* 賀正 快晴というべし。日ざし明るい狭庭に目白か、小鳥も。「マ・ア」も元気。
* 朝十時。帰ってきた建日子らを迎えて、祝い雑煮、乾杯。
妻や建日子らは初詣に。私は、失礼。寒中の長蛇の列を避け、何れ静かに一人で参拝かると、去年より決めた。
2020 1/1 218
* 七時半、建日子ら加わり、昼以来、談笑、頂戴物の名酒、呑みに呑む。
わたしは妻が用意の煮しめのほか、建日子が持参し呉れた「イタリアンお節料理」とかには殆ど手が出なかった。丸餅二つ、そして山の物の子芋・大根に、海の物の昆布出汁、削り鰹の、朝一番の白味噌雑煮で、十二分、それ以上は食欲が出なかった。
2020 1/1 218
* 野澤利江さんに戴いた鴨鍋を、有り難くとても美味しく妻と、晩に、食しました。感謝感謝。
2020 1/2 218
* 23%の磨きという超弩級極美の「獺祭」を味わい尽くしながら、鴨の鍋を、それは美味しく、みな戴いた。元気になるぞ。
2020 1/3 218
* 「湖の本」149 の入稿用意にかかり、かなり進め得た。ただ。視野が霞んで半ば失せながらの原稿づくり、疲労の度は増す増す、で。それでも、佳い一巻一巻を作り続けたい。坐っていて出来るのだから有り難いとも云える。
それにしても、暮れから七草の今日まで、よぅお呑んだなあ。
2020 1/7 218
* 近くのセイムスへ「マ・ア」の砂など買いに行く。砂は重いので、私の自転車なしに妻が独りの手では運べない。ついでに二三日切れていた日本酒を買い、戴いた「甕覗」の青磁の明き甕へそそぎ入れ、着いていた小さな柄杓で戴いている。柄杓酒、なかなか。
2020 1/9 218
* 整理分類して戴いた昨一年十二月分の「私語」を、メール・ボックスから出して独立のフォイルに取り纏めているが、厖大な(単行本にして、何册に相当す るか、優に二桁ある)分量に、仰天している。まだ、四項目がメールボックスに残っているが、今日のうちに万全の保存を終えておきたい。これをこう三十余項 目にも分類して下さったのはさぞ御苦労であったでしょう。有り難し。
すべて、無事に処理し終えた。
青磁の甕を小柄杓で覗いて、戴きものの美味いカラスミで、青梅産の清酒を酌んでいる。
2020 1/10 218
* 十五日の小豆雑煮を祝った多々。
2020 1/15 218
* 昨日、大阪の河野能子さん、京の、大好きな「御池煎餅」を下さった。関東の堅い武骨な煎餅とは大違いの京菓子。 2020 1/15 218
* 日比谷のクラブへ直行、なんだかシャンペンやワインの御馳走にもあずかりながら、「なだ万」の弁当やとびきり美味いスモークサーモンなどで、ほっこりと寛いだ。
今夜は電車で十二時に近くなって帰宅、おとなしく留守をしてくれた「マ・ア」にも、土産あり。,
2020 1/16 218
* 『選集 32』の創作部分全部の「要再校」ゲラを送り出し、巻に添えての「跋文」途中から、江古田二丁目まで約束の歯 科へ妻と出向いた。五時、中華家族で永年飲み続けてきたマオタイのいよいよ最期のグラスを飲み干してきた。もう、この東京で私のためにマオタイ酒を飲まし てくれる店は絶無だろう、じつに残り惜しかった。55、6度もあろう、世界一美味い酒と思ってきたが、もう手に入らないと。井上靖さんらと中国招かれて いったときは、どんな宴会でもマオタイが出た。あれは何処でだったか一度わたしは酔いつぶれたこともあった。今は中国政府は宴会用の他は輸出を止めている とまで聞いている。
2020 1/24 218
* この前 「甕覗」のお酒を戴いて、お酒は飲み干したあとも、青磁の美しい甕はそのまま、買ってきた別のお酒を一升ずつ容れては、小さな柄杓で汲んで楽しんでいる。このごろは、夜遅くよりは朝の早めに賞美している。
2020 2/3 219
* 東村山の写真家近藤聡さん、名酒一升下さる。このところ、北越光明寺さんに頂戴した名酒「甕覗」の美しい青磁の「甕」にお酒を満たしては、小柄杓でお 酒を賞美堪能している。瓶からのなま注ぎより格別の風情で、小柄杓ゆえ存外に量も控えられている。柄杓の、ふと甕にふれて鳴る色佳さも楽しんでいる。
2020 2/6 219
* 藤森佐貴子さんから超上等のチョコレートを戴いていた。
2020 2/7 219
* 暁け四時半に手洗いに立ち、五時半に目覚め、六時に着替えて、七時三分のバスに駆け込み、七時十九分の準急新木場行きに乗り、幸い練馬で座れて八時半 過ぎて聖路加に着き、受付を終えてサテ約束の十時までは校正をと、取りかかった途端にナースに呼び込まれ、あああと思う間に内視鏡検査無事に終えた。写 真、「とっても綺麗です」と。先ずは一安心。九時半も待たず支払いも終えて帰路へ。食事には一時間待てと言われていたがこんな時間ではマトモに店が開いて いない。池袋まで戻り、西武の食堂へ上がってもみな十一時開店までに三、四十分待ちとなり、西武・パルコとずいぶん無駄足を踏んで、あげくまことにショウ もない止まり木で不味い寿司を少し摘んで、保谷へ帰った。家で何か食べたはずだが、食後に熟睡して、なにも覚えていない。
2020 2/12 219
* そうだそうだ今朝、都内・杉並の、久しい読者である江藤利雄さんから、綺麗な筺に名酒と極上の焼酎を詰め合わせたのを頂戴した。焼酎が珍しく、すぐさま朝から、すこぅしずつ頂戴した。美味い。とても美味い。有難う存じます。
2020 2/17 219
* 江藤さんに戴いた「長期貯蔵樽熟成麦焼酎41度」の「麹屋伝兵衛」が珍しくて美味くて、お酒ではないんだからと、検査前の禁酒をやぶって、朝から愛飲。
2020 2/18 219
* 薬局で処方薬を受け取って、正午過ぎ。ゆらゆら歩いて馴染みの「玉寿司」本舗で板さんはからい襟きの刺身で、一献二献。機嫌良く新富町から「保谷行 き」に乗れ、安心して寝てきた。着いたかと下車して改札を出たが、様子がちがった。一駅はやい大泉学園駅で降りていた。改札の外にみたこともない「天丼」 専門店があったので、米の飯は遠慮し、海老天二尾だけを食し、もう一駅を乗りまして、保谷駅で和菓子二種、二つずつ買ってタクシーで帰宅。煎茶が旨い。
ビニールの手袋を二度取り換え、マスクも三枚つかい、まずまずナニゴトも無くて有りがたかった、要心しつつ、これで仕事も続けられる。感謝。
2020 2/25 219
* 食の欲は細く薄く、しかし酒は、自前のリクツをつけては愛飲し、やや酒量を増している。一升をせめて五日保たせよと妻は叱り、それが自然と四日で一升瓶を明けている。感染症にもいいんだと勝手なことを言い、妻は断乎否認するが、「酒飲みの口説は屁なり出放題」。
2020 3/4 220
* 八時前なのに、気を入れ根を詰め見えない目を酷に見ひらいて朝から集中していたので、いまは半盲どころでなく、タダの勘でキイをまさぐっている。20 年にもなる愛機なればこそ。今は、かなりの画面のテレビでさえ、すり寄って間近でないと演者が誰かもしかと見えない。寝床で、昔の古電球の明かりになる と、すこしラクになり、文庫本の字も少しずつ見よくなる。「源氏物語 若菜上」がやがて過ぎ、「戦争と平和」は戦場を出て待望の第三編へ入り、「千夜一夜 物語」はベラボーに面白い。レマルク本は次ぎに「凱旋門」が控えている。のず絶妙の選択です。持ち重りの単行書も、ホメロスの長い長い「イリアス」を根気 よく、島津先生の「源氏物語放談」のほかにもう一冊、私の『花方』をはるか昔から導いてくれた或る「源氏物語論」を楽しんでいる。楽しむと謂えば、自分で 書いた『オイノ・セクスアリス 或る寓話』の第一部を身内に逢うような楽しみで読み返している。
今日のたとっておき一升瓶の口を切った。漬けた小鯛が有りがたかった。
2020 3/7 220
* 村上開新堂さん、クッキーを送って下さる。有難う存じます。
2020 3/11 220
☆ 秦 恒平様
ごぶさたしております。
お障りなくお過ごしでいらっしゃいますことを祈っております。
私どもも 今までのところ会社のスタッフに問題なく仕事をつづけております。 一旦 ことあればの覚悟はしておりますが、 さまざまな局面で危機感が欠如していると反省しております。
御身くれぐれも御大切に。 村上開新堂 道
* 美味しいクッキーを日々に戴いて お茶を楽しんでいます。
2020 3/20 220
* 小、中、高、大学も一緒だった冨松賢三君、湖の本の礼にと、とらやの羊羹など送ってきて呉れた。ことのほか嬉しく。こういう友達は、一人っきりになっ ている。いま小学校だけの友達も、ときどき甘味「おちょま」を送ってくれる林貞子(踊りのおっ師匠はん。)一人しかいない。寂しくなったなあ。
2020 3/29 220
* 吉備の人、珍味の魚料理を送って下さる。恐れ入ります、感謝。
2020 3/31 220
* 中野完二さん、折もよくいつもの名酒「やまと櫻」を下さる。
2020 4/3 221
* 何の理由も根拠もないが、まさしく勝手な想い入れで、日本酒、ウイスキー、ワイン、ビールをまぜこぜに好きに口にしている、お腹は壊さない程度に。食は、あいかわらず細い。
2020 4/3 221
☆ kokoです。
メール ありがとうございます。
喜んでいただけて 良かったです。
3月に(土佐へ=)帰る予定だったのが コロナの影響で
4月になり 文旦も そろそろ終わりだなと思っていたら
思いがけず 良さそうな感じだったので 急いで送りました。
コロナで 大変ですが くれぐれもご自愛くださいませ。
* すてきに美味しく戴いています。
2020 4/5 221
* 鎌倉の橋本夫妻、銀座千疋屋のいかにも口涼しいゼリー菓子で、東村山の近藤聡さん選りぬきの「名酒」一升で、『選集32』を祝って下さる。
* ロシアの誰とかが、ウオトカさえ呑んでればコロナなんぞ、と、さすがに賛同しかねることょ言うらしい。が、微かにも幾らか私もそんなリクツを添えてお酒は毎日夜、しかと戴いている。功徳の一は、寝入ること。寝入れば確実に眼も身もやすまります。
そしてありがたいことに、うるわしいほど仲のいい兄弟の「マ・ア」たちが老人二人をひっきりなしに慰め笑わせ、ときに疾風のように家を駆けめぐって憤慨させてくれる。「命」というありがたみをしみじみ分かち持たせてくれる、猫のふたりが。
2020 4/7 221
* あきとし・じゅんさん、京・永楽屋の御馳走を、 所沢の藤森佐貴子さんからも好物のお菓子を頂戴した。食に、励まねば。痩せて行くのは困りものです。
2020 4/9 221
* 福田恆存先生の奥さまから、穏やかに過ごしている、湖の本などを日々に楽しんでいますよとお手紙があり、もったいないほどの洋菓子を送って下さった。 私からお見舞いもなにもサボっていますのに。ありがとう存じます。今この難儀な日本の日々を、どうぞお大切に安全にお過ごし下さいますように。
2020 4/12 221
* 吉備の人、最上のお酒を送って下さった。今朝 生協配達の四号瓶二本は三日で消えるなあと気弱に勘定していたので、ひときわ嬉しく、御礼申し上げま す。日々お寂しくはないかと妻ともよくお噂しているが。お大事になさって下さい、ぜひにも。この方には「湖の本 150」の中仕切り本、ゆっくりご味読頂 けると佳いなと願っている。
すこし、背が、ぞくっとしてきた。おやすみなさい。
2020 4/22 221
* 橋田二朗先生のお嬢さんから、京の名産 若筍を八本も、糠まで付けて、頂戴した。京の筍は、念入りに育てた京野菜と同じく、地方で、ただ竹藪から伐り 出しただけの筍とはまるでちがう。ふんわかと柔らかに口に優しいふくらみと味わいに溢れる。北日吉の華さんが、今日は筍と鯛の煮付けととメールに書いてい てウーンと羨ましかった。
有子さん、有難うございます。
橋田先生とは弥栄中学で教わり、卒業後から、先生のおなくなりになるまで、京都美術文化賞の選者を梅原猛さんや清水九兵衛さん、石本正さんらと勤めてい たころもずうっとほとんど肉親、親類のようにお世話になってきた。私の慕った、今も慕っているもう亡い一年上級生の担任の先生でもあった。
橋田先生の廣い美しいお宅は鳴瀧にあった。有子さんは、その昔から染織作家であったと思う、お宅でそんな器機をちらと眺めた覚えもある。秦の母に聞いたことだが、橋田先生と母の家とはかすかにも縁続きであったとも。
筍、ありがとうございました。嬉しく、懐かしく京の味ともどもに御好意を戴きます。
2020 4/27 221
* 昨日頂戴した京・嵯峨野の若筍の御飯を、妻が美味しく炊いてくれた。蜆の味噌汁も旨く合い、近来になくたっぷり二膳もお代わりした。季節の味、旬の味わいの宜しさ、嬉しかった。
有子さんに、新ためて感謝。
2020 4/28 221
* 静岡市の鳥居きよみさん、今年も「新茶」を下さる。湖の本創刊いらい歩みを倶に、歳久しい。ありがたいこと。
2020 5/3 222
* 京都の華さん、「仙太郎」の最中を送ってきて下さる。甘味、感謝。「仙太郎」の最中は、敗戦後、私の新制中学生ごろすでに有名で、叔母のお茶の稽古日には、言いつかってよく買いに遣られた。小説「花方」世間のまん中に仙太郎の店はあった。
2020 5/12 222
* 今日、京都の羽生さんにいいお手紙と鶴屋の甘味をたっぷり頂戴した。この歳になっても、やはり戦時育ちから甘い味わいにとことん弱い。寝床のそばへご く小さな容器に生の白砂糖をひそませ、時に夜中に掌にぽちっと落として口にしている。砂糖をぬすむはなしは狂言にも逸話にもちょくちょく有る。昔から同情 していた。
2020 5/26 222
* 京・宇治の水谷(佐々木)葉子先生、「宇治」選りすぐりの銘茶を、たっぷり選んで送って下さった。宇治茶のうまさは、格別。楽しませて戴く。先生、有難う存じます。
2020 6/12 223
* 所沢の藤森佐貴子さん、いつもお心づかいの、めずらかな「旬のめぐみ新茶とお菓子」を頂戴した。「ひだり団扇」とある、美しい模様で小さく造られた団扇も二枚副っていて、おもわず夫婦して破顔。
* 京・有栖川の桐山恵美子さん、寺町三條の老舗「とり市」から、美しい大きな加茂茄子をはじめ生鮮の京野菜いろいろを沢山に下さる。感謝。
* 四国の大成繁さんはタップレと讃岐素麺と饂飩とを、神戸の信太周さんは故郷の名品「稲庭饂飩」をたくさん送って下さった。逼塞して暮らしている老夫婦には気の晴れる有難い賑わいです、御礼申します。
2020 6/12 223
* 石川・能美の井口哲郎さん、醇乎とした蜂蜜を思い荷にして送って下さった。このところ私は或いは栄養失調の懼れもあり、有難く朝夕に戴いて元気を取り戻したい。幸いに私は幼來甘味にアリのように惹かれるタチ。井口さん、お元気でお元気でありますように。
2020 6/12 223
* 古門前の「おッ師匠(しょ)はん」が、祇園四條「鍵善」の砂糖菓子「おちょま」を送ってきてくれた。わたしと同い歳で、まだ踊りの弟子を育てていると。えらいもんだ。
戦時疎開先の 丹波からもとの小学校へ帰ったのは、五年生の二学期もおそく、三学期だったかも。学校には知らない顔がいっぱいだった。日本中のあたこちから空襲の被害な どのなかった京都へ避難の家庭が多かった上に、中国や朝鮮からの帰国家庭も戦禍を浴びることのほぼ無かった京都へ親戚等を頼って、同じ町内にも何軒もそん な家があった。
「おッ師匠(しょ)はん」は、そういう戦争被害の転入者ではなかったのだが、妙に事情のありそうな転入生で、しかも、小学生ながら遠目にもおッとおどろく頗るの美少女だった。敗戦直後の小学校は、独特の新鮮と劇性に溢れていた。私は六年生になると、初の民主主義的「公選」を経て当選「生徒会」初代会長になった。
後々の若柳流「おッ師匠(しょ)はん」は、おどろいた、私の叔母が出入りの豪商と謂うていい大きな茶道具商の「ワケあり」な「もらひ 子」であったらしい。私の叔母は其の子を将来の私の嫁にとめがけていたらしく、叔母には叔母ならではの打算が働いていたろうが、成るはなしでなかった、そんなウラ 話は私らがもう古稀も過ぎての久々の(電話での)再会時に「おッ師匠(しょ)はん」の口から初めて聞いた。笑えた。
以来、わたしは京都へまったく帰る元気も機会もなく、美少女の極みであった「おッ師匠(しょ)はん」がどんな婆さんになってるやも知らない。湖の本を送ると、京の菓子を、時には縄手の好い「鰻」を、送ってきてくれる。どんなときも熨斗紙にはいつもただ一字「そ(粗品の「そ」カナ)」とあり、「おッ師匠(しょ)はん」の現姓が書かれてある。「おッ師匠(しょ)はん」は宝塚に入団後のいろんなドラマを経て「同性」の旦那さんと結婚した。私も一度は会ったことのあるその旦那さんはもう亡くなって、「おッ師匠(しょ)はん」は、いま、息子娘夫婦のような養子分に支えられながら、やっぱり「おッ師匠(しょ)はん」をしているらしいのである。
この世に、知らぬまに「お嫁さん」にし損じていた美女が一人いるなど、ちょっと面白いではありませんか。電話口では昨今、仲よく会話しています。人生は、おもしろい。 2020 6/13 223
* 京・山科の詩人あきとし・じゅんさん、めずらかに、健康促進の酢や出汁、濃厚の果汁等々の飲料をいろいろに下さる。食をすすめないと疲労が衰弱へ傾きつつあるとき、ご厚意に御礼申します。
* 五時に起きて九時半。すこし休息しないと危ないか。
* 正午近くめざめる。
吉備の人、鰻の御馳走を下さる。有難く。
高麗屋から、「優茶」のボトル戴く。 感謝。
2020 6/17 223
* 山形の「あらきそば」さん、久しいお付き合いの又三さんがおしくも亡くなられ、娘さんの手で、今日、此の桜桃忌にもどっさりと見事な珠玉桜桃を賜っ た。ほんとに嬉しい。心より御礼申し上げます。お父上に何度も誘われていたのに出向けぬママのお別れとなったのが、残り惜しい。そして「あらきそば」さん を湖の本の読者にとご紹介下さったあの福田恆存先生の温かな御厚意も懐かしく有難く思い起こされる。大勢の方にお力を戴いての半世紀を超す創作と執筆と出 版の日々であった。有難い日々であった。すぐ目の前の谷崎先生御夫妻の写真にも目をむけ、感謝している。
2020 6/19 223
* 夕食には、吉備の人に頂戴していた「鰻の蒲焼き」と、山形の「あらきそば」さんから到来のみごとな「桜桃」を戴く。幸い、いいお酒ものこしてある。
雨の桜桃忌。心もち冷えてきている。
コロナ禍への判断は慎重にと。都知事選にも煽られ、アベノリスクの夫婦議員逮捕でも右往左往の安倍政権「経済」寄りご都合主義の甘い緩和方針が、二波を 呼び込む裏目に出ないのを望みたい。私の見映えもしない長白髪は左右へ垂れて繁りに繁ったまま。散髪も歯医者も、まだ遠慮している。
2020 6/19 223
* 「父の日おめでとうございます。 建日子」と、「レミ・マルタン XO」が舞い込んだ。「父の日」とかは、意識したことも、祝って貰ったこともなかった。びっくりし、ありがとう。建日子も、「アラート解除」に油断無く元気ですように。怪我のないように。
☆ どういたしまして。
良い父の日を。
お酒は少しずつ楽しんでくださいませ。 建日子
* そういえば大昔になるが、誕生日だったのか、突如として朝日子が、当時もう手に入りにくくなっていたろう好きな中國酒の「マオタイ」一本を呉れて驚喜したのを覚えている。元気に、心行く日々を送っているだろうか。
2020 6/21 223
* 小瀧英史さん、松竹梅の山田錦全使用の大吟醸「飲み比べセット」を下さった。ありがとう存じます。
* 京・古門前の大益貞子さん、祇園「ささ木」の瀟洒に凝ったゼリーを送ってきて下さった。ありがとう存じます。
2020 6/21 223
* 九時を回ろうか。階下へもう下りた方がいい。仙台の遠藤さんに戴いた桜桃で、今晩もすこうし建日子の呉れたレミ・マルタンを、少しだけ飲もう。
2020 6/22 223
* 大阪の河野能子さん大好きな京の御池煎餅を下さった。嬉しく戴きます。
都内の中野完二さん、名酒「やまと櫻」を下さった。有難く戴きます。
2020 6/24 223
* 京都の万年元雄先生、小松市の八代啓子さん、静岡の西村明男君、それぞれ多彩に佳いお菓子を立派な箱入りで頂戴した。わたしは、白砂糖を小匙で掌にのせて真夜中にも口にする甘い好き。京、金澤、名古屋の名菓、頂戴します。
2020 7/4 224
* 弥栄中學の二年生で同じ組にいた横井千恵子さん、例年のように私の好きな今日の漬け物、それも歯の弱い私にありがたい美味しい各種を送ってきてくれま した。有難う有難う。彼女、祇園の御茶屋の娘で、やはり一年生のとき私と同じ組だった内田豊子さんと近所住まいの大の仲良しだった。二人とも長じて祇園で 感じのいいバアをもち、あまりそういう店へ出入りしない私も、この二人の店へは妻も、友人島尾伸三さんや、甥の北澤恒や猛も連れて行って、好きに仲よく歌 など唱わせていた。私は唱えない人で、ただ飲んでいた「強いねえ」と「チイちゃん」にも「トヨ子ちゃん」にも呆れられながら。
なつかしい二人それぞれのそんな店も、いつしか祇園を出て、内田豊子さんはもう亡くなった。横井さんは私の長編『お父さん、繪を描いてください』巻頭の 「一、拝殿と山路」早々(湖の本では9頁)に、掃除当番のモップの柄で男子のわたしたちを音楽室から追っ払う「淺井多恵子」として、颯爽と登場している。
同い歳。どうか、元気でいてくれますように。このごろ、だれに向いても同じことを呼びかけている、ほとんど、頼んでいる、まるで。
友よきみもまた君も逝ったのか われは月明になにを空嘯(うさぶ)かん
そう呻いたのは二○一一の十月だった。歳あけた正月五日の人間ドックで私は二期胃癌と診断された。あれから十年余の歳月を積んできた。
2020 7/9 224
* ペン会員の長田渚左さんから、沢山な缶ビールやジュースを頂戴していた。恐れ入ります。
2020 7/11 224
* 京の宇治、伊藤隆信さん まことに珍らかに多彩な菓子や食べ物を大きなダンボール箱で送って下さった。「ビックリ箱」という言葉を遠い遠いはるか昔から想いおこした。たしかそんな「箱」が有ったなあ。
* 「仕事」「校正」「コロナ」気が抜けない。白髪は伸び放題、が、散髪にも懸念がある。ガマンして済むことは済ませたい。頼みは機械君のご機嫌と私自身 のアタマの働き。食欲は低迷の限度にある。京の漬け物で酒を飲んでいる。幸い有難いことに口あたりの佳い菓子も佳い茶もある。
2020 7/16 224
* 神戸の岡田昌也さん、見るから豊かに美しい立派な桃、大好きな桃を下さった。このところの極端な食欲不振でも、果物とお酒とには籤ちらず、手も口も嬉しく働く。有難う存じます。
食べ物で、最近声をあげて美味に感謝したのが 京漬け物のなかの茄子だった。煮た茄子も焼いた茄子も田楽の茄子も子供の昔から親の仇のように嫌い続けてきた茄子なのに、漬け物の茄子は大の好物、ことに京漬け物の味わいは、なんとも深い。
わたしは、野菜も、ことに煮た魚も、焼いた魚でも逃げ腰で、食べさすモンが無いと秦の母を泣かせていた。戦時の白砂糖は貴重だったが、ときおり盗んだ。今でも、真夜中にでもホンの小匙が舐めたくてまくら元の戸棚に隠してある。
味噌醤油も好き。戦時疎開していた丹波での大家さんでは味噌も醤油も自家製で、ことに「もろみ」を戴くのがそれは嬉しかった。但し白い飯はなかなか口に 入らぬ時代だった。茄子並みにいやだった南瓜がよく飯に混ぜられヘキエキした。田舎暮らしで贅沢したのは、栗と柿と、丹波の茸類だったなあ。こんな「私 語」の止めどないこんな八十五になる爺さん、いるもんだろうか。
2020 7/18 224
* 能タタカヒニハテシワガなやちの梅若万三郎さん、特製の美味しい大きなソーセージを下さる。岡田昌也さんに戴いた美しい大きな桃といっしょに、ワインではやめの昼食にした。いい果物といっしょに、脂肪もある蛋白質を久しぶりに賞味できた。深く感謝。 2020 7/20 224
* なんともかとも疲れている。土用の丑とか、信じにくい陽気だが、用意の鰻蒲焼きを小さく二切れ戴きました。食べると、量は少しでも、腹が張る。
まだ七時半というのに能力はダウンしている。抵抗せず、遠慮もせず、やすもうと思う。
幸いに、大いばりで「籠居」できている。『選集 33』の初校はもう先が見えている。急がれてもいない。「口絵」の試行も、もう写真を送って頼んである。
「湖の本 151」は、今しも入稿原稿の用意に励んでいて、催促の尻を突かれてもいない。
2020 7/20 224
* 北越の光明寺さん、名酒別撰「越乃寒梅」を戴く。感謝。国際ペンで専務理事などをつとめられ御活躍の堀武昭さん、いつも銀座で選り抜き、実に美味い洋菓子を下さる。感謝。
2020 7/22 224
* 愛知の久米則夫さん 素晴らしい葡萄の色々を送って下さった。嬉しく、有難く、感謝。
2020 8/1 225
* 金澤の素晴らしい名品の葡萄「ルビーロマン」の名付け親金田小夜子さん、今年も立派な一房を送ってきて下さった。美味さはもとより、見た目の美しい房生りにおどろく。ありがたく頂戴。
2020 9/3 226
* 神奈川二宮の高城さん、目を瞠るみごとな桃を下さった。
2020 9/6 226
* それはそれ。それよりもここ毎朝三果ずついただいている葡萄の「ルビー・ロマン」の美味さには驚嘆。
日本人は、それこそ縄文の時代から、植生の妙をよく知っていて、栗、柿、桑等々その他の果実や葉や幹や草や根を、稲や麦とも対等なほどに生活に活かしつ づけてきた。その至妙の体験と工夫とがいまなお旨い葡萄や桃や梨に成って人を悦ばせる。大抵のことに都市人は意識していないが、この植生豊かな日本列島 は、そのままの「生きた寶もの」といえる。どうまちがっても放射能や化学物質で汚染してはならないし、無残に他国に奪われてはならない。
2020 9/8 226
* 食欲も体力も無い。文は作れるし本も読めるが。
葡萄の「ルビー・ロマン」だけが、美味い。もう少しして熟するだろう戴いた桃に期待している。缶ビビール一つが飲みきれない。体の芯に疲労が巻きついている、やれやれ、気分わるい。気迷い無く、佳いものがたり世界への旅を辿るにしかず。
* 九時になろうと。腹部不穏、むかむかしている。
2020 9/8 226
* 永く、ためらっていたが、妻の体調も案じられるので、寿司の出前を頼んだ。親切な「和加奈」寿司は、好物の「鯛の兜煮」をサービスしてくれた。感謝。酒は 切れていたので、珍しいワインの栓を抜いた。一人前が食べきれなかった、が、こころよく酔って寝入ってしまった、面白い夢を見ていて、ふと今しがた醒め た。十一時に驚いている。つけっ放しの機械をたしかめに上がってきた。もう、このまま、やすむ。寝過ぎるのは良くないとも教わっているのだが。
2020 9/14 226
* 朝いちばんに私の好きな「杏のお菓子」を頂戴した。やわくてボロボロな私の歯にもごく優しい。有難い。
☆秦 恒平様
今月の末で杏のお菓子が終わりますので その前にお送り致したく存じました 勝手にはからいまして恐縮です
厳しい残暑も時に途切れるようになり 少しは過ごしやすい日が ふえてくることを願っております
どうぞ 御身 御大事になさって下さい 村上開新堂社主 道
* 実を言うと 「湖の本」を始めたこの35年近くも昔に、私はこの方にただ一度、それも私は昼食の出来るお店「ドーカン」の客席に、向こうは、ちいさな 覗き窓向こうの調理場で白いキャップで仕事中の横顔だけをちらと看た、それだけ。まともに言葉一つかわしたこと無く、今日まで、ほんものの「こころ」御縁 を頂き続けてこれた。有難いことだ。
2020 9/17 226
* 仙台の遠藤恵子さん、秋の香のあふれた色々の蒲鉾をたくさん送ってきて下さった。感謝感謝、酒のさかながきれたなあと思っていた。ありがたし。
2020 9/19 226
* セイムスへの買い物にも付き合った。安い洋酒のカティサークも買ってきた。
2020 9/21 226
* 群馬の都澤しづ子さん、黒い、まん丸い、大きくて美味しい葡萄を、たっぷり、下さった。身も心も美しく潤う。感謝。
* 大津の澤敏夫さん、近江の銘酒二種に酒肴も二種添えて下さった。ありがとう存じます。
2020 9/24 226
* 食に気が行かないのは、暮らしの晴れが無く、困惑。わたしに、食べたくない日々が来るとは思い寄らなかった。酒は、美味いとまだ感じられる、が、酒だけというのは危険と思っている。
2020 10/11 227
* 引っ越すのを苦にしない人がある。わたしは、思うだにお手上げになる。ちっと、羨ましくもあるが。
この歳(もうすぐ八十五)になりうらやむという気持ちは浅ましくも俗でもうす汚くもあるけれど、もうしばらく前から羨ましい男のデレビ番組があり、つい 見てしまいながら犬が唸るように羨ましく僻んでしまう。顔も役もよく知った馴染みの五十代ほどの俳優が独りで街歩きして、ふいと食い物矢の暖簾を肩で撥ね たりする。そして、まあその店自慢そうな美味そうな食べ物を飯も汁もお茶になるまでじつに美味そうに嘆声をもらしてしたたかに食う。そして、舌なめずりす るほどにまた外の道へ出て向こうへ行く。あたまに来るほど羨ましいが、さて、食っている一々のかなりのモノがわたしは必ずしも好きでない。肴は煮ても焼い ても大方気に入らず、鍋の鱈のほか、魚は刺身でしか食えない。肉のゲテ物は全然ダメ。野菜はキャベツていど、どの季節の青いのもみなダメ。料理屋でいそいそと手を出すのは吸い物。これが、たいていお代わりが利かない。卵料理にはいつも嬉しそうに手を出してたのに、このごろ卵の味が舌にこない。妻に気の毒。
それにしても、テレビの彼氏の、食通でなんとも美味そうに食うことは。黙って、いつも眺めているだけ。
2020 10/11 227
* 神戸の岡田昌也さん ふくふくとした大生りの枝豆をたくさん送って下さった。ふっくらと大きく甘みあり、私は 主食のように戴けてありがとう存じます。
お目に掛かったことがないのに、みなさん、親類のように懐かしく有難く思われる。御縁を頂いて、いつしれずに何十年も経っている方も。寂しいと謂うことがない。有難いことです。
2020 10/17 227
* ひとりで作業を継ぎ、むしろ弱った体調を思って、夕飯を、好きな中トロの刺身を主に、寿司の出前で、生協で手に入れた「奧丹波」の美味い酒を。そして、寝入った。
2020 10/22 227
* 寺田英視さん、京都のあのすっぽん料理で聞こえた「大市」本店から、ごちそうをドサっと大きな一箱詰めで送って下さった。有難く御馳走になります。
* 京西院の「大市」の瀟洒な本店は知ってはいるが、実は入ったことなく。書いた「小説」の中でだけ奢りましたけれど。
河原町三條の大きなホテルの地下カウンターの席で、妻と「スッポン鍋」食したことが一度あった。あれは、叔母宗陽の茶の湯のお弟子がその店の大将で、私 もその人の稽古を何度も見ていたお礼にと、あの日は夫婦二人に奢ってくれたのだった。目がさめるほど美味かったのを想い出す。
2020 10/24 227
* 宇治の銘茶をたっぷりとお送りいただいた。有難う存じます。
もう、幼稚園。国民学校、小学校、新制中学、高校、大学を通して、教室で教わり、こういうご挨拶の今も出来るのは水谷葉子先生(旧姓・佐々木先生)お一人となった。深い感謝を覚え、お懐かしい。ますますお元気でいらして下さるよう願ってやまない。
* 藤森佐貴子さんからの鰻の佃煮を頂戴した。酒の肴として、まことに有難く。
2020 10/28 227
☆ 秦 恒平選集
全巻刊行祝 石川・金沢 松田章一 劇作家
* 大好きな「森八」の甘味に副え、過分のお祝いを頂戴した。久しい久しいおつき合いと共に 感謝に耐えません。
2020 10/29 227
* 石川・能美の井口哲郎さん、名酒一升を送って下さった。恐縮しつつ嬉しく頂戴した。米の飯をはぶいても美味しいお酒に親しんでいる。それで善いとばか り思うのではないが、目下の所 美味いお酒は御飯より身の養いに思えている。思いすぎてはならぬと心得てはいるけれど。ありがとう存じます。
2020 10/29 227
* 井口哲郎さんに頂戴した加賀白山「萬歳樂」一の、名醸「白山」を、朝いちばん、好きな萩の大盃で一献頂戴した。しみじみと。
2020 10/30 227
☆ 東村山の写真家 近藤聰さん撰集完結のお祝いにとわざわざ近江の名酒一升 送って下さった。「みごもりの湖」が御縁の初めであったように、近江でのお仕事がお好き。 感謝申します。
2020 10/30 227
☆ 吉備の人 ご静養のなかから、選り抜きの名酒 二種二升を はるばる お送り下さった。御礼の申しようもなく、有難く嬉しく頂戴致します。 日々、どうか御恙なくお過ごし在りますように願い居ります。
2020 11/1 228
☆ 拝復
酷暑にたえ やっと迎えた秋ですが、気温の高下 ついていけません。
気力、体力、ご充実 豪華版選集ご完成に感服、ありがとうございます。「帰樵」図に託された同志奥様ともども この大事業を企画継続された強いご意志の根源は何か、その作家としての業のすさまじいこと。
ご本回覧した闘病久しい卒業生がいましたが、。身辺さびしくなりました。御作に触れながら離れ住む血縁についても思案いたします。
敗戦時 宮家首相による全国民總懺悔の発言、それはないよなあと思いながら過ごしてきましたが、ありばて証明 折々のご発言有意義に存じます。 アベ政 権を許さないとまで酷評された政権政策の継承をうたい(きたこれが支持されるなど合点ゆきません)それにも増す暴政のきざし、陰湿などと、東北県民性が云 々されるなど、秋田出身であること今さらながら羞じねばならぬ世の中になるとは思いもよらぬことです。
妻ともども感染恐れながらの通院の日々、お礼言上遅くなり恐縮です。今年は報恩講中止とも菩提寺から案内ありましたが、
國なまり法話果てての温め酒
落ち着いて読書の妙楽しむ日迎えたく。
くれぐれもお揃いでお大事にと念じております。
ふるさと大使務めた亡きいとこの誕生日が 11月3日、自分のための祭日…と。愉快な人でした。お届けはふるさとの物を が口ぐせ。彼の供養もかね かわりばえしませんが うどん(稲庭)少々お届けしました。
着到ご返書、どうかご放念ください。 草々 神戸市・須磨 周 神戸大名誉教授
* 戴く 一句 にいつも無上の風趣、思わず 嘆声を贈る。ありがとうございます。いつも、実に美味しい稲庭饂飩 今度も頂戴した。歯のボロボロな口に有難く、柔らかい。
2020 11/5 228
☆ 四国の大成繁さん、好きな、讃岐うどんをたっぷり送ってきて下さった。感謝。
2020 11/6 228
☆ この度は
『秦 恒平選集』結びの第三三巻を御恵贈賜りまことに忝なく存じます
身に過ぎる貴重な御選集をいただいてまいりましたこと ひたすら御礼を申し上げるほかに表現できずにおりす
どうぞお許し下さい
重ねて御礼申し上げます 道 村上開新堂社主
過日 飛來一閑作の四方盆をいただき、初めてうちのクッキーの形が特殊なことに気づきました うまく写真に撮れませんでしたが 銀紙で包んだこのクッ キーは角型ですが 四隅が切り込まれた形をしています 私が もの心ついた時にはこの形でした。 おそらく戦前から変わっていません 普通の角型よりは若 干抜きにくい形ですが 日本の伝統から笑まれた形故 大事にしてきたのでしょう 元の意味は不明になりつつ…
四方盆に申し訳ない拙い写真ですが クッキーと列べて写真を見ていただきたく 同封いたします
角折四方盆を職人達にも見せたいと思っております 形の相似以上に 職人たちが籠めた命が体現されていますように思えます
突飛なことを書きまして申し訳なく存じます
御選集を編み終えられた時にお疲れを募らせるような冗長な手紙になってしまいました
御身 くれぐれも御大切になさって下さい 道
追伸 お盆にクッキーを盛ることが まだできておりません 追って お目にかけたいです
* まあ 実に 差し上げた四隅折一閑盆とそのままの姿おもしろい昔のクッキーを写真で見せて頂いた。ビックリした。
さしあげた盆になじんで、すがた相応しい新しいクッキーもお出来に成ればと楽しみにしています。 いつもの、クッキー満載の大きい一缶を頂戴した。感謝します。
☆ 下関の大庭緑さん 三十三巻揃いましたと、 赤間の雲丹の二壜と土地の名家二竿を送ってきて下さった。選集刊行を予告したら直、折り返し「全巻下さ い」と言ってみえ、ビックリしたのを懐かしく想い出す。どこか一巻送り盛れたときも、即、催促された。こういう読者とも久しくお付き合いしてきた嬉しさ は、私のような妙な変わり種作家ならではのものと思う、今晩は 美味い雲丹でお酒がいける。
2020 11/7 228
* 岡田昌也さん、『選集』を「大偉業」と祝って、豪華な羊羹の箱をくださった。恐れ入ります。
写真家の近藤聰さんも、重ねて「カステラ」で祝って下さった。
大庭さんに頂いた赤間の雲丹の美味さ、酒の味が生き生きする。
が、心身 頽れそうに疲労、奮いおこすように鞭打ち、書き下ろしつづけているが心身働いていない。
聖路加病院内分泌科へ、出向かねばすまぬ日が近づいている。
2020 11/8 228
* 処方箋をもって外の薬局へ入ったのが四時すこし前、モノが整ったのが四時過ぎ。家を出てから口にしたのはちいさめのペットボトルのお茶だけ。ちっとも 空腹でないが、からだには力がなくなる。しかし四時半までには帰りの地下鉄に乗らないと満員に近くなり、それは有り難くない。新富町から西武線へ直通で石 神井公園止まりがきたので乗った。食事はタマから諦めていた。駅前へちょうどタクシーが入ったので、徒歩帰りはやめて、乗った。五時。一日がかりだった。 天気はよくて、築地は紅葉よりも翠の栄えにみえて日盛りが心地よかった。
万事済んだら車で日比谷のホテル地下、北京飯店で蝦料理に佳い紹興酒を二合などと願っていたが、時間的にむり。むりをすれば帰りの電車が満員、ではコロ ナが怖い。何よりハラがすかないというのが、ちと情けなかった。保谷駅の売店で見た目凝った菓子パンを二種買って帰ったが、一口ずつしか食べられなかっ た。一つには堅く、一つには口に合わず。朝からのまなかった日本酒を、ちと風変わりな酒杯にいっぱいだけ飲んだ。蜆のみそ汁だけで、飯も抜きの夕食。それ がたいして苦にならないほど、食が細い。
* 嬉しい頂き物があった。團くんから、妻の曰くとても名店からカステラ二本。ありがとう。歯にも優しくて。
2020 11/10 228
* 石川県能美の畏友井口哲郎さん、すり下ろして食せるでっかい山の芋を下さる。歯無しの夫婦にはまっこと有り難く。感謝感謝。
* 祇園下河原「浜作」のいまや大女将の洋子ちゃん、浜作自慢の「ぎをん時雨」を送ってきてくれた。下河原の店は息子たちに譲って、中京でマンション暮らしらしい。元気でいてくれれば宜しい。
弥栄中学へ二年生で私のいる組へ転入してきた。祇園のお茶屋「有楽」の子で、家同士にいくらか縁があったのですぐ仲良くなり、三年生でも同じ組だった。 わたしは卒業するまで、わたしだけの特権のように、ただ、「ヨーコ」「洋子」と呼んでいた。二年先輩の「浜作」二代目に、「あの人」引き合わせてくれない かと頼まれ、それが縁で「浜作」二代目の女将になった。辛抱の良い子だったので、落ち着いたいい女将さんに成った。二代目が亡くなった後、三代目をよく育 てたのである。
「ぎをん時雨」はよくおろした大根と合って、とても佳い酒肴。おおきに。
2020 11/17 228
* 今日は日本酒を口にしなかった。ワインを少し、エビスの缶ビール一つ。昼には、スパゲティを食し、晩には鰈の揚げ物と濃い出汁粥を少しく。
2020 11/23 228
* 堅い、柔らかい、風呂委、新しい、リアルも幻想も神話も、古典も漢文も詩歌も、みな好きで、本もいろんな映画版もたっぷり身のそばに在り、このイヤミ にシンドイ時節を凌ぐには、大助かり。幸いに退屈というコト無く。「選集」を、すっかり綺麗に仕終えて「仕事」として追われないのは、じつにこのコロナ籠 居の折り、有り難い。
だが、ときどきは、街での旨い店のいい食べ物が恋しい。日比谷のホテル地下で、中華の海老料理と佳い紹興酒を二合ほど、か、五階のクラブでサイコロス テーキと蝸牛で、佳いスコッチかブランデーをシカと飲みたい、が、すっかり安全とまでは、外出しない氣でいる。歌舞伎座もはるかに遠い。どう要心されてい ても劇場は、身が退ける。高麗屋さん、ごめんなさい。
2020 11/23 228
* NHKブックス「梁塵秘抄」や「閑吟集」をつくって下さった安田鏡子さんから、キウイを沢山戴いた。
岩波「世界」に『最上徳内』を連載させて下さった高本邦彦さん、温州蜜柑を大きな箱で下さった。
京・古門前林の「おっ師匠はん」 果実菓子を沢山送ってきて呉れた。痛みきっている歯に有り難い。
ありがとう存じます。
2020 11/30 228
* テルさん、なじみの茶菓子一箱、送ってきてくれた。わたしは、昔からの「茶くらい」(秦の母の呼んだあだ名)で、朝から晩まで、大薬缶のお茶、いわゆ る番茶を愛飲という以上にガブ飲みしていた。一つにはひもじさを宥めてもいたろうが、番茶煎茶は避けて通れぬ殆ど主食の一部だった、好きだった。茶菓子が あれば、たとえ炒り豆でも驚喜した。テルさんの茶菓子は上等である。感謝。
2020 12/5 229
* 亡き橋田二朗先生のお嬢さんから、思わず叫んでしまったまさしく京の「松茸佃煮」を一折り頂戴した。最高。有り難う存じます。
切れていた酒をせめてと早速「セイムス」へ走ろうとしたが、二度 出を試み二度とも転倒のおそれを感じてとりやめた。頭がふらつくのでない、カラダがよ ろめく。何を用意してもらっても、口へ運べていない日々が続いている。栄養失調のよろめきかと思われる。とにかくも自転車での転倒は怪我にもつながる。
2020 12/7 229
* 六十三年以前の今日、求婚した。京の黒谷は紅葉の盛りだった。一と枝もらって、二人で新門前の叔母の茶室へ帰り、茶を点てた。
六十三年、往時渺茫ではあるが、わたしは、物覚えよく、いろいろな思い出の日付けを忘れていない。何月何日はなにごとのあった、した、できた日と、妻も呆れるほど覚えている。
十二月十日 橋田有子さんに送って頂いた京松茸などの漬け物で、ホンの少し瓶に残った朝飯の酒を飲もう。
2020 12/10 229
* 妻の、昔むかしの女学校友達から、関西ふうの「おかき」を戴いた。
2020 12/14 229
* 京、有栖川の さん、丹波栗を甘煮の瓶、丹波黒豆を甘煮の瓶、ずっしりと戴く。 下保谷眼科の佐藤千里子先生、「とらや」の最中をたくさん 戴く。
栃木の渡邊佳寛さん、名産の超大粒の苺・とちをとめをたくさん送って下さる。
練馬の持田さん、重ねて、めずらしい蘭の鉢を贈りくださる。
もう、我が家には「今」でしかない、やがて無くなって行く「日々の華」やぎ。感謝しつつ私は素直に嬉しく頂戴している。ありがとう存じます。
2020 12/15 229
* 京の冨松賢三君、国民学校から大学まで一緒だった唯独りの懐かしい心親しい親友が、色優しいウマイ京菓子を送ってきてくれた。ありがとう。元気でいてよと心底願い祈る。
2020 12/17 229
* 小説『花方』の産みの親でも春愛媛今治波方の、もと図書館長さんだと聞いている木村年孝さん、愛媛名産のバレーボールかとおもうほどの大きなお蜜柑を ずっしりと贈ってきて下さった。今や歯のアウトな私にはまことに嬉しい生き生きとした見事に見栄えの果実。感謝感激です。
2020 12/17 229
* 義妹から、私八十五歳誕生日へのお祝いに、美味しいクッキーと、猫たちの Happy Birthday to you大合唱のちっちゃな飾り棚とで届いた。,ありがとう。
85歳のお誕生日 (21日)
おめでとうございます!
世界では 色々なことが起きていますが
どうぞ 心と体は 穏やかな日々でありますようにと お祈りしています
お二人揃って 長生きして下さい! 琉
今月は妹の誕生月でもあるのに、私からは、妻(姉)まかせで、メールやブレゼントでは何を云ってもして上げてもいない、のに。
恐縮し、嬉しがっています。いつもいつも好意を満喫しているばかりの勝手な私で、ごめんなさい。
* 神戸の岡田昌也さん 美しいとも謂うべき立派な「山の芋」を、ずしっと贈って下さった。ありがとうございます。
2020 12/18 229
* 宮崎櫻の郷酒造の凄いほどに美味い焼酎「赤魔王」の芋・麦セットを、三越を介して贈られてきた。私名宛で送り主は都内中野区本町の「株式会社エトー様」と荷札にあるが、はて。確かめもせず飛びつくように先に「芋のうま味」にのけぞった。すばらしい。
2020 12/19 229
* 小滝英史さん、清酒「越之寒中梅」三種下さる。感謝感謝。
2020 12/20 229
* 梅若万三郎さん、年越しの饂飩を下さる。恐れ入ります。
2020 12/20 229
* 昨夜はとにかくも寝入った、幸いに重苦しさ無く、九時半に目覚めた。祝いの朝食を夫婦二人と「マ・ア」とで。 その間にも、お茶の先生をされている吉田宗由(真由子)さん、豪奢に幾色もの薔薇の大花束を贈って下さる。
また世界ペンの堀武昭さんからもケーキを戴く。幸せ者である。
妻が用意の赤飯、そして純米の越乃寒中梅で盃をほす。
八十(やそ)四枚五枚かさねて歳の葉の
彩(いろ)映えばえと散り初めにける 南山宗遠
2020 12/21 229
* 京。山科の詩人 あきとし・じゅんさん、 名酒なかの名酒「獺祭」下さる。感謝感謝。橋田有子さんに頂戴の松茸佃煮と塩昆布で戴く。
2020 12/21 229
* 建日子が、お祝いを持参、玄関外まで車で来るという。顔は見たい、話したい、が、この際要心第一にという他なく。 乾杯のかわりにと 呑みあましの 「獺祭」と、古備前の銘「餓鬼腹」とある堂々の古水指を持ち帰らす。これは、見るから異色豪快な古備前。大事に楽しんで欲しい。
2020 12/21 229
* 建日子 「 HENNESY XO 」持参で、誕生日を祝いに車で玄関まで来てくれた。上がって話していって欲しかった、が、お互いのために、戸外でそのまま当面直面を避けて、帰って貰った。残念至極。
* 蟹をつついて、戴いた銘酒のいろいろを味わいながら、夫婦だけ、「マ・ア」だけで夕食を終えた。
2020 12/21 229
* 朝一番。作家の牧南恭子さん、りんごジュースのずしん重い一箱を下さる。感謝。ペンの委員会で席をならべていた昔から、遙かというほど久しくなったなあ。私よりはお若い。お元気で。
2020 12/22 229
* 吉備の人、最上等の「獺祭」を二升、贈って下さった。師走を正月へ、何より。有り難う存じます。
* 元 講談社の書籍出版を統帥されていた天野敬子さん、例年のご厚意、すばらしい一連の吊し柿たくさんを贈って下さる。『選集』の三十三度を、心底深切 をきわめて励まし続けて戴いた。わたしは本当に果報者であった。心より御礼申し上げます。コロナのさなかです、どうぞお大切になさってください。
* 体調優れず、午後も、夕方へかけ寝入っていた。「孔子門弟列伝」を原文で読み進み、行き詰まると講釈に助けられながら、いつか、つぶれるように寝入っ ていた。起きても、夕食がまるで進まず、妻の心づくしに申し訳ない日々がつづく。今すぐにでも、また寝たいほどからだが懈い。
新しく「湖の本」次巻「初校出」までの今を、天与の休息時間と遠慮無う休んだ方がいいのだろうと思う。物忘れというほどでなく、語彙、モノの名忘れが日々に露骨になってきている、少しずつだけれど、そしておおかたは数分内にも思い出せるのだが。
2020 12/22 229
* 北越の光明寺さん名酒「越乃寒梅」を、神戸のe-OLD芝田さん伝統の丹醸に、手触りも美味しそうな新酒粕を添え、送って下さる。ありがとう存じます。
* 誕生日に是非にと玄関外まで車でお祝いに顔を見せて呉れにきた建日子、いろんなお酒に加えて綺麗な箱入りの「レミー・マルタン」も呉れていた。オオウと声をあげ昨夜寝る少し前に、スコーゥシだけストレートで味わいました。
2020 12/23 229
* 15時間寝たなど 入院時は覚えないが、つねの日々では異様なだけ、記憶がない。いま晩の七時半ちかいが、夕食もほ とど何も口に入らなかった、汁気や茶、少しの酒ばかり。安部前総理のウソ八百をごまかして喋るテレビは不快、録画の映画にもうまく当たらず、頽れる気分で 黒いマコと二階へ来たが、寝床で読書して寝てしまおうと思う。
2020 12/24 229
* 篠崎仁さん なんとも名も清雅な清酒「杉並木」を下さった。感謝申します。
2020 12/25 229
* 昨日。野沢利江さん 例年のように鴨鍋一式のご馳走を送ってきて下さった。年越しに、有り難く温かく戴きます。
今日は小松の さん、すばらしい昆布を山のように送って下さる。有り難く、新年のお雑煮の用に頂戴する。感謝感謝。
東工大を三年から院へ、そして東大へ、いちはやく大学の先生へと、みごとに駆け抜けていった為我井さんから、変わりなく「湖(うみ)の本」へ支援の送金 があった。感謝します。やはり同じ道を進んでいき、同じように応援してくれる川口さんもある。早く家庭に入って幸せいっぱいっばいの和田さんも。みな、生 直ぐに和やかで聡明な女子学生だった。ますますお元気出と願う。
男性の方は、みな、あまりに今や忙しそう。
2020 12/31 229