいた。観てきた舞台をながく話し合った。
バスで練馬へ、そして七時半までに家に帰った。日脚が長くなっていた。
2016 3/4 172

* 昨日はじつに久し振りに吉祥寺へバスで出た。高円寺での開場に十分間があったので吉祥寺の「京極」のような繁華をそぞろ歩いて妻はピザで昼の軽食、わ たしは食欲なく、珈琲だけに。そのあと、店の向かいの古本屋に寄り、見つけたマルキ・ド・サドの適法短篇集「恋の罪」を買った。サドの文学とは、「ジュス チーヌ、あるいは美徳の不幸」で出会っており、さらに読みたいと思っていたので幸便であった。サディズムともいわれてきたサドの違法・適法さまざまな小説 や著述の接してきた「時代」転換への辛辣を極めた反時代性をよく知っておくことは、西欧近代への突っ込んだ理解に不可欠という観測をわたしはよそながら 持ってきた。「ジュスチーヌ」はその期待に刺激的によく応えてくれた。「神」の否認、「自然」の賛美と肯定とが示す抗議の意志は強烈だった。
「恋の罪」四編は、どうわたしの眼の鱗へきつい爪を立ててくるか、期待している。と同時に、前からぜひ読みたかったルソーのベストセラー小説「新アベ ラールとエロイーズ」もブックオフで狙っているのだが、まだ出会えずにいる。このルソーの作はサドの創作による主張と、かなり緊密に響きあっているので は、と、見当をつけているのだが。
2016 3/5 172

* 体調ととのわず、九時、今日の作業は終えることにした。また、明日。とっておき「珠」さんに貰った絞りたての酒が美味い。この送り出しを終えたら飲み干し、もう一本は、十四日にとっておく。
2016 3/10 172

* 帰ってきていたロスの池宮さんとの電話連絡が付かぬまま日が過ぎ、今朝、新橋のホテルから 贈り物の「ロド・パー」や京菓子が送られてきた。申し訳ないことだった。
四国の大成繁さんからも「讃岐うどん」などいろいろ送ってきて戴いた。 感謝。
2016 3/12 172

 

* 帰国中のロスの池宮さんと辛うじて電話が通じた。こちらふたりとも間の悪い風邪気味で申し訳なかった。このところ電話まで不調であったが、すこしの間話せて良かった。送って戴いた「オールドパー」を独りでしみじみ堪能した。妻は風邪の不調で床にいる。
わたしも、明日一日の休養を頼みに、明後日の結婚五十七年を楽しむ歌舞伎座雀右衛門襲名興行に備えて休養したい。
2016 3/12 172

 

* 朝ぬき昼の食事に、赤飯と豆腐汁と美味い酒とで、妻と祝う。
2016 3/14 172

* 朝一番に、村上開新堂の山本社長から、クッキー二缶とべつに綺麗なケーキを頂戴した。開新堂の、まこと豊富な詰めも包装も完璧な美味しいクッ キーは、総理大臣でもお店へ受け取りに来なければ手に入らないと噂にも聞いてきた。幸せなことにわたしは「湖の本」創刊以来、つまり三十年もの久しきにわ たり山本さんを有り難い「いい読者」に得てきた。ちょっと言い表せないほど友情に似た親しさを分け持ってきたと思う。半蔵門前の大通りに以前は「ドーカ ン」という食事のお店もあけてられてて、一度だけちらと調理場の山本さんを見かけ声を掛け合った、ただそれだけの交際だが、温かい身内観をもちつづけてき た。
お心入れ ありがとう存じます、感謝します。
2016 3/17 172

* 夕刻 鎌倉のご夫婦から、「せきや」の、飯にして美味い、鯛、ふぐ、あわびを二人分ずつ十分に贈って戴いた。
近江の名品鮒寿司といい、鎌倉からの鯛、ふぐ、あわびといい、食欲をかきたててご馳走になります。感謝申します。
2016 3/17 172

* 元朝日新聞社で「湖の本」創刊時の恩人である伊藤壮さんから、名酒「越乃寒梅」を二升送って下さった。四月、いっしょに楽しく祝ってくれる酒の友が欲しくなるなあ。 2016 3/19 172

☆ 寒暖定らぬ時節ですが
お変わりございませんか このたびは貴重な私家版『秦 恒平選集 第十二巻』をご恵贈賜わり厚くお礼申し上げます。たしかに拝受いたしましたむ。ありがたく頂戴いたします。
お心のこもった「正真正銘の私小説」の新稿を、「疲労の底で深呼吸」して書き下ろされた想い 深く受けとめ愛読させて頂きます。
心ばかりの御礼のしるしですので、なにとぞご笑納くださいますようお願いいたします。
なお、ご夫妻が敬虔なクリスチャンでおられるとぞんじますが、ご夫妻のご平安とご健康を祈って 石切神社のお百度を踏んで参りました。
ご迷惑と存じますが「お守り」を同封いたしますので
よろしくお納め戴ければ幸に存じます。  京・山科  馬場俊明  詩人

* 一保堂の最上のお茶をたっぷり頂戴し、歓声を。有難う存じます。石切さんのお守りとお札と、わたくしはこういうのもいつも大切に身に添えている方で す、お百度まで踏んで下さり、心より感謝し、日々だいじに過ごして参ります。わたくしどもは基督者でも佛徒でもはありませんが、イエスにもブッダにも真摯 に敬愛を抱いています。いわゆる「信仰」という「美徳」の持ち主ではありません。
2016 3/20 172

* 吉備の有元さんから美味しい「鮒寿し」を頂戴した。早速、「越乃寒梅」の肴に戴いた、美味い。いつもいつも有難う存じます。
2016 3/20 172

* 吉備の名酒雄町米を磨き抜いた極大吟醸「室町時代」一升が、いま、到来。ありがとう、maokatさん。
2016 3/21 172

 

* まだ幼かった少年と母子で四国から転勤上京、もう少年も社会人ではあるまいか。創刊の昔からの久しい読者。土佐文旦とはんなりしたお煎餅を戴いた。感謝。
2016 3/21 172

☆ いつも
素晴らしい御本をありがとうございます。
奥様の御誕生日が四月五日と聞き及びました。
少し早目となりますが、お召し上がりいただければと…。  久間十義  三島由紀夫賞作家

* 叶匠壽庵のすばらしい二段飾り箱入り和菓子を頂戴、感謝。
2016 3/22 172

* 岐阜各務原市の詩人山中以都子さん、お心入れの名酒「三千盛」二升を下さった。有難う存じます。金沢市の作家金田小夜子さんは、お手紙とともに妻傘寿へ有り難いお祝いを頂戴し、お酒の肴にと珍品の干物を何種も頂戴した。三千盛がひとしお美味しく戴けた。
2016 3/27 172

* 妻の従弟から、いつものようによく選んだケーキが送られてきた。
妻も父方母方に親類が多い。妹も健在で「選集」の仕事を、いつもいつも手厚く親切いっぱいに応援してくれる。
兄恒彦が元気でいてくれたら、どのように言うかなあと、見果てぬ夢の儘、さびしく、なつかしく思う。
2016 3/28 172

* 駅近く、珈琲の「ぺると」の隣に出来た唐津ゆかりの「うどん」店が気に入り、今日の午後にも自転車で一走り。軍鶏肉のうどん、サービスよく肉がころころと沢山、美味かったが腹も張った。
2016 3/30 172

* 妻の体調をいたわりいたわり、電車一本で、三田線白金の瑞聖寺へ、やす香の墓石に触りに行った。墓石の裏に刻まれた名前を撫でさすって、やす香、守ってやれなくてご免よと二人で泣いてきた。
白金から三田線で日比谷まで。疲れと空腹とを、久し振り帝劇モウルで妻の希望の儘、鰻を食べた。塩もみのキャベツ、ホタルイカ、生酒、ビール。あとは一本の有楽町線で帰ってきた。

* 京都の羽生さんからいいお手紙と、美味しい棹もの二本の名菓が届いていた。嬉しく。
2016 4/2 173

* やっぱり歌舞伎座の時間は、なんのかんのとゴタクを並べようが、つまりは楽しい。今日もむろん楽しかった。幸四郎夫人とも染五郎夫人とも、番頭さんとも、たのしく話し合うてきた。

* 昼の部がはねてから、ぶらぶら銀座をさすらい歩き、四丁目の靴の「よしのや」で妻が希望の真っ黒いシンプルな靴を買い、帝国ホテル五時開店の「なだ 万」へ入って懐石の「花」と、貼特吟醸純米の「鶴齢」を。酒も最良、料理も繊細かつ上品な献立ですこぶる美味く、満足した。写真も撮ってくれ、お祝いの一 品もサービスされた。靴の「よしのや」でも写真を撮ってくれてお祝いの小土産を呉れた。
「なだ万」のあと五階のクラブへ上がり、メンバーを更改し、ここでもシャンパンで妻を祝ってくれた。

* ゆっくりゆっくり、電車と車で、帰宅。留守番の「黒いマゴ」にも、なだ万の美味い肴の切り身を土産に。
2016 4/5 173

* 浴後、「NCIS」を見ながら、寝入ってしまった。
一つには、雄町米を用いた「極大吟醸」の米の酒「桜室町 室町時代」があまりに美味くて、とめどなく呑んでしまうからで。岡山のとくべつ美味い酒で、この分では三日ともたずに一升飲み干してしまいそう。
2016 4/7 173

* 仙台の遠藤恵子さん(東北学院大名誉教 授)、仙台名物の、はなやいだ名菓のような蒲鉾を、色とりどり沢山下さる。桜室町をしみじみ三日半で飲み干し、いま越乃寒梅の無垢純米吟醸酒が、また、し みじみ美味い。「選集⑭巻」を明日「責了」にしてもいいほどに三校した。この巻は「とっておき」自愛の一巻になる。
2016 4/9 173

☆ 聖名
春がまた 顔を出しました。
昨年は奥様がお具合がわるかったとか、
今年はいかがでしょうか。
お手間をとらせます
朝掘り竹の子です。
御健康 祈念致します。 合掌
追伸
先月から今月 三度の京都行
長女 慈 の結婚
二女 光 の 川島織物テキスタイル への入学と
来月も京都行がふえそうです
京都は いいですね
京都の寺へ入ろうとしてしております  空泉

* 久しいお付き合いで。今朝、大きなダンボールに、お店を出せそうなほど竹の子をそれはたくさん戴いた。春の竹の子、秋の松茸、最高。
2016 4/16 173

* 処方箋をもらったあと、銀座三笠会館でキールロワイヤルの肴にパスタ少し。食欲薄く。あと、向かいのビルの地下でコーヒ-。
校正しながら、丸ノ内線、西武線乗り継いで、帰宅。それでも食欲さして動かず。少しのワインで睡魔が寄ってきた。                          2016 4/18 173

* しばらくぶり、と謂うよりも少々久しぶりの病院だった。妙に暑い日でもあった、聖路加の院内は冬でも十分暖かく、戸外の気温にあわせた格好だと、院内が暑すぎて草臥れることがある。
大病のあと食が進まないのが、進むとかえってしんどいのが、困る。今日も、キールは美味かったけれど、イタリアンの麺は全部は食べきれなかった。
街が妙に珍しかった。しかし、花の賑わいも終えたこと、静かに優しいところへ行ってみたいもの。蟹歩きをしいられる大きな混んだ美術館もつらい。
2016 4/18 173

* 午すぎ、処方薬を薬局へ受け取りに出かけ、ちかくの気に入っているうどん屋へも寄る気だったが食欲がなく食べれば気持ち悪くなる気がしたので、隣り店 の「ペルト」で珈琲をのみながら持っていた校正ゲラを読んできた。食べたくないとは、ツマラナイ。月曜、三笠会館イタリアンの洋麺、美味くはあったのに少 し残してしまった。池袋駅で「京の」と売り言葉の好きな「わらび餅」を買って帰って、すこしだけ食べたのだった。
今日も結局、ワインとビールでボーロを摘んでいたりした。
2016 4/20 173

* 「また、おいしいもん送ったげます」と言い寄越していた京都の「華」さん、すてきにカッコいいバウムクーヘンを朝の内に送ってきてくれた。ありがとう。
高校の茶室雲岫席で茶の湯初歩の手ほどきをした二つ下の後輩が、今日只今もおなじ茶道部をまもり育ててくれている。こどもを育てて貰っているような安堵がある。
あのころの、わたしから手ほどきをうけた仲間達の何人もが、いまも「湖の本」も介していろんな便りを寄せてくれる。もう六十余年になる。不徳なれど孤ではないという私の安心はさほど虚構ではない。
2016 4/22 173

* とり市老舗の竹の子を主にあしらった食菜が、大学の同窓、京都下鴨の澤田文子さんから届いた。美味そう、だが、日本酒をまず買ってこなくては。
2016 4/22 173

* なんとか帰ってきたが、疲れた。保谷駅へついたころ、少し胸苦しくなりそうであったが、堪えてタクシーに乗れた。
検査と診察とには何の異常も認められず、腎臓も肝臓も血糖値も問題なかった。それでも疲れたのに病院を出、薬局を出てから、銀座まで稲妻なりにうろうろ と歩いて、何を食べたい場所もなく、銀座一丁目から池袋へ戻った。あまり空腹も悪しいかと、八階へ上がり銀座アスターで中華懐石風料理をコースで。紹興酒 を200㎜。満腹した。「猿の遠景」を全部読み終え、水滸伝も読み、帰ってきた。
もう八時過ぎている。
2016 4/25 173

* 吉備の人の有元さんから、傘寿の二人で美味しい食事をしてくださいと、勿体ないお祝いを戴いた。身を縮めて、けれど心より感謝しています。お志のま ま、銀座へでも出かけたい。どの店が佳いかなあと思案するだけでも楽しい。いつもいつも、有元さん、ほんとうに有難うございます。
2016 4/27 173

* 駿河の鳥井きよみさん、毎年の新茶を下さる。讃岐の岡部洋子さん、すこぶる柔らかに美味しい大筍を二本も下さる。
2016 4/29 173

* 内分泌科の検査、異常なく。三時半には薬局で処方薬も手に入れ、築地玉寿司本店で美味い酒で上手い刺身を楽しんだ。山口の「獺祭」純米特大吟醸、一合 千八百円、しかし飛びきり美味い。ここは銚子でなく色ガラスの大カップで酒を出してくれる。猪口に手酌より味わいやすい。酒が美味いと特出しの刺身味が美 しいほど冴える。あとすこし握ってもらい、上がりにはきまりの玉を切らせて、ご馳走様。
ゆらりゆらりと杖をついたまま銀座一丁目まで歩いて、一気に保谷まで帰ってきた。持ち歩いていた選集の「校正」もみんな読み上げて、天気も宜しく、行楽感覚で結構な通院日であった。
2016 5/2 174

*「湖の本」創刊三十年を祝って、名酒「久保田」三十周年の純米大吟醸一升を送ってもらった。うまさに、あっという一日の内に五合ちかくを堪能した。感謝。
2016 5/5 174

* 福田歓一元東大法学部長の奥さんから、新茶を頂戴した。
久保田三十周年記念の純米大吟醸を、わたしの湖の本創刊三十年のお祝いにと、川端康成研究者の深澤さんから、一升、頂戴した。名だたる「久保田」さすがに美味くて。あれれというまに飲み干して行く。
2016 5/6 174

金澤の金田小夜子さん、「湖の本」三十年を祝っても純米吟醸の名酒「能登誉」を二升送って下さった。三十年「久保田」を美味さに誘われ、なんと三日で飲み干した処へ頂戴し、有りがたく手を拍った。メロンや苺の美味しい季節、薫風も胸一杯に。
しかし、なかなか暑い新緑でもあるなあ。
2016 5/7 174

 

* 出かけようとして、小雨。傘をひろげりが面倒で、わたしは平気で濡れていった。歯科の帰りも同じく。江古田のいつもの店で妻は甘酢豚などを、わたしはマオ タイ。始めに冷ややっこを、しまいに杏仁豆腐を店がサービスしてくれた。この店は、地元常連さんの談話室のようで。われわれは飛び入り、毛色のかわった客 であるらしい。
結局、わたしは傘ささずに家まで。マオタイ一杯に今も酔っている。強いときは二杯も呑んだが。すこしずつ酒に弱くなってきているが、美味いと呑んでしまう。呑んだアト、暫く居眠りする。目をやすめるのに佳いのかも知れない。
2016 5/9 174

* 各務原のいとこさんから、美味しいお酒「三千盛」を二升頂戴した。伊藤壮さんからも無垢の「越の寒梅」を一升頂戴した。出来れば一升を五日もたせたいが、ま、四日か、美味いと二日三日で明けてしまう。肴、無ければ無くて呑んでしまう。
秦の父は、梅干しがダメで、酒の気はまったくダメな人だった。わたしは酒粕が子供の頃から好きで、母のつくる粕汁が大好きだった。酒に口をつけたのは中 学の折、叔母に連れられ琵琶湖畔、唐崎での栄養剤「ワカモト」の園遊会で、初体験だった。八十年に、四、五度は酒の上でしくじっている。無かったも同じほ ど低率ではあるまいか。
2016 5/15 174

* 鎌倉の橋本夫妻、美味滴るグレープフルーツをたくさん下さる。感謝。嬉しく。
2016 5/18 174

* 吉備のお人 純米大吟醸、岡山の名酒一升を下さる。有難う存じます。
2016 5/18 174

☆ 四国の大成繁さん、蕎麦を送って下さる。
2016 5/21 174

* 京の有栖川の桐山恵美子さんから、まこと美しい大きな大きな「かも茄子」三つと、糠に包まれた「つくね芋」二つとが、ずしっとした重みで我が家へ届い た。世界に誇る名だたる「京野菜」の精霊のように美しい大きな大きな茄子の色とまるみと重み。眼福にも感嘆し、感謝し、茄子大好きな妻は驚喜している。美 しい食べ物 なんという見た目の嬉しさであることか、茄子は、手にふれ掌に慈しんでもまことに色よく心地よい。まんまるい重みまでが美しい。子供の頃、水 桶にいれた茄子を手にし、キュキュっと掌で鳴らして遊んだ。茄子のおいしく漬かったのは、茄子紺の色にほれぼれして好んで食べた。醤油の色ともよく照り映 えた。
感謝します。妻は、どんなふうにして食べるのかなあ。
2016 5/29 174

* 聖路加腫瘍内科の検査と診察。
幸い、長く長く待つことなく、幸い、検査データは穏当で異常はなにも認められないと。主治医の部長先生と暫時「小説」談義も。

* 診察の終わって暫時待つうちに妻が外来まで。過ぎ会計を済ませて、一時半、即築地から松屋横までくるまに乗り、とうどう念願のフレンチ「ボン・シャン」に静かな奥の席を得た。
料理の一々をおさらえする能も気もないが、おすすめの白いチリのワインで食した豊富感あふれる平目と、アスパラガスの前菜二皿が美味かったこと、妻は大 満足。そしてメインティッシュ、わたしは赤ワインもすすめられ、文字どおりとろとろの黒毛和牛の絶句しそうな佳い口当たりと美味に、笑み溢れた。そして綺 麗に贅沢に盛られたデザートと濃い珈琲。オマケに添えられた、なんとも云えず果実のうま味のあまく利いた濃いワインも少々。シェフともいろいろに歓談もし て、満ち足りた。

* やや遅い時間ながら、ぐうの音も出なかったグウな昼食のあと、有楽町のビックカメラで、ウイルスのため大破したパソコンの替わり新品を買い求めてから、地下鉄で帰ってきた。
ただし車内へ乗り込んだ瞬間に、左の脹ら脛が猛烈に痙攣して痛み、堪えかねて一度途中下車して水分をたっぷり補給休息してかろうじて回復させた。食のほ とんど進まないこの頃の過剰な小食のからだへ、どうやら分不相応なご馳走がはいり、体の方で大いに腹をたてたのであろうか。何にしても痙攣の多い脚であり ながら、かつてない痛烈な攣れであった。

* ご馳走負けかなあ。
どんぶりを抱へてだれにも見られずに
立蕎麦を食ふ時が好きなり          岩田正
わたしの心底本音は、この述懐歌の方にやや近いのではあるが。
2016 6/1 175

☆ 六月になりました。
額あじさいがにぎやかに咲き始めました。
可愛らしい綺麗なお干菓子を見つけました、近頃お抹茶がお好みの様で、我が家の買い置きの物を一緒に送りました、明日着く様です。
抹茶は小分けして、残りを冷凍保存したら良い様です、漉して使ったらなお美味しいです、楽しんで下さい。
京の宿、一件、案内の栞を入れて置きました。御所の近くならくに荘とか、京都ガーデンパレス、等が有ります、昔の共済組合の宿です。他に外資系ホテルもありますよ、こんな所かな?
どう動かれますにも、無理をなさいません様、まずはお知らせまでに。   今熊野  華

* 以前なら選者を永く務めていた美術賞のスポンサーに頼めば宿も、らくに、とれたが。なにしろ京のホテルは観光の外国人で溢れているとばかり、聞かされている。京都に家を残しておきたかった。しゃーないナ。
健康のためにもと抹茶を毎日しっかり点てている。小さい頃からお茶を点てるのは得意だった。すこし茶筅をもつ手の振りに硬さが出ているので、せいぜい元 へ戻して、茶碗の底までよくよく点ったお茶を味わいたい。京都には味も見た目もいい干菓子がいろいろに有る。気遣いの濃やかな華さん、いつもよく選んでく れる。感謝。
そういえば、干菓子ではないが、秋には芝翫を嗣ぐという橋之助が、今日、祇園の中村楼・二軒茶屋で祇園豆腐を不思議そうにテレビの画面で食べていた。そ れも懐かしかったし、彼が八坂神社南門が正門だと教わって不思議そうな顔をしていたのも可笑しかった。大方の人はあの四条大路末正面石段上の朱の門こそ正 門だと思うだろうか、どんな神も君主も正式には「南面」するのであり、祇園社正門はむろん拝殿南の下河原通りへ開いた門であり、その門脇に中村楼が昔から 在るというのが、老舗の風情になっている。奥が深い。

* ウーン、懐かしい。
2016 6/1 175

* 京・今熊野の宗華さん、いい抹茶をたくさんと、京干菓子の粋を幾いろも贈ってきて下さった。日々にお茶を点てる習いが根付いて、宇治茶と京菓子の美味しさをまさしく満喫できる。感謝感謝。
2016 6/2 175

* 神戸の岡田昌也教授のお送り頂いた「チーズケーキ」のなんとも濃やかに芳醇の美味、びっくりしている。
また断然の美味、点てた抹茶にまことみごとに合って美味しいのが、「華」さんの送ってくれた{亀屋則克の色美しいいろんな小粒の干菓子。甘くて嬉しくて惚れ惚れする。 2016 6/11 175

* 新座市の詩人田中真由実さんから、味わいも姿も重厚に大きい銘菓「新座(にいくら)」を頂戴した。
神戸の岡田さんからの美味濃厚な「チーズケーキ」も、京岩倉の木谷さんからの「竹水羊羹」も、同じく京の華さんの「亀屋則克の干菓子」も、酒すきなのに根は幼來甘党のわたしには、日々の賑わいのようで。感謝感謝。
2016 6/12 175

* 五個荘の乾徳寺さんから、瀟洒な京「末富」の餡菓子や煎餅をたくさん、また、大学で妻と同窓の澤田文子さんから、京「玉壽軒」の茶と干菓子とをたっぷり頂戴した。「口福」というべし。
2016 6/13 175

* 四国の木村年孝さんから、大きな一箱で美味滴るみごとなオレンジをたくさん頂戴した。四国の柑橘はことに美味しく、健康のためにもとても嬉しく有難い。感謝します。
小田原の津田崇さんからも、海の幸の佳い干物をたくさん頂戴した。わたくし、たぶんに栄養の失調気味が疑われているだけに、有り難いこと。感謝します。
2016 6/15 175

* 澤田文子さんの送ってくれた本家玉壽軒の和三盆製大徳寺納豆入りの落雁「紫野」と、北野老松の「香梅煎」との取り合わせの美味。「紫野」は抹茶とも、まことに味わい似合う。

* 散髪で気分良くなって帰ってきたら、 先代の遠藤恵子さん(医学書院後輩・茶の湯の弟子、前米沢短大学長)から見るから輝いて美しい佐藤錦の桜桃をたっぷりと一箱、頂戴した。美味しく、おひるに頂いて、まさしく我が桜桃忌先駆けのお祝いになった。有難う存じます。
2016 6/16 175

* 帝国ホテルのクラブでもらってきた佳いワインの栓を抜き、前夜祭は小津安二郎の映画「彼岸花」を妻と笑ったり泣いたりして観た。山本富士子が演技賞も のの京娘を浪花千恵子と母子で演じ、佐分利信と田中絹代夫婦に、有馬稲子と桑野通子の二人娘。柳智衆の娘に久我美子。有馬稲子と結婚するハンサムに左田啓 二。
なつかしい、おもしろい、しみじみとした戦後映画、昭和三十三年の秀作。この年の春、わたしは大学院に入り、妻は四回生、そして翌三十四年(一九五九)の春まだきには倶に東京へ出、六畳一間のアパートを新居に結婚したのだった。
以来、五十七年、太宰治賞を受賞し作家生活に入って明日で満四十七年、湖の本を創刊して明日で満三十年。
2016 6/18 175

* 六月十九日 日 桜桃忌 太宰治賞47年 湖の本創刊30年

* 起床8:30 血 圧130-64(59) 血糖値99 体重66.8kg

* 赤飯で祝う。京干菓子、宇治上林の抹茶、二服。
2016 6/19 175

* 山形の「あらき蕎麦」さんから、今年の桜桃忌にも、みごとに粒大きく輝いて甘い「桜桃佐藤錦」たっぷりの二たパックを頂戴した。同じ便で、小滝英史さんから雄町米の名酒「櫻室町」三本を頂戴した。
嬉しく、さっそく桜桃を戴き、萩焼の大盃でしみじみ美味い酒を、三盃。
ホームページを亡き友の美しい花の繪で飾り、桜桃忌を心嬉しく恙なく迎えた。全国の読者、先達、友人知己に、心より感謝申し上げます。
2016 6/19 175

 

* 京都の羽生教授、鶴屋吉信の納涼京名菓を添えて、いつものようにお手紙を戴いた。この方は、いつも読み上げてのお便りを戴くのがひとしお嬉しく有難い。
2016 7/1 176

* 黒いマゴも老境に懸命に耐えている。いま、幸いに、妻がいちばん元気そう。
わたしの今なにより苦痛なのは、食が進まずしいて食べると鳩尾の辺が膨満気味につらくなること。ワインとビールとが口に合わない感じで、日本酒とも一週間ほど払底の儘に離れている。珈琲、紅茶も遠慮して、もっぱら抹茶を点てて自服している。
2016 7/1 176

* 伊藤壮さん、濁酒どころか、お心入れの名酒「越乃寒梅」をまたまた、二升下さる。感謝感謝。
同窓の西村明男君、名古屋の両口屋是清の菓子をとりどりに沢山送ってきてくれた。ありがとう。
2016 7/2 176

* 中学以来ほんとうにお世話になり続けた亡き橋田二朗先生の、お嬢さんで染織家である有子さんから、また弥栄中学での同級、「お父さん、繪を描いてくだ さい」の冒頭で、清掃担当をサボる男性とを音楽室からモップで勇ましく追い出していた少女の横井千恵子さんからも、京の、いと涼しげなお漬け物をたっぷり と頂戴した。酒の肴にまことに有り難く。 感謝、感謝。
また元岩波「世界」の編集長だった高本さんから、みごとな夕張メロン二顆を頂戴した。
2016 7/3 176

☆ 暑さお見舞い申し上げます。
ぎをん祭りの行事に入ると急に暑くなりました、お変わりありませんか。
今日は、色々と用事が出来て暑い中外出しました。
帰ったら、選集第14巻が届いてました、何時も有難うございます、沢山頂きました。
私も今日佃煮をお送りました。食欲が無いとか! おもゆかお粥に添えて、お米の力を頂いて、体力を付けて下さい、体力が付いたら、秋に帰京出来たら? と思っています。
くれぐれもお気をつけて下さい。   京・今熊野  華

* ありがとう。 いただいたお茶を毎日点てています。干菓子が、ピタリです。お元気で。
2016 7/4 176

* 上越の光明寺さんから自然薯蕎麦をたくさん、また京都の加門さんからは白粥に添えてと好物の佃煮や塩昆布を頂戴した。ちにかく、この朱明の夏、しっかり食べるべし。  2016 7/5 176

☆ 「第十四巻」拝受。
「懐かしくも心嬉しくもある」一巻です。
先行の「四度の瀧」は、そこに添えられていた年譜、昭和五十四年七月の項に、紀伊国屋で初めてお会いした記述があります。それが作品の印象にもつながって 前記の思いを誘うのです。
あれから四十年、あたたかいお心をいただいています。
今は人様にご迷惑をかけないようにという心がけだけの毎日です。 受取を兼ねてお礼まで。
天の川今年も半ばすぎしかな  万太郎
半夏生草が色づく(?)ころ、梅酒づくりのためとかで、ハチミツの売り出しがあります。例年まとめて買っていますが、「嬉しかった」というおことばをま(傍点)に受けて、暑中(残暑)お見舞としました。
お大切に。   能美市  井口哲郎  前石川近代文学館長

* ありがとう存じます。ハチミツも、いつも夫婦していろいろに頂いております。元気の源です。
井口さんは、刊行中の選集のために「秦 恒平選集」の本体・函の背に有り難い書を書いて下さった。目の真ん前にはや十四巻 ずらっとまことに美しく本が並んだ。
2016 7/6 176

*  文化出版局の中野完二さん、朝一番に、大吟醸「大和櫻」を下さる。
先日来、朝日新聞社の伊藤壮さんに頂戴した無垢純米の「越乃寒梅」を心底楽しんでいた。やはり安い生協のワインや缶ビールとちがって名酒の無垢はおいし い。とにもかくにも家の中ででも熱中症は怖い、われわのように手足の痙攣痛に悩まされやすい者には、飲食にも冷房にも用心が大切と思っている。偏頭痛も、 いわば屋内熱中症の気味であったろうか、昨夜中から明け方へ頭痛が嵩じそうであったので水分とともに、常はぐっと控えているロキソニン一錠を服したのが、 よく利いてくれている。
2016 7/7 176

* 妻の女子中・高校からの親友市川澄子さんから、北海道、青森また九州の果実ジュースを沢山頂戴した。
2016 7/8 176

* 昨日の歯医者の帰りは、ま、愉快であった。五時に十五分もまえに江古田まで戻れたので、ブックオフの岩波文庫を物色したが欲しい本が無く、五時過ぎに。 「中華家族」でマオタイかと思ったが食欲無く、それならとまだ相客のないスタンドバー「ボルボ」で、美味いウオツカをダブルで二杯、佳い赤ワインを一杯、 少し校正もし、おしゃべりも楽しみ、もうその足で保谷へ戻った。すこし食べようと、歩いて寿司の「和可菜」へ入り、生牡蛎をふたつ、とろやうにやすずきな どをすこしのシャリで。徳利で二本、この店自慢の三千盛をつごう三合ほど美味く呑んだ。開店のムカシから何十年も通っていて仲良しの店、さて帰るというと 女将さんが来るまで家まで運んでくれた。上機嫌に、ひさしぶりに酔えた。
2016 7/9 176

* 朝一番に、神戸の岡田昌也さん、見るから美味そうな焼きあなごを八本も送って下さった。栄養も美味も満点、これは酒の友とも主とも、健康のためにも、大いに有り難う存じます。
意地きたないようだけれど、わたしの日々は、このようにして読者の皆さんに賑わわせて頂いており、励まされている。感謝に堪えません。

* 村上開新堂の山本社長、美味いクッキーがびっしりの大きな一缶を下さる。夏場は生菓子はおやすみですが杏の菓子をつくります、また送りますとお手紙。感謝。伝統の老舗の美味、いささかも飽きない。食の進まないときには絶好の主食にもなってくれる。

*  詩人の山中以都子さん、超特無垢の「三千盛」一升に添えて2016日本の夏 旨い酒「三千盛れいじょう(冷醸)」純米大吟醸を下さった。有り難し。「越 乃寒梅」「赤磐雄町」そして「三千盛れいじょう」と、最高級の美酒を抱いて、けわしい夏を乗り越して行きたい。京「はれま」のチリメンジャコが恰好の涼し い肴になってくれる。
2016 7/10 176

* 病院へ十二時につき、二時間半、外来で「選集⑰」の初校に打ちこんでいた。諸検査データは血液も尿も良好、血糖正常、貧血無く、肝臓も腎臓も問題なし と。次は十月。三時過ぎに病院を出たが処方の薬局で小一時間また待ってからガンガン照りの築地をよたよた歩いて、投げ出すようにみな諦めて新富町で地下鉄 に乗った。二台待って乗ったが西武線へは入って呉れないので、池袋で下車。乗り込んだのが前の方であったか、改札外は東武の地下。なら、と、疲れからはん ぶんヤケ気分でメトプラを外へ出てメトロポ地下のステーキの店へ入った。
脂ののった上乗のサーロインを注文し、デキャンタで赤ワイン。酔って満腹して、アリャラ無事に帰れるかなと思いながらラッシュアワーの満員西武快速に立ったまま石神井まで、保谷への各停に乗り換え、暑いタクシー乗り場の幸い先頭で、無事に帰ってきた。 2016 7/11 176

* 野澤利江さん、心づくしの美酒三本と酒肴いろいろ、送ってきて下さった。

* 高麗屋松本幸四郎丈 夏向きに美味さ行き届いて念入りの生蕎麦を、たっぷり送って下さった。
食べる それがこの夏の大きな私たちの課題である。食べねば弱る。
2016 7/13 176

*  朝一番に、国際ペンの常任理事堀武昭さんから銀座で専売の資生堂洋菓子をたくさん、元京都新聞記者でエッセイトの杉田博明さんから観るから涼しい京の夏 漬物をたくさん、大阪の読者河野能子さんから大好きな京・亀屋良永、軽妙無比の御池煎餅を二缶も、また金沢の作家金田小夜子さんから名酒能登誉の純米大吟 醸二升を豪儀に、また吉備の有元毅さんから珠玉の葡萄ピオーネの大房を戴いた。嬉しく、感謝申します。
2016 7/14 176

* 一時半過ぎて、西武線を所沢まで乗り、飯能まで乗り継ぎ、さらに秩父まで乗り継いだ。二時間ほどかかったか。正丸を越えて秩父へ近づくにつれ懐かしい日本の山原が穏やかに居流れ、窓にまぢかい小草の静かなそよぎにも、胸打つ命のときめきを覚えて嬉しかった。
秩父の駅近在には、心惹くなにも無かった。トンボ返しに特急で秩父を離れ、たそがれの山の色に心惹かれながら、結局、また所沢で下車して、デパートの八 階へ上がり、朝も昼も抜きだった空腹に食べ物をいれてみたが、まったく旨くなかった。赤ワインだけを、この前といっしょにデカンタで、さほどの量でもなく 喉へ通して帰ってきた。
ひさしぶりに電車の遠乗り、それはそれなりにこころよかった。

* 「吉備の人」にまたも頂戴した葡萄の「ピオーネ」の美味にそと出とお出の疲れが癒えた。美味い物はじつに美味い。
2016 7/16 176

* 小雨の中、妻と、駅前へ出て、印刷所への選集⑭支払いを済ませ、唐津のうどんを昼飯にしてきた。店主が、かねて気に入っていた唐津のぐい呑みを気前よく呉れたのには吃驚し感謝した。となりの喫茶店「ペルト」が喫茶営業をやめ、焙煎専門になっていた。小雨の中、ゆっくり歩いて帰った。

* 「れいじょう三千盛」を、唐津のぐい飲みでぐいとやった。酔いを発し、寝入った。目ざめたら、大相撲名古屋場所十二日目の幕内土俵入りをしていた。         2016 7/21 176

* 元朝日新聞社の伊藤壮さん、すばらしい大桃を八顆も送って下さった。夏の果物の、桃と葡萄は、王のよう。吉備から戴いたピオーネの二房の美味しかったこと、言葉にならない。桃、一両日おいて食べるようにと。勿体ないような色と匂いと。感謝申し上げます、
2016 7/22 176

* 小松市の矢代啓子さんに、金沢森八、夏とびきりの名菓「葛切り」をたっぷり頂戴した。京の葛切りを戴きおえたところへ、金沢の名品、嬉しいこと。
2016 7/23 176

☆ 寒暑有代謝
宗 遠様   夕時家に戻ると階下で町内会の夏祭りをやっていて、裸電球のぼんぼりに子供達の浴衣姿が照らされていました。夜には向かいの札幌ドームで花火が 上がり、間近で音と光を楽しみました。いかにも夏らしい風情でしたが、風は冷たく、職場に戻ると気温は18度になっていました。
寒暑有代謝    (寒暑ニ 代謝アリ)
人道毎如茲    (人道モ ツネニ カクノ如シ)
仕事柄、地球温暖化に対応する研究も手がけていますので、南の酷暑・豪雨と北の冷夏は気になるところです。
「寒暑有代謝」は文字通り天然自然に振り回される農業の姿であり、「人道毎如茲」は農業研究に従事する自らの姿、悩みでもあります。
但し私はお酒が飲めませんので、茶を喫するのみですが。
箭のごとく過ぎ去ってゆく今は、後で思えば貴重な時なのに、ただ雑事に追われ無為に過ごしているような気がしています。
なにより、奥様共々お元気で過ごされますよう。
またいつかお目にかかれますことがありますよう。  札幌市  宗哲

* maokatさんが「茶名」で呼びかけてきたのは初めてかも。この農業研究者は、風雅の気味をただよわせた創作や文章も書かれ、何編も、わたしの電子 文藝館 「e-文庫・湖(umi)」 に掲載されている。また、そのような宗哲さんらしい述懐の文章が読みたいなあと思ってきた。
大事な事へ「背を向ける」危うさは言うまでもない、が、それだけに、静かな内奥に風雅をやしなう気力はとても大事と思っています。
宗哲maokatnは、お酒はやらないが、ふだんに、お茶を点てていると。生来の好み、よく聴いて知っている。彼はたしか表千家流。
わたくし 裏千家の宗遠hatakn も、この二月近く 毎朝お茶を点てて、妻に一服 わたしは二服 かならず喫している。茶筅をよく用いて底の底まで濃やかに泡立て、そのふっくらと盛り上 がった美しい茶を美味しく戴いている。さすが茶筅はすこしずつ消耗し、お茶は残り少ないまで幾缶も服してきた。補充はデパートで。よくよく喫茶は身に適っ ており、菓子もいつも頂き物があって有り難い。

* わたくし、しかし宗哲さんとちがい、お酒も大好き。この一と月足らずに、越乃寒梅、青磐雄町、大和櫻、三千盛そして今は二升の能登誉、これがまたじつに旨くて、ぞっこん惚れている。惚れるとは正にこういう事。
しかも、酒茶論の古来落ち着くところ、いつも両方が佳いと結論されてきたように、お茶とお酒とはじつにうまく合う・適うのです。そのことを、中学高校大 学の昔に此の宗遠めは、実践し承知してきた。幸せという感懐の「酒茶」は嬉しい一象徴なのである。しかし人には強いません。宗哲さんも、どうぞ奥様ととも に健康でお幸せに。

* 四国の大成繁さん、甘みたっぷり、大好きな白桃を六顆送って下さる。ありがとう存じます。
2016 7/24 176

* 福田恆存先生の奥様から食が進むようにと海産物を、能の梅若万三郎さんからは夏の涼菓を頂戴した。恐れ入ります、感謝申し上げます。
2016 7/27 176

* 村上開新堂の社長から、杏の夏菓子を今年も戴いた。有り難う存じます。

☆ ようやく梅雨明けが発表されました。
もっと前でもよかったのかと思っておりましたが(蝉の啼き方で) 急に日ざしが眩しくなり納得いたしました。
これからは猛暑になるとのこと 御身くれぐれもご大切に。
前に申し上げておりました 杏の半生菓子を別便で送らせていただきます。 道

* 鎌倉の橋本ご夫妻から、銀座千疋屋のジュース二種を頂戴した。
2016 7/30 176

* でかける気でいながら十一時過ぎ、潰れるように黒いマゴのそばで倒れ臥して二時過ぎまで熟睡(と云っても夢を見ていたが)。ガクっと疲労している。戴いた杏菓子をダージリンで。濃厚に美味い。からだが火照るように暑い。冷房の効く機械の前へ這うようにあがってきた。
2016 8/6 177

* 病院の諸検査は上乗であった。週に何度か三十分ほど歩いて下さいと。毎日十分間でもいいですと。 多年聖路加へ通っていて、今日ほど待たされず速やか に二科の診察が終えたなんて、ウッソーという感じ。薬局で処方薬を受け取り、銀座松屋うら「ボンシャン」の昼飯に悠々間に合い、そればかりか帰宅して三時 の天皇さんのがお言葉もしかと聴き得た。
2016 8/8 177

* 「湖の本131」責了の用意を終えた。相手方は夏休暇に入っているかも。わたしには休暇は無い。今朝からも幾種類もの「仕事」をしてきて、やがて六 時、夕食。いまは食事ときいてちょっと胸高鳴るといったことが無い。妙な食べ方をしてしまうとお腹が重苦しくつらくなったりする。つい、スープっ気のもの を望んでしまう。バラの飯よりは煮つめた粥の方が食べいい。色彩にも悩まされる。以前なら美味しそうと乗り出した、たとえばカレーやシチュー色の濃い食べ 物に、顔をそむけてしまう。
2016 8/11 177

 

* 岡山から、地酒の四合瓶が届いた。このところ渇いていたので、すぐ和可菜から刺身をとりよせて。酒も魚も美味く。
食が進まず、カアサンに医者へ抱いて行かれた黒いマゴも、肴をすこし食べた。肝臓も腎臓もいけないけれど、肺と心臓と、口腔内は綺麗ですと。体重はまた700も減って、かつがつ2キロ。暑い夏を、どうか乗り切って欲しい。
2016 8/15 177

* しばらくぶりに近くのスーパーで純米酒を選んで買ってきたのに、こっちの体調かも知れず美味くなくて、折角あつらえた肴もひきたたず、落胆。
2016 8/25 177

 

* 朝一番に、村上開新堂主人からお手紙を副え、例の、バラエティに富んでじつに美味しいクッキー一缶を戴いた。嬉しく、感謝。
2016 8/27 177

* 朝一番に、宇治の水谷(佐々木)葉子先生、宇治茶をたっぷり送って下さる。
わたしは子供の頃から親が「茶くらひ」と謂うほどよくお茶をのんだ、戦時中でたいそうなお茶ではなかったが、番茶大好きだった。いまでも変わらない。こ の半年余は、毎朝自分に二服、妻に一服ずつ抹茶を点てて服している。叔母の稽古場このかた抹茶も大好きで、もう欠かせない。抹茶は、茶碗で茶筅をつかって 点てている。わたしの流儀では茶筅をしっかり用いて濃やかに茶をたてる。五年生頃から叔母らに「恒平のお茶は美味しい」とおだてられては頻りに茶をたて茶 の稽古に励んでいた。叔母の弟子達にも高校生の頃は代稽古で教えていたほど。宇治の抹茶は、さすがに美味しい。
2016 8/28 177

* 金沢の金田さん、高名なすばらしい葡萄「ルビーロマン」を、所沢の藤森さん、父上亡き島津先生の愛飲された郡上布屋の名酒「元文」を、調布の中野さん、 「やまと櫻」大吟醸金ラベルを、練馬の持田さん、選り抜きの和製ワイン二種を、 花が咲いたようにそれぞれ嬉しく頂戴した。有り難う存じます。

* もと朝日新聞の伊藤壮さん、越乃寒梅 三升 下さる。なんと心強いこと。少しずつ(日に、二、三合ずつ)戴く。秋へ向かう酒はひとしお美味くなる。
2016 8/31 177

* 京都の画家林康夫さんから、選り抜き、美しいほどの京の漬物各種を、お手紙添えて頂戴した。
お漬け物だと、茄子も小さい頃からむしろ喜んで食べてきた。お酒のアテにも恰好の妙味で、粋な味わい。
煮さえしなければ、(煮ては、サンザンの気味悪さだが)、茄子はなんと美しい野菜だろう。丸くても長くても。そして茄子の花の優しいこと。茂吉の歌に幹 のまま腐れている「赤茄子」というのはトマトだろうと受け取ってきたが。トマトも、真夏の汗みづくで家にかけこみ、井戸水に冷やしたのへとびつくようにか ぶりついた季節感、なつかしい。日焼けし上気した少年の口に赤いトマトは繪になって似合った。
京の新門前にあった我が家には、かなり深い井戸があり、釣瓶で汲み上げる井戸水は真夏でも冷やっと手をひくほど冷たかった。なぜか「一閑人」のように井戸を覗き込むのが少年のころ好きだった。他界への通路のような気がしていて、そんな掌説も後年に書いた。
奥の部屋のそとに、山茶花や笹に囲まれた、ま、あれで畳一枚ほどの泉水があった。金魚やちいさな鯉をだいたい十尾ほどいつも放していた。泉水とは名ばか りでわき水ではなく、それで年に何度か水を換える、その役は少年のわたしがした。古い水をバケツへ何十杯もくみ出して井戸わきの「流し」へ流し、井戸水を 何十度も汲んでは泉水に満たした。そんな作業の前には小魚たちをつかまえてワキへよけておかねばならない、それがまた楽しい遊びでもあった。

* もの忘れひどく、ことに固有名詞を忘れ果てて困惑することが増えたが、新門前時代は、つまり京都で暮らした時代は、おおかた、しっかり記憶が甦る。上のような断片をも湧くにしたがいちとちと書き置くのも、人さまはしらず、わたしには佳い滋養かもしれない。
2016 9/4 178

* 病院を出ぎわに家へ電話した、黒いマゴは静まりきって寝ていると。慌てて帰らなくてもいいわよと言うので、朝食抜きであったから、「ボンシャン」で昼食。みごとな前菜、海老の料理と、メインは黒毛和牛のステーキを頼み、ワインはソムリエにまかせて美味い赤を二杯。デザートと例の濃い珈琲。美味かった。
銀座一丁目からストレートに保谷へ。
ところが駅前タクシーが来ない。照りつける日盛りに立ちつくしたまま一時間、定時バスを二台もやりすごして頑固にガンバリ、あわや熱中症かというまで待って待って、かろうじて家に帰れた。美味い昼食を摂ってなかったら斃れていたかも。
2016 9/6 178

* 永楽屋のいいお菓子、大徳寺納豆などの珍味、たくさん戴いた。毎朝の自服の抹茶がひとしお美味しくなります、ありがとう。
2016 9/6 178

* 大学同窓、妻の親友奈良の阿部陽子さんから、豪勢な純米大吟醸を二本戴いた。
2016 9/8 178

* がっくり気落ちして寂しい夫婦は、三時過ぎ、土の下でモコやノコと出逢ったであろう黒いマゴに、出かけてくるよと声を掛け、まず、江古田まで。銀行 で、一つは凸版印刷に選集⑮巻の支払いを、また染五郎の「そめいろ」へ九月歌舞伎の支払いを済ませてからも二丁目の歯医者へ。娘のような女先生にもっと大 事にしなさいと痛いねじを巻かれてきた。それでも歓談し、ドア外まで出て見送られてきた。
バス、新江古田駅で途中下車し、久し振りに「リオン」でゆっくりフレンチのディナーコースと赤ワインを味わってきた。ブックオフにも立ち寄り、「聊斎志 異」分厚い上下巻を千円足らずで買ってきた。古今のいわば怪談、珍話、寓話の満載本で、日本語訳がすてきに宜しく、無類に面白い読み物として永く愛読でき る。
2016 9/9 178

* 仙台の遠藤恵子さん、昔の同僚、のちに米沢短大学長の遠藤恵子さん、仙台名品の三段重秋を彩るもごとな蒲鉾をたっぷりと送って下さった。また京都の同窓澤田文子さん、特製の鰊蕎麦を下さった。食の進まないわたしに、有り難い栄養源です。有り難く。
2016 9/10 178

* 村上開新堂さんから秋の特製の生菓子をいろいろに送って戴いた。神戸の信太周さんから稲庭饂飩一箱を頂戴した。
2016 9/13 178

* 神戸の岡田昌也さん、緑鮮やかなカボスを山のように送ってきて下さった。あらゆる食事に惜しみなく賞味させていただく。食が進むだろう。
2016 9/14 178

* はねて八時半。日比谷へ走って、久し振りにクラブ入り。シーバスリーガルをダブルで三杯、暫くぶり、いや久し振りのウイスキーが美味かった。妻はちいさいビール。おきまり、エスカルゴ、そしてサイコロステーキ、これが美味かった。満足して、帰路に。帰宅して、十一時。
やっぱり玄関から家の中へ、「タダイマぁ。帰ったよう、マーゴ」と呼んだ。
2016 9/15 178

* はねて八時半。日比谷へ走って、久し振りにクラブ入り。シーバスリーガルをダブルで三杯、暫くぶり、いや久し振りのウイスキーが美味かった。妻はちいさいビール。おきまり、エスカルゴ、そしてサイコロステーキ、これが美味かった。満足して、帰路に。帰宅して、十一時。
やっぱり玄関から家の中へ、「タダイマぁ。帰ったよう、マーゴ」と呼んだ。
2016 9/16 178

* 美味い葡萄にたっぷり恵まれ、大きな粒を三つも食べると一食が補える。心賑わって有り難いこと、読者のお気持ちを純粋に頂戴できる。
2016 9/17 178

* 名大名誉教授の山下宏明さんから、身に沁みるお手紙を戴いた。
鎌倉の橋本美代子さん、湖の本131の払い込みに添えて「黒いマゴ」に花をと過分のお心遣いを戴いた。昨日には甲州の葡萄をたくさん頂戴していた上に。
木津川市加茂の従弟岩田孝一君から、珈琲豆や碾茶をたっぷり送ってもらった。
2016 9/17 178

* 起床6:30 血圧136-70(56) 血糖値93 体重66.6kg

* 黒いマゴたちへ声をかけてから、湯を沸かし、美味い葡萄を四つ五つ含んでから、茶をたて、二服した。インシュリンも四単位注射し、十余種もの薬も服しておいて、二階へきた。すこし、まだ眠いかな。
2016 9/18 178

* 暁けの五時半ころから眼を覚まして本など読んでいたので、晩七時を回ったばかりだが、躯を横にしたい気分でいる。
無意識にとはいえないが、七、八、九月、ずいぶん酒を飲んできた、七、八升は飲み干したようだ、固形のもの、細いもの、細かいもの、堅いもの、が食べに くい。強いて食べるとモ胃袋のない細い鳩尾辺で食べた物が溜まって息苦しくなり、えづいて戻しかねなくなる。つい流動性の飲み物かそれに近いモノへ逃げ込 むことになる。食べる物がきまらず、妻も困りわたしも食事を楽しまなくなっている。宜しくない。 今晩は冷や奴とみそ汁、ワインで済ませた。
2016 9/21 178

* ようやく雨の音が絶えたか。
湖の本132 初校も送り返し 選集19も 入稿したし。このところかなり肩が凝ったが、まずは選集18の初校を進める以外、「書く」方へ方へ少なくも 九月中精力が掛けられる。熱海までぐらいなら、昔も一度出かけたように新幹線で、出かけても好い。横浜中華街なら保谷からまっすぐ行けるが、食欲は湧かな い。マオタイでも紹興酒でもうまい酒は飲めるけれど。
十月は二十日過ぎまで、また、いろいろに追われる。
2016 9/23 178

* 故紙出しを手伝って、抹茶二服。

* 各務原の「都」さん、名酒「三千盛」二升下さる、有り難し。幸い憂さはないが気の沈むときや惑うときはある。ニゲルというのではないが、玉箒の身のそばにあるのは、有り難い。感謝。
2016 9/28 178

* 終えてすぐ劇場を出て歩いていたあとを作・演出家の建日子が追いかけてきた。路上で、数分
話しあって別れてきた。池袋駅前の老舗の「服部」で久し振りにカレーと珈琲を。妻はハデなアイスクリームを。
家ではネコ・ノコ・黒いマゴが三人で仲よく留守番をしてくれていた。安心。一つ家の内でまぢかに少しも変わらず、みな一緒に暮らしている感覚が嬉しく、しょっちゅうテラスへ目をやっては声を掛け合っている。
2016 9/30 178

* 幸いほぼ遺漏無く七日からの送り出し用意が調った。明日は、ただもう処方のお薬を貰いに行くだけの通院、水曜の通院は胃癌の全摘術後満五年に半年を余 すだけの通院なので、その検査は気に掛けている。何れも、大方午後は解放されるだろうと、サテ。浅草「米久」の特上すき焼きなどへ久々に気が惹かれるが。 根岸柳町の洋食「香味屋」へも久しく行っていない。涼しい映画館で昼寝しながら洋画の温和しいのなんか観てもいいか。結局は、まっすぐ家に帰るかなあ。外 へ出ていれば、いつもの例で待ち時間の長い病院通いでは「校正」という仕事は願った以上にはかどるのが普通。それで通院は、さして苦にしないわけだが。東 京は散歩を楽しめる場がまことに少ないのが、難も難。
2016 10/2 179

* 二時前、築地「宮川本廛」の名酒宮川で蒲焼を。鰻よし酒もよし、赤だしもよし。腹も張らず、心地よく帰宅。
しかし、やはり疲れていたか、晩八時まで熟睡。朝かと思った。
2016 10/5 179

* 京都「とらや」の甘い菓子を送ってもらった。さっそく戴いた。感謝。
2016 10/6 179

* 映画館は、かつてやはり妻と「真珠の耳飾りの少女」を観たところだった。ルミネのその八階が食堂街としてむかしの何倍もの店がたち、若い客に溢れてい るのにビックリした。映画の後、「ライオン」でステーキを注文したが、肉の味がしなかったのは残念。ビアホールで美味い肉をと求めるのが間違っていたか。
それでも、いい半日を池袋で楽しんで、心地よく、黒いマゴたちのため小さな鉢の花を土産に買って、二人で帰ってきた。

* 急に秋深まってきて、ウカとしていると冷えを覚える。
2016 10/10 179

* 国会図書館、天理大、日本近代文学館、昭和女子大学、神戸松蔭女子学院大学から受領の挨拶があった。
島津忠夫先生のご息女より「母袋燻り豆腐」を頂戴した、まことにオツなもので、日本酒にもワインにもよくはまって美味しいのに驚いた。有り難う存じます。
四国丸亀の大成繁さん、出汁もついた讃岐うどんをたくさん下さった。感謝申します。
2016 10/15 179

* 国立劇場で、十、十一、十二月に「仮名手本忠臣蔵」を全部通しで演る。今日は其の大序から四段目大石城明け渡しまでを観てきた。左団次が、高師直と石 堂とを演じて出色。梅玉が塩冶判官、秀太郎が顔世御前、言うまでもなく幸四郎が大星由良之助。加古川本蔵を團蔵が渋く演じた。
席の真ん前に壁のように背高な女性客にならばれて堪えた。

* 保谷へ帰って、妻と、「和可菜」で寿司の肴を。

* 留守に、吉備の人から名酒を戴いていた。
2016 10/16 179

* 葡萄の房を、有り難く頂戴した。皮のママでも、風味豊かにとても美味しく戴いています。
2016 10/17 179

* 柏木洋子さんから、色とりどり沢山な青森の林檎を頂戴した。心賑わうひびを素直に喜んでいる。
これで眼がすっきり見えると好いのだがナア。眼鏡を三つも重ねていたり。半盲という感じで、手に負えない。寝入ると、すこし回復する。朝の目ざめ時は、ウソのように世界がクリアで。
2016 10/19 179

* 朝いちばんに、鎌倉の橋本さん夫妻から蒲鉾を、上越光明寺の黄色瑞華さんからは新潟コシヒカリ一袋を、頂戴した。感謝。
2016 10/21 179

* いい席を用意してくれていたが、冷房が降ってきて、寒かった。二時間余りの舞台の途中、二度腕時計をのぞいた。体調の落ちて行くのがわかった。夕食抜きで出てきたのも堪えたか。
妻と雑踏の夜の池袋をのがれ出て、西武八階の食堂街へあがったが、今夜も、うまい食に当たれなかった。不味い牡蛎フライだった、ビールで呑み込んできた。
2016 10/21 179

* 村上開新堂の山本社主よりお手紙添えて、おいしさがギッシリ詰まった大缶を戴いた。
たとえ総理の注文でも、配達はしないという、お届けは宮中だけと聞いてきた老舗の中の老舗。「湖の本」が取り持ってくれた心温まるご縁を喜んでいる。
2016 10/29 179

* 三軒茶屋で、松本紀保ほかの「治天ノ君」を観てきた。二時間半、幕間のない舞台が、速いと思うほどに推移して、能のように完璧・簡潔な構成と演技、明治と 昭和にはさまれた大正ないし大正天皇への優れて深切な理解、大正をはさんだ明治と昭和ないし明治天皇と昭和天皇に対する適確な表現と優れて辛辣な批判が、 劇作・演出・演技の三面からみごとに実現されていて、感嘆した。りっぱに藝術的・創造的・批評的な舞台であり、初演時、讀賣演劇大賞選考委員会特別賞はじ め優秀男優(西尾友樹)・女優賞(松本紀保)、優秀演出家賞(日澤雄介)を總なめしていたのが「当然」という、感銘深い秀作であった。遠くまで出かけて良 かった。最前列中央角席を用意してもらえていて、わたしにも、舞台や演者がよく見えた。
幕の後、ロビーで主演女優と会える段取りがされていたけれど、雑駁な挨拶をしてしまってはいけないので、遠慮し、失礼してきた。
池袋まで帰り、西口のホテルで食事してきた。赤ワインとシーバスリーガルのダブル・ストレートで、シーフードのコースを味わってきた。幸い食べやすかった。
2016 11/3 180

* 京・山科の詩人あきとし・じゅんさんから、素晴らしく大粒の、栗そのものの形を生かした美味い菓子を戴いた。栗といい柿といい、松茸といい、日本の秋、日本の自然の恵みは、まことに優しい。
2016 11/4 180

 

* 下関の大庭緑さん、お見舞いにと、下関の名品「雲丹」二瓶と下関名菓をいろいろ下さった。美味い物はやっぱり美味いなあと嘆賞。感謝します。
2016 11/5 180

* 能「野宮」へ、出かける。往復、怪我なきを期して。

* もう、能に魅入られるには老耄 体力が足らなくなった。視野は良かったのだが舞台へ視線が遠く、しっかり見えないので疲労も加わり、二時間余の能が観られなかった。先日の「治天ノ君」は最前列に席を貰っていたので二時間以上の舞台が苦にならなかった。
はじめて能を観たのは高校生のおりで、観世流大江又三郎の大江能楽堂だった。金剛能楽堂でも観ていた。以来六十年余、とうとう能の「卒業」を余儀なくされた気がする。
疲れたので、野村萬の狂言と友枝雄人の能は失礼して国立能楽堂を辞してきた。
秋晴れの千駄ヶ谷から、新宿御苑にも沿い新宿高島屋まで杖をついてゆっくり歩いた。十二階に上がって、「つな八」で天麩羅を。しかし、あんなに好きだっ た天麩羅がほとんど口に合わなくて。校正しながら出てきただけはおよそ食べては来たが、美味くないというよりむしろ苦痛だった。これは「つな八」の責任で はない、わたしの口も腹も異様なのだ。
満員の山手線、親切な若い女性に席を譲ってもらった。
池袋で降り、なにとなく間近な東武デパートへ入り、仙太郎粒餡の大きなお萩を一つ買い、一口味わってから西武線で帰ってきた。
ひまさえあれば石版画の詩人、織田一磨について読んでいた。
2016 11/6 180

* 八時半過ぎてでかけ、十二時前に病院を出て来た。何処かで食事をと思いつつ何処へ寄る気もせず、歩いて歩いて有楽町から保谷行きに乗って帰ってきた。京の若菜屋の大きな栗菓子を二つ持って出ていたのを、ペットボトルのお茶で、昼食に代えた。美味かった。
さ、明日一日やすんで、明後日から「湖の本132」三十年記念の結びの一冊を送り出す。
「選集」第18巻の再校が出そろってきた。

* 要するに、胃全摘患者はかぎりなく腸閉塞の危険を身に抱いているのだから、閉塞を誘発しない食事に徹するしかないということ。細まっている 腸に詰まりかねない食い物は徹して避けるということ。半ばは意図して酒類で熱量を補ってきたのは是としても、胃が無くて腸から直接の吸収がはやく酔いがま わることだけを勘定に入れ、一時の大酒は慎まねばならないが、呑んではならんとは云われていない。やれやれ。
2016 11/9 180

* 京都の秦母方従妹から入退院へのお見舞いがあった。ありがとう。名菓、いずれも大の好物です。
2016 11/14 180

* 十一時をまわった。目もまわっている。とっておきの有元さんのお酒もきもちよく回っている。
源氏物語は「少女」の巻。夕霧と雲居の雁のおさない恋のかなしみが始まる。好きな帖である。
真下五一の小説「京都」 いささか刺戟強く批評されながら読んでいる。
イプセン劇、身に迫ってくる科白の迫力。こわいほど。
バルビュスは「クラルテ」で、演説を始めた。
昔々、小学生だった建日子にお年玉にそえてやった岩波文庫、ツルケーネフ「初恋」がひょいと手元へ現れたので、なつかしく読み返している。
2016 11/14 180

* 朝いちばんに原知佐子が、そのまま声の聞こえるような元気な手紙に添えて、田原知佐子故郷の土佐のお茶「きし豆」の大きな二袋を送ってきて呉れた。
「茶」という文字のみえる史料は、例の栄西が支那から持ち帰った話以前には、奈良末・平安初にせいぜい二、三例がほの見えるだけ、だが、植生豊かな日本 列島でいろんな草葉や実や皮や枝を焙じたり淹れたり煎じたり炒れたりして飲用していなかったわけがなく、それらも総じて「茶」に類するというのがわたしの 見解であった。事実これは各地の実例が肯定してくれており、田原の呉れた「きし豆」もまさに、それ。嬉しく、味わいます。
2016 11/19 180

* 「華」さんから、百本たての茶筅、辻利の極上抹茶、好きな柚餅に加えて柚餅ふうのブルーベリー餅を送って頂いた。ありがとう。東福寺と想われる紅葉の写真も。ありがとう。
2016 11/23 180

* 明日は生理検査の必要がないので、十二時前の診察予約に、十時にも家を出ればゆっくり間に合う。ただし処方薬の出を院外薬局がいつも待たせる。
先週は「ボンシャン」で昼食したが。明日はどんな風が吹くか。福音の寿司か、宮川本廛の鰻か、更科蕎麦でしゃも鍋などもいいが、かんじんの食欲というモノが無い。銀座木村屋でちっちゃいパンをいろいろ買って帰るのが、ラクかな。明後日夕方にも、歯医者通いがあるし。
日比谷のクラブで来年のダイアリーを貰いたいが、これは、師走討入り歌舞伎を観たあと立ち寄ればいい。
午後にかけ、あめが降らねばよいが。
2016 11/27 180

* これから、聖路加病院へ行く。薬をもらうためだけの通院、気楽である。築地まで散歩に出る心地。食べたくはなく、月曜で美術館も休みだし、楽しみは無い。校正という仕事は確実にはかどる。どこかで少しウイスキーでも飲んでくるか。

* 今日の診察は、聖路加の本館というのか、古いチャペルや高い塔のある方で。
診察というほどもなく、ちょっと談笑し、処方箋をもらうだけで、そのまま、院外の薬局へむかい九十日分の「フリバス」といういつもの薬を受け取った。
傘は家に置いてきたが、幸い、晴天。昼食というほど食欲はなく、しかし空腹ではあり、とりあえず築地から銀座までよたよたと出、アテもなくぶらついた足 のママ、結局、帝劇モールの、なじみの「きく川」へ座り込んだ。蒲焼きに、正一合の「きく正」。相客無しの一部屋宛がわれていたので、ゆっくり校正もし た。
そのまま有楽町線で幸便に西武線乗り入れに乗り、かんかん照りに晴れた保谷へ帰った。ほっこり疲れていた。甘いモノが欲しく、駅構内に新しく出店の和菓子を買って帰った。茶を点てたかった。
2016 11/28 180

* きのう帰りの「蒲焼き」は25センチほどのが二本ならびで、ちょいビックリした。米の飯は、鰻屋とかぎらず、もう以前から、めったに食べていない。食べにくい。美味い粥がいい。
昨日帰ったら、内心希望のウイスキー「富士山麓」を買って呉れてあった。いまは努めて沢山な氷にかけて飲むようにしているが、やはり生のママが美味い。
2016 11/29 180

* 井口哲郎さんからお心入れの「赤いも」頂戴した。腸閉塞気味をきづかってくださったと思い感謝申します。有り難うございます。
東近江五個荘の乾徳寺さんから美味しそうな和菓子を送ってきて戴いた。有り難う存じます。

* 村上開新堂の山本社長から、さきごろの入院等へお見舞いを戴いた。恐れ入ります。
2016 11/29 180

* 元岩波の高本邦彦さん。お蜜柑を大きな箱で送って下さった。
2016 11/30 180

* 元・朝日の伊藤壮さん、越乃寒梅二升下さる。故橋田二朗先生のお嬢さん、お吸い物のいろいろを下さる。山口の平野芳信さん虎屋の羊羹を下さる。有り難う存じます。
2016 12/1 181

* 京都の横井千恵子さん、「お父さん、繪を描いてください」の冒頭、中学の音楽室清掃の場面で、とかくサボる男子を追っ払っていた元気な同級生、京のお 漬け物をたっぷりと送ってきてくれた。美空ひばりなみにひばりの歌など上手で、何度も彼女のお店で聴いた。妻もいっしょに聴いた。妻も「愛燦々」など小声 で歌っていた。わたしは、歌わない。
2016 12/2 181

* 「和可菜」寿司の肴でやまと櫻の純米吟醸を楽しみ、浴室で、源氏物語「螢」巻、無門關、サフォン「天使のゲーム」 椿説弓張月を読み、湖の本133再校をゆっくり読んだ。
そのあと、もう何度目になるか、ハリソン・フォードの映画「エアフォース・ワン」を、やはり引きこまれて観た、この主演者には馴染めないのだけれど、彼にはこういうガンバリものの秀作が重なる。
2016 12/7 181

☆ 選集 有り難うございました。
昨日 選集第17巻送って頂き有難うございました、 (心)楽しみに、学ばして頂きます、
今年の紅葉は何時もに無く 長い間楽しめています、やっと観光客が少なくなりました、
今では以前の様な静けさがなく、イベント等で見せる京都になってるみたいです。ーー。
何時も喜んでいただきまして。お抹茶をお正月用にまとめ買いしました、その内お送りします、
そろそろ事始めで 気ぜわしくなります、
また寒さに向かいます、早めに体調にお気をつけて下さいませ。   京・北日吉   華

* 今朝も自服三碗も喫茶。野菜苦手なわたしには、貴重な緑精です。
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☆ 心ばかり
秦先生、今日がもう十二月八日とは、実感が湧きませんが。時の流れの速さに戸惑っております。
この、二年ばかり、私は何をしているのやら。
月曜日、久しぶりに名古屋駅へ出ました。用があって、繁華街へは月に数回出ているのですが、心に余裕が無く、必要なことだけで、ゆっくり町の雰囲気を楽しむこと無く過ごしていました。
久しぶりに名古屋駅をぶらぶら。町はイルミネーションで、すっかりクリスマス気分です。家に籠もっていると、何にもわかりませんが。
久しぶりに「和久傳」を覗き、西湖を少しお送りさせて頂きました。京都の本店から発送なので、数日かかるそうですが、そろそろお手元へ届くと思います。喉の通りがよいので、お薄と召し上がって頂ければ。
このところ、京都へ度々行っていましたが、用事をするだけ。あまりの人の多さに疲れ、早く帰りたいと思うほどです。京都の人の日常が思いやられるほどの、人、人。
(私の青春の地、大好きな京都なのに。私の心が老化してしまったのでしょうか)
きょうは温かな一日でしたが、どうぞ御身大切にお過ごし下さい。  珊

* 「和久傳」ですか。懐かしい。感謝。
どうも、どなたからの便りにも、京の繁華に過ぎた雑踏が伝わってきて、ますます京都が遠くなって行く。杖と鞄とと思うだけで、触れあい歩くのが物騒に思われる。

* 「やまと櫻」に酔って数時間、熟睡していた。睡れば眼はやすまる。
視力疲れの視野は、ものの縦線がグニャグニャ。朝起きたときや、眼を十分休ませた後は、柱も、障子の縦サンも、概ね真っ直ぐに見える。
視野混濁の根は、要するに、眼疲れに在る。

* 真岡市の今は亡き渡辺通枝(随筆家)さん嗣子の佳寛さん、仰天の大きいメロン二顆送って下さる。有り難し。
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* 選集十七巻へ、色川大吉さんはじめ、どっとお便りやら頂き物やら届いていて、賑わった心地にさせて頂いた。金沢の松田章一さん、山科の馬場俊明さん、 それに佐藤宏子さんから、それぞれにご馳走を多彩に頂戴した。ことに佐藤さん、わたしの食生活の思わしくないのを気づかって下さり、食べやすそうなご馳走 をいろいろに詰め合わせて下さった。いつも選集へのご援助も戴いていて、ほんとうに恐縮し感謝した。小田原の安藤啓一さん、品川区荏原の本間久雄さんもい つもご支援頂いている、忝ないこと。
都立中央図書館、お茶の水大、東大大学院、立命館大、国会図書館、山梨県立文学館など、受領の挨拶有り、その他多数の書状やメールは、今夜はそのまま有 り難く戴いておく。もう十一時になる。階下で、越乃寒梅と下関の雲丹とをもう少し楽しみ、床に就いてから少し仕掛かりの校正を読み上げて、寝たい。
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* 篠崎仁さん、日光美酒「杉並木」を頂いた。京の旧友冨松賢三君、永楽屋からの美味千枚漬けを頂戴した。小田原の津田崇さんには蜜柑十五キロも頂いた。笠間書院編集長橋本孝さんからは珍しい蜂蜜菓子を頂戴した。
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* 前の石川県近代文学館館長、心友の井口哲郎さんからは、お正月用の「大福茶」と「加賀棒茶を」をお送り戴いた。感謝。
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* 新潟県の光明寺さん、美しく熟れようとした「洋梨」六顆下さった。
昨晩には「心ばかり」と書き添えて「和久傳」の名だたる銘菓を、名古屋の珊さん、送って下さった。
今朝は、和歌山県すさみ町から海産の干物たくさん戴いた。
忝ないこと。

☆ 愛蓮説
お忙しい最中に、失礼いたします。
さきに、白蓮(青蓮)と紅蓮の写真を送らせていただきました。
野や庭に咲く艸々。樹々に咲く花々も。
花ばかりではなく、枝葉や種子も大好きで、写真に撮ってしまいます。
ずいぶんたくさん、撮りためて参りましたが…中でも 「蓮」を、多く写してきたように思います。
先生が 「西湖」を召し上がって下さる、と伺って…お伝えしなければ、と思いました。
私事でございますが、どうかお付き合い下さいませ。もう25年ほども前のことになりますが…
中国の水の景色が見たいと思いたって、横浜港から名僧の往路を偲ぶ「鑑真号」という名の船で出航しました。
蓮の季節には間に合わず、残念なことでしたが…大輪の芙蓉揺れる「西湖」の光景は、此の世ならぬ美しさで、今も胸に迫ります。
「和久傳・れんこん菓子・西湖」を先生のお手元に届けて下さった方が居られると、先日「私語の刻」で拝読致しました。
召し上がられた「西湖」の箱が、簡易包装でなかったなら、「愛蓮説」で包まれておりましたかと存じます。その包装紙の原本は、大徳寺塔頭「龍光院」の月浦和尚様が筆をとられたもの。「西湖」の文字も「希水」の文字も 和尚様の手跡と伺っております。
「三条東殿」ほど近くに、「紫野和久傳」がございます。
私は、そちらに御縁をいただき、十月から勤め始めました。慣れない仕事ですが… 私の性に合っている様で、気持ち良く働かせていただいております。
東京から、京都に居を移した理由は、いくつもありますが… その一つは、社寺に繁く身をおくこと。
「唐招提寺」の蓮は、私にとって、かけがえのないものです。
「西湖」に絡めて、大好きな蓮の写真を送らせていただきました。
昔の思い出ばなしや、近況報告など、長々と…
失礼を致しました。     百

* 杭州の西湖は、名勝の中の名勝、いまも眼の前に景色がひろがり見える。やすらかに一人歩きのゆるされたところで、一行のみなが思い思い独り独りに方角をもとめて宿のホテルから散っていったあの時を思い出す。
みごとな卵岱の小壺を買い、大事に大事に日本へ持ち帰った。
愛知の「珊」さんから戴いたばかりの「和久傳・れんこん菓子・西湖」は、まことに美味しい名菓で、菓子は京都、追随をゆるさないと思い決めている気持ちの、美しい一端。
菓子と庭。これだけは少なくも京都が絶対やなあ。花も紅葉もいいなあ。

* なんだか ふっと 嬉しい気分でいる。
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* 木村さん、ネーブル大のすばらしい新種のお蜜柑を一箱下さった。感謝。この方には、とりわけて新作の約束がある。しまなみ海道を目に観ず、息をつめて堪えている。
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* 京の正因寺万年先生、また永田澄雄さんから「とらや」の羊羹を、神戸の吉田章子さんには「蟹」を、川崎住まいの異母妹昭子、宏子からそれぞれにチョコ レートを、そしていつものように村上開新堂の山本社主から特製のクッキー詰め大缶を、頂戴した。「本年も残るところ あと半月ほどになりました。先生の選 集 拝受いたしました。お手書きのおことば忝けなく ありがたく存じます。 先生の大事なエネルギー 私に頂くのは余りに申し訳なく お喜びいただけると 思いまして 送らせていただいております。 奥様にもお礼状の御負担がかかりますことが 気になります。 どうぞお気になさらず クッキー お納め下さ い。 御身 御大切に  道子」と。このお店のお菓子は、宮中へは届ける以外、総理大臣の注文であろうと配達しないと言われている。美味しいのである。
笠間書院からは中世王朝物語全集の第五巻「石清水物語」を戴いた。
もう十数年来まったく無収入で暮らしているわたくし達には、いずれもいずれも、心の晴れる賑わいで。それもまた「騒壇余人」のよろこびと、楽しませてもらっている。
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* 豊島の松島修三さんからマスクメロンを一顆戴いた。札幌の真岡哲夫さんから百合根をたくさん戴いた。
いま、松島さんの送ってこられたかなりの長編小説「遊戯幻想」を読んでいる途中。安定した筆致で進んでいるが、まだ、幾らか、もどかしい。題も、コレでいいのかと、すこし気になる。
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* 世界ペンクラブ専務理事の堀武昭さんからホテルオークラの「マロングラッセ」を、また亡き島津忠夫さんご遺族から雲丹などの酒肴を頂戴した。恐れ入ります。亡き東大法学部長福田歓一さんの夫人からもご挨拶があった。
東工大卒の柳君から、設計施工に缶力として関わったという作品の大きく紹介された建築雑誌を送ってもらった。
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* 歯科の帰り、江古田の「中華家族」で例のマオタイで、夕食。
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* 華さんから、宇治の抹茶と、和三盆が送られてきた。ありがとう。

* 神戸の、妻の友人から純米吟醸の原酒「福壽」二本を頂戴した。
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* 朝いちばんに、明日二十一日の誕生日を祝って下さり、神戸の岡田昌也さんからご馳走の、いしるぼし、あまえびをたっぷり、 吉備の有元毅さんから名酒を二升、藤村研究家の宮下襄さんからも、例年の甘いころ柿をたくさん、戴いた。有難う存じます。

木まもりの柿ひとつ照りて日新たに
八一(やいち)の冬をただに迎へむ   秦 恒平
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* 大阪の妻の友人岡崎淑子さんからも、「鶴屋」銘菓をいろいろ戴いた。
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* ど こへ出かけるというアテも今日はもってない。戴いてある珍味佳肴を卓にひろげ、いろいろの日本酒の名品を、今日ばかりはしたたか呑もうか。いやいや、酩酊 して寝入ってしまうだろう。音楽を聴き、敬愛の映画作品を楽しもうか。黒いマゴがいてくれたらなあと、しみじみ懐かしい。
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* 寄り道せず、保谷まで帰った。西友で黒毛和牛二バック買って帰り、一パック焼いて貰ったが、特段の感激は無かった。
機械の前でそのあと寝入ったようだ、

* 食欲がなく、山中さんに戴いた「三千盛」純米吟醸の酒を、また吉備の有元さんに戴いた超特級の大吟醸純米酒「室町ざくら」を、贅沢の限り、下関の大庭 緑さんに戴いた赤間の雲丹で。少しずつ味わっている。なんたる贅沢、この絶品の酒と雲丹との美味には感動してしまう。有り難し有り難し。有り難し。とか し、疲れている。
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* 今年最期の、時計をもち忘れの、聖路加通院は尿・血液の諸検査、まったく異常なく、腎臓も肝臓も尿も綺麗ですと。三種の処方健康剤を院外で受け取り、築地の更科蕎麦で、揚げ牡蛎、白子と蕎麦とで枡酒を。選集⑲の持って出たぶんのこうせいも全部済ませてしまい、少し酔った気持ちのママ、用心のペットボトル茶を補給しいしい、夕暮れの保谷に帰った。

* 空腹を満たさず、食べ物より先に酒を胃袋のない腹に入れると、無垢の酒が生のまま直ぐ十二指腸・小腸で潤沢に吸収され、酔いが早くて濃い。これは気を付けていないと、全身の違和をもたらす。朝午晩の三食という食習慣をはなれ。すこしずつを何度にもよく噛みこなし食べていた方が、酒を楽しむのにも良い。細い腸のためにもいいようだ。

* 三千盛の超特 純米大吟醸を気持ちよく飲み干した。
2016 12/26 181

* 野澤利江さんから美味しそうな鍋用の年越し蕎麦がお歳暮に届いた。久しく連絡がなかったので病気ではないかと案じていた。その心配が一つ失せたと思えて有り難い。
何方様も健康に新年を迎えて頂きたい、療養の方はすこしでも快方へ向かって下さるよう、祈ります。
2016 12/29 181

* この歳末は、半世紀も続いてきたわたしの池袋へ買い出し外出を、みな、とりやめた。ラクだ。かなり苦になっていた。
もう何年も、正月が楽しいという気分では無くなっていた。ましてこの新年に、いて欲しい黒いマゴがいないとは。
雑煮の餅にも、買い食い出来合いのお節料 理にも、待ち迎える気が無い。妻が手づくりの干瓢や椎茸の煮染め、それに卵焼だけで十二分、とっておき戴き物の佳い酒がのめれば、うまし寝の寝正月になる だろう。歯の浮く身に、引っ張る餅は難儀。もろもろ噛むのが難儀。期待は、明日大晦日に、戴いた年越し蕎麦の鍋です。温まれば近くの除夜の鐘を聴きに、寒暁 の初詣でに出てもいいか。
2016 12/30 181

* 美味い鴨鍋蕎麦で大歳を午に迎え、晩に送ろうと思っている。
2016 12/31 181

* 此処に、こうして「いる」ことを喜んでくれる人たちのあるのに励まされる。たっぷりの鴨鍋、美味しかった。晩にももう一度戴きます。よほどの激務らしく、案じていましたがなんとか無事歳末のよし、安堵しました。

* 名酒の櫻室町で年越しの鴨蕎麦鍋を戴いた。酔いつかれて横になり、源氏物語「行幸」の巻を読み終えた。源氏物語と沙翁劇とでは他は太刀打ちが成らない。で、わたし自身の「日本を読む」を読み耽っていた。
これから湯に入る。なにか。のんびりと読みたいが。いい詞華集をとも。山本健吉さんの選ばれたのを、懐かしく思い出しながら読もうか。
2016 12/31 181

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