ぜんぶ秦恒平文学の話

歌人として

『青春短歌大学』平凡社 一九九五年三月一五日刊

 詩歌の体験(一)  青春短歌大学                 贈る言葉  序にかえて (急いで一言申し上げたい。この本はいま「青春」を生きる世代より以上に、むしろ今なお「青春」を胸に大事に忘れていない大人へ、著者が

荻江「細雪 松の段」  秦 恒平 詞

  あはれ 春来とも 春来とも あやなく咲きそ 糸桜 あはれ 糸桜かや 夢の跡かや 見し世の人に めぐり逢ふまでは ただ立ちつくす 春の日の 雨か なみだか 紅に しをれて 菅の根のながき えにしの糸の 色ぞ 

詩歌 2024年

  ◎ 世のなかや目覚めぬままに初春の歩みは早も聲なしてゐき ◎ われは吾れと歩まじ先の道をくらみ倶に頼むよと妻に身を寄す * 妻と二人での元朝・元日。寂しいと謂えば淋しくはあるが、「生きて越し」これがわれら夫

詩歌 2023年

  観自在菩薩 行深般若波羅密多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄 久しく山澤の遊を去り  浪莽たり林野の娯しみ 徘徊なす今し丘壠の閒  依依とし見ず昔人の居 一世 朝市を異にすと  此語 眞に虚しからず 人生 幻の

詩歌 2022年

  宗遠日乗・私語の刻 「令和四年(二○二二)」 観自在菩薩 行深般若波羅密多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄 久しく山澤の遊を去り  浪莽たり林野の娯しみ 徘徊なす今し丘壠の閒  依依とし見ず昔人の居 一世 朝市

詩歌 2021年

  述懐  恒平・令和三年(2021)正月 * ここに「恒平」三年としてあるのは、 私・秦恒平の死期をかぞえる三年目であるという気持ちを示している。他意はない。 橋一つ越す間を春の寒さかな        夏目成

詩歌 2020年

  述懐  恒平二年(2020)一月 * ここに「恒平」二年としてあるのは、 私・秦恒平の死期をかぞえる二年目であるという気持ちを示している。他意はない。   ただ吟じて臥すべし梅花の月 佛となり天に

詩歌 2019年

  述懐 平成三十一年(2019)一月 劫初より作りいとなむ殿堂に われも黄金(こがね)の釘一つ打つ   与謝野晶子 一枚の餅のごとくに雪残る           川端茅舎 くさかげの なもなきはなに なをいひ

詩歌 2018年

  述懐 平成三十年(2018) 元旦 月曜日 冬の夢のおどろきはつる曙に 春のうつつのまづ見ゆるかな         藤原良経 木々おのおの名乗り出でたる木の芽かな     小林一茶 石(いは)ばしる垂水の上

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