ぜんぶ秦恒平文学の話

歌人として

『昭和百人一首』抄   岡井 隆

    たづねこしこの静寂にみだらなるおもひの果てを涙ぐむわれは   秦 恒平    今歌をつくろうとすると、手っとり早いところでは新聞の歌壇投稿であろう。新聞歌壇だけでひとり歌作を楽しむひともいるし、そこから進んで短歌 […]

歌集・少年

歌集・少年      秦 恒平 昭和三十九年 (1964) 九月二十三日 初編 菊ある道  (昭和廿六・七年 十五・六歳) 窓によりて書(ふみ)読む君がまなざしのふとわれに来てうるみがちなる 国ふたつへだててゆきし人をお

 母と『少年』と    秦恒平

        なにがきっかけであったのか、中学一年時分から、私の通学鞄には余分に四冊のノートがいつも入っていた。詩と短歌と俳句と散文を随時に書きこむためだ。概ね励行していた。しかし三年生時分には一冊に減って、短歌だけが

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