ぜんぶ秦恒平文学の話

身体のこと 2014年

* 起床9:00 血圧128-63(64) 血糖値75  体重68.3kg

2014 1/1 147

 

* 近江の美酒に酔うて寝た。もうすぐ八時になる。

2014 1・1 147

 

* 起床9:30 血圧131-60(67) 血糖値84  体重68.0kg  体調に違和感。食べ物の感触がすっきりせず、食べなくても腹奥が重い。

2014 1・2 147

 

* 気持ちわるく、しんどい。戴いた年賀状をアドレスブックと照合整理した。疲れた。今年も年賀状を一枚も書かなかった。

 

* 今日は眼も気分も食事も最低。食べられない。食べても味わえない。酒も残っていない。酔って寝るのがいいだろうに。

2014 1・2 147

 

* 起床9:30 血圧139-66(63) 血糖値102   体重68.1kg  明け方、左上腕の激痛に堪えかねロキソニンを服した。それでも三日目の朝の雑煮は、ややマシに味わえた。上越光明寺の俳諧史研究家黄色瑞華さんに頂戴していた蕎麦が、口に合って美味しく、昨夜も今日の昼にも、建日子も繰り返し所望していた。

2014 1・3 147

 

* 起床10:30  血圧138-66(60) 血糖値83  体重67.3kg  昨日晩、将棋番組を見たら将棋盤の線がきれいにみな真っ直ぐなのに驚いた。ただしそういうことも一時のこと。目ぢからに疲れが来れば忽ち縦線はひどい波状になり、乱視や複視に困窮する。

2014 1・4 147

 

* 起床10:00  血圧142-68(50) 血糖値84  体重66.6kg

2014 1・5 147

 

* 起床10:00  血圧130-73(62) 血糖値81  体重67.3kg  胃全摘・胆嚢切除から一年十一ヶ月ちかく経過した。胃全摘後の特徴的とされる諸症状のうち、現在も体験ないし感触しているのは、①ダンピング症候群、②逆流性食道炎、③栄養(味覚)障害 ④左肩痛、⑤下腹膨満感、⑥鳩尾閉塞感、⑦過剰なほどの腹鳴 など。

骨代謝障害、輸入脚症候群等は理解できず、吻合部潰瘍、胃切除後貧血、残胃ガン等は確認されていないし、腸閉塞、胃切除後胆石は、無い。

2014 1・6 147

 

* 起床10:00  血圧145-69(59) 血糖値77  体重67.5kg

2014 1・7 147

 

 

* とにかく眼がよくない。

2014 1・7 147

 

 

* 起床8:00 血圧157-80(62) 血糖値78  体重68.0kg  血圧測定が一定しない。

2014 1・8 147

 

 

* 起床8:00 血圧140-68(57) 血糖値82  体重67.8kg

2014 1・9 147

 

 

* 起床8:00 血圧138-71(59) 血糖値87  体重66.8kg

2014 1・10 147

 

 

* 起床8:00 血圧141-63(61) 血糖値81  体重67.5kg

2014 1・11 147

 

 

* 「みごもりの湖」を慎重に慎重に校正し、仕掛かりの小説を書き継ぎ、新しい「湖の本」の仕事をし、そして「私語」もする。眼を使いに使うので、一仕事の果ては絶対的に休息するしかない。寝るのがよいが、ぼんやりと映画を観る程度でも細字を読み書きするよりは休まる。食べてもうまく腹に収まらず、呑めば寝入ってしまい仕事に障る。とにもかくにも仕事から仕事へ体力と視力とを継走させねばならない。ひどくなると殆どモノが見えないか滲んでしまっている。

それでも仕事していると元気であり、生気が湧いている。

2014 1・11 147

 

 

* 起床9:30 血圧149-75(59) 血糖値80  体重67.2kg

* 校正し、小説を書いた。三時。視野は茫然。やすむより無い。 2014 1・12 147

 

 

* 起床9:00 血圧138-65(63) 血糖値87  体重66.7kg

 

* 副都心線で渋谷へ。観世能楽堂まで歩いて、開場の時間前を並んで待って。もう疲れていた。

研能会、梅若万三郎の「翁」は、立派に厳粛、しかもおおどかに明るく、めでたかった。脇正面の最後列、舞台最前部が真横から視野に確保できる席をとってみた。これは成功。面箱、荘重。千歳、凛乎。三番叟はやや期待に逸れたが。鼓頭取の幸清次郎、笛の一噌幸弘、上出来。祝ってもらったという祝福感をたっぷり浴び、それまでで、堀上さんらと新年の挨拶だけして、梅若夫人にも挨拶して松濤の能楽堂を辞してきた。駅の方へ歩き、すでに疲れていた。

上京した昔いらい馴染みの「まつ川」で、少しく鰻。菊正宗。これが身に堪えた。

浅草線で日本橋の高島屋へ。「星星会」展。竹内浩一、田淵澄夫、牧進ら実力派の四人展の解散記念に過去展の全作をならべていた。大作ぞろい。しかし、視力落ち、体力払底、しかとは鑑賞できないまま、のがれるように銀座一丁目まで車にのり、有楽町線で帰ってきた。当初の心づもりでは日本橋から浅草へ、仲見世を抜けて、ひさご通りの「米久」ですきやきか、言問通りの「山勢」で寿司をと楽しみにしていたのだが、それぐらいは気も体も保つとたかをくくっていたが、とてもムリだった。

帰宅後も茫然として九時前までテレビを観ていた。

 

* 復調まだこんなものかと落胆した。これでは新幹線にはまだ乗れそうにない。

2014 1・13 147

 

 

* 起床8:00 血圧132-61(53) 血糖値79  体重68.0kg

2014 1・14 147

 

 

* 起床9:00 血圧152-64(52) 血糖値86  体重66.8kg

 

* 毎朝「選集」の校正を一番にする。眼のすこしでも利く内に慎重に読む。一度に10-15頁が限度。『みごもりの湖』だけでまだ三分の一残っている。慌てまい。

20114 1・15 147

 

 

☆ お元気ですか。

松濤の観世能楽堂往復なさったとは素晴らしいご回復ぶりです。その上日本橋高島屋までまわられたとのことに驚嘆しました。とにかくご無事にお戻りになったことは体力の勝利でした。安堵いたしました。ですが、今後は慎重になさってくださいますよう切にお願い申し上げます。オバサンにもできないハードすぎる行程でした。ちょっと呆れて怒っています。無茶です。早く体力回復したいという焦りは禁物と申し上げます。

みづうみからは娘世代の健康な私でも渋谷から観世能楽堂の徒歩往復はいたしません。渋谷という街はとても疲れるからです。距離的には大したことはなくても、渋谷駅というのはすり鉢の底のような場所で、そこから観世能楽堂まではひたすら上り坂です。しかもあの雑踏を人にぶつからないように歩くのは神経を使います。傍若無人の若者たちがスマホ片手に歩く中を、よくぞ転倒もなさらず歩き通されたものです。渋谷ほど中高年にやさしくない街はありません。いたたまれないほどに居場所がありません。

今後観世能楽堂に行かれる時には、駅前からタクシーをお使いいただくか、東急百貨店本店行きの送迎バスで本店まで行き、そこから松濤住宅街を抜けて能楽堂までお歩きくださいますようご提案させてください。それからお出かけ場所は、できましたら一日一カ所がよろしいのではないかと思います。少しずつ少しずつお元気に歩かれるようになればよいのですから、一気に元通りなどとは決してお考えになりませんように。

蛮勇のお疲れがでていらっしゃらないとよいのですが。どうか毎日お大切にお過ごしくださいますように。 品川区

 

* あれで高島屋の画展を見終え、銀座線地下鉄のママ浅草に着いて、仲見世から浅草寺に参拝、そのまま境内を通り抜けて、肉の「米久」か鮓の「高勢」で食事し、ちょっと呑んで、タクシーで鶯谷駅へ戻り池袋経由で帰るのは可能と、かなりタカを括っていたのだった。出来なかった。展覧会の会場までで限界に来ていた。

かなり自信をなくした。

 

* 四時。今日二度め気づかぬママ機械の前で寝ていた。休んで欲しいと眼の訴えなのだろう。

 

* 晩は、ぶっ通しで仕事していた。これから黒いマゴの輸液。元気でおれよ、少しも永く。

2014 1・15 147

 

 

* 起床9:00 血圧139-68(53) 血糖値78  体重66.9kg

 

* 小椿の緋の色にふたつ咲きそめてゆたに青葉の繁る明るさ  湖

 

* 気が萎えている。朝仕事のまま卓に伏して昼まで寝入っていた。機械の前へきたが、眼に元気が無くて仕事に手が着かない。

 

* 夕食もできず寝込んだ。寝ている隙間を縫うように少しずつは仕事をしていたけれど、生活感が鈍すぎる。

2014 1・16 147

 

 

* 起床8:30 血圧140-71(64) 血糖値101   体重67.7kg    右下腹に圧感あり、排便後にも。夜中の左上腕のカチカチの痛み、毎夜。

2014 1・17 147

 

 

* 機会画面が眩しくなると眼をとじて堪える、そのまま眠りに沈んで行くことの多くなったことよ。夕方には、また歯医者に。指でさぐると右上奥に二本分、下に一本分、左上下に二本分ずつ歯の欠損があり、正面上三本分が入れ歯になっている。食生活が、咀嚼でも食味でもはなはだ不十分なのも致し方ない。差し歯で補えるところは堅固に補ってほしい。

 

* わたしの育った、京、東山区新門前仲之町はさして長くない両側町で、南側はわが家が東の際に在った。その東はもう梅本町だった。西際は、北から南の新橋通りへ流れる白川が新門前橋で区切っていた。橋より西は西之町で、京舞井上流家元の家や、仕出し弁当で名高い菱岩などがある。そういえばあの新門前橋の上は仲之町なのか西之町なのか、いま、初めて思った。

その新門前橋の東際南側に、今でも在るかむかしは「横山歯科」という品のいい表構えの家があった、ただしその家へ連れて行かれるのは大大嫌いであった。歯の治療の好きな人はいまい。わたしはもう多年慣れていて、治療中もよくよくでないと痛みを訴えない。治療が済んで帰るときはたいがい清々した心地になっている。

歯医者行きのことから妙な方へ思いが行った。ことのついで、その横山歯科の真向かい北の橋際には「難波医院」という内科小児科のお医者があった。間口も広く大きな医者で、ここでもよく注射で泣いたけれど、じつは、横山でも難波でもわたしの気に入った一点は待合いに置かれた雑誌や本が読めることだった。いまとちがい、昭和十年代、開戦、戦中にゲスな週刊誌など無かった。科学雑誌か児童ものの絵本だった。今まで大泣きしていたちっちゃな患者が、治療が済んでも逃げ帰らずに、追い返されるまで待合いで本をひろげていた。そういう子だった。

 

* わたしの歯は、エンディングの見えないほど、まだ、あちこちがヒドイらしい。参るなあ。

 

* 歯科の帰り江古田の「笑雲」で食事し、階下の「ボルボ」でウオツカを二杯呑んできた。顔なじみも出来て気楽な時間が持て、妻もごきげん。

2014 1・17 147

 

 

* 起床10:00  血圧140-72(61) 血糖値81  体重67.6kg    右下腹に圧感痛あり、排便後にも。夜中の左上腕のカチカチの痛み、夜前も。リーゼ服用。

2014 1・18 147

 

 

* 妻の救急診療に随伴のため、記録できず。

2014 1・19 147

 

 

* 起床9:00 血圧142-71(57) 血糖値85  体重67.0kg    右下腹の圧感痛は、一方へ横臥しての長時間読書による筋肉痛かと。夜中の左肩上腕のカチカチの痛みも同じ姿勢から来るものかと。少なくも数ヶ月自覚している。また、この半年ほど、ふと気づくと掌で心臓部を押さえていることがあり、痛みというより圧感の程度だったが、やや痛みも伴いつつ頻度も増していて、今日も歯科への受診を途中で断念して帰った。

2014 1・20 147

 

 

* 歯科の予約が有って急いで出かけたが胸苦しくなり、むりをしないで結局途中から家に帰った。

2014 1・20 147

 

 

* 起床8:30 血圧149-69(60) 血糖値78  体重67.5kg

 

* 生活の歯車がいくらかチグハグしている。医院、病院通いが頻繁で、わたしの「仕事」も多岐に頻繁になっていて、迂路つきもし捗りもしないのが気に障るのだろう。「湖の本」と「選集」の進行の併走になるのへ慎重に立ち向かいたいとおもうからでもある。口先まで出ている歌にしても纏まってこない。

妻は循環の診察に地元病院へ出かけ、わたしも昨日行けなかった歯科へ出かけねばならない。

 

* 妻の、循環での詳細な診察結果は、良かった。胆石なら血液検査で分かるがその形跡も無い、腹痛はなんらかの胃腸障害であったろうとも。何にしても穏和に状態と謂われてきたのは有難いこと。 2014 1・21 147

 

 

* わたしの歯は、またとてもマグネットを装置しての入れ歯の拡大になるらしく、十万円かかると。一割治療とすると十倍の医療費、それを短期間に何度も繰り返さねばならなかったし、まだまだグラグラの歯があって、「ネバーエンディング トリートメント」だなあとドクターも嘆息。参る。

帰路、暫くぶりに「リオン」に寄り、赤ワイン二杯でひとコース食べてきた。食べながら、持参の選集作「三輪山」初校を終えてきた。

またしてもブックオフに立ち寄り、エドガー・アラン・ポーの代表作集と、中国で久しく禁書にされていた『結婚狂奏曲』上下を買ってきたが、はたして如何に。

 

* 疲れも出て、「お宝鑑定団」を観ていた。高橋道八(道八二代)黒茶碗や、備前の傾いた大壺に惹かれた。偽物や不十分ものは、今夜のは一見して分かった。三朝温泉の町でいろいろのモノが出ていたが、温泉そのものに魅惑されていた。

このごろ、というより、よほど前から、温泉に浸かりに行きたくて堪らないが、黒いマゴの為にも旅はしにくく、そもそも妻は温泉は苦手にしている。独りで出かけられるか、どうか。第一、どこへ行くのか。温泉体験がじつに貧弱なことに我ながら驚く。

熱海まで出かけながら、予約無しのため温泉に入れず、しかたなく駅前の古びた魚屋食堂で、それは大きな伊勢海老や、いろんな刺身を豪快なまでたらふく食って帰ってきたのを、懐かしく思い出す。

袋田の「四度の瀧」を観にでかけ、地元の温泉にひっそりと、たっぷりと漬かってきた懐かしい記憶もある。

小松の井口哲郎さんに山代温泉に連れて行って頂いたのも嬉しかった。

交通公社出版の取材旅行で出雲、宍道湖へ旅して、何とか謂う大きな温泉で泊まったこと、そこの露天風呂に浸かったあと、外気に冷えて頸が石のようにかたまり死にそうな思いをしたこともあった。

そういえば、箱根山へ登ったことがある。温泉旅館だった。あ、そういえば、何かの取材旅行で道後温泉へ連れて行かれたこともあった。この程度では、貧弱な温泉体験と謂うしかあるまい。

2014 1・21 147

 

 

* 起床8:30 血圧143-69(62) 血糖値92  体重67.3kg

 

* 「仕事」にひたと向き合っていて、私語の余裕もなかった。「仕事」しているということは、どう疲れていても、生きているということ。そのかわり、眼は完全に霞んで揺れて歪んでいる。まだ十時過ぎらしいが、休むしかない。

2014 1・22 147

 

 

* 起床9:00 血圧138-70(55) 血糖値80  体重67.6kg

2014 1・23 147

 

 

* 二時半、両国国技館の向正面中央の前桟敷へ入る。例の如く二人で、ゆっくり。ウイスキーのヴァレンチノをコーラで割って、たちどころに一瓶呑んでしまった、美味かった。弁当や焼き鳥などは食べず。大関復帰心細い琴欧州が懸命に大技で勝ち、大関カド番の琴奨菊が剛強に寄り切って貴重な七勝めをものにし、久しぶりに頑張っている大関鶴竜が危なげなく一敗だけの星を確保し、全勝横綱白鵬は豪榮道を豪快に投げ飛ばした。大関稀勢乃里はふがいなく五敗。

去年の夏場所には観ているだけで声も出なかったが、今日はウイスキーを美味く呑んだ勢いで、大声で盛んに声援を送った。

有楽町線を飯田橋でJRに乗り換えると両国へは真直ぐ。むかしは西武線を池袋でJRに乗り換え、秋葉原でまた総武線に乗り換え、かなり遠い気がしていた。ていた。お土産を二袋持って、つつがなく帰宅。ま、やっぱり疲れはする。夜前、よく眠れなかったので大丈夫かなと案じていたが、国技館のとびきりの陽気は活気も恵んでくれ、ちっとも居眠りもせず土俵の勝負を楽しんできました。

2014 1・23 147

 

 

* 起床8:30 血圧135-72(54) 血糖値95  体重68.0kg

2014 1・24 147

 

 

* もうへとへと。部屋の電灯を消してしまうと少しは眼がラクになるが、ちらちらしている小さな電器の明かりが、言語道断の乱視を誘う。もう休むしかない。

2014 1・24 147

 

 

* 起床8:30 血圧145-73(57) 血糖値79  体重67.2kg

2014 1・25 147

 

 

* 起床8:30 血圧145-73(57) 血糖値79  体重67.2kg

 

*「湖の本」119を入稿した。終日、勤しんだ。へとへと、もう眼が開かない。

* 「選集」が加わって、もう余力というモノが無い。意欲ではしたい遂げたい「仕事」が幾つも幾つも有るのに、そこへ手がまわせない。失明するわけに行かない。なによりも仕掛かりの小説をし遂げねば。

わたしよりも若い、惜しい人たちが亡くなっている。それを思うと、安易には死ねない。しかし生き延びることも容易でない。生きてあるうちに出来る仕事はしたいという、それに尽きている。

恐ろしい天災地変が来るだろう、もの凄い侵略戦が襲うだろう、それらには幸いにわたしも妻も、もう余命が無い。それは実感しつつい゛っかんしつつ、そんなことにならぬようにと願っている。敢然、「堪え、起ち、生きる」ことを願っている、日本と日本人のために。

2014 1・26 147

 

 

* 懸命に仕事している。仕事の速度と視力をふくめ自身の衰弱する速度とが競争している感じ。協奏してくれるならいいが。

2014 1・26 147

 

 

* 起床10:30  血圧144-72(55) 血糖値68  体重66.9kg    排軟便 下痢

2014 1・27 147

 

 

* 起床8:30 血圧145-65(55) 血糖値83  体重67.5kg

2014 1・28 147

 

 

* 今夕はまた歯科へ二人で通う。

黒いマゴ、昨日どこかで誰かとケンカし怪我して帰ってきた。耳の辺に掻き傷。すぐ治療に運んだ。今朝輸液。

家じゅうで医者通い。やれやれ。

上の左奥に、マグネット付きで大きな入れ歯が入った。これは取り外せない。どこへも寄らず帰宅、晩はずうっと仕事。もう十一時。もう一度黒いマゴに輸液してやる。

2014 1・28 147

 

 

* 起床9:00 血圧167-74(60) 血糖値83  体重66.6kg  血圧が高い。夜中眠れず読書。

 

* 「選集」の仕事、本文を「読む」以外なにもかも初めてのことで「前例」を持てていない。ひとつひとつ「選集のための定まり」を作りながら仕事を進めねば成らず、印刷所から事実上追いまくられる。ここで平静に急がない仕事をしないと悔いに落ちるおそれもある。

真実実感しているが、したい仕事、しておくべき仕事、済ませておくべき用事へなかなか手が出せない。たくさんな車の走る車道のまんなかで渡れず戻れず立ち往生している感じさえ。慌てるな。

 

* とにかくも一巻の本文初校を要再校で送り終え、ツキモノの大方を組指定して入稿し終えた。案の定、戻してあった「みごもりの湖」分の再校ゲラがどさっと届いた。追いかけて次は「湖の本」119が組み上がって届くだろう。どれも、これも、大事に、ゆっくり遣る。ゆっくり遣る。

来週には二度に分けて聖路加での検査と診察が三科もある。

2014 1・29 147

 

 

* よほど疲れている、眼から疲労が心身に及んでくる。負けてしまうと起てなくなる。

入浴。馬琴、猪瀬直樹、ミルトン、ポオ、それと中国人の「結婚狂詩曲」読む。沈復の「浮生六記」夫婦純愛の、趣味も人間もじつに豊かに好もしい本だったが、これは西洋かぶれのかなりの狂騒曲のようだ。

 

* 黒いマゴ、今夜は輸液を拒絶。やれやれ。

2014 1・29 147

 

 

* 起床9:00 血圧144-72(54) 血糖値92  体重67.1kg  左腰ないし脇腹に捻れるような痛みが来る。右脚が攣る。疲労する。

2014 1・30 147

 

 

* べつに、想うまま書いた一文、今はワキへよけて保存した。

 

* もう眼がよく見えない。

2014 1・30 147

 

 

* 起床9:00 血圧132-71(60) 血糖値87  体重67.5kg  ちょっとした姿勢で左腰ないし脇腹に捻れるような痛みが来る。長時間の倚子仕事から起つと左脚に強い疼痛がきて歩きづらいほど暫く痛みが残る。食欲不振。疲労でうたた寝してしまうこと多い。

2014 1・31 147

 

 

*なんとなし体調が崩れている。すぐ眠くなるが眠っておれないぞとガンバルと疲労の溜まりが加速する。

2014 1・31 147

 

 

* 起床9:00 血圧136-70(67) 血糖値81  体重67.7kg  ちょっとした姿勢で左腰ないし脇腹に捻れるような痛みが来る。長時間の倚子仕事から起つと左脚に強い疼痛がきて歩きづらいほど暫く痛みが残る。食欲不振。

 

* 二月の逃げ足は、むかしから、早いと言われる。その二月が来てしまった。

2014 2・1 148

 

 

* 起床9:30 血圧144-71(59) 血糖値: 計測せず  体重68.1kg  熟睡というに当たるか。

2014 2・2 148

 

 

* 今日は眼の状態が悪すぎる。

2014 2・2 148

 

 

* 起床9:00 血圧134-74(61) 血糖値87  体重68.2kg  眼鏡を、作業や動作により頻繁に取り換え取り換えないと視界がぎらぎらに揺れてにじみ出す。

2014 2・3 148

 

 

* 裸眼でも、読書用眼鏡でも、小ささい活字が幾重にも乱れて読めない。かろうじて、機械のキイが見えている。十時。休みがてら階下で、黒いマゴに輸液してやろう。マゴも堪えている。わたしたちも、みな堪えている。それでも起って生きねば。

2014 2・3 148

 

 

* 起床9:30 血圧141-74(53) 血糖値88  体重68.5kg  眼鏡を、作業や動作により頻繁に取り換え取り換えても視力の消耗甚だしく視界が見分けられない。

 

* 「仕事」が過剰なのだと分かっている。「選集」①を進めながら②にも③にも思慮が及んでいるのを、①完了が見えて②へバトンタッチするように、手控えることに。それでも過剰に溢れているほど。なにより視力の宥和と温存とを大事にし、護眼のサブリへも余儀なく手を出そうと思う。

2014 2・4 148

 

 

* もう、いけない。疲れた。明日は一日がかりで聖路加内科と眼科。黒いマゴの輸液して、休みます。

もう纏めに入るかなと思っていた一つの小説に大きな展開が予測され初めて、逃げずに立ち向かう気になっている。健康さえ保てるなら、気落ちしないで続けられる。

2014 2・4 148

 

 

* 起床7:30 血圧156-71(63) 血糖値79  体重68.3kg

 

* 9:28のバスで保谷駅へ、9:55の有楽町線で新富町経由聖路加病院へ。その逆さまで帰宅したのは17:30。二科目の診療にまる八時間、一日仕事。

それでも眼科はケリがつかず、この毎日の眼のありさまなのに、ずいぶん「よくなっていますね」とはワケが分からない。左眼の白内障手術をしましょうかといわれてもこのテイタラクでは、おいそれと乗りにくい。結局二週間後に「メガネトライ」つまり検眼して処方箋を出しましょうと。現在の六つ造ってあるメガネは全部不要になるらしい。新調も構わないが、それがまた半年経たぬ間に不要で作り替えになるおそれもあるわけだ。なんと頼み甲斐のない眼科学であることよ。

点眼薬三種の処方と、地元眼科への検査資料を受け取ってきた。

 

* 昼には、ひさしぶり築地の更科蕎麦で、牡蛎そばと菊正を枡で。ぷっくらと大粒の美味い牡蛎だった。

 

* 院内は暖房が十分で暖かすぎるほど。戸外は、かなり冷えていたが、むしろ久しぶりにわたしは自分の汗を感じていた。この二年、汗をかくなんてことは、絶えてなかったのに。

内科の方は、検体検査すべて良好で、問題なく。各種ビタミンと安定薬リーゼとを処方して貰ってきた。

あさっては肝心要の腫瘍内科で、術後満二年のCT検査と診察。無難に通り抜けたい。

2014 2・5 148

 

 

* 起床8:30 血圧148-73(64) 血糖値91  体重68.4kg

 

* 節分には、命じられたまま今年も豆をまいた。

2014 2・6 148

 

 

☆ 寒い日

名のみの春です。今日は腫瘍内科診察の日かと察します。今どんな時を過ごされていらっしゃるでしょうか。良い結果でありますように。元気でありますように。          尾張の鳶

 

* ありがとう。腫瘍内科の検査と診察とは明日七日です。夜前、もう日付の替わっていた時刻に「明日は」と書いたのが紛らわしかったと謝りますが、とにかくも術後満二年になろうという初の本格的なCT検査、明日です。昨日の感染内科での血液・尿検査では貧血等その他のデータには問題点無かったそうでした。

二月十九日に眼鏡のための検眼と処方とをしてもらいに、また午後聖路加に出かけます。左眼の白内障手術をするか、まだちょっともったいないですがと。それには目下はわたしにも躊躇いがあります。

今は小説を少なくも二つ書き進め、選集第一巻を仕上げ、湖の本119を刊行のための日々です。

それに今月は松たか子のコクーンでの演劇、歌舞伎座での染五郎ら若手の芝居が待っています。

2014 2・6 148

 

 

* 起床8:00 血圧139-70(58) 血糖値86  体重68.2kg    腫瘍内科で、CT検査。なんら異常なしと診察された。

 

* 診察までが長引いた。空腹だったので、また更科蕎麦へ行き、軍鶏と鴨を鍋で食べてきた。有楽町線で、小竹向原を平和台まで乗り越し、戻ったりしたが。

疲れた。映画「グレースと公爵(タレイラン)」を観て休息。フランス革命後の恐怖の成り行きを、英国人のグレースとタレイラン公爵の友情という視点に足場を得ながら、実感豊かに描いていた。

 

* 病院行きで留守中のSPAMメールが100を越していた。何になるのだろう、こんなムダをして。100ともなると削除にも時間を無駄遣いしなくてはならない。疲れた。九時半だが、黒いマゴの輸液を済ませたので今夜は寝てしまいい。

 

* 血管の健康に赤ワインがいいというので、日にカップ二杯ほどを薬と思って呑んでいる。卵納豆も欠かしていない。

たくさん食べると腹具合が不穏になる。きょうなど、朝に卵納豆だけで聖路加へ向かい診察が済んだ四時前まで何も口にしていなかった間、腹の気分は軽快で快かった。独りで鴨と軍鶏との鍋を、升酒つきで食べは食べきったが、満腹の気分はまことに不健康な具合でイヤになった。腹三分目ぐらいで足りる。

2014 2・7 148

 

 

* 起床8:15 血圧133-71(63) 血糖値82  体重67.82kg   排便順調。昨夜は十一時に床につき消灯、よく眠れた。

 

* 冬季ソチオリンピックにも、政界の風にも、心弾まない。天災地変なく、悪意の人災にも襲われないことを世のために願うばかり。

 

* 仕事へ時間を振り向けるより余裕がない。仕事していると眼が疲れて霞んだり滲んだり乱れたり。やすみやすみ、また機械へ、またゲラの前へ戻って行くしかない。やすんでいるとき、耳で聴いてたのしめる録画映画を観ていたりする。いまは「へスラー戦車隊」 ヘンリー・フォンダ、ロバート・ライアンらが出ている。やすみ中に酒が入ると、寝入ってしまう。

黒いマゴの輸液も済ませた。今夜もはやめに寝よう。安定剤のリーゼをときおり一錠服している。

2014 2・8 148

 

 

* 起床9:30 血圧140-66(63) 血糖値91  体重68.5kg    排便順調。昨夜も十一時半に床につき消灯、よく眠れた。

2014 2・9 148

 

 

* 雪道を杖つい投票所まで往復しただけで、へとへとに疲れた。夕食のことも念頭になく二時間半も寝入ってしまった。気力はともあれ、体力の回復が遅れていて、少々の疲労にメゲ過ぎる。明日また歯科へ。俳優座の「四谷怪談」の招待も辞退、女優早野ゆかりさんのお誘いも遠慮、それでも今週、来週、外出に追われる。外出を「運動」と思うぐらいに務めないと、気から弱って仕舞いかねない。

2014 2・9 148

 

 

* 起床9:30 血圧140-68(52) 血糖値87  体重67.8kg  夜中眠れずに、読書。

2014 2・10 148

 

 

* 起床9:00 血圧136-69(52) 血糖値96  体重67.3kg  ふと、胸を、僅かにではあるが圧されている感じがあり、頻度を増している。姿勢のせいか。気がつき始めて小一年にもなるか。いま、なによりわたしに必要なのは、億劫がらずに戸外へ歩いて出ることのようだ。一日に二万歩も歩くことがあるなどとメールを読むと、呆れて人間離れして感じるのだが、わたしの方が怠惰に過ぎている。

2014 2・11 148

 

 

* ともすると、うとうとと寝入ってしまう。からだが寝たがっている。テレビなど見て聞いていても、とぎれとぎれて何やら分からずじまいになる。一つには、目覚めてさえいれば眼を、視力を費っているからだ。

それでも、もう黒いマゴ今日の輸液を済ませた。

2014 2・11 148

 

 

* 起床8:30 血圧124-62(52) 血糖値89  体重67.3kg 寒い。

2014 2・12 148

 

 

* 終日機械にとっ掴まれていた。疲れた。

2014 2・12 148

 

 

* 起床8:50 血圧140-71(60) 血糖値76  体重68.5kg 寒い。

 

*午前、仕事。

2014 2・13 148

 

 

* 悪玉コレステロールの退治にいいと聴いて、このところ夫婦して赤いワインを日に一杯ずつ薬のように呑んでいる。保谷駅構内にワインの専門店があり、店員に教えられて二種類二本買って帰った。

なだめつすかしつ毎度のように二人がかりで黒いマゴに、輸液。

今日は、午後からは休息の日になった。いま、機械の視野が明るい。

2014 2・13 148

 

 

* 気が付いた、もう日付が替わっている。仕事にかかっていた。休むことの難しさ。だが今はまだやや小増しに字が読めて見えている。でももう休む。

2014 2・13 148

 

 

* 起床7:30 血圧154-75(58) 血糖値87  体重68.4kg 水雪、寒い。

2014 2・14 148

 

 

* 日付が替わる。今日は眼の不調に困惑し迷惑し続けたが。

2014 2・14 148

 

 

* 起床9:00 血圧142-64(58) 血糖値80  体重67.8kg 積雪、寒い。

2014 2・15 148

 

 

* 起床9:30 血圧135-71(56) 血糖値71  体重68.7kg 積雪雨に溶け、寒い。

 

* 「みごもりの湖」の再校がもう100頁残っている。校正にうちこむと眼が痛む。

2014 2・16 148

 

 

* 大事件。妻が自身の機械に造りだし、自身のプリンターで「湖の本」刊行前には宛名印刷してくれていた読者、寄贈者、大学高校等の名簿をすべて機械から見失ってしまった。見失った時点、引き出せなくなった時点が、いつであるか、昨日建日子が来て妻に頼まれ機械を操作するより「以前」か「以後」か。機械に自信のないわたしが今しがた観てみた限りでは、妻がそのために使用していたという「筆ぐるめ」とか云うアプリからは記録されていた内容はすでに「削除されている」と有る。そう見えるがわたしには確たる判断は、また捜索もできない。

はっきりしているのは、それら宛名住所録が無い限り、宛名印刷が出来ない。手書きするにしても正確な住所を確認しつつ済ませるには途方もない時間と労力とが要り、とくに高校大学宛の手書きの住所記録が無い。本の発送に多大の支障が起きたということ。

以前にワープロに保存していてワープロが働かなくなったときも、たいへんな時間と労力とで妻が自分のコンピュータに余儀なく書き写した。せっかくのそれも、今回の消滅前にバックアップしてなかった。

なぜ記録されていた内容が消滅したのか、分からない。困った。一種の錯覚で、簡単に機械の奥からまた見つかるのだとどんなにいいか。個人情報に属する名簿なので、商売で修繕などしてくれるよく知らない人に安直には頼みたくない。建日子に自信があって昨日来て点検していたのなら、データが「削除」されてしまっているなど、ワケが分からない。弱った。

 

* いかんとも為す術無く疲労す。妻は明日は医科歯科で診療予約。わたしは夕刻歯科へ。いろいろに緊張する。

2014 2・16 148

 

 

* 起床7:00 血圧148-73(60) 血糖値84  体重68.3kg 積雪消えず、風寒い。多事。

 

* 妻、医科歯科の歯科へ。神戸先生に紹介状をもらって。抜歯と出血との関連を用心しての配慮と。

2014 2・17 148

 

 

* 妻の電話。医科歯科病院での診察、無事に済んだと。よし。

 

* ついで、入れ替わりにわたしが沼袋の歯科へ。

帰路、先週と同じ「中華家族」に入って「マオタイ」を三種の前菜(蒸し鶏、鮑、海月それにトマトと胡瓜)でゆっくり味わいながら「みごもりの湖」の後半を読んだ。マオタイは60度ちかく、じつに美味い。そのまま帰ろうかと思ったが、スタンドバーに寄って、ズブロッカをダブルそしてシングル、しみじみ楽しんだ。此所のマスター君は建日子のもう大昔の連続ドラマ「天体観測」の大フアン。お客もいろんな年齢差の人たちと出逢えて楽しい。それにそれに、凍らせたようなロシアの酒の美味いことも格別で。心楽しく、しかし気をつけないと電車を乗り越すと心配したが、心配までもなく無事に帰宅。

 

* 帰ってみると六時前に建日子が来てくれていて、懸命に妻の機械と格闘に格闘を、ということは思案という思案の限りを試み尽くして、十時半過ぎてとうどう削除・消去されていた必要なデータを掘り起こすように回復していってくれた。ウン。ありがとう。感謝に堪えない。十一時前に、今夜は車でなくて徒歩で駅まで帰っていった。幸い、副都心線を巧く使うと保谷から一本で中目黒へ帰れるのだそうだ。有難いことだ。

昔、昔、西武池袋線へ地下鉄が乗りいれると予告されていたとき、そんなはるかな未来まで生きちやいないよとわらっていたが、今では聖路加へも渋谷へも横浜中華街までても、一本の電車で行ける。

 

* 幸いに、建日子に初めて抱いてもらったという黒いマゴの輸液も順調に出来た。想えば今日はいい一日だった

2014 2・17 148

 

 

* 起床7:00 血圧143-68(63) 血糖値85  体重68.1kg 積雪消えず、風寒い。多事。

2014 2・18 148

 

 

* 起床10:00  血圧145-66(70) 血糖値105   体重67.7kg 積雪消えず、風寒い。午後聖路加で三度目の検眼。遠用にはすこし乱視を加えることで現在二つの遠用よりクリアに。機械用にも、処方箋をもらう。眼鏡も眼鏡だが、客観的にいまのわたしの眼の長時間酷使は、諸悪の根源と自覚もしている。抗癌剤の副作用もようやく抜けきってきたかという気持ちもやや生まれている。

 

* 明日も外出なので、病院からまっすぐ帰ってきた。それでも、がくっと疲れている。

 

* 湖の本119の跋文初校が届いている。「選集①」巻頭長編「みごもりの湖」の再校読み上げが、もう少し。校正は、読んでは洩れ零れる。しかし作者としてはどうしても読んでしまう。厳密に校正に集中しながら作の品や質を読み取ることはとても出来ない。そして途方もなく疲れる。

 

* 一時間ほども機械用の眼鏡で機械の前にいて、もう目の前が白むくらい眩しく読み書きが出来ない。余儀なく休むことに。

2014 2・19 148

 

 

* 起床7:00 血圧145-75(57) 血糖値87  体重66.9kg 好天なれど積雪随処に消えず、風寒い。

2014 2・20 148

 

 

* 微熱もないが、体疲労は免れていない。飲み過ぎのきらいもあり。朝も早かった、休むにしかず。

2014 2・20 148

 

 

* 起床7:00 血圧145-75(57) 血糖値87  体重66.9kg 好天なれど積雪随処に消えず、風寒い。

2014 2・21 148

 

 

* シーボルトは、いいことがあった日は、白い石で日記を書くと特記して、その日、最上徳内と会ったことを喜んでいた。

昨日は、久しく食したかった美味い生牡蛎に出会えたのが嬉しかった。放射能汚染のことは考えなかった。美味いものは美味いと思える内に食っておきたい。卵納豆でも叱られたが、せめて、線量検査にかなり熱心と聞いている生協から卵も納豆も手に入れている。ことに納豆は免疫環境への好影響を念頭に置いている。

2014 2・21 148

 

 

* 起床9:00 血圧136-65(63) 血糖値86  体重67.3kg 仕事の輻輳に悲鳴、しぜん眼精疲労。

2014 2・22 148

 

 

* この年になると杖をついた同年輩にはこと欠かない。しかし若い男性がお洒落にステッキを愛用している姿は見ない。

漱石の「彼岸過ぎ迄」には人の探偵をたのまれる気のいい生年がおもしろい杖を好んで持ち歩いていた。わたしは、少年の昔からそれを面白く趣味のあることと感じていた、ただし彼の杖、家賃を踏み倒して逃げた男の忘れ物の杖は、握りが蛇の口を明いたようになっていて、それは勘弁願いたかった。

手術のアト、余儀なく二年も杖つき暮らしをしているが、杖が格好わるいと思ったことなく、今は妻の買ってくれた紫檀の生一本を愛用しているが、どこか古道具屋におもしろい杖が埃をかぶってないかなどと趣味が高じている。しかもたしかに杖は用心がいい。まだよろめくことの珍しくない身には、あえて杖を追放の必要がない。出来合いの代用品のような杖は二本ほど置き忘れてきた。気に入った杖は大事に身の一部のようにして置き忘れてこない。

ただし杖は身丈にきちっと合った長さでないとかえって疲れる。こっちの身が月日を追い縮んできているので、いまの杖、心もち長すぎる。杖屋でなら簡単に調節できる、はず。

2014 2・22 148

 

 

* 起床9:00 血圧136-67(61) 血糖値88  体重67.8kg 定時の三食という感じでなく、終日すこしずつ間食しているような昨今。日に三度服薬の種・量多く、そのつど腹部に異変を感じ、便意・排便に繋がる。

2014 2・23 148

 

 

* 五月明治座夜の部で、市川染五郎がケレンの早変わり『伊達の十役』に挑戦する。番頭さんに予約を終えてある。

三月には昼夜、四月にも昼の部の歌舞伎座が楽しめる。新しく処方箋ももらえたこと、それまでによく合った眼鏡を新調したい。

2014 2・23 148

 

 

* 起床7:30 血圧139-70(59) 血糖値97  体重68.9kg

 

* 身奥がぐたっと疲れ、横になっても寝入れない。午前中校正ゲラを読んでいた程度のことで、他に身を粉にした何事もない。

 

☆ 人生は寄のごとく、  (しょうすい)すること時あり。

静かにここに孔(はなは)だ念い、中心 悵而たり。

 

人の一生も、旅の一夜のように束の間にすぎ、やつれはてるときがくるのだ。

心を静めてそのことを思いつづけると、悲しみに胸ふさがれるのである。 (陶淵明 榮木一後半)

 

* 「静かにここに孔(はなは)だ念い、中心 悵而たり」というほどの何も実感無く、ただ疲労している。

この陶淵明一連の四言詩には「榮木」と題されわたしもとても好きな「木槿」のこと。「(以下の=)榮木(=の詩)は、将に老いんとするを念ふなり。日月推し遷り、已に復た九夏(=夏九十日)。総角(あげまき=十二三歳の髪形)にして道を聞くも、白首にして成る無し」と序がある。いまはまだ寒い底で木槿咲く夏でなし、そもそも「道を聞く」ような殊勝な子ではなかった。老いてかくべつ学成らなかったのを悔いる実感はない。ただ疲労にはつい負けている。

 

* 機械で長編『風の奏で』を読み進め、階下で『秘色』『三輪山』それに「湖の本119」の再校ゲラを読んでいる。物語を読んではいけない、句読点や濁点・半濁点、促音・拗音、括弧の種類、仮名遣い、送りがな。そういうものに間違いがないか、見落としがないかと読むのである。視野がくろずんでくる。しかし専門の校正職を頼めない限り、これこそは著者・作者の必須の義務。心身の奥から疲れがくらい煙のように涌いてくる。

だが、いやではないのだ。わたしにとって「生きる」とはこれなのだ。

2014 2・24 148

 

 

* 起床8:30 血圧134-63(52) 血糖値85  体重68.2kg 昨日の疲れが抜けていない。眩くて、眼が明けてられない。夕方、また歯医者に行く。

2014 2・25 148

 

 

* 沼袋の歯科へ。帰りに、先週と同じ江古田の「中華家族」でマオタイを楽しみ、ついで「VIVO」でズブロッカ一杯半を堪能して、途中こともなく帰宅。強い酒がたしかに美味い。くらべて食べ物は今一つ落ち着かない。

2014 2・25 148

 

 

* 起床8:00 血圧147-71(58) 血糖値92  体重67.7kg 地元佐藤眼科に行こうか、やや迷っている。自転車が不調で。昼まえ、気を励まし電動自転車で、佐藤眼科へ。聖路加の処方箋と検査内容をみてもらい、眼鏡新調の助言を得た。遠用にはやはり少々の乱視対応をと。処方箋どおりに。近く用、機械用は、現状のままでいいのではないかと。

2014 2・26 148

 

 

* 眼の能は、よくなってますよと眼科の先生は言われた。必然、以前につくって使っているどの眼鏡も視野を狂わし乱して疲れさせるのだ。まだ動くだろうと。どう動くか知れぬママ、とにもかくにも生きる。考え直すまでもなく、わたしは、途方もないむだで贅沢な最晩年をいましも設計してしまっている。なんでもない。ものを棄てるのだ、それを「仕事」として。

2014 2・26 148

 

 

* 起床8:00 血圧131-67(61) 血糖値92  体重67.6kg

2014 2・27 148

 

 

* 起床8:45 血圧128-69(61) 血糖値92  体重67.6kg 夜前読書後に「リーゼ」一錠、よく眠れた。目覚めると直ぐ床のまま緑内障のための「タブロス」点眼。起きて体重を量り、血圧を測り、血糖値を計る。インシュリンを注射し、洗眼。朝食。量は食べない。

2014 2・28 148

 

 

* 起床8:45 血圧133-68(56) 血糖値88  体重68.2kg 夜前読書後に「リーゼ」一錠、よく眠れた。

2014 3・1 149

 

 

* 起床8:30 血圧131-64(62) 血糖値98  体重68.3kg

2014 3・2 149

 

 

* 校正にも追われているが、たぶん明日には責了へのメドが立つだろう。消費税のアップ前に119巻を仕上げておきたい。

十一時前。もう眼が霞みに霞んでいて、休む以外にない。昼間は休むと云うて寝てもいられず、録画映画をきれぎれに観ている。このところはシュワルツネッガーの「レッドブル」やイーストウッドとチャーリー・シーンの「新米」とか、観た。今はダンスとタップとの「白夜」を、途中まで。

 

* 黒いマゴが部屋の外でないた。入れて欲しいのかと思って戸をあけてやったが入らない。もう階下へ降りてきて寝なさいとと言いに来たのだ。はいはい。

2014 3・2 149

 

 

* 起床8:30 血圧136-71(57) 血糖値102   体重67.4kg

2014 3・3 149

 

 

* 起床8:30 血圧133-66(60) 血糖値86  体重67.6kg

2014 3・4 149

 

 

* 歯科へ。娘よりも息子よりも若い女先生にお気をつけてと見送られて、江古田で、またしても「マオタイ」を楽しみ、鮑のスープと餃子を。「秘色」の再校を終えてから、「VIVO」に鞍替え。例の「ズブロッカ」と、おすすめのスコッチとを呑む。保谷駅でパンとワインとを買い、タクシーで帰宅。赤ワインは薬にして毎日少しずつ呑んでいる。買ってきたアップルパイ一つ。

2014 3・4 149

 

 

* 起床10:00  血圧135-64(59) 血糖値101   体重68.2kg

2014 3・5 149

 

 

* じりじりと仕事を奥へ押している。慌てないようにといいつつ、どんな慌ての咎に遭うかもしれないが。

それにしても、なんと機械画面の烈しい眩しさよ。ヘキエキして光度を下げているが、突然画面まっくらになったりする。どうも末期現象のようだ。

しつこいクシャミに悩んでいる。クシャン、クシャン。

2014 3・5 149

 

 

* ほとんど眼が見えない。お話にならない。虫眼鏡をつかいながら校正したりして。眼が痛んでくる。

2014 3・5 149

 

 

* 起床8:00 血圧151-76(49) 血糖値87  体重67.7kg

 

* 午前中は慌ただしいまで仕事をし、午後は忙しくいくつもの郵便物をつくって送って、もう躊躇ってられないと二時半、江古田のナガノ眼鏡へ行き、処方箋を預けて遠用とパソコン用の眼鏡新調を依頼。どこへも寄らず保谷へ戻って、その脚で散髪に。これは気持ちよかった。自転車一台のパンク修理も頼んできた。

2014 3・6 149

 

 

* 「みづうみ、お元気ですか。みづうみは『ソーネチカ』という現代ロシアの女流作家リュドミラ・ウリツカヤの作品をお読みになったことはあるでしょうか。彼女の出世作でもあるこの作品は、みづうみにお奨めする本ではありませんが、女が読むと他人事ではない痛い話の一つです。」

それだけのメールをもらったが、この作を、わたしは知らない。新刊の本をめったに買わないわたしには、探し当てる手だてもないが。今日江古田り眼鏡屋へ行った脚でいつものブックオフに立ち寄ったが、欲しい本はなかった、よほどフランスの『百科全書宣言と重要項目』をまとめた岩波文庫を買おうかと佇んでいたが、やめて帰ってきた。読みたい本は、手元に数限りなく積んである。

新しい眼鏡は、一つは次の日曜に、もう一つは、その先の木曜に出来る。機械用の眼鏡を新調のため預けてきたので、いまは機械には合わない眼鏡でキイを叩き、画面を見ている。すでに画面はギラギラと光ったまま文字は霞んでいる。仕事にならない。

2014 3・6 149

 

 

* 起床8:30 血圧136-62(56) 血糖値78  体重67.7kg

 

*  目がよく見えない。機械の前で呆然としている。

2014 3・7 149

 

 

* 輸液という最低限の用事も済ませた。本が読めない。校正ゲラも読めない。機械が眩しい。十時過ぎた。

機械用の眼鏡がどんなふうに新調できてくるか、待つしかない。仕事から離れて心身を養わねば。

2014 3・7 149

 

 

* 起床8:50 血圧146-71(51) 血糖値74  体重68.2kg

2014 3・8 149

 

 

* 十時半、画面が真っ白に光って眩しく、耐え難い。なにかと書きたいが書けない。

2014 3・8 149

 

 

* 起床9:50 血圧136-64(58) 血糖値83  体重68.4kg  体重、じりじり増えつつある。増やしていいか抑制すべきか、分からずにいる。

2014 3・9 149

 

 

* 今週は聖路加通院も、眼鏡の受け取りもる。来週には、わたしも地元美容院で循環の検査と診察を受けたいと自分から申し出てある。

2014 3・9 149

 

 

* 起床8:00 血圧138-67(58) 血糖値83  体重68.0kg 聖路加の内分泌科、糖尿の検査データはとても「良いです」と。体重はなるべく増やさないよう、酒は適量、からだに過度に「運動」負荷をかけなくてもいいです、と。安定剤の「リーゼ」を処方してもらった。安心して眠れるのが有難い。 とはいえ、胸の上にモノを置いたような圧感が、もう永く続いている。ひどくはないが、時に気になることがある。来週、循環で検査と診察を受ける。

 

* 呆然としている。心身が、やすもうとしているのだろう。書き置いて忘れていた物など拾い読みしている。

 

* 西銀座新橋寄りのアートセンターで妻の従妹が出展している画会を覗いてきた。小林忠という画家の「或る廃屋」が断然画境を安定させ確立していた。画家の思いが深かった。

帝国ホテルに寄って、「北京」で遅い昼食、総じて品良くあっさり味なのが、いまのわたしは淡泊なと感じてしまう。甕出しの紹興酒が美味かった。

 

* 三校ゲラを五十頁分病院へ持っていった。もういいだろうと思っていたのに、なお三箇所に直しが出たのには参った。一巻で、千枚に及ぶ分量。参ったなあ。校正、オソルベシ。眼のセイには出来ない。参ったなあ。

2014 3・10 149

 

 

* 起床8:30 血圧145-68(55) 血糖値78  体重67.1kg 夜中寝そびれ暫くトマス・ハリスの『ブラックサンデー』に惹かれ読み、リーゼ一錠を服してよく寝た。

2014 3・11 149

 

 

* 夕方へ、また歯科へ。

 

* 「選集」①の進行督促が入った。

 

* 校正ゲラをもって歯医者へ。帰り、「vivo」で、ズブロッカ二杯とバーボンを呑みながら、幸い相客無く、校正にこれ努めてきた。今日はマオタイは倹約。酒、美味かった。

 

* 眼が、ひきつれそう。字を読み字を書くしかない仕事をしてきたのだ。これからも、逃げ出さない。

秦の祖父は明治二年に生まれ、敗戦翌年の二月末日に七十九で亡くなった。希有の長生きに思われたがまったく老衰の寝たきりだった。

まこと人の世は  これやこの行くも帰るも命にて一期一会の逢坂の関

2014 3・11 149

 

 

* 起床8:00 血圧145-67(55) 血糖値81  体重67.1kg 夜中寝そびれ暫くトマス・ハリスの『ブラックサンデー』に惹かれ読み、リーゼ一錠を服してよく寝た。

 

* 昨日処方された薬をひとやま地元の薬局で受け取り、黒いマゴの欠かさぬ輸液十日分も受け取ってきた。

選集①の校正を、日に50頁ノルマで読んでいて二日、あと200頁は慎重に慎重に(ミスがまだ残っているので)読まねばならず、湖の本119発送の用意も。峻険の桟道を気をつけ気をつけ渡って行くよう。大丈夫。出来ることを出来る限り遂げるまで。今週これからも、来週の前半も予定がツンでいて、次の歯科予約は再来週に延ばしてもらった。からだを歩いて、動かして。そうした外出のさなかにも合間合間を利して選集①責了のための校正はつづける、時間のある限り。腹はきまっていて、アタフタはしていない。成るように必ず成る。

 

* 十八日に循環器の検査を久々に受ける。その翌日には「選集①」のほぼ最終の打ち合わせがある。さらに翌日には新刊の「湖の本119」が出来てくる。すぐ発送作業に入る。その週明けには歯医者へまた通って、さ、その頃から一息つけるかも知れない、とてもつけないかもしれない。

 

* 疲れた合間には撰の出来てある後拾遺和歌集のいたるところを拾い読みしてビタミン代わりに。八代集のなかの「恋」歌のいいのはこの集によく集まっている。

2014 3・12 149

 

 

* 眼がギラついてきた。やすまないと。今日の校正必要分がもう25頁のこっている。校正は、家ではついつい他の仕事へも手が出るため捗らない。外へ持ち出して、どこでもいい机のあるところへ座り込むのがいい。

今晩は湯で本を読むのはやめ、百人一首と戯れていた。三首ほど。あまり巧くなかった。目はやすまったので、今日の分をもう七頁ほど読んでしまう。いい具合に黒いマゴの輸液もうまく済んだ。

2014 3・12 149

 

 

* 起床8:30 血圧124-64(69) 血糖値89  体重66.9kg  夜中寝そびれ暫く「ギリシア神話」のオデュッセイ物語を楽しみ、また寝入った。

2014 3・13 149

 

 

* 雨の中を出て。

眼鏡、遠用ははっきり改善した。その理由は、処方箋に示されてある(ナントカからナントカの距離算定が短く狂っていたからで、ナガノ眼鏡士はそれを発見し、レンズをそれに合わせて新調してくれた。たしかに、目玉の引き攣れるような気持ち悪い不安定感が、少なくとも今のところキッパリ消えている。有難い。それにしても、何なんだ、かかる処方箋は。

もう一つ機械用に新調したのは、これまで近用として造ってある眼鏡よりも妙にうすボケている。何なんだ、これは。

それにしても遠用視野がクリアに安定したのは芝居や能を楽しむにも不可欠要件であり、半分がたありがたい。眼科診察で次回は半年後にといわれて数日のうちにわたしの右黄斑前膜を推知し、べつの眼科医に観てもらえと強く奨めてくれたのも江古田の眼鏡士だった。やれやれ。

 

* 校正に追われ追われ追われて直しがまだ出るのに腐っている。フテ腐れているわけにも行かないので。浅草の米久には雨がひどすぎるので鶯谷蕎麦の公望荘に尻を据え、また池袋にもどって、ひさびさにメトロポに座り込んで校正をつづけたあと、地下の山海亭でステーキを日本酒で食べてきた。よく降ったが、幸い保谷でタクシーにはやく乗れた。タクシーに折り畳み傘を置き忘れてしまった。やれやれ。

2014 3・13 149

 

 

* 起床7:00 血圧124-66(61) 血糖値97  体重67.2kg  『凱旋門』を読みリーゼを一錠含んで。夢をみながらよく眠った。

2014 3・14 149

 

 

* 起床9:30 血圧136-60(68) 血糖値98  体重66.9kg

2014 3・15 149

 

 

* 起床8:00 血圧146-77(69) 血糖値87  体重67.2kg

2014 3・16 149

 

 

* 明日、明後日と病院通いがつづき、十九日には印刷所で「選集①」の最終段階への煮詰めの打ち合わせ。そして二十日からはまた数日掛けての「湖の本119」の発送になる。二十四日月曜の夕刻にはまた江古田の歯医者通いがあり、五時過ぎには、すこし寛いで酒が飲めるか。この一週間余は汗をかかねばならない。

まだ発送の用意も万全でなく、選集①の絶対欠かせない三校がまだ百頁しっかり残っている。責了へ、ま、いいやとは言ってはならない、三校にしてけっこう誤記が、それも主には濁点や半濁点や拗音促音にミスが残っている。「一期一巻」の紙碑・紙の墓と覚悟している。能うかぎり丁寧に仕上げたい。よほどうまく行けば四月中に本になるかも知れず、しかし少しも焦らず、ただ途中の故障が無いのを願っている。

書き掛かりの長い小説ふたつもじりじりと押して行っている。

2014 3・16 149

 

 

* 起床8:30 血圧130-65(56) 血糖値96  体重66.8kg

2014 3・17 149

 

 

* 起床9:00 血圧124-57(63) 血糖値101 体重67.0kg

 

* 眼の不調あい変わらず。家の中で、眼鏡が六つ入った紙袋をいつもぶらさげて二階へ階下へと移動している。

 

* 「湖の本119」の刷り出しが届いた。明後日には製本分が届くが、今回はついに搬入前の発送用意が間に合わなかった。集中して送り出せず、作業日数も時間も増えてしまう。疲れも加わる。ま、仕方がない。

今日は、地元病院の循環器科で心電図や撮影の診察を受けてくる。「病気」をもらってくる結果に成らねば良いが。

 

* 心電図、レントゲン検査、異常なし。あいついで、三月二十五日、もう少し検査を重ねる。その二週間後ぐらいに診察が加わる。 2014 3・18 149

 

 

* 起床8:00 血圧115-86(51) 血糖値78  体重67.3kg

2014 3・19 149

 

 

* これから水道の印刷所へ出向く。いよいよ煮詰まってきた。ぐっと腹帯を締め直さねばならない。昨日の晩から今朝のうち、懸命に思い定めようと集中していた。大きなホールでも何度も講演してきたし、テレビの本番も二十数回も経験してきたが、あれらの直前ほど身が引き締まっている。

それだけで終わらない。いい形で責了にし、同時に新しい「湖の本119」発送にも努めねばならない。通院し検査や診察もまだまだ度重なる。

 

* 強風の中、凸版印刷まで。製本上の諒解点を煮詰める。消費税アップまえの業界的に慌ただしいなかで、慎重を欠く必要は何もないので、製作刊行時期も今となってはあえて慌てない。幸い「湖の本」は三月中の刊行になる。明日来る製本か上出来であるようにと願う。

強風の中、江戸川橋から直通の電車に乗ったが、ふらりと池袋で途中下車し、デパチカの「寿司政」で食べたいだけを美味く食べてきた。ひとまず肩の荷を下ろしたので、明日からの発送作業を慌てずに日延べしてでもしっかり送り出したい。来週水曜にはかたづくだろう。

 

* 疲れている。明日からのために、今夜はやすむのがいい。輸液などのあいだ、しばらくぶりに「相棒」を観ていた。巧みなつくりものがこのシリーズの特色。心の震えることは滅多に無い。

2014 3・19 149

 

 

* 起床8:00 血圧121-58(59) 血糖値91  体重68.2kg ときどき思いがけない嚔が出る。軽い花粉か。

2014 3・20 149

 

 

* 今日の作業を終えた。また、あした。

2014 3・20 149

 

 

* 起床9:00 血圧144-74(54) 血糖値78  体重68.4kg

2014 3・21 149

 

 

* 夜遅くまで発送作業をつづけたが、明日で中途の一段落があり、その先へもう一つ大きな一山を越さねばならない。ま、慌てることはない。作業しながら、中国映画「この子をさがして」という佳い作を観た(聴いていた。)

輸液も済ませた。

発送の作業だけでも著しく眼の不調が加わり、しまいには半分失明に近い曖昧な視野をまるで游いでいるみたい。困惑。

 

* 十時半を過ぎた。すこし早いがやすんだ方がいい。

2014 3・21 149

 

 

* 起床8:00 血圧139-67(59) 血糖値74  体重68.1kg 視力の弱さにおどろく。せいぜい一時間半も仕事していると字が霞んでくる。

2014 3・22 149

 

 

* 重い本を扱う過剰にきつい力仕事が続いて、今日は幾らかぐったりした。まだ終えていない。やはり何より終えてしまうこと。それがラクになる一のクスリだ。

2014 3・22 149

 

 

* 起床9:00 血圧149-67(52) 血糖値92  体重68.2kg 視力の弱さにおどろく。せいぜい一時間半も仕事していると字が霞んでくる。

2014 3・23 149

 

 

* 予定のあらましを送り終えた。もう一踏ん張りを残している。月曜は歯科、火曜は厚生病院で心電図での生活反応検査、翌日に取り外し、四月八日に結果診察を受ける。四月三日も通院、五日は歌舞伎座、九日はまたも聖路加通院と、なにかとせわしない。しかし「湖の本119」の作業は済んでいて、「選集①」の責了を遂げたいところ。

2014 3・23 149

 

 

* 起床8:30 血圧138-59(60) 血糖値94  体重68.5kg

2014 3・24 149

 

 

* 発送は九割がたできたが、もう少しは頑張って作業を尽くさねばいけない。「選集①」の責了も必要、②の入稿用意も必要。手をつけたい仕事が他にいろいろ有る。目の前にいつもつむじ風が巻いているように感じる。

夕方には歯医者へ。明朝はやくにはからだに心電図計測のなにかをくっつけられ、マル一日、その時間に何をしているか等の記録も書かねばならない。それが無ければ、夜の街を歩いてきてもみたかったが。

2014 3・24 149

 

* 歯医者に思いの外時間がかかった。江古田へ戻って、焼き蕎麦でマオタイを呑み、vivoへ動いて、お奨めのスコッチとヘネシーをそれぞれダブルでゆっくり飲んで帰ってきた。

なんとなく三月終えてしまった気がする。どんな四月が来るかと思う。

2014 3・24 149

 

 

* リーゼ効かず、夜中二度点灯、読書。起床7:00 血圧138-61(68) 血糖値97  体重68.0kg  9:00地元病院循環器科で心電計を上半身に貼り付けマル一日計測、生活記録も要請される。

2014 3・25 149

 

 

* ホルター心電図を記録のため上半身に器機など接着、機械の前に坐っているだけでは曲がないので、『みごもりの湖』三校の最後の五十頁ほどを読みに電車に乗り街に出て、しっかり読んだ。最後には池袋西武の「伊勢定」で読み上げた。読んでから酒も少し飲んだ。時間を割って何処で何をしていると記録した。けっこう疲れて、四時に帰宅。

「選集①」の三作の本文校正は、これで打ち上げにする。ツキモノの念校、装本等の念校やツカ見本も出来てくるだろう。もう任せていい段階へ近づいた。次いでは「選集②」の入稿用意のピッチをあげねば。

 

* 「湖の本119」 『堪え・起ち・生きる 流雲吐月 2』発送分はほぼ届いたように思われ、近藤富枝さん、高田芳夫さん、小和田哲男さん、並木浩一さん、関口忠男さんら作家、批評家、大学教授がたの懇篤なお手紙が届いており、文学観や大学や図書館、文化資料センターの礼状も続々届き始めている。

疲労つよく、それらの転載は今日の所は控える。昨日から睡眠が足りていない。

近藤富枝さんからは、お手紙と倶に、美しい限りの粘葉本『三十六人家集』平成版を頂戴したし、卆壽の高田芳夫さんからも長文切々のお手紙に添えて、『文芸へのいざない』と題された目配り広やかなエッセイ集を頂戴している。

 

* それにしても眼の霞むこと、機械の字が朧に滲んでいる。要するに眼精疲労なのだろうが、処方箋通り調整された眼鏡の六種が六種とも的確に働いてくれないのだから仕様がない。半ばあきらめてしまい休み休み気長に仕事するしかない。仕事はやめない。

 

* 「今でしょ!」の林修を軸に、名医達が聴かせてくれた難しい五臓「医療」の話には、たくさん教えられた。さしあたっては、強烈な度数の酒を生のママ飲む好みをヤメたが良いかなあと思案する。好んで難しい病気を我から迎えとる意味は無い。

2014 3・25 149

 

 

* 起床7:00 血圧136-68(52) 血糖値76  体重68.4kg   9:07 地元病院循環器科でホルスター心電計をはずす。検査結果と診察は四月十八日。

2014 3・26 149

 

 

* 起床8:30 血圧129-64(60) 血糖値80  体重68.2kg

2014 3・27 149

 

 

* 起床9:00 血圧147-66(59) 血糖値計り忘れ  体重68.4kg

2014 3・28 149

 

 

* 起床9:00 血圧138-63(57) 血糖値87  体重68.2kg

2014 3・29 149

 

 

* 起床8:00 血圧136-72(64) 血糖値99  体重68.5kg

2014 3・30 149

 

 

* 起床8:45 血圧138-73(61) 血糖値104 体重68.3kg

 

*  強い風、快晴。墓参に出ようかと。夕刻の歯医者までに。

 

* 「読む」ということの多い重い日々だと自覚する。からだをまだ自信を持って動かせる、動かそうという気持ちになってない裏返しかも知れない。動かす機会はなるべく活かそうと願ってはいるのだが。今朝のように溢れる日の光をみていると、生気が身内に湧いてくる。嬉しくなる。

 

ゆきやなぎかがやく白の濤うちて

あはれ久方のひかりあふるる

 

* 昼前、まっすぐ青山墓地へ。櫻は満開、人出も晴れやか。妻の祖父母、両親や兄夫婦たちの墓参。去年も一昨年もわたしの病気で来れなかった。絶好の日和、強かった風もおさまって、晴れ晴れとした櫻が日射しに輝いていた。まん満開だった。

「大江戸」という老舗で、鰻で昼食、わたしは八海山も。とても佳い感じの江戸前の店だった。

外苑前からタクシーで一気に靖国神社まで走り、境内の櫻、市ヶ谷通りの櫻並木に堪能した。市ヶ谷から有楽町線で妻は先に帰り、わたしは練馬から江古田へ戻って、歯医者へ。そこでも哲学堂への大通りは満開の桜並木だった。

またもや刺し歯一本が新たに入り、都合十万円。歯は齢というからなあ。実感としては、歯は弱いなあ。

江古田で「VTVO」に腰を据え、ズブロッカ(ウオトカ)を三杯、佳い赤ワインを一杯。馴染んだお店の青年が今夜でやめ、沿線で独立するという。お祝いの気持ちもあり、名残惜しくもあり、美味しくよく呑んだ。

2014 3・31 149

 

 

* 起床8:45 血圧138-73(61) 血糖値104 体重68.3kg

2014 4・1 150

 

 

* 起床8:45 血圧134-63(55) 血糖値93  体重67.6kg

2014 4・2 150

 

 

* 明日はまた暫くぶりに聖路加通院。他科診察に比し簡単に済むと期待しているが、分からない。雨が降るらしい、濡れたくはないが春雨のこと、厭うまでもないだろう。湖の本と選集①との重苦しいトンネル続きから抜け、幸い校正刷りを持って外出しなくて済む。書きかけのもののプリントにどこかで落ち着いて目を通せるかも知れない。食べたいという欲が無い。コーヒーの類もからだに合わない。近くなら出光美術館も佳い、博物館本館をゆっくり蟹歩きするのも佳いかも。しかし上野は花で雑踏しているだろう。e-OLD の勝田さん玉井さんと行った向島の百花園など隅田川寄りにも心惹かれる。ま、こう想っているうちが花かも。そういえば、桜餅を食べたなあ。言問まで行けば、浅草の肉の「米久」鮓の「高勢」、柳町まで戻れば洋食の「香美屋」あり支那料理もあり豆腐の「笹の雪」蕎麦の「公望荘」もある。西洋美術館で洋画を観て「すいれん」の庭をみてワインとステーキもいい。いっそ精養軒の見晴らしの席でコニャックかシェリーで大きな海老を食べてもいいが。困るのはこんなにわざわざ書いていても腹具合はよろしくなく、食欲などすこしも出てこない。やれやれ。結局は、花を愛でたいということか。

なにとはなし、後拾遺和歌集をひらいて、好きと選んだ歌の四、五十ほどを夢中で読んでいた。明日のことは明日きめればよい。

 

* 湯に漬かり、『結婚狂詩曲』『里見八犬伝』そして『大正ロマン』をゆっくり読んできた。

とくだん、何の連絡もメールもなく、リーゼで神経を休めて、はやめにゆっくり寝入りたい。明日は十二時前に病院へ家を出る。

2014 4・2 150

 

 

* 起床7:45 血圧131-65(50) 血糖値89  体重67.8kg

2014 4・3 150

 

 

* 雨の築地へ。

 

* 降るわ降るわ降るわ。花はまだ懸命にもっているが散りかけもしていた。わたしは、散る桜こそという派で、散らぬ桜過ぎるのはなにか気に障らぬでもない。それにしても雨にぬれた花の風情は絶対にわるくはない。

聖路加病院は、途次にも院内からもたくさん桜木が見える。食べるにも、タワーの上の上に「ルーク」があり、ステーキも美味い。あまり高すぎて雨の日は下界も遠望も曇ってしまうけれど雲の上の風情がある。

雨では歩きたくても歩けない日も、たいてい「仕事」を抱え持っているから、心持ちの佳い店で明るくさえあれば、ビールと牡蛎フライなどで十分用が足せる。「レバンテ」は最適で、店の側もテキトーに放っておいてくれる。

西武の地下は超満員だった。それでも「寿司政」は顔なじみで席をつくってくれる。しかし、あまり食欲はなかった。

保谷駅のタクシー乗り場で、ほぼ土砂降りのしたで四十五分も待った。こういう日もあるのだ、仕方なし。

2014 4・3 150

 

 

* 起床9:00 血圧128-61(57) 血糖値90  体重67.8kg

2014 4・4 150

 

 

* この頃の日々、家の中で二階と階下とを往来するのに必ず手に提げてなくて成らないのは「メガネ袋」という紙袋で。手持ちの全部のメガネが入れてある。「遠い用 3種類 室内用 2種類 機械用 間近い用 機械等の眩しさ防ぎ用。それに細字用虫眼鏡。メガネ拭き」で。余儀なく、とっかえひっかえして仕事している。外出時にも最低三つは鞄に入れて出かける。メガネに視力がなじむまでどの一つにも多少の辛抱と時間とがかかる。堪えて生きている一例である。

2014 4・4 150

 

 

* まだ手指が痺れ、足の裏も痺れている。

2014 4・4 150

 

 

* 起床7:00 血圧113-63(63) 血糖値80  体重67.9kg

2014 4・5 150

 

 

* 起床8:00 血圧137-69(50) 血糖値103 夜中低血糖49  体重68.2kg

2014 4・6 150

 

 

* 起床8:00 血圧142-70(49) 血糖値99  体重68.2kg

2014 4・7 150

 

 

* 浴室でゆっくり読書。いま、嬉しくなるほど佳い本を手元に沢山置いていて、読み始めるとやめられない。浴室での読書は危険ですと、よく叱られている、読者からも。やめられない。妻の親友が小和田さんの学殖に惹かれているとのこと、嬉しいことだ。小和田さんも私も、中公新書を出している。担当編集者の青田吉正さんに感謝しようと、同じような著者の十数人で「青田会」を持った。そのときに小和田さんと始めて会った。それ以来著書の贈答が続いてきた。

こんど貰った自伝も戦国大名の読書体験もすてきに佳い著書である。

2014 4・7 150

 

 

* 明朝には地元病院で、循環器のさらなる検査と診察とを受けてくる。妻は午後に医科歯科大病院へ受診に。

2014 4・7 150

 

 

* 起床8:30 血圧132-60(57) 血糖値86  体重67.7kg

 

*  十時半、地元の厚生病院で心エコー検査をうけ、先日来の他の検査もふくめた診察・診断を受けてきた。心臓に関して検査の限りでは全く正常と。有難く、安心した。「安心」とはうまい言葉だ。

妻は昼過ぎに、お茶の水まで抜歯後の診察を受けに出かけた。

2014 4・8 150

 

 

* すこしのアルコールが入ると、家ではすぐ寝入ってしまう。なぜだろう。依存するほどの量は呑まないが、呑みたくなることがある。夕方、ちかくの店へ行って、途切れているウイスキーと日本酒とを自前で買ってきた。こういうことは珍しい。

 

* 明日また聖路加へ行かねばならない日と、夕食過ぎて思いついた。うへーっ。明日の診察は、毎回延々と待つ。観念して出かけるしかなく、今日も明日も、病院。せめて雨に降られまい。これから暑くなってくる。寒いより暑い方がにがてです。金曜日はまた歯医者で、新しく高価な差し歯が入る。女医先生のお話では「ネバー・エンディング」治療だそうで。ウヘーッ。

 

* 心臓に異変がないということは、すこしは過剰な動きにも堪えられるということか。本気で引っ込み思案から抜け出さないといけない。e-OLD の勝田兄と、一緒に百花園に遊んだ亡き玉井さんを偲んで、久々逢いたくなってきた。あれはまだ手術まえだった。勝田さんと別れてから玉井さんと上野までもどり、もうちょっとと「天庄」で美味い天麩羅を食べ、玉井さんは酔って真っ赤になった。あっけないほど急に亡くなるとは信じられなかった。奥さんから知らせがあったとき、わたしは動転してしまった。ろくに奥さんを慰めることすら出来なかった。

年齢でいえばずっと若い人にすら、あっと思う間もなく死なれてしまうことが、有る。無常である。

2014 4・8 150

 

 

* 起床8:30 血圧131-57(56) 血糖値93  体重68.3kg

2014 4・9 150

 

 

* 聖路加感染症内科の受診。血液・尿の検査に異常なく、貧血も改善され、肝臓も綺麗ですと。ここで貰う三種のビタミンは信頼して愛用している、妻も。安定剤のリーゼも出して貰った。今日は見通しよく、一時半予約が二時半には解放された。それなのに、遅い昼食の店えらびに失敗し、結局、ニュートーキョーのビヤホールでビールとピザ゜という鈍な選択と相成った。

なんでビヤホールへ入ったか。或る本で、酒の最後の到達点はビールと自他ともに許すらしい酒博士が言っていて、缶ビールの徒には分からないとあった。なるほど家では缶ビールだと反省して、ビールの巧さをじ旨さを実感してみたくなった。べつだん、なんとも感じなかった。仕方なく、ピザを囓りながら、「清経入水」の原稿にルビ打ちをして過ごし、電車ではレマルクの『凱旋門』を読みながら帰った。保谷駅でタクシーを延々待った。歩く元気がなかった。

2014 4・9 150

 

 

* 八時。かなり疲れている。目もまぶしくギラついている。

2014 4・9 150

 

 

* 起床8:30 血圧132-65(56) 血糖値100 体重68.2kg

2014 4・10 150

 

 

* 胃袋が無い。食べたものを溜めてくれる袋が無い。食べたものが直通で腸に停留する。胃の張りとはちがう腸の張りはけっこう苦しい。時に食道へ逆流しかねない、これが苦しい。順調な排便が頼みになる。食べての満足より、食べない空腹感の方がラクである。あまり嬉しいことではない。

2014 4・10 150

 

 

* 起床8:30 血圧123-64(52) 血糖値93  体重68.3kg

2014 4・11 150

 

 

* さてまた今夕は歯医者へ。

 

* 帰りにVIVOでズヴロッカ三杯。妻は赤ワインとチーズケーキ。 2014 4・11 150

 

 

* 起床9:00 血圧143-74(68) 血糖値87  体重68.7kg

2014 4・12 150

 

 

* 起床8:00 血圧138-78(60) 血糖値88  体重689kg

2014 4・13 150

 

 

* 眼が潰れたほどに霞んでいる。参る。しかし仕事は呼んでくる、わたしを。果てしなく仕事は在る。幸せなことではないか、わたしに退屈してボヤンとしている時は無い。むしろときどきはきっちり休まなくてはと体にも心にも叱られている。

電車に乗りたいなあと思う。以前に、なかば惘れるほど堪能したのは西武線で西武秩父まで行き、秩父鉄道でたしか熊谷まで延々と走り、JRで上野だったか池袋までだったかへ帰ってきた、あれは空いた電車で退屈なほど延々と乗っていた。あれで気儘に途中下車も楽しめればのびのびするだろうと憧れる。

2014 4・13 150

 

 

* 目尻、目元、瞼に、いつのまにかジャリッと目やにがつく。そんなときわたしはなかば明を失している。指先や手の甲でついごしごしと目やにをこそげ落とすと少し視界が明るむ。フルメトロンや、ヒアレイんや、時にハイパージールやレスキュラを点眼すると一瞬視野が澄明になる。しかし二分ともたない。また曇り出す。六つ七つのメガネがオール不適確。情けない。目やにを抑えるせめて妙薬がないかなあ。休むのが一か。やがて九時だが、まだまだ。

2014 4・13 150

 

 

* 起床8:30 血圧138-72(46) 血糖値84  体重69.0kg

2014 4・14 150

 

 

* 本の字を読む眼と、機会画面の字を読み書きする眼とが、異なる不自由さ。これに参る。このごろはもう戸外は、つまりは游いであるいている。むかし、メガネを外して水泳していた頃の滲んだぼやけた視野と同じ。

 

* 「海を飛ぶ夢」という、あれはスペイン産の映画であったか、「尊厳死」を主題に身にしみわたる表現と作品の深さ確かさに、泣かされた。さしづめヒルテイなら真っ向非難し否定するだろうが。 2014 4・14 150

 

 

* 昨夜眠りそびれて夜中に多く本を読んでいた。その眼疲れもあってか、永い一日の何度か眼をふさがれ、とても疲れた。仕事にも根をつめた。十一時。黒いマゴの輸液をしたら、やすむ。

2014 4・14 150

 

 

* 起床8:30 血圧141-75(60) 血糖値87  体重69.0kg

2014 4・15 150

 

 

* 天気良く、冷えも熱しもしないので、久しぶりに街へ出てきた。

ずっと以前に近くまで行って立ち寄りそこねた白鬚橋ちかくの梅若塚が気になっていた。ま、跡形が有ろうが無かろうが所詮それだけのこととしても。白鬚から上へ向くと隅田川が西の方から直角に曲がってくるのが、ま、界隈では大きな景色でわたしは好いていて、また見たいなと。

この先は、荒川という川へ脚を延ばしてみたいとも。我が家から自転車で荒川の少し上流までは何度も走って、長い大きな橋をさいたま市へも乗り入れたことがある。体力さえ許すならそのまま荒川土手を寅さんの柴又まで走らせてみたいものだが、そこから保谷まで自転車で帰ってくるのはムリもいいとこ、不可能である。

 

* 視力をいたわる気もあった、ほぼ半日、字を読まずに過ごした。

2014 4・15 150

 

 

* 起床9:00 血圧141-60(54) 血糖値96  体重68.2kg

2014 4・16 150

 

 

* エリザベス・テーラーとリチャード・バートンのシェイクスピア劇「じゃじゃうま馴らし」を久しぶりに。せいぜい二メートルあまりしか着慣れていないのに、大きろのスクリーンの、せっかくのエリザベスの美貌が霞んでしか見えない。

 

くらやみをとばりのごともあげたしとおもひかなはぬゆめのかよひじ

 

* ぐっすり寝てしまうが勝ちか。それでも今日、「清経入水」のルビ打ちを済ませ、「風の奏で=寂光平家」原稿をだいぶ読み進め、新しい「湖の本120」の原稿用意にもかなり視力を費った。ときどき温めたタオルを目に当ててやすみながら。点眼は頻回に。しかし、気分の晴れ間は短すぎる。おまけに今夜は冷えてきた。くしゃみも連発している。やがて十一時。マゴの輸液に降りる。

2014 4・16 150

 

 

* 起床9:30 血圧136-67(58) 血糖値94  体重68.8kg  夜中に読書九册

 

☆ 今週火曜日、

家人が退院。昨日娘の体調が悪くなり、まだ回復したとは言えない様子で落ち着きません。

鴉の日常、殊に目の不自由、困難を遠くから懸念しています。

「機械の前にこびりついて」いるのは作家にとって、鴉にとって、それが砦であり、武器でもあるのですから納得します。

めったに「人の顔を見ません。人の声・言葉を聴きません。」と書かれているのは気に懸ります。

おそらく状況としてはさらに徹底して人と接していないわたしです。黒いマゴちゃんならぬ孫ちゃんにインターネット回線で日々接していますが。

厭世観にめげず ニュースも さまざまな情報も 受け止めています。生きている証ですから。

取り急ぎ

どうぞどうぞお体大切に。 花粉症は如何? すべてすべて良い方向にありますように。  尾張の鳶

 

* 自分だけ年取って、ひとのことは相変わらず若い人と思いこんでいる。人はみな年取って自分は若い気でいるよりも、この方がじつは幸せな考え違いなのではあるまいか。みな、若いままに元気でいてくれると思っている方が世界が明るい。

胃袋をみな無くした頃から、例年きつかった花粉症をほぼ忘れている。これは有難いが理由は不明。ときどきくしゃみを連発している程度で。

2014 4・17 150

 

 

* 起床8:00 血圧129-66(64) 血糖値88  体重68.9kg

2014 4・18 150

 

 

* 起床8:30 血圧136-61(54) 血糖値80  体重69.0kg

2014 4・19 150

 

 

* 二時半、国立能楽堂へ。いつもの展示室を観てから見所に入る、最前列。シテの一切が間近にしかと見える。橘香会に、梅若万三郎に感謝。独り置いて隣に馬場あき子さん、二人とも嬉しがって握手。

素晴らしい「江口」だった、とても凡手の舞える能でないが、そこから格段に高く抜け出せるシテがいま能界に何人いるだろうか。万三郎のことに後シテ、さらには序の舞になっての万三郎「江口」の長、じつは普賢菩薩のみごとに聡い落ち着きと境涯の高さには思わず泪が溢れた。

宝生閑のワキに衰えを感じたのは残念、もう何十年、彼の父親が活躍の頃から舞台を見続けてきたのだ。致し方ないか。だが、煮たようなお付き合いの山本東次郎間狂言の立派さにはあらためて惚れた。松田弘之の笛がなかなか面白かった。とても叙情的に鳴り響いた。能の前の仕舞四番は、みなつまらなかった。

能一番が果てて、出会った堀上謙さんとも見所で立ち話しし、今日の「江口」のみごとさに感想が揃った。

奔命の「江口」一番でわたしはもうからだが限界、馬場さんにも堀上さんにも失礼し、能楽堂を出た。夕方の冷えが身に堪えたので、いっそお茶の水へ向かい、地下鉄千代田線で日比谷へ出て、ホテルのクラブに入った。年会費の払い込みもしたかった。シャンパンのサービスがあり、好みの角切りステーキで、ヘネシー、そして竹鶴をゆっくり、たっぷり呑んだ。しごく落ち着いて、心地よくシートでうとうとさえした。

おかげで温かくなり、数寄屋橋センターを地下鉄丸ノ内線へ抜けて出ながら、途中、妻に便利そうな簡単服を買った。

保谷へついたら小雨が来た。辛うじて傘をひろげなくて済み、タクシーで帰宅。

2014 4・19 150

 

 

* 起床9:20 血圧121-64(61) 血糖値83  体重68.1kg

2014 4・20 150

 

 

* 今週はここ数日雨もよいらしいが、週末には晴れて「選集①」が出来てくる。次いで日曜に「今藤会」で一日唄と音曲を聴き、高麗屋父子と病癒えた三津五郎の踊りも楽しんでくる。帰りに麹町でまた中華料理、というよりさっぱりと蕎麦など食べて帰れるかどうか。月曜には歯医者で新しい差し歯が入る。

わたしにゴールデンウイークは何の関係も無いが、月替わりの一日、建日子が帰って来ると予告有り。「選集①」刊行を喜んで祝ってくれると嬉しい。八日まで何のアテもなく、八日夜明治座の染五郎「伊達の十役」以降になると、わたしも妻も病院通いが毎日のように続く。十五日には俳優座公演に招かれている。劇壇昴も「リア王」という佳い公演の案内を呉れている。

2014 4・20 150

 

 

* 十一時過ぎ、黒いマゴの輸液も終えてあり、もう眼をやすませねばならぬ。

2014 4・20 150

 

 

* 起床8:00 血圧123-57(55) 血糖値92  体重68.3kg

2014 4・21 150

 

 

* テレビでコレステロールのLH比の話を聴いた。わたしは聖路加で、内分泌でも感染症でも腫瘍内科でも血液や尿の検査を歳々受けていて、総じていつもドクターに満足して貰っている。LH比も1.6 と、正常値の2.0 をぐっと下回っている。あまり脂っ気を食べなくなっている。糖分は欲しているし日本酒も飲んでいるが、血糖値は(インシュリン注射の御蔭で)正常値を保っている。もづくや昆布は好きな方だし、納豆も毎日食べている。鮨屋へ行けば青魚を気をつけて食べるし、歌舞伎座では鯖寿司がうまい。むかしと違い、大好きだった天麩羅がまだ味なく、肉にもあまり手を出さない。なにより多量の食事が苦手になっている。

ま、この調子でいたい。体重は手術後で66キロ(術前より22キロほど痩せていた)だったのが、いまF68キロ台へ戻ってきている、が、かなり心して急激にリバウンドしないように心がけている。杖には頼っているが、せいぜい街歩きに出たく、それでのほうが不要な体重増が防げる。体重と体形とは今の方が以前より健康的なバランスになっている。問題は、眼。強度のドライアイとも見え、極度の眼精疲労とも謂えようか。せめてメガネが眼に合ってくれているといいのに、どのメガネをかけても水のなかを游いでいるように視野が濡れて滲んでいる。

 

* それでも気だけは、読書が十分楽しめ、観劇も科白や音曲が楽しめる、演者の顔はよく見えなくて悔しいが。

 

* 打てば響くというのは、きもちのいいものだ。

2014 4・21 150

 

 

* 起床7:00 血圧136-65(54) 血糖値88  体重68.6kg

 

*  余儀なく、奮発して、新刊「選集①」搬入のために玄関に積んだ本を隣棟へ運び込んだ。運び込むためには隣の玄関に山積みのべつの本をなんとかして、どこかへ片づけ片寄せねばならず、本の包みは岩のように重くて参った。ロキソニンの世話にもなり、したたか汗もかいた。

我が家はひろく自室は15畳あり、空き部屋もあります、少し受け容れましょうかと声がかかっている。本気にしてしまいそう。羨ましい。我が家には八畳の間も無い。秦の両親が最晩年に短期間くらした隣棟も、一階は、本包みや初出本や新刊刷りだしや発送用の袋などなどでもう脚の踏み場もなく、二階は二階でバンザイするより無い。

ま、いいか。成るように成るだろうか。成るまいなあ。

2014 4・22 150

 

 

* 『風の奏で』を夢中で読んでいた。場面は仙台へ–動いている。眼が、だが、ギトギトしてきた。

2014 4・22 150

 

 

* 起床8:30 血圧140-69(57) 血糖値103 体重68.9kg

2014 4・23 150

 

 

* 井口さんへの速達を投函しておいて、そのまま好天の下、自転車で近隣をしばらく走ってきた。花咲き、新緑萌え、風そよいでいた。泪の湧くのはドライアイ気味にはわるくないが視野がにじんで危なっかしい。自動車道路の狭い歩道を走るのはかなりヒヤヒヤする。

2014 4・23 150

 

 

* 書庫へ入って、本の点検を始めたが、仕事にならない。もともと不要と思うような本は置いてない。棚を一段アケルにさえ辛い思いをする。一つには、どうするのか、がある。①捨てるとという処分、②図書館や施設へ寄贈するという処分、③適切な人に差し上げたいという処分。 どれも選別が難しい。いろんな人を書庫へ招いてお好きな本は差し上げますと言いたい気持ち。そんなことは出来そうで出来ない。なによりわたしの愛着が一冊一冊に濃い。だが、強引にでも書棚を空けねば遺したい本が収容できない。この試み、何十遍繰り返してもまるで進行しない。

まだ書庫は冷えている。長い時間いると、息ぐるしく胸も痛んでくる。それでいて手にした本をついつい読んでしまう。わたしの関心からまるで逸れたような本は一冊も置いてないはずなのだ、仕様がない。

 

* 冷えた白のシャブリを昼間から呑んで。うまい酒があると機嫌はいいが、仕事にならない。仕事からわたしを引っぺがす酒があるというのは、ま、幸福に類する。

 

* 昨日、われながら驚くほど腕も脚も働かせた、今朝も故紙回収の手伝いで重い束を幾つも運んだ。それから書庫に入り、とにもかくにも沢山な本に触れては積んだり崩したり読んだり思案したりし続けて、その間に胸が痛み始めた。筋肉疲労だけならいいのだが。

なにとなしダルい。目もよく見えない。書くのはさほどでないがたくさん機械の文章を読んでいた。眼精疲労もやむをえない。

休息がわりに黒いマゴの輸液を手伝いながらゲリー・クーパーの西部劇をたわいなく観ていた。観終えると、すぐぐれごりー・ペックの「アラバマ物語」が映りはじめた。それは後日の楽しみに電源を落としたが、もう仕事らしい仕事ができそうにない。

 

* 機械の文章は文字を大きくして読むようにしている。本も、文庫の字は小さいのが難で、辛いときは単行本の字の大きめのを読む。いま手にして愛読し続けている田能村竹田の画論『山中人饒舌』が読みやすく、読みやすければ自然惹きこまれる。

西山松之助先生の三回忌記念に奥さんから頂戴した『茶杓探訪』も読みやすく、かつ興趣に富んだ鑑賞と批評でもあって、手元に置いていてはもったいない気がするが、茶杓を自分で削るほどの人にあげたい、そんな人はめったにいない。札幌の真岡さんに削らないかと嗾しているが、返事がない。今日書庫に入っていて、やはり西山先生茶杓の図説ものがみつかり、懐かしかった。

漫然と図書館に入れるより、愛読もし愛蔵もしてくれる人それぞれに上げたい本が無数にあるが、問い合わすことも難しい。図書館学をすこし囓っていた朝日子がいれば、蔵書目録をつくってもらって、それを公開して希望者を捜せるといいのだが。

日本の古典、日本の文学史、近代文学、文学研究、作家論、作品論、伝記等々。そんなふうに歴史、美術、詞華集、それと事典、辞書が多種類。広範囲にいつのまにか揃っている。辞書は生涯大事に生かしてきたが、それでもまだ間違う。(フルメトロン点眼)。  2014 4・23 150

 

 

* 起床9:30 血圧129-66(60) 血糖値79  体重68.9kg

 

*  酒といっても今ウイスキーも日本酒も払底してて、缶ビールとワインが少々、その少々のうちシャブリの白を昨日と今日とでせいぜい一本足らずを呑んだだけなのに、昨日も二時間ほど、今日は昏睡ぎみに三時間以上も寝入ってしまった。いい具合に酒に弱くなっているのか、ふつうの缶ビールがこのごろ一缶呑みきれずに置いてしまう。そしてうたた寝する。「家では」である。

戸外、出先での酒には、めっぽう強い。強烈なスピリットのマオタイ酒とズヴロッカとをつづけざま杯を重ねても平気で、なにごともなく帰宅している。醸造酒に弱くなっているのなら、それはそれで良いと自覚している。酒はうまければ少量で足りるのが最適なのだから。仕事をする家で寝てしまうのは、気持ちは別としてもメイワクする。恥じ入るほどに仕事も用事も有るのだから。

2014 4・24 150

 

 

* 起床9:30 血圧120-65(57) 血糖値86  体重68.9kg

2014 4・25 150

 

 

* 杜甫の有名な「飲中八仙歌」の最初の登場者は、賀知章。詩っていわく、

知章の馬に騎るは船に乗るに似たり  眼花(くら)み井に落ちて水底に眠る と。

この二行目の 「眼花落井水底眠」の中の「花」字がおもしろく、かつビックリした。興膳宏さんに教わっているが、「眼に花が咲く」つまり「目がチラチラするという意味になると。「歳をとって段々、字が見えにくくなりますね。そういう状態を中国語で『花 ホア』と言いますが、酔っぱらって眼がチラチラして井戸の底、水の底で寝てしまう、そういう酔いっぷりだと」杜甫は詩にしている。酔いっぷりはともかくとして、わたしの只今の眼の状態、これ、まさしく「花 ホア」であり、「ちらちら」と謂う意味もすなわち水中水底に浮遊しながらものを観ている感じなのである。「ホアっ」としている、「ホアホア」として潤んでいる。よろしくない。

2014 4・25 150

 

 

* 起床8:15 血圧121-62(58) 血糖値94  体重68.1kg

2014 4・26 150

 

 

* 起床8:15 血圧131-63(63) 血糖値88  体重67.7kg

2014 4・27 150

 

 

* 起床8:15 血圧123-63(55) 血糖値80  体重68.2kg

 

*  昨日以来の「選集①」発送作業に手間も時間もかけていた。郵便局へ運ばねばならず、自転車に積んで一度に運べるのは十册が限度の重労働、函に傷つけたくなくまた汚したくなく、記番を書き入れたり私印を捺したり、さらに雨などに打たれないよう丁寧に荷造りが必要で、しかも挨拶を手書きしたり、宛名もみな手書きするしかなく、妻と二人の分業でてんてこまい、危うく今夕の歯医者予約を忘れてしまうところで、着替えもせず鬚もあたらず大あわてでバス停の待ち時間にやっと間に合った。じつを言うと、昨日の今藤会のことも完全に忘却していて出かけずじまいに終えていた。アタマもボヤケて来ているのだが、なんともはや気ぜわしく働いていた。

昼過ぎか、能美の井口さんから今本が届きました、おめでとうと電話を戴いた。

* 歯医者の帰り、江古田のブックオフで面白い小説の岩波文庫をと立ち寄ったが、気に入った物が見当たらず、岩波ではないキワモノの「京の魔界」探訪とか案内とかいう女性の書き物に手を出してしまったが、とんでもない雑駁至極の書き殴り本で、ま、予期していた物の呆れかえった。ブックオフ向かいの「中華華族」で、マオタイをダブルグラスに二杯呑んできた。

 

* 疲れた。晩はたいしたことも出来ず、「イ・サン」のシリーズでも最も劇的な展開の一時間を観てから、入浴。「八犬伝」とヒルテイと「結婚狂詩曲」という珍な取り合わせを少しずつ読み継いでいた。

2014 4・28 150

 

 

* 起床8:15 血圧124-60(66) 血糖値88  体重67.9kg

 

*朝から、眼が「花 ホア」である。

2014 4・29 150

 

 

* 能美の井口哲郎さん、 名酒「十代目」でお祝い戴いた。なんと嬉しいことか、越前の好きな盃で、ぐいぐいと頂戴した。わたくしから御礼申し上げねばならないところ、不調法を恥じ入りながら、お酒の美味さに身を任せている。一日に建日子が来てもかれには車の運転がある。二人分、しっとりと至醇の名酒を頂戴したい。ありがとう存じます。銘の「十代目」がおもしろい。有難い、が、それはいささか私書きかけの小説にかかわってくるので、この上は触れない。

 

* こころよく機械にむかい熟睡していた。宵の七時に目覚めた。 2014 4・29 150

 

 

* 起床7:30 血圧126-60(52) 血糖値98  体重68.5kg

 

*朝から、眼が「花 ホア」である。雨で、本が送り出せない。濡らしたくないので待機のまま作業をすすめている。

2014 4・30 150

 

 

* 新しい「湖の本120」の入稿用意をすすめていて、十一時をまわっている。眼はすっかり霞んでいる。

2014 5・1 151

 

 

* 起床10:00  血圧135-68(61) 血糖値99  体重68.4kg 夜中右脚が攣ってこまった。起きて歩いて倚子に腰掛けて緩和。

2014 5・2 151

 

 

* 起床9:00 血圧129-61(58) 血糖値89  体重68.0kg 右眼の縦波状視は終日紛れもないが、熟睡した翌朝の目覚め時にはそれが綺麗に無く、縦線が垂直に見える。つまりは眼精疲労の故か。

2014 5・3 151

 

 

* 夕方に夫婦二組で会う約束が流れ、その分、力仕事や書き仕事に精出していて疲れた。久しぶりにピザなど取り寄せたが、食欲もうすく、一時間ほど寝入っていた。

 

* 四日も連休で郵便局が使えないのに、閉口。用事が停滞している。今度の本は一冊一冊の包装がたいへんな手間で、妻が器用に工夫してやってくれなければわたしなら途方にくれたろう。ま、それとても晩年の一と景色と想えば幸せなことだ。「抱き柱」は抱かない、成るがまま有るがまま、それを受け容れ、たとえ苦労でも楽しむようにしている。

2014 5・3 151

 

 

* 起床8:30 血圧135-71(59) 血糖値89  体重67.7kg

2014 5・4 151

 

 

* ものが食べにくい。いまだに薄味のモノは頼りなく味無い。小海老をフライにした、かんじんの小海老が文字どおりまるで味無い。好きな天麩羅はまだまだ口に馴染まないようだ。と言ってシチューのようにどろりとしたものも視覚的にイヤがる。細い麺類がダメ、煮た菜も食べにくい。なによりもばらの飯が食べにくい。生卵で流し込んでいる。納豆はクスリと思って一回は食べるが、これも生卵で混ぜている。

細いモノ、バラついたもの、味の薄いもの、濃すぎるもの、が、概して困る。酢のもずく、煮たわかめ、生の玉葱、風味のチーズ、塩から、和菓子、クッキー、餡小豆、鮓、魚の刺身、そして、各種の酒類。これらでだいたいの食生活をしている。外出したときは、やはり食べ物が口に入りやすい。妻と食べたレバンテの生牡蛎は美味かった。季節のモノは、逸れてはいけない。

のんきな日記だ。一息ついているわけで、これって連休効果?  2014 5・4 151

 

 

* 起床8:30 血圧130-64(59) 血糖値95  体重67.7kg 奇妙なことに、いま、九時半、たまたま遠用(屋外や観劇のための)眼鏡で機械に向かっていて、まともに文字が見える。ちらつきもない。で、機械用につくった眼鏡にかけかえるとまるで文字が崩れている。最近用に取り換えても視野は乱れている。室内用にかえると、遠用なみに見える。遠用での視野がいちばん落ち着いている。これは、ま、どういうことなのだ。何のために検眼また検眼を歳月を費やし重ねて眼鏡を作りかえ作りかえして、これは。わたしの眼玉がヘンなのであろうと納得しておくより無いのか。今も遠用眼鏡でこのキイを打っている。視野はいつもよりよほど明るく落ち着いている。眼鏡にこだわらず、見よい眼鏡で仕事するしかないだろう。

いま、午後四時過ぎ、遠用眼鏡から機械用に掛け替えると、これが現在視力に相応している。読書等の最近用に替えると、これが一番良い。つまりは慎重に機敏にやはり眼鏡を幾つも掛け替え掛け替え仕事するしかないようだ。

 

* 明け方つよい地震に目覚めた。千代田区で震度5弱、まさに首都直下地震。

2014 5・5 151

 

 

* ときどき京都の飴を含んでいる。血糖値を気にしながらも、あまいモノはうまい。十時半、そろそろ休みたいが、もう少し眼が見えるあいだ、「雲居寺跡」を読みたい。

 

* 粟田で玉丼を食べ、山ふところ尊勝院の日だまりで初めて「雪子」とキスした場面を懐かしく読んだ。

2014 5・5 151

 

 

* 起床8:30 血圧137-65(62) 血糖値93  体重67.7kg 今朝も、機械に、遠い舞台などのための遠用眼鏡で、文字もクリアに向き合っている。機械専用も読書用も役に立たない。何なんだ、これ。

 

* 雨もよいでやや鬱陶しかったが、発送の作業f一段落していたので、杖をついて街へでかけた。

こまの季節なら、繚乱の百花園だろう。勝田さん、玉井さんとの三老清閑の思い出もある。隅田川の方へはわたしの便宜では鶯谷駅がいちばん幸便で、タクシーが利く。帰りもよそへまわるより鶯谷へ戻るのが池袋へ最も好都合。今日は、久々の久しぶりに「笹の雪」で豆腐懐石を楽しんだ。淡泊だが、豆腐は好きであり、中華の麻婆豆腐も比較的口に合う。

池袋駅で豊島園行きが来ていたら行ってみようと思ったが、準急所沢行きが幸便で、まっすぐ帰宅ときめた。

2014 5・6 151

 

 

* 柳君がこの連休にも新築の自宅を見に来てくれ迎えに行くと言ってきていたが、なにとなく流れていた。

明日にはわたしはまた歯医者に急行しなくては。そして八日は明治座で久しぶりに染五郎奮励の「伊達の十役」を見に行く、週明けは月火水と医療の日がつづいて木曜には俳優座公演に久々に招かれて行く。五月の後半はカレンダーが白い。そろそろ旅に出られないモノか。

2014 5・6 151

 

 

* 起床7:30 血圧133-68(60) 血糖値84  体重67.7kg

 

* 朝、早々に、連休中郵送できなかった発送本を一括送り出した。重い荷を坂下の郵便局へ腕車や自転車で三往復、重労働。前もって腰や腕の痛みを顧慮しロキソニン一錠を含んでおいた。

すく追いかけて黒いマゴのために輸液十本を買いに自転車で獣医院へ。輸液は黒いマゴの命綱、欠かせない。

そして、このあと、昼過ぎに飛び込みの予約で歯医者へ。昨日の朝に歯が一つまた落ちた。わが齢はよほど危ないのかな。久しぶり帰りに「リオン」で食べてこよう。

 

* 出がけに連休明けの郵便どっと。殆どが「選集①」へのありがたいご挨拶。一束、鞄に入れて出かけた。

 

* 歯は応急処置のみ。「リオン」の前でバスを降りたら、昼夜ともに今日店はお休み。仕方なく入ったみせは感心せず。がっかり。

眼鏡屋に寄ってみたが、ま、やりくりして使い分けて下さい、せいぜい眼をやすませて下さいと。アホラシ。

2014 5・7 151

 

 

* 起床10:00  血圧118-58(68) 血糖値96  体重68.1kg

2014 5・8 151

 

 

* 起床7:00 血圧131-80(55) 血糖値88  体重68.0kg

2014 5・9 151

 

 

* 起床7:00 血圧126-66(59) 血糖値78  体重68.4kg

2014 5・10 151

 

 

* 何としても視力ととのわず休むに如かずと二時間近く臥せって寝ていたが、さほど明らかにならぬ。この機械画面への距離をはかって調整した眼鏡が合わず、二、三ないし数メートル範囲の室内用眼鏡の方が効いてくれる。眼鏡屋はもうまったくお手上げで、「会うのをいいように使って下さい」と。なにをか言わん。

2014 5・10 151

 

 

* 起床7:00 血圧136-67(59) 血糖値85  体重67.7kg

2014 5・11 151

 

 

* そういううちにも「湖の本120」の初校ゲラが出そろうだろう。

もう目がまったく「花 ホア=ゆらゆらと水中で目をあいているよう」で。なにともハヤ情けない。

2014 5・11 151

 

 

* 起床6:30 血圧133-63(60) 血糖値92  体重67.7kg

2014 5・12 151

 

 

* 明朝、病院で妻が退院前に、主治医の検査結果説明を聴く。

水曜日は、午後のおそめに聖路加の眼科へ。いろいろ検査があるらしいが、何のためやら、何ともワケが分からない。

木曜日は、俳優座公演に。久しぶり。来月は劇団昴の「リア王」が楽しみ。

金曜日十六日夕方には、歯医者。歯は、疲れも加わってアッチもコッチも不調。「ネバー エンディングですねえ」と女医さん。やれやれ。

 

* ひどい風。なんとなく独りの留守はつまらなく、黒いマゴとはやばや寝てしまおうか。

三月末青山墓参や靖国神社の満開の櫻など、撮り溜めた沢山な写真の整理などしていた。

気がついてみると今日は、昼も晩もろくに食事していない。それでいて、なにやらかやらつまみ食いしていた。十時半。もう寝よう。 2014 5・12 151

 

 

* 起床7:00 血圧126-71(60) 血糖値88  体重67.0kg

2014 5・13 151

 

 

* 市内の堀上謙さんの在宅を確かめてから「選集①」を届けに自転車で走った。壱岐対馬のいい焼酎がある、いらっしゃいと言われたが飲むと危ない、ではお茶をと訪ねていったが、やはりお茶では済まず、わたしの方から奥さんにその「壱岐対馬」の「ジンク」とか「ジンタ」とかいう焼酎をねだって、二、三杯いただきながら歓談、無事に帰ってきた。おみやげに韓国製のジンロ酒などもらってきた。ま、わたしがそんな風に訪ねて行けるのは堀上家だけ。

 

* 帰ったら竹西寛子さんから上等な胡麻豆腐をたくさん戴いていた。恐れ入ります。

 

* 昨日から食事らしい食事が出来てなかったが、今夕は、上越市の光明寺さんから戴いた、妻曰く「すてきに柔らかい」筍飯が食べられるようだ、炊けている佳い匂いが狭苦しい家中にしている。狭いながらも我が家である。「辺幅をかざらず」が佳い。

 

* 黒いマゴと二人の留守番は、やはり不慣れ疲れを溜めていたようだ。よろしくない。

明日の聖路加眼科、甲斐あることを望む。降られたくないが。

2014 5・13 151

 

 

* 起床7:00 血圧139-68(52) 血糖値91  体重675kg

 

* 眼科診療の流れを読んで、検査を診療予約より二時間はやく受けた。散瞳されるとそれだけで五十分ほども待たされる。幸い「湖の本120」の校正を持ち出していて、どんなに待たされてもそっちに打ち込める。

検査技師は視力が戻っていると云い、処方通りに眼鏡も出来ていると云う、が、現実その眼鏡をかけてもちっともクリアでない。見えないときは眼を近づけて見てください、疲れるとみえないだろうと思いますなどと、眼鏡屋とおなじ事を検査技師も医師も言う。フルメトロンという点眼薬が出ているが、検査技師も、保谷の地元眼科医もやめた方がよいと。しかし主治医はたっぷり処方してくれる。なんともはや難しいことである。三時からの診察予約だったが、三時には支払いも済み解放されてきた。

明日も出かけることゆえ、池袋まで帰り、西武地下の「寿司政」で暫くぶりにたっぷり食べて帰った。処方薬局に立ち寄ったので、その脚で歩いて帰ったのが疲れた。

筍と若布、それに筍飯もすこしだけ、美味しく食べた。

2014 5・14 151

 

 

* 起床8:00 血圧130-64(69) 血糖値89  体重690kg

 

* 明け方、妻が、病院で受けた造影剤や輸液を入れる針のあとが堅く腫れて左腕から肩へ背へ、痛がった。まったくゝ左肩、腕への痛みをわたしも永く味わっている。寝ているときが辛い。昼間は手先が痺れたり肩こりの程度で我慢できている。原因も、わたしの場合ほぼ分かっている。寝たまま一方へ向いて多量の読書をするからである。妻の場合は、緊縛による大きな皮下出血などを構うところから来ていると思う。根本は寝姿勢、姿勢の問題であろうかと。

2014 5・15 151

 

 

* 明日は、また歯医者通い。欠けている歯が、一箇所入るかも。 2014 5・15 151

 

 

* 起床7:30 血圧134-59(59) 血糖値98  体重68.9kg

2014 5・16 151

 

 

* 歯科の診察の帰り、妻、左腕。肩に激痛をうったえる。辛うじて帰宅。

2014 5・16 151

 

 

* 歯科では、わたしの処置にまた何やら加わるらしく、週明けの月曜朝に通院し、その夕刻にもまた通院することになった。ウヘッ。

2014 5・16 151

 

 

* 起床8:30 血圧113-63(55) 血糖値90  体重67.9kg

2014 5・17 151

 

 

* 起床8:00 血圧131-73(64) 血糖値85  体重67.7kg

2014 5・18 151

 

 

* 起床7:00 血圧151-64(57) 血糖値84  体重68.3kg

 

* 妻の左腕痛 緩和せず、病院へ。わたしも歯科へ。

2014 5・19 151

 

 

* 余儀なく、夕方、もう一度歯医者に出向く。

 

* 歯医者で新体験した口腔内環境はウーンと唸るようなモノであった。堪えて保つしかないのであろう。帰途、食べる気にも飲む気にもなれず、保谷駅で苺とチリの木の実とを、それにささやかなクッキー二種とプチパンとを買って、タクシーで帰った。

2014 5・19 151

 

 

* 起床8:00 血圧119-63(58) 血糖値96  体重68.5kg

2014 5・20 151

 

 

* 土日連休のために、火曜日は郵便物がほとんど無い日である。街歩きに好都合な日であるが、昨日の朝夕に二度も歯医者通いしたのが思いのほか疲れを溜めた。機械仕事はいえでしか出来ない、その仕事が待ったなしに山積していて目を疲れさせる、が、仕事はみな相応に面白い、それが有難い。

2014 5・20 151

 

 

* 「繪巻」読了、選集②の原稿が揃ったが、印刷所はルビ打ち稿を求めてきている。ルビは「清経入水」分しか打てていない。「初恋」「風の奏で」「絵巻」のルビを打ち終えるにはもう数十日かかるだろう。年内に三巻刊行を願っていたが、(装幀が決まっている以上、可能と思っていた。)年内にもう一巻しか造れないだろう。初校げらにルビの入るのは現場もしんどいのだろう。私の体力も足りなくなりそう。ま、むりをしてみるか、いや、むりはむり。すべきではない。

2014 5・20 151

 

 

* 起床8:30 血圧134-68(55) 血糖値83  体重68.0kg

2014 5・21 151

 

 

*  雨中、自転車で走って、散髪。すっきり。

2014 5・21 151

 

 

* なんとなく晩になると「疲れ」を覚える。

 

* 手洗いに妻が挿した白・紫の苧環、可憐に小花のあかい姫檜扇の瑞々しい愛らしいみどり葉。胡銅の耳付き筒花入れに、小気味よく美しい。花がいい。花が好きだ。

覚えきれないほどいろいろ珍しい美味しいご馳走を頂き、美味いお酒もたくさん頂いた。よく食べてよく飲んだ。すこしずつ食味が戻ってきている。体重のリバウンドには細心の注意をしているが、たとえば一時はなくなるかと怖れた頭髪など着実に増えてきた。顔つきも少しはシャンとしてきたかも知れないが、まだ鏡にうつる姿形は病的にひよわい感じ。

ま、少しずつ少しずつ、でよろしい。

2014 5・21 151

 

 

* 起床9:30 血圧125-66(59) 血糖値89  体重68.0kg

2014 5・22 151

 

 

* 起床9:30 血圧134-64(60) 血糖値80  体重68.7kg

2014 5・23 151

 

 

* 明日からの何日か、気をつけて注意深く身も心も働かさないと。わたしの永い入院治療中は妻に途方も無い苦労を掛けた。幸い、少しずつ少しずつ快方のわたしが頑張ってやらねば。

明日も忙しい。もうやすもう。

2014 5・23 151

 

 

* 起床5:30 血圧140-71(60) 血糖値98  体重67.8kg

 

* 夜中三時頃、淋しそうにしている黒いマゴのそばへ行ってやり、少し酒を飲んだ。床へ戻ってから本を読んだ。鍾銭重の『結婚狂詩曲』下巻を読み上げた。上巻では少し投げたくなっていたが、下巻でなんとも頼りない婚約から結婚が成り立ってからり夫婦のひっきりなしの鍔競り合いに引かれて読み通した。「中国人」てこうなんだと何だかヤケにリアルに分かったような気がしてしまうところが味噌だった。かなりのど根性批評であったが、読み返すことはないだろう。しかし、夫婦・結婚にはこういう面があるのだなあと、いささか忸怩とした気分も味わった。

『中世騎士道物語』が関心のアーサー王まで来て、その伝奇的な面白さへズブズフし入ってみたい気がしている。

2014 5・24 151

 

 

* 集中治療室から一般病棟に移ったと妻のメールが来ていたので、なにはともあれ、ハイヤーを呼んで埼玉国立病院へ走った。

六人部屋の窓寄りベッドに妻はいて、機嫌は良さそうだった。うまくいって退院は火曜日かと。予後と後遺症に違和・異常のないことをせつに願う。ベッドサイドで小説「繪巻」のルビ打ちを進めていたが、眠気と疲労に襲われ、このままでは帰路が危険に想えたので、三時ごろに帰ることにした。

バスの便もよくわからず、土曜ということでタクシーの姿もなく、かなり時間を浪費のあとようやく来たタクシーで帰途についた。やっと保谷駅ちかくへ戻ってきたので、ほとんど食事らしい食事も出来てなく、寿司の「和可菜」へ寄ろうとタクシーを降りたら、店は「準備中」。相当な日照りと暑さの中、しかたなく家までゆっくりゆっくり二十分余も歩いて帰宅した。へとへと。

それでも、寝てもしまわず、相撲を観ては菓子で酒を飲んでいた。白鵬は鶴龍を退けて一敗を守り、二敗同士の横綱日馬富士が大関稀勢の里の髷をつかむ反則で負けた。盛り上がる夏場所になった。

* 夕食らしい何も食べずに、(食べずに空腹な方が、じつは腹がラクなのであるが。)二階へ上がってきた。すぐそばで、黒いマゴが静かにやすんでいる。暑さに負けていないかと心配も心配だが。

夜中から目を使いすぎていて、視野が濡れたように滲み霞んでいる。やすむしかない。今日はかなりの暑さ。

 

☆ ちゃんと帰れたでしょうか?

ゆっくり休めたでしょうか?

台所のガス台の左下の辺りにわかなのお品書きがあります

その辺に見つからないなら扉の裏も見て。

とにかく食べて下さい。

ひょっとして寝ているかと思うのでメールにしました。

 

☆ 歌 これでいい?

惜しげなく花びら崩し大輪の赤き椿は地に華やげり

もう夕食が済みました。

明日もマーゴを宜しく。

 

☆ 食事

テーブルの西瓜でもメロンでも

とにかく食べなさい

菓子と酒ではいけません

冷蔵庫をよく見て。

 

☆ 寿司

わかな寿司

(電話番号)

 

* 腹の張るものを食べる気がしない。字が読めない以上は、寝るか、なにか録画した映画を観て、はやめに眠るか。

2014 5・24 151

 

 

* 起床5:30 血圧135-74(52) 血糖値100 体重68.2kg

 

* 黒いマゴに付き合ってやり早起き。「湖の本120」要再校戻しの用意を終えた。朝食は、卵納豆。九時になったら黒いマゴの輸液に獣医院へかけつける。可能なら午前中にすこし寝ておく。病院で、ルビ打ちをと心づもりしている。

2014 5・25 151

 

 

* 午前のほぼ二時間ほどを家で寝入っていた。眠気もとばし、なにより視力を助けねばと。いま十一時半。「要再校」送る。

2014 5・25 151

 

 

* さて晩飯か。何を食えばいいのやら。出前の鮨を取るか。寿司屋、三度電話したが、「ただいま電話に出られません」と。めんどくさくて断念。酒を飲み缶ビールをのみ、余っているミルクを温めて飲んだ。パンには手が出ず。お腹、変調。

2014 5・25 151

 

 

* 副大統領急死に伴う指名をめぐる熾烈な駆け引き映画「コンテンダー」を観た、というより、何回目かで見おえた。アメリカ映画。カタルシス、無し。庭の花に水をやりたいところだが、もう、へとへと。なでしこジャパンの決勝戦を見続ける元気も根気も無さそう。ひたすら眠い。黒いマゴも背後のソフアで寝ている。

 

* なでしこ、前半で一点。オーストラリア0点。そのまま後半を待っている。なかなかの善戦。もう機械を止める。

2014 5・25 151

 

 

* 起床6:00 血圧111-56(57) 血糖値97  体重67.9kg

2014 5・26 151

 

 

* 病院へ出向く気だったが、テレビの前で坐ったまま寝入っていた。「寿司」屋へは電話が通じない。これも何かあったかと逆に心配。詩人の山中以都子さんに頂いた名酒「三千盛」二升を飲み干した。ご馳走様でした。お酒と、あまいものと、塩辛や生味噌で食生活している。ぼーッとしているので、寝るが何よりか。黒いマゴもまぢかで安眠している。

 

* 目が覚めたら五時前。病院へはムリしないと決めた。何か主食らしきを食べねばいけないが、さがしてみよう。まだ眠い。相変わらず黒いマゴはうしろで安眠してくれている。気が休まる。ひねものの三輪素麺をみつけた。とにかく熱湯に入れて、茹であがったのへ出汁をかけて食べた。腹だけが張った。

 

* 明日退院。建日子が迎えに行ってくれると連絡あり。わたしは黒いマゴを輸液に連れて行く。

 

* 目は霞み、眠くも。テレビはつまらなく、本が読めない。近江の美酒を戴いて酔って、黒いマゴと寝よう。

2014 5・26 151

 

 

* 起床7:30 血圧138-66(58) 血糖値101 体重68.6kg

2014 5・27 151

 

 

* 「湖の本120}発送用意に、もうかかっている。この疲れを、うまく捌かねば。

 

* やっと入浴。ブルフィンチの「神話」「騎士物語」「八犬伝」「ペスト」そして「箴言集」と「眠られぬ夜のために」をゆっくり読んだ。

2014 5・27 151

 

 

* 起床8:00 血圧132-62(70) 血糖値100 体重68.3kg

 

*  利き手の左が妻はまだ痛み痺れで使えない。黒いマゴはまた輸液に連れて行った。目の前の「時間」が黒く混沌としている。そんなときは手さぐりで、触れたものごとから片づけるよりない。そのうち視野が晴れると期待しながら。

なんとなく気が晴れぬ。

2014 5・28 151

 

 

* 疲労が溜まってであろう、今日は、何度もよく横になり、横になると熟睡した。いいことだ、小説創作の仕事を抱いて、二三日旅でもしたいぐらいだが、黒いマゴの輸液、利き手の使えない今の妻一人では、むり。ま、せいぜいのんびりしたいもの。などと言う内に「湖の本120」再校が出てくれば、たちまち発送の準備にかからねば。手早く、すでに幾らかは用意が進んでいる。

 

* 人と会う、会議・会合がある、という生活からすっかり足が洗えている。眼さえ丈夫なら、まだたくさんな「仕事」が出来る。仕事のタネが、身辺にもいっぱい隠れている。おもしろがってそんな「仕事」を楽しめばいいのだ。

2014 5・28 151

 

 

* 起床8:30 血圧120-62(57) 血糖値112 体重68.8kg

2014 5・29 151

 

 

* かなり暑い。これからは暑さとの闘いになる。歯医者をせめて七八月休みたいが。

 

* 午後、よく寝入っていた。まだまだ体力として十分に近い戻りでないと知る。

便りのある人ごとに不調・不運・不幸の知らせ。それが老いるということなのだろう。せめて若い人にそれの無いのを願う。

明日は、また夕刻歯医者。晩方へかけ、すこし身心のびやかであれないものか。

とりあえずは、今夜も、休息したい。つまり早く眠りたい。

2014 5・29 151

 

 

* 起床8:30 血圧124-61(61) 血糖値99  体重68.2kg

2014 5・30 151

 

 

* ガンガン日照りの中を歯医者へ。もう上真ん中から左奥へは全部入れ歯。やがては左の上もそうなろうか。サンザンのていたらく。その足で、出任せに街へ出た。食べた。飲んだ、疲れて帰った。

夜前長時間寝た。今夜ももう一晩ぐっすり長く安眠したい。

2014 5・30 151

 

 

* 起床7:00 血圧120-63(58) 血糖値95  体重68.4kg

2014 5・31 151

 

 

* 「選集③」の巻頭に予定している『畜生塚』をもう読み始めた。しかし眼はもう今日はもたない。機械仕事はもう閉じる。

2014 5・31 151

 

 

* 起床7:00 血圧122-67(57) 血糖値106 体重68.3kg

2014 6・1 152

 

 

* この二三日、眼の不調がきつい。使い過ぎか。

2014 6・1 152

 

 

* 起床7:00 血圧116-63(48) 血糖値96  体重68.0kg

 

* 夜前、一時近くまでかけて、ショーン・コネリーとロブ・ブラウンの秀逸の映画「小説家を見つけたら」に惹きつけられた。感動した。競演の二人が誠実で真摯で人間としてもすばらしく優秀だった。ショーンは生涯にただ一册しか本を出していない、しかし大作家。黒人の十六歳ロブは作文ないし創作の天才に溢れたシャンと精神的に独り立ち出来ている優秀生。しかもバスケットの超人的能力も兼ね持っている。

あきらかにわたしの謂う「身内」もののドラマで、これと比すればあの洒落ておもしろかった「シェフと素顔と、おいしい時間」は映像の確かさはそれとして、リッチな巧い読み物に属していた。「小説家をみつけたら」は、すぐれてフェイマス。その文学作法は立派で適確だった。佳い物は佳いなあ、佳いわねと言い合って一日を終えたが、そのあと、わたしは眠れなくて。真夜中に、明るいライトと裸眼とでたくさん本を読んでいた。

2014 6・2 152

 

 

* 起床9:00 血圧108-57(60) 血糖値101 体重68.0kg

2014 6・3 152

 

 

* 埼玉病院で妻の手術をして下さった先生の最終の予後判定を受けに行き、お礼を申し上げてきた。大丈夫、「卒業」ですと。

成増駅から池袋へ戻り、久しぶり東武の懐かしい「美濃吉」で、妻の奢り、京料理と名酒「桃の雫」を堪能してきた。美味かった。

東武の中で、夏向きに妻のいい漢字のアンサンブルを見つけて買ってきた。電車では「湖の本120」の再校を読んでいた。

暑くなってくると、そうそう出歩けない。わたしは熱中症で痛い目に遭っている。

2014 6・3 152

 

 

* 起床7:00 血圧128-63(60) 血糖値91  体重68.0kg

2014 6・4 152

 

 

* 夕食後、酒がとても美味かったせいか、三時間ちかく熟睡した。眠ると視野が鮮明になる。朝目覚めて、緑内障用のタブロスを真っ先に点眼したときの視野のクリアに真っ直ぐなことは嬉しい極み、眼鏡をかけると布地などの織り目まで明るく見える。それも、永くはつづかない。

2014 6・4 152

 

 

* 一週間が早い。先週金曜の歯医者から、もう今週の歯の治療が同様明後日夕刻に。とっとことっとこと時は奔る。時よ。慌てないで欲しい。

2014 6・4 152

 

 

* 起床7:00 血圧117-62(52) 血糖値93  体重68.1kg

2014 6・5 152

 

 

* 発送用意は着々進んでいる。明日は歯医者に。来週は早々に歌舞伎座を楽しみ、木曜には劇団昴の「リア王」を期待している。そして金曜午後には久しぶり聖路加腫瘍内科の診察を受けてくる。桜桃忌も来る。日帰りでいいからちょっと遠出などもしてみたい。妻と行った亀戸天神境内の和食の料亭などどうか、藤には遅れてしまったが。いやいや、眼鏡をさらに新調したいとも願っている。

2014 6・5 152

 

 

* 起床9:00 血圧135-65(65) 血糖値84  体重68.6kg

2014 6・6 152

 

 

* 雨の歯医者通い。気重いが。眼が疲れて、視野が滲む。そんな眼で、もういちど「隠沼こもりぬ」を読み返している。

 

* 歯医者への道中には、濡れては困る「湖の本120」のゲラでなく、文庫本の「拾遺和歌集」とブルフィンチの「中世騎士物語」を

持って出た。アーサー王、騎士ラーンスロット、ガウェイン、その他多数の騎士と貴婦人達とのロマンそのものの説話の面白さに出先も雨も忘れがちだった、わが朝十一世紀の恋の和歌もしみじみと。いやな現代から次元を超えて遊ぶことは、身に付いた得手である。絵空事の不壊の値を現じ体しきれなくて、何が文学だろう、藝術だろう。

* 帰り時間がきわどく下院の五時半になっていたので雨中バスを途中下車して、久しぶりフレンチの「リオン」へ駆け込んだ。コース料理、少し濃厚にすぎたけれど佳いワインを出してくれるので陶然とした。シェフとも談笑でき、この店は夫婦のお気に入り。独りで入ることは珍しいほど。

雨ははげしく、保谷駅前の本降りの下で永くタクシーを待ったが、ワインのおかげで冷えもしなかった。

2014 6・6 152

 

 

* 全集でなく「選集」という形式を取ったのは、好きな作を選び取る意味ではなかった。全集はふつう作の年次や発表順になっている、それを避けたかった。「湖の本」でもそうだが今度の「選集」ではもっと一巻の量も多くし、主題上で関連や系譜の見えるように編みたい気が強かった。第一巻に選んだ「みごもりの湖」「秘色」「三輪山」には、上古と現代とが反リアルに協奏するとともに、「もらひ子」や「死なれ・死なせ」という主題選択が太い軸をなし、三作を突き抜いている。第二巻の「清経入水」「雲居寺跡= 初恋」「風の奏で= 寂光平家」「繪巻」も第一巻の主題をより強調しながら、源平の昔と現代が不思議を奏であいながら、平氏の徳子と現代の徳子への語り手の深い強い愛が示すような「身内」の思想が、そのまま、微妙に藝能や血の渦や被差別問題をまで巻き込んでいる。そしてもはや第三巻をと思いを懸けた作たちは、「畜生塚」「慈子(あつこ)」「隠沼(こもりぬ)」「隠水(こもりづ)の」「底冷え」そして「誘惑」という、或る意味で怖い美しい切ない「絵空事」が「身内の渇望」とともに書かれている。

作家・秦恒平の原質はこの三巻にはっきり渦巻きながら、さらに第四巻以降に予定している「蝶の皿」「青井戸」「閨秀」「糸瓜と木魚」「墨牡丹」など、「廬山」「華厳」などが、さきの「繪巻」「隠沼」やのちの「秋萩帖」などとも共鳴しながら東洋や日本の美の発見世界を形象るだろう。

出来うれば、思うさま多彩に少なくも十巻を構成したい。

ぼろぼろの歯になってしまったが、今日娘のように感じている歯医者さんに、僕のもともとの歯は何本残ってると聞いてみた。大マケして呉れたのだろうがまだ4ea二十一本ありますと言う。歯が齢ならせめてもう十年、米の壽までもつかなあとわたしは笑い、それなら選集とはべつにもう少しは大きく纏まる新しい仕事も出来るがなあと独り思ってきた。こんなことを大まじめに言えるのはつまりはボケて来ているということか知れないのだが、えやないか、それでもと思うことにしている。なにかを遺そうという願いではないのだ、なにかを仕ながら死んでいけるのが楽しかろうと思うのだ。同じ禅でも、わたしは「しない禅」よりも「している禅」でありたい。そのためにも怪我したくない。バカな事故に遭いたくない。

2014 6・6 152

 

 

* 起床8:30 血圧126-64(57) 血糖値88  体重68.2kg

2014 6・7 152

 

 

* 起床8:30 血圧134-69(55) 血糖値87  体重68.6kg

 

* なぜこう睡いのだろう。夜中三時から四時まで目を覚まし灯をつけて本を読んだからか。家に黙然と帰ってきている朝日子と碁を囲んだり、朝日子が一円の金も持っていないのに気がついて、自由になるある程度の金額を与えようとしたり迷ったり、気の重い夢を見続けるのがキツかった。「中世騎士物語」の前半「アーサー王とその騎士たち」を読み終えた。幼い頃、武士の「武者修行」という潔癖な克己の行為に好意をもっていた。自分も一つそれを書いてみようと思い立って忽ち挫折した体験は何度か告白してきた。騎士達の行状にはもっと華麗な装飾がついてまわる。高潔な勇気と武術だけでない、王への中世と貴婦人への拝跪の愛。さらには円卓、聖杯、聖剣。そして史実とも架空の伝説とも蒙昧として判断しきれない不思議さ。まさしくロマンスであり、わたしには許容できる傾向がある。

それは、ま、いい。アーサー王と王妃ギニヴィア、騎士ラーンスロット、騎士トリストラムと王妃イゾーデ、騎士ガウェイン等々の闘志や殉情、誠実そして信仰。それは、十分それでいい。映画・映像・文藝からの断片ながら素地も持ち合わせていた。

これから気になるのは、このブルフィンチ著の後半で、「マビノジョン」と掲題されていて、全然予備知識がない、が、イングランド、スコットランド、アイルランドなどの古代・中世に孤独に根をはっていた物語世界なのであろうか、それならば、読み進めているオフェイロン著「アイルランド 歴史と風土」の叙述とかなり併行し並走する物語世界であるのか。それならば大歓迎、その世界をわたしは観てみたい、識りたい。「マビノジョン」 ことばとしても聞いた覚えがない。そういうものとまだ出会えるのだ。

2014 6・8 152

 

 

* 起床7:00 血圧137-63(56) 血糖値89  体重68.3kg

2014 6・9 152

 

 

* 雨烈しく、電車を乗り継いでまっすぐ帰宅後、わたしの歯にまたも異変、あす、緊急医療を受ける。今夜はやすむ。

2014 6・9 152

 

 

* 起床7:00 血圧134-69(55) 血糖値87  体重68.6kg

 

 

* よぎなく歯科医に電話、今日の診療は十時始まりの午前中なので、即刻来るようにと。十一時過ぎに着く。テキバキと、自分の口の中は見えないし見もしないが、善処してもらえた。当分、というが、実は東京へ出てきて以来のお付き合いで、未だこの先、命ある限りのお付き合いが続くようである。覚悟を決める。

 

* 帰路、「中華家族」でいつものマオタイをもらい、冷やし中華蕎麦を半皿だけ食べてきた。食べ物、ちっとも欲しくない、これは宜しくないと思うが、どうも空腹時を工合良しと感じやすくなっている。マオタイを愛飲しながら、「湖の本」の校正をせっせと。午後、出かけたかったのだが、機先を制されて諦め、帰宅。なんとなく疲れていて、食欲がない。酒がどんなのも美味いが、家で飲むとたちまち寝入ってしまう。目のためには良いのかもしれないが。

 

* 発送用意を進めながら、「湖の本129」責了を目指している。もうすぐ、「選集②」の初校が来るという。真夏の陣構えがたいへんですが、励みもある。もし今、こういう仕事が無かったら気楽で身体もラクにきまっているが、気合いはひどく陰気だろう、耐え難いだろう。なら、泣き言は言うまい。

2014 6・10 152

 

 

* 起床9:00 血圧129-73(61) 血糖値94  体重68.6kg

 

* 機械の輝度を最低に下げるほど視野が眩しくて。サングラスで仕事している。

黒いマゴの輸液は毎日欠かさず。家の中、とほうもなく片づかず。

2014 6・11 152

 

 

* 起床8:00 血圧124-66(54) 血糖値103 体重68.3kg

2014 6・12 152

 

 

* 明日は暫くぶりに「腫瘍内科」の診察を受けてくる。

この数ヶ月の、体調。

① 概して平常、見た目、元気そうとよく言われる。

② 熱い冷たい物を食べたり飲んだり、酒が入ると、ときどき腸にキューっと沁みる痛みを覚える。

③ 脱水にはよほど気配りして飲んでいるが、夜中に脚の攣ることがある、以前ほど過剰ではないが。

④ 頭痛、発熱はなかった、血糖値も正常に推移、血圧もはねあがることなく維持している。

⑤ 体重は、66キロ台から、じわっと67キロ台を通過して、現在は68キロ台を上下し、ときに7キロ台にもどるが、69キロ台にはまだ入っていない。

⑥ 視力は著しく落ち、疲れるとたちまち視野が水中のように滲み霞み極度に見にくくなる。睡眠後の朝起きどきには視野の縦波状視も改善しているが、生活時間にはいると忽ち縦線は波打つ。眼鏡は現在、読書用、機械用、室内用、外出用、サングラスと少なくも五つを常備し所持し、虫眼鏡も持ち歩いている。

⑦ 前立腺や排尿・便には異常なく、血液・生理検査もいつも尋常で良いと言われている。

2014 6・12 152

 

 

* 起床7:30 血圧135-69(61) 血糖値89  体重68.0kg

2014 6・13 152

 

 

* 聖路加の「腫瘍内科」 久しぶりに名取先生。血液検査の結果はごく良好、ていねいに問診・診察を受けてきた。じつに残念、しかし無事出産についで、この七月八月からは夫君のトロントへ留学にともない同行されることになったのは、むしろ慶賀に値して、おめでたいこと。今後は本来主治医の山内部長先生が診て下さる。名取ご夫妻先生、異国でのご多幸を祈ります。

 

* 腫瘍内科で血圧を測っているとき、前の副院長林田憲明先生に声を掛けられ、思わずも歓談、「選集」刊行を心よりお祝いお慶び戴いた。妻の他院での動脈瘤手術のことにも御見舞いとお心づかいを下さり、とにかく夫婦家族、何があってもいつでも遠慮無く声を掛けてくれるようにと。感謝。

 

* 成増の埼玉病院へ入院保険の証明書を受けに行っていた妻が、有楽町線でまっすぐ新富町、そして聖路加へ来たのと合流し、築地の「更科蕎麦」で、菊正と梅酒とでおそい昼食をとり、、新富町から一路帰ってきた。猛烈なカンカン照り。真夏も真夏の眩しさだった。

これで来週いっぱい、仕事が出来る。いささか英気も養えるか。その次の月曜、火曜と医院・病院通い、二十五日からはいつもの発送になる。

2014 6・13 152

 

 

* 起床8:30 血圧129-70(59) 血糖値89  体重67.9kg

2014 6・14 152

 

 

* わたしに持病があるとすれば、それは寝て夢を「かならず見る」ことだ。複雑怪奇な、あるいはコケの一念のようなややこしい夢をみる、また夢で考えこみ調べ始める。一昨夜の夢は、機能の病院で名取り先生を笑わせてしまったが、例えば「お父さん」「お母さん」はごく普通の物言いで奇ななにも感じないが、理屈をいえば「お」「さん」と敬辞をダヴらせている。主として子供の頃への記憶から呼び戻される物言い聴き耳であるが、「お」「さん」をダヴらせた言葉はけっして少なくない、が、多くもない。「お粥さん」「お豆さん」「お猿さん」等々。おやっと思いつくと、それを夢でおいかけまわす、さがしまわる。「お粥さん」といっても「ご飯さん」とは言わない。「お豆さん」のならびで「お米さん」とも言わない。「お猿さん」は言うがいくら可愛がっても「お猫さん」とは言わない。「お馬さん」とは言うけれど「お牛さん」「お豚さん」はない。神さん仏さんですら「お」は冠せない。しかし「お宮さん」「お寺さん」は微妙に謂うなかみは違うが日用語であるし「お稲荷さん」「お地蔵さん」「お釈迦さん」「お薬師さん」はあたりまえに言う。幾ら馴染み深くても、だれも「お観音さん」とは言わない。「おかみさん」は、微妙だが、即の神さんではないはず。

「お日さん「お月さん」「お星さん」はいう。「お雲さん」「お雨さん」「お風さん」などは無い。「お殿さん」「お姫さん」「おじいさん「おばあさん」「お百姓さん」「お大尽さん」「お侍さん」「お武家さん」「お師匠さん」「お向かいさん」「お隣さん」はあっても、社長にも兵隊にも大尽にも「お」「さん」を重ねることは無い。

職業では「お医者さん」はあり、かりに「お魚屋さん」「お肉屋さん」はあっても「お八百屋さん」は無い。「お先生さん」とは言わないし「お大家さん」も無い。「お子さん」「お嬢さん」「おねえさん」「おにいさん」はあっても、「お社長さん」も「お部長さん」も無い。

竈を敬って「おくどさん」はよく聴いた。映す鏡にはいわない正月の鏡餅は「お鏡さん」と敬っていた。

食べ物では、粥や豆のほかでは「お芋さん」はあたりまえに耳にしていた。ほかに思い当たらないのが、かえって奇妙。酒、醤油、ソース、味噌などみな「お」は冠せても「さん」はない。大事な物でも「お米やさん」とは言え「お米さん」は聴かなかった。

こんな穿鑿を夢の中で際限なく始めると、寝ていてもやすまらない。これが煩悩かと歎きながら、「リーゼ」を含んでやすやすと寝たくなる。持病であるなあ。

2014 6・14 152

 

 

* 発送用意を推し進めた。「選集」に関しても考慮を重ねた。今日はほとほと眼が見えない。字を読むよりはと、マレーネ・デトリヒの、と謂う以上にチャールズロートン名演の「情婦」に引き込まれながら疲れも増した。アガサ・クリスティ原作だが、脚本・監督ビリー・ワイルダーの手腕の冴えであり、無数の映画作のなかでも屈指の名画と躊躇いなく癒える。

なにをしていても食欲薄く、よろしくない。はやく休みたい。早く寝て、ゆっくり寝るに限る。「選集③」の校正が山のように重く目の前に。

2014 6・14 152

 

 

* 起床10:30  血圧135-69(61) 血糖値89  体重68.0kg

2014 6・15 152

 

 

* 照りつけの厳しい眩しいこと、異様なほど。出かけてみたくもあったが、窓から路上をみるだけで、たじろいだ。熱中症でにがいめに遭ったこともある。

2014 6・15 152

 

 

* 起床8:00 血圧110-60(57) 血糖値96  体重67.9kg

2014 6・16 152

 

 

* 今日もいろいろ仕事ができた。有難いことだ。十一時半。もう休まねば。

2014 6・16 152

 

 

* 起床9:00 血圧129-61(55) 血糖値95  体重68.7kg

2014 6・17 152

 

 

* 情けないほど眼が見えない。十時だけれど、もう休もう。少なくも機械から離れよう。

メールを下さる方、速い反応を望まれる方は、夜はせめて十時か半頃までに下さい。

2014 6・17 152

 

 

* 起床5:50 血圧129-65(51) 血糖値96  体重68.5kg

2014 6・18 152

 

 

* もう画面の字が読めない。十時半、機械から離れる。階下でもまだ「仕事」がある。床に就いてからも、有る。裸眼をおもに使う。、

2014 6・18 152

 

 

* 起床7:30 血圧138-68(50) 血糖値88  体重68.3kg

2014 6・19 152

 

 

* 少量でも酒が入ればウソのように寝入ってしまう。(外で量を飲んでもそんなことは無い。)仕事が停滞さえしないなら、寝入るのは身体にも眼にも、むしろいいこと。

浴室で「ペスト」「八犬伝」「騎士物語」「眠られぬ夜のために(二)」を読み、そして、後撰和歌集、拾遺和歌集の撰をしていた。どれもみな、興味深く面白かった。「ペスト」ではパヌルー神父が亡くなり、「八犬伝」では犬江新兵衛仁が、管領政元御前試合の悉くに勝ち抜いた。

 

* 来週水曜までの発送用意には、もう五日しかゆとりなく、月曜夕刻には歯医者へ、火曜午後には聖路加へ行かねばならない。腹をくくってもうゆっくりするしかない。妻の左腕はまだ力仕事にも、痺れで細かな用事にも堪えない。ま、なんとかするさ。

晩、おそくから送り封筒に宛名書きを六十人ほど。これだけでも、やや前に用事が進んだ。雨の音が強まって、風も吹いている。

2014 6・19 152

 

 

* 起床7:30 血圧119-62(49) 血糖値101 体重68.4kg

 

* 清爽 今、何如。

2014 6・20 152

 

 

* 体調の宜しさが実感できない。胃袋の無いことにまだ慣れないまま、始終腹部不穏にともなう頼りない不快感に見舞われている。歯の悪さ、眼の悪さ、加えて運動不足で、脚の筋肉が弱ったまま強まってこない。階段の上がり下りに膝に痛みに近い負担を感じている。

強い日射しのなかを自転車で走り熱中症で潰れた往時の記憶があり、また戸外が眩しくもあり、自転車を走らせる程度のことも出来ていない。歩くのを極端にイヤがっている自分に気づいている。体力がつかずに疲労ばかり溜めている。愚かしい。

「湖の本120」を送り終えてしまうまで、スッキリしないだろう、明日、なにか美味そうな物を食べに街へ出かけようか。

2014 6・20 152

 

 

* 起床8:15 血圧120-60(49) 血糖値99  体重68.3kg

 

* 清爽 今、何如。

2014 6・21 152

 

 

* とうどう、たぶん三年ぶりか、浅草ひさご通りの「米久」ですきやきを贅沢に食ってきた。土曜日のせいか、かつて経験したことのない満員の客で、入ったことのない小座敷に通された。此処の「トク」の肉はしっかり食べられる。もっともいまの味覚では、味の濃さで食べているのではあるが。味のうすいものは、何を食べたかと忘れてしまう。

そういえば、昨夜から今朝へ、笠間書院の橋本編集長に戴いた、珍しい「ミツバチの巣」を美味しく食べていた。濃厚芳醇な甘み。血糖値がすこし心配になるほどだが、すこぶる美味かった。

今日はよく歩いた。雷門から上野駅までは「ぐるりん」とかいう小さなバスで、見知らぬ下町のいろんな大通りや小通りを走ったのがなかなか楽しかった。公園口で下り、もう一歩きと、鶯谷駅まで山を抜けていった。

ついでにと、池袋から豊島園行きに乗り、保谷(ほたに)君新出しのパブへ寄ってみた。どうっと予約の一群で溢れ、退散してきた。豊島園は近いけれど、保谷からの往きも帰りも練馬駅での乗り換えが逆向きになり邪魔くさい。

とにかく比較的よく歩き、電車などでの校正も捗らせた。雨に降られなくてよかった。

 

* 食べて体力をというのは、なにか気が進まない。今の体重がほぼ理想なのである。歩くのが無難な健康法だろう。不愉快なニュースなどに癇癪を起こしているよりも。

2014 6・21 152

 

 

* 起床8:00 血圧117-60(56) 血糖値100 体重68.0kg  就寝前のインシュリン注射の量をまちがえ、夜中つよい(覚えのある)違和感に、危ぶみながら起きてキッチンへ行き、不快とかすかな震えを感じながら血糖値を測った。42。これは体験したかぎり最低血糖値で。すぐ白砂糖を含み、またリッツに蜂の巣蜜をたっぶりつけて二枚食し、血糖値74に回復したところで、就寝前に飲み余していた日本酒を三勺ほど飲んで寝た。低血糖はけっして油断ならないが、これまで十余年に十度ほどの体験では、毎度必ず「からだ」へ違和の警告がくる。その時点で対応すれ容易に回復する。ただ外出中にもし起きて、しかも即刻口に出来る糖分を持っていないと、危ない。戸外でそういう体感に見舞われたことは一度もない。すべて深夜、就眠中に何とも謂えぬモヤモヤした違和感が来る。

胃全摘につづく三度の入院以降久しかった「貧血」はよほど改善されてきたようだが、貧血かなと感じること、かるくよろけることは今も、ある。「血圧」も、やや低めで推移している。現在ほぼ理想体重のまま体力をつけるには、身体を働かせ、そして美味しく食べることか。いまわたしの口腔はまったく食味の快適に不向きで不幸な状態にある。

 

* 清爽 今、何如。 (How are you ?)

 

* あまり心地よくない。睡魔に見舞われる。それでも、したい仕事を続けている。したくない、すべき用事がたくさん有る。それが気怠い理由か。眼鏡が適確に働いてくれない、と言うよりわたしの眼が眼鏡に合わないのだろう、それが負担になり仕事を細切れで断続していて爽快感に遠のく。陶淵明の詩句「清爽 今、何如」を、つまりは絶えず自身に問うて励ましている。もう二倍も三倍も仕事がしたい。これが生き急ぎなのか。またバグワンの音読へ帰りたくなった。

2014 6・22 152

 

 

* 起床8:00 血圧115-62(52) 血糖値81  体重68.2kg

2014 6・23 152

 

 

* 夕刻、雨に遭わず歯医者へ。妻も。

五時半すこし前、「リオン」に。土佐四万十からの美味しいトマト小玉のサラダがとびきり美味く、貝と玉蜀黍の冷製スフレもすっきりと口当たりよろし。赤ワイン二杯、メインディシュは北海道から届いたばかりの大きな鰈。エンガワまでこんがり丸焼き、わたしが良く食べた。美味そして量も十二分。デザート二種類が、もう多かった。エスプレッソにちかい美味い珈琲、たっぷり。シェフたちともすっかりの馴染み、もう優に四半世紀も来ている。

江古田駅前のナガノ眼鏡店で、時計二つに電池を入れてもらう。

わたしの眼鏡の久しい不調の一原因は、瞳孔間距離が57mmと男性としてはかなり狭いのに、処方箋が60mmと出していたからだと強調された。さきに新調の遠用は57mmで出来ており、もう一つの以前のは60mmで出来ていて、たしかに60mmのは見にくい。

とはいえ、つまりは過労で眼精疲労すれば、要するにどれもかもまるで役立たない。

いま困っている一つは、室内用に新調してあった眼鏡の一つをケースごと見失っていること、家中探しても出てこない。

 

* 明日は、昼前から聖路加へ行き、内分泌内科で諸検査を受ける。何時に終わるか、三時半かどうか。うまくすれば、むろん体力と時間とが残っていればだが、出光美術館などへ行ってみたい。東博の東洋館もいが。だが、正直な話、明後日に出来てくる「湖の本120」発送用意がぼかッと出来ていない。急いで帰ってすこしでも用意するか、忘れ果てて何と無く楽しんでくるか。なにもかも疲労の程によります。いっそ珈琲でも飲みながら明るい街の店で「絵巻」の初校に励んでくるのも悪くない。

2014 6・23 152

 

 

* 起床8:00 血圧126-66(51) 血糖値84  体重68.4kg

2014 6・24 152

 

 

* もう一時間半して、聖路加へ向かう。糖尿と血液の検査。

 

* 糖尿病で聖路加に通い出して優に十数年、今日ほどはやく診療から解放されて院外へ出たのは初めて。二時半の予約で二時半には万事終えていた。ウラー。検査結果は全く問題が無く、「いいですね」「いいですよ」でドクターも満足そう。ただ、本人のわたしには「いい」実感がなく、奇妙な憂鬱感があるとうったえた。それはもう心療内科ですなあと笑われ、安定剤の「リーゼ」をまた三十錠処方してもらってきた。夜深く眠れれば良いのであります。

 

* 院を出たとたんに黒雲の空からばらばらと雨の音。タクシーに飛び乗って「出光美術館」と頼んだら中年過ぎた女運転手が知らないと云う。イヤになって松屋へ入り、ついている杖のやや長く感じられる(それだけわが身が縮んだわけで。)のを、買った店で適当に斬って縮めてもらった。

ついでに八階の「つな八」へ入り、おそい昼食に、黒松白鹿二合で贅沢に天麩羅を食べた。気分としては食べてみた。天麩羅の美味の戻りが一等遅いからで。ま、ま、という感じ、うまいの先に満腹してしまった。

銀座一丁目から有楽町線で一気に保谷へ帰った。雨にも遭わず。やはり心もち疲れているなあ。それでも、持って出た好きな作の「繪巻」初校、地下鉄の行き帰りにも病院ででも、かなり進んだ。

2014 6・24 152

 

 

* 天麩羅はまだいけなかった。なんとなく、気分がわるい。明日からの労働が気がかり。十時半だが、機械から離れる。

2014 ・24 152

 

 

* 起床7:00 血圧131-58(48) 血糖値89  体重68.2kg

2014 6・25 152

 

 

* 終日、発送に余念なかった。よく働いた。今回は、準備不足で、もう数日掛けねばならないかも。

十時。疲れを溜めないように、作業切り上げた。小一時間でも仕事して、やすもうと思っている。晩、シャブシャブ用の牛肉で実に久しぶりにカレーをつくってもらったのが口にあって良かった。冷えた西瓜も。赤ワインを、薬とおもってぽっちり。ビール一缶。清酒を180

ml。発送の仕事は、終始、妻との共同作業だが、まだ利き手の左手に、ことに手先に痛みを残しているので、そのぶん、わたしが奮励。本は重いです。

2014 6・25 152

 

 

* 起床8:10 血圧134-68(58) 血糖値83  体重68.2kg

2014 6・26 152

 

 

* 起床8:10 血圧118-58(62) 血糖値88  体重68.1kg

 

* 手順わるく能率あがらず疲れてしまう。やれやれ。

2014 6・27 152

 

 

* 発送作業、遅々とはしているが、停滞なく。がまんして、辛抱して進めるだけ。

 

* 夕食後に機械の前へ来ていたらしいが、ぐっすり居眠りしていた。だからどうしようとも思いつかない。

 

* 八時半には、疲れて、作業を明日に見送り、村上開新堂の山本道子さんに頂戴のクッキーをお茶で楽しみながら、テレビの映像をいろいろ眺めていた。なつかしい黄檗山万福寺や、アメリカのショウや、スリリングなDlifeドラマなど。染五郎と木村佳乃の「蝉しぐれ」は見逃した。

2014 6・27 152

 

 

* 起床8:10 血圧122-62(52) 血糖値83  体重68.4kg

2014 6・28 152

 

 

* 「獺祭」に嬉しく酔って、ほっこりしているまに、九時に。さ、今度はまた選集②の初校了と選集③の入稿を進めながら、小説を書き進める。ツイッターもフェイスブックもまったく放棄している。「mixi」も、もう戻すに戻せない過去の闇に沈没したまま。すべて、わたしには、まったく無用の時間つぶしでしかない。

夕食後、入浴後にも残り作業があり、疲労。ぐっすり寝たい。

2014 6・28 152

 

 

* 起床9:00 血圧123-60(58) 血糖値95  体重69.1kg

2014 6・29 152

 

 

* いちばん病後の苦しかった頃に、俳優座の公演が亀戸であった。そのあと、アテズッポウに車で向かった亀戸天満宮の、歌舞伎の書き割りによく似た境内に車で入って、たまたま出会った料亭で和食を食べ、店の人とも馴染みになった。

なにかというと、また行きたくなる。しかし足場はけっこう遠く、機会がない。思い立って最寄りの駅まで行っても旧の豪雨と雷に追い払われてきたり。

今日も、ごろごろとよく天候が崩れた。ま、長くはないと逃げ込んでは待つ、たいした苦ではない。場所さえあればわたしはいつも出来る仕事を持ち歩いている。

それでも、夕過ぎて保谷へついてタクシーに並んだが、雷鳴と降雨。ま、いいやと頭にはチンケな帽子があり、それ一つで凌いで肩から下は好きに雨に打たせながら寒くもなく少ないタクシーのくるのを待ちとおした。どうということはなかった。

 

* このところ、白粥の炊きたてを冷ましておいて主食にしている。いただき物の美味い梅干しがいつもあり、ばらばらの炊き飯よりうんと食べやすくくまた美味しい。そのうえに、美酒「獺祭」の美味いこと、放っておいたら一升をおおかた飲んでしまいそう。

2014 6・29 152

 

 

* 起床8:30 血圧124-64(55) 血糖値92  体重68.9kg

2014 6・30 152

 

 

*  朝の内に郵便局や薬局へ自転車で用を済ませたが、日照りが堪えたかよほど疲れて、昼食後崩れるように三時間寝入ってしまった。寝入るのはわるいハナシではない。

2014 6・30 152

 

 

* 起床8:00 血圧134-73(60) 血糖値88  体重70.2kg  ウーン、体重が一気に70kgを超えてしまった。よろしくない。食べてないんだけどなあ。

2014 7・1 153

 

 

* もう一月の余も紛失したきり、ほとほともう諦めていた室内用の眼鏡一つが。なんたること、この足元に近く物の入ったダンボールの蓋が、ひらっと外向けに伏せていたその真下蔭から妻が拾い上げてくれた。足元暗しの間抜けな見本のようで、照れ隠しもならない。ま、在るべきが在ってくれて、よかった。

それにしても今朝は、イヤに目が霞んでいる。

2014 7・1 153

 

 

* 眼鏡さえかけてともあれクリアに目が見えるのなら、「仕事」はもっと進むのに、潜水して泳いでいるような塩梅。

 

* 霞んだ目で「誘惑」を読み進んだ。京都に育ての両親を置いたままの語り手幸田は、四十年生きてきたと言うている。今のわたしはそれから三十八年も生きてきた。作に表れている父も母も(叔母も)東京へ出て来て、父は九十一で、母は九十六で死んだ。実の父も死んだ、叔母も九十三で死んだ。なんというむごいことであったかとわたしは嘔吐を催しそうに哀しく苦しく恥ずかしい。

しんどい作やなにあとわたしは半ば泣いてしまっている。作家生活はほぼ順調だったが、独りの生まれたものとしては、厳しい辛い日々を背負っていたと気がつく。今にして気がつく。

2014 7・1 153

 

 

* 起床8:00 血圧132-62(48) 血糖値82  体重69.7kg

2014 7・2 153

 

 

* 起床7:45 血圧139-69(52) 血糖値89  体重70.2kg

2014 7・3 153

 

 

* 九時だが、目はまったく霞んでいる。もう機械から離れ、階下で可能なら「風の奏で」を校正し、何冊か読書し、休むとしよう。 2014 7・3 153

 

 

* 起床8:45 血圧133-74(51) 血糖値91  体重70.3kg

2014 7・4 153

 

 

* さ、今夜も階下で校正を続けながら、はやめに休もう。へんな夢を見ないで眠れると有り難いが。リーゼで眠りは深いが、夢は見る。ゆうべは、ある老練の、鳥越氏のような気のするジャーナリスト主催のテーブルに並んでの食事会に招かれていた。わいわいと賑やかを極めていたがワケが分からないが、めんどうな謎解きに似た討議を重ねていた。こういう夢は疲れる。

なんだか、世の中の誰も彼もが疲れているみたい。政府は、憲法違反連続の誤魔化しのように仰々しく拉致問題へ話題を引っ張っている。身振りばかり大きく、いい結果のあいっこうにらわれない政府ではある。

2014 7・4 153

 

 

* 起床8:30 血圧126-60(54) 血糖値90  体重68.7kg

 

* 両掌にどっしり重い黒いピオーネのみごとな照り輝きに眼をみはりながら、朝食のいちばんに五つ粒もいちどに戴いた。美味い。

食のすすまないわたしに、何を食べさせればいいかと妻はいささか途方に暮れている。細いもの、小さな粒々のもの(飯も)、くっつくもの、味の淡いもの、鶏の匂いなど、苦手。ひとつには治療された歯との相性が問題、それでたいがい食べたくない。酒とフレッシュな果物とが、つい過ぎてしまうほどに、美味い。甘い和菓子や飴なども、辛い塩辛や明太子、海苔なども幸い口に合う。ばらつく飯より炊いて冷えてきた粥の方がはるかに食べ良い。三度の食事よりも、つい、小刻みに我が儘な間食を口にしている。よろしくないと懼れながら。

鳩尾のところで食道と十二指腸とが直に繋がれ、胃袋はぜんぶ無い。その鳩尾辺でからだがくの字に折れるような気分があり、背筋が伸びにくい。前屈みになっている自分にいつも気づくのだが。

暑さより、むしろ冷えのほうを鋭敏に感じる。たしかに手術以降の三年ちかく、熱夏とは思い辟易しながらも汗みづくにならなかった。この数日など寒いとすら感じている。いまも機械の前でむき出し膝下、ふくらはぎなど、痛いほど冷えている、冷房していないのに。

2014 7・5 153

 

 

* ほとほと眼が霞んで潤んで。まるで裸眼で潜水しているようだ。十一時。もう休む。

2014 7・5 153

 

 

* 起床8:00 血圧126-71(58) 血糖値84  体重68.8kg

2014 7・6 153

 

 

* 仕事のあと、日射しも強くないので、三十分余もひばりヶ丘の方へ自転車で。車体が重く感じられ、すいすいと走れなかった。ひとつには眼鏡掛けていて視野が崩れている。おどろいた。脚力も弱っているということ。電動で遠乗りした方が良いか。

 

*  入浴 明日は歯医者 校正刷り持ち歩く。

2014 7・6 153

 

 

* さ、十時過ぎたので、機械を離れて階下で校正する。

2014 7・6 153

 

 

* 起床8:00 血圧129-67(47) 血糖値96  体重68.9kg

2014 7・7 153

 

 

* 起床8:00 血圧132-67(54) 血糖値85  体重69.4kg

2014 7・8 153

 

 

* ひさびさ親切な編集者であった昔の友人と昼食する。食べるよりも会うのが楽しみ。もう何十年になるか、とうじまだ駆け出しのアーサー・ビナードに会ってやって呉れませんかと頼まれ、妻も一緒に、日比さん夫妻も一緒に、東武の「美濃吉」でにぎやかに食事した。あれ以来かも知れない。台風が来ているようだが、東京へはまだ遠い。

明日午後には聖路加内科での診察がある。台風は近づいているだろうが。

2014 7・8 153

 

 

* 起床5:00 血圧124-63(56) 血糖値90  体重69.5kg

2014 7・9 153

 

 

* いまわたしはすぐさまこの長々しい「箴言」に論及はしない。できそうにもない。できても直ちに自信をもてる気がしない。ただこの前を無関心に通過し歩み去るのは、どうかな、と立ち止まる。

今朝は五時に起きた。いま七時過ぎ。もう二時間すれば聖路加へでかける。診察を受けに行くのでもあり、待ち時間にたくさん校正できるといいがと思っている。雨に降られないといいとも願っている。

 

* 出かける直前に印刷所との電話打ち合わせが入り、予定より三十分遅れて家を出た。生理検査を終えて正午、診察と支払いを終えて二時前、まずは順調だった。

よたよたと築地を歩いて馴染みの「玉寿司」でいつもの「栄造(初代店主)握り」ら「八海山」二合。大とろや生き車海老の大きいのなど美味かった。しめ鯖と小鰭とを追加してご機嫌で、しかしよたよたと歌舞伎座脇へ歩き「茜屋珈琲」で一服。昼の部がはねたときで盛況、それでもカウンターでマスター千葉さんと歓談。

ついで歌舞伎座の地下売店で、先日買っ手忽ちに下げ緒が切れていつのまにか鈴が失せていたのを、買い替え。杖にも鞄にもリリ、リリと綺麗な鈴をつけている。すこしでも怪我を防げるかな、と。

きわどく雨に降られず帰宅。

2014 7・9 153

 

 

* なぜか分からないが、ぐたりと草臥れている。腹にちから無く、へたるような違和感。何かに手を付けようとする元気が湧いてこない。三日連続の外出が響いているのか。好くないモノを食ったりしたわけでない。体を痛めたのでもない。

思い当たるのは、今朝の五時起きだ、それだ。そのうえ病院へ出かける直前、空腹のまま冷たいヤクルトを呑んだのが好くなかった。ま、理由が分かれば、よろしい。

2014 7・9 153

 

 

* 起床8:00 血圧136-67(53) 血糖値81  体重68.7kg

2014 7・10 153

 

 

* 起床8:30 血圧132-63(56) 血糖値98  体重68.6kg

2014 7・11 153

 

 

*すさまじい台風一過の日照り・暑さ。郵便局へ薬局への自転車走がかなり堪えた。

2014 7・11 153

 

 

* 注文して届いた萬歳楽醸造の「白山」純米大吟醸が美味い。夕飯としてはなにを食べたとも覚えないのに、酒は美味かったと謁に入り、食後機械の前で寝入っていた。

2014 7・11 153

 

 

* いろいろに不調、痛みなど。そんなこと気にしていたら何も出来ない。明日は出来れば午前中にもどこかへ出て一区切りの校正を仕上げてきたい。環状線を三回りでもするか。

2014 7・11 153

 

 

* 起床7:30 血圧129-64(53) 血糖値89  体重69.5kg

2014 7・12 153

 

 

* 猛烈な照りと暑さ。いやはや。黒いマゴには輸液、欠かせない。

とにもかくにも今日明日に「風の奏で」初校を終え、送り返さねば。眼、ぎらぎらしている。

2014 7・12 153

 

 

* 起床7:45 血圧125-62(54) 血糖値84  体重70.1kg

2014 7・13 153

 

 

* 起床7:00 血圧137-67(54) 血糖値87  体重69.6kg

2014 7・14 153

 

 

* 起床8:30 血圧123-64(56) 血糖値82  体重68.6kg

 

* 昨日の私語を推敲していた。歯が痛んで、一昨日から間隔にちゅういしながらロキソニンを服している。少し堅い食べ物があたると飛び上がりそうに痛い。ロキソニンはよく効くが、金曜日の歯医者まで我慢も利くかなあ。

2014 7・15 153

 

* 十時過ぎ。歯の痛みの疼き出す前に今夜はもう機械を伏せよう。校正しながら、睡くなれば寝てしまおう。「選集②」の責了、「湖の本121」の編輯と入稿、「選集④」原稿読み。それらに勤しむ一方で、新しい小説を仕上げて行き、また草稿段階で放置されている過去の小説の電子データ化をもすすめておきたい。しておきたい仕事がせめぎあうように目のすぐ先へ波立ってきている。生き急いでいるなあと危うい気がする。

2014 7・15 153

 

 

* 起床7:50 血圧125-61(55) 血糖値90  体重68.5kg

2014 7・16153

 

 

* 疲れ切らないうちに、休もう。

2014 7・16 153

 

 

* 起床7:45 血圧128-66(62) 血糖値84  体重68.5kg

2014 7・17 153

 

 

* 歯の痛みもなんとか持ち堪え、明日夕刻また歯医者へ。来週水曜二時には聖路加、これははやばやく解放されるだろう。小雨や夕立ぐらい平気、有楽町レバンテのようなからりとしたビヤレストランに腰を据えて校正に励もうか。

二十七日は孫娘やす香の命日で、娘朝日子の誕生日。

 

* 家では妻のテレビ好きに机のある部屋が占領されるので、近隣に馴染める喫茶店が見つかるまいかと大泉方面をよほど根気よく自転車で探したが、運動にはなったけれど目的は全然果たせなかった。西武線を南へ越えれば在るのだろうが。

結局は街へ出るか電車に乗るかしか、ない。食べたくないのでレストランは適しない。おっとりと明るく静かな喫茶室が欲しいが、安心して自転車が置けないと困る。

何のことはない、隣棟の二階には使ってない書斎があり、大きな机もあるのだ、億劫がらずそこへ機械も一台もちこんでネット使用が利くようにすればいい。メインの仕事場を分散する不便をいやがってきたが、もう背に腹は替えられない。

2014 7・17 153

 

 

* 起床8:20 血圧135-64(56) 血糖値84  体重68.6kg

2014 7・18 153

 

 

* 雨もよい。それでも夕刻、歯医者へ行く。次回二十八日には、また歯一本を抜くと決まる。やれやれ。

帰路、「中華家族」でマオタイ二杯呑んできた。マオタイが美味い。

2014 7・18 153

 

 

* 明日から世間は三連休とか。何故とも何があるとも分からず、そういうこととは、無縁の暮らしをしている。

霧の降るように疲れがからだに堪る。気晴らしも必要。それには時間がかかり、時間を費やすと仕事がもっときつくなる。

今日歯科の待合いでめくった雑誌に、老齢の睡眠は六時間で十分、夜眠れないときは、起きて過ごせばいいのだと。ほんまかなと思うが実はそれに近く過ごしている。本を読んでしまう。目を使ってしまう。

十一時、今日もいろんな仕事に手をつけた。もう休んでいいだろう。

2014 7・18 153

 

 

* 起床8:50 血圧124-58(60) 血糖値91  体重67.7kg  久しぶりに体重を67キロ台に落とした。願わくはこの辺を維持したい。

2014 7・19 153

 

 

* 起床4:30 血圧133-64(59) 血糖値95  体重67.5kg

2014 7・20 153

 

 

* 陶淵明の詩句に聴く

總髪抱孤介   総髪より孤介を抱き、

奄出四十年   奄(たちま)ち四十年を出づ。

形迹憑化往   形迹は化に憑(よ)りて往くも、

霊府長独閑   霊府は長く独り閑(しづ)かなり

貞剛自有質   貞剛 自(おのづか)ら質有り、

玉石乃非堅   玉石も乃(な)ほ堅きに非ず。

 

少年時代からわたしは、かたくなに自分を守ったまま、

たちまち四十年(=七十年)が過ぎてしまった。

からだは自然の推移につれて衰えてしまったが、

心はいつも(=なんとか)平静でいられた。

わたしのこの妥協しない性格は天性であろうか、

これに比べれば玉石といえども堅いとは言えまい。(=とまで豪語はしないが。)

 

* さすがに眼が疲れてきた。

2014 7・20 153

 

 

* 「繪巻」最後の最後に「絢爛」の「爛」一字の誤記を発見できた。さ、これで、残る「風の奏で」一作を叮嚀に読み終えうれば、第二巻を責了出来る。さ、この長編の再校に何日かかるだろうか。

明日、どうするか。仕事の出来る(校正の出来る)喫茶店をあてどなく町へ探しに出るか。とにかくも夕べは三時間しか睡れていない。十一時廻った。

2014 7・20 153

 

 

* 起床8:00 血圧131-70(70) 血糖値91  体重68.0kg

 

* はや昼を済ませ、再校ゲラをかかえて家を飛び出した。

さすがに疲れた。白鵬の相撲に間に合うように帰宅。

妻のスキャンしてくれた原稿をひたすら読んで「湖の本121」入稿に備えた。明日にはほぼ一冊分にちかい原稿を読み終えるだろう。それへ書きためてあるエッセイをえらんで差し込んで行く。「櫻の時代」につづいて、またひときわ「はんなり」した一巻が出来るだろう。

2014 7・21 153

 

 

* 湯から出て、少し湯に当たった感じがした。血糖値が50に下がっていた。白砂糖をスプンで数杯口にした。白砂糖は美味い。師の坊の隠していた砂糖を留守居の弟子等が堪えきれずなめ尽くした「狂言」、まことにもっとも。砂糖のあと少し日本酒を口にした。低血糖はほぼ確実に五体で体感できる。かなり気味がわるいが、甘味さえとれば当座は回復する。習慣化しないように気を付けねば。

* 疲れを溜め込まないように。今夜も、いい眠りが欲しい。明日もたくさん仕事する。たくさん読む。

2014 7・21 153

 

 

* 起床8:00 血圧126-68(62) 血糖値87  体重67.8kg

 

* 火曜日はふつう郵便が少ない。三連休だったせいか、今日は郵便が多かった。郵便は、わたしのように外向きに逼塞している者には風の通う窓ににていて、きもちが花やぐ。

2014 7・22 153

 

 

* 今日は終日「湖の本121」のために原稿を読み整えていた。もう眼は、ひどい状態。まだ八時半だが、とにかくも休憩するしかない。などと言いながらまた一時間経っている。

2014 7・22 153

 

 

* 起床6:00 血圧128-63(57) 血糖値99  体重68.4kg

2014 7・23 153

 

 

* 朝から、昼過ぎから、横綱の相撲と夕食のあとから、やすみなく「仕事」に打ちこんでいた。眼は。くらくらしているが、出来る仕事は出来るときにしたい。どこまで歩いて行けるか。どっちが先に折れるか、仕事かわたしか。撓んでも折れないようにように書いたり読んだり創ったりしたい。

 

* 十一時半。もう、ダメ。 さっき気が付いた、今日は聖路加へ行く日だった。カンペキに忘れていた。まいった。

2014 7・23 153

 

 

* 起床7:50 血圧126-66(62) 血糖値98  体重68.0kg

2014 7・24 153

 

 

☆ 通院で

難儀されてはいないかと案じていました。

居心地のよい場所を見つけて、暑さが和らぐのを待ちつつ校正を進められてるかなぁ、それとも好きなお相撲が見たくて真っ直ぐ帰られたかなぁとも想像しながら。

通院を忘れていたこと、お仕事に打ち込んでうっかりというなら、( わたくしもも、歯医者の定期検診をうっかりしたことが何度かあります) 、ご自身がさして気に病んでないなら、それでもいいのですが。

記憶力云々ではなく、この猛暑が心配です。

どうぞお元気で。    小雨

 

* 電話してみたら、今朝十一時までに聖路加へ来て初診手続きせよと言われた。九時半に電話で聞いて十一時に聖路加着はとてもムリ。その上の蒸れたような熱暑。

薬だけが欲しいので、仕方がない薬局で類似の売薬を買うことに。要するに利尿薬。この殺人的な真夏に、息急ききって保谷駅へ、また築地の日照り道を病院へ急ぐのは賢明でない。診察日を完全に失念したのがわたしの責任である。

2014 7・24 153

 

 

* 起床8:00 血圧131-61(52) 血糖値101 体重67.5kg

2014 7・25 153

 

 

* 起床7:00 血圧126-65(55) 血糖値87  体重68.4kg

 

* 仕事をしては休み、また仕事に帰って、休むという繰り返し。校正ゲラを読むのも創作も作品の読みも、テレビが鳴っていてはとても近くでは出来ない。本の発送用意などにはテレビがむしろ骨休めになるが。

浅草の花火は、往復に自信なくお誘いを辞退した。

2014 7・26 153

 

 

* リチャード・ギアとゼブラ・ウィンガーの「愛と青春の旅立ち」、以前にも観ているが、見せるいい作だった、小泉純一郎に似たこの主演男優はあまり好きでないが、ゼブラ・ウインガーは魅力に溢れていた。今晩は、九時までこの映画で休憩した。花火には行けなかったが。

 

* 明後日は、とうどう、また左上で歯を一本抜かれる。やれやれ、まさにネバーエンディングの歯医者さんである。

2014 7・26 153

 

 

* 起床7:45 血圧129-65(62) 血糖値91  体重67.5kg

2014 7・27 153

 

 

* 起床8:00 血圧124-675(57)  血糖値85  体重674kg

2014 7・28 153

 

 

* 起床7:45 血圧137-695(49)  血糖値90  体重68.0kg

 

* 失念した聖路加の再診、明後三十一日の午後三時(少し待たせるかも知れないが、と。)にと、ドクターに決めてもらえた。一安心。夕方の保谷駅前へはタクシーがほとんど来てくれない。もし熱暑ならば、ないし熱暑でなければ、ひさしぶりに日比谷のクラブへでも入れるか。あるいは夕暮れをもとめて隅田川を越えてみるか。

昨日江古田の眼鏡屋にさらに二つ、遠用と、遠用サングラスとを注文した。次の日曜日には出来ていると。昼前にでも受け取りに行く。天気次第で街歩きができるかも。すこし食事らしい食事をしてみたい。

幸い今日にも「選集②」ゲラを全部、責了として送り出せる。とにかくも一息ついて、次の仕事へ安心して踏み込める。

2014 7・29 153

 

 

* 明後日に用ができたので、明日は家に籠もる。今日の午過ぎ自転車で郵便局へ走った暑さ、焦げると思った。よほどハラをくくって出ないとどうにもならない。闇雲には出歩けない。

2014 7・29 153

 

 

* 起床9:00 血圧133-71(56) 血糖値85  体重68.1kg

2014 7・30 153

 

 

* 起床8:00 血圧124-62(57) 血糖値97  体重67.7kg

 

* 午後、聖路加へ。三時の予約に一時に入って、昼食も抜いて校正また校正、幸い二時半に診察室へ呼び込まれて、あっさり済んだ。ともあれ百日分のお薬が処方され、次回には血液検査をしましょうと新保先生。帰り際、腫瘍内科の山内部長先生と出会った。明日にも渡米退職の名取先生に代わる若い先生をまたつけて下さいと頼んでおいた。こまごまと相談をもちかけるには若い先生の方が話しやすく、しかも主治医は部長先生となっている。まだ先は永いのだ。

 

* さて遅い昼食をと銀座へ出たが、空腹なのにまったく食欲が湧かない。目指すどの店の前まで行くと全然気乗りがしない。というより空腹の方がラクなのである。で、銀座一丁目の地下鉄の真上の店で、見るから涼しげに感じのいい服に、とんぼ玉などで映えるネクレスをつけた服をみつけ、妻の土産に買った。電車でもずうっと校正していた。

保谷ではギラギラ照りにタクシー無く、それならばと処方された薬を薬局で手に入れ、そのまま寿司の「和可菜」へ。この店にはいるとちょっと「帰ってきた」という安楽感がある。大将も奥さんもすこぶる親切。で、量は入らないが、うまい生牡蛎や蟹、とろ、しめ鯖などなどでお酒をいただき、ぶらぶらと家まで歩いて帰った。街で食べて満腹などしていたら疲れてへとへとになっていただろう。

 

* 金田先生の奥様より、北海道の鮭の切り身十二枚を送って戴いた。しっかり栄養をつけねば。根が大食だったのが胃袋無くなりとても量が入らなくなったのは、いっそ善いことだと思うようにしている。お酒だけは、何酒であれ、すこぶる美味しく入るのだから熱エネルギーは足りている。今朝は体重も67キロ台に下げていた。この辺で調整したい。

2014 7・31 153

 

 

* 起床8:00 血圧124-59(64) 血糖値92  体重67.1kg

2014 8・1 154

 

 

* 今日も、いっぱい「仕事」した。まだ、九時。一休みして、もう一働きできるだろう。

2014 8・1 154

 

 

* 起床9:00 血圧123-66(64) 血糖値98  体重67.3kg

 

*終日幾つかの「仕事」に打ちこんでいた。用事や作業でなく「仕事」といえば志賀直哉の顰みに倣うでなく文学・文藝の仕事である。目はとうに霞んでいるが、細めたり凝らしたりして仕事への興味に目も右へ習えをと要望し強要している。

 

* 疲れているので、「私語」の方へ手も言葉も届かない。

 

* あす、修正された遠用の眼鏡と、サングラスを受け取りに行くか、行けるか、今はヨッポド、ぐたりとしている。一雨きそうな月曜に日延べしたい気分だが。今日も、ろくに食べていない。おいしい果物、ジュース、ゼリーなどいただき物に感謝し、炭水化物に手が出ない。飯も粥も麺類も重苦しい。

吉備の人から色も香もすばらしい「黄桃」を、今日頂戴した。掌に戴いて眺める内にも清い芳香に包まれる。

昨日は、真岡市の随筆家渡辺通枝さん方から、新宿高野のフルーツ各種の大籠を送って戴いた。みたこともない珍しい果物がいっぱいだった。

2014 8・2 154

 

 

* 起床9:30 血圧118-58(63) 血糖値89  体重68.1kg

 

*  日照りのすさまじさに新調の眼鏡二つを受け取りに出かける気がせず、機械の前や傍で仕事していた。ときどき居眠りもした。

2014 8・3 154

 

 

* 起床9:00 血圧127-62(57) 血糖値96  体重68.1kg

2014 8・4 154

 

 

* 「珠」さんからも、食のすすまないわたしを想って涼しげな美味しそうなご馳走が贈られてきた。ありがとう。

 

* 「湖の本121」要再校の初校ゲラに、表紙、埋め草、あとがき、あと付け、みな揃えて返送した。

さて。暑いさなかだが、夕過ぎてからでも江古田へ眼鏡を受け取りに行ってこなくては。

 

* 遠い用普通の眼鏡と、同じくサングラスを受け取ってきた。このところのギラギラ照りにサングラス無しでは危険すら感じる。

最近用の修正眼鏡をもう一つ頼んできた。七日の十一時以降には出来ていると。

眼鏡の用を済ませたあと、「中華家族」へ寄り、灯りの良い席をもらって、マオタイと酢豚とで、『畜生塚』の校正を楽しんできた。此の作はわたしの私家版本第一册『畜生塚・此の世」の表題作として書かれた。昭和三十八年(一九六三)十二月に脱稿し、B5判8ポ二段組みの本は、勤務先で取引のあった(株)科学図書印刷につくってもらい、翌昭和三十九年(一九六四)十一月二十三日に出来ている。さらに五年、太宰治賞受賞後に徹底的に大幅に改稿し、「新潮」編集室の小島喜久江さんに認められて発表できた。処女作ではないが最も早い時機のわたしの作であり、桶谷秀昭さんらに作品を賞賛された。気持ちの上では次いで長編『齋王譜=慈子』が生まれた。「秦恒平選集」の第一巻に置いていい文壇的な処女作はこの『畜生塚』であった。わがヒロイン創作の真っ先の一人、原点に立つ女性が「町子」であった。

2014 8・4 154

 

 

* 起床6:45 血圧122-61(49) 血糖値92  体重67.8kg

2014 8・5 154

 

 

* 自転車で近くへ切れた日本酒を買いに出かけた、その燃えさかる日照りの暑さ、生まれてはじめてという体験だった。こんな日照りの中を半時間も歩けばわたしは倒れてしまう。怖いほどだった。それでも日本酒が欲しかった。新潟の杜氏の里という初めての酒を買ってきた。

2014 8・5 154

 

 

* ブラサゲの紙袋にケース入りの眼鏡が六つ。この七日には七つになる。裸眼も含めれば八つ。使い分けながら、すこしでも見やすく書きやすくなりたい。わたしは眼鏡に微塵の洒落っ気ももってない。少しでもよく読めてよく書ければ有り難い。

2014 8・5 154

 

 

* 起床9:00 血圧132-65(50) 血糖値90  体重68.8kg

 

☆ お酒は

利尿効果があるとききます。

隠れ脱水にならぬように、水分補給と休息を心がけて下さい。  読者

 

* 一日で一キロ体重増に驚いた。けれども酒は美味い。

2014 8・6 154

 

 

* 起床8:00 血圧131-67(49) 血糖値91  体重68.7kg

2014 8・7 154

 

 

* 起床7:00 血圧124-67(56) 血糖値92  体重67.5kg

 

* 歯医者へ出かける。はやくからの仕事づめで、眼はボンヤリ。 2014 8・8 154

 

 

* 歯医者の帰り、しばらくぶりに「リオン」のフレンチを楽しんできた。ワインもうまく、前菜、南瓜のスープ、牛の肉料理も、マンゴーのシャーベットもとてもうまかった。駅前で、頼んでおいた乱視入りの最近用眼鏡も受け取ってきた。ついに眼鏡は眼鏡袋に七つになった。とっかえひっかえ、とにかくもその時その場に合う眼鏡をつかって何もかも乗りきって行く。それしかないなら、それでゆく。

2014 8・8 154

 

 

* 起床8:00 血圧131-70(55) 血糖値96  体重67.7kg

2014 8・9 154

 

 

* 歯が痛むほど、ロキソニンを含むほど、終日機械で仕事していた。

2014 8・9 154

 

 

 

* 起床8:00 血圧151-78(63) 血糖値99  体重67.6kg

 

* 歯が痛む。ロキソニンを前夜からこの午後まで三度服した。紛らわせの酒が切れている。買いに行かねば。

風が物音を届けてくる。関西に大雨風。陸奥に強い地震。やれやれ。

それでも仕事は進んでいる。根をつめているのが歯にも堪えているのだろう。命と仕事とが競走しているなど愚の骨頂めくが、それでいいと思っている。それの出来るのを喜んでいる。

むかしから、わたしには逢いたい人がいつでもいて、それは生き甲斐のような物だと言いも書きもしてきたが。からだが動く働くということが出来なくなっては話にならない。仕事のできるあいだは体も動くだろう、と。ま、鰯の頭のように信仰しているわけだ。

 

* 小降りのうちに、ちと酒を買ってこようか。

 

* 「杜氏の里」の上等を一升買ってきた。寝てしまうほどは呑んではいけないと、また機械の前へ来て、一仕事、二仕事したところ、また階下へ。

2014 8・10 154

 

 

* 起床9:30 血圧127-60(61) 血糖値87  体重67.4kg

2014 8・11 154

 

 

* なにに疲れたか、台風か。朝も遅く起き、昼過ぎて機械の前で居眠り、ソファに移って居眠り、物足りなく朦朧と寝室にうごいて五時半まで寝入っていた。目のためにも、歯痛のためにも、よしとして。

明るく晴れている。

2014 8・11 154

 

 

* 起床9:30 血圧127-60(61) 血糖値87  体重67.4kg

2014 8・12 154

 

 

* 山も川もない湯の中で、一時間余り校正ゲラを読んでいた。散髪したいが、行くヒマがない。ものを出迎えるために、玄関を片づけて床をアケテ置かなくては。つまり積んである重いものを西の家へとにかく運ばねば。本というのは重い。力仕事に耐えねば本など扱えない。

 

* なんだかだ言いながら、結局はやってしまう。からだをラクにするそれが最良の道なのだ。休めるときには休んでおく。所詮はいまは、いつもいつも台風(選集)と豪雨(湖の本)とに間断なく見舞われる暮らしに自分から持ちこんだのであり、愚痴は言わない。かなりの運動になるとのみこんでいる。

2014 8・12 154

 

 

* 起床7:30 血圧130-70(54) 血糖値84  体重68.3kg

2014 8・13 154

 

 

* 出来本受け入れの、とにかくも場所をあけた。20册の本包みを二包みは普通に持ち運んでいたが、今は一包みずつが限度。それだけ作業時間が何倍にも増えてしまう。暑さに、ふうふう。

「仕事」も、あれこれ、きっちり進める。食欲が無いのではないが、飯も麺類もパンも、また堅いものも食べにくい。酒、ワインはうまい。ビールはいまいち。アルコールが切れると、もっぱら果物や甘味の小菓子や飴などをばかり口にしている。腹が頼りなく、夏ばてか。脱水には気をつけているが、体力が落ちて行くのと、ときおりの低血糖気味に警戒している。

2014 8・13 154

 

 

* 起床8:00 血圧134-64(58) 血糖値96  体重67.9kg

2014 8・14 154

 

 

* 根をつめたいろんな仕事で今日も終始した。眼もアタマも足腰もかなり疲れている。それでも、デカプリオの「ロミオとジュリエット」を打ちこんで見終えた。また注目している武井咲の監察医ドラマも、おもしろく見た。表情は十分に善い。ただマスクのせいもあるにせよ、言葉がきれいに聞こえないのは大きくなって欲しい女優としては自覚が足りないのでは。名優の大特徴の一つは、科白の明晰にある、どんな役柄であっても。

火野正平が自転車で、福井県の田園の真ん中にある「三昧 サンマイ」を訪ねていた。なかなかの原風景で、静謐のうちに感動をたたえた写真がみられた。よかった。

食べにくいので、つい酒を飲んでいる。もう十一時。

2014 8・14 154

 

 

* 起床8:00 血圧135-69(66) 血糖値100 体重67.8kg

2014 8・15 154

 

 

* 起床8:00 血圧132-66(61) 血糖値95  体重68.0kg

2014 8・16 154

 

 

* 八時半。もう目が見えない。終日「仕事」そして暫くの合間潰れたように寝て、また。

気が付くのは、あまり食べていないこと、ウイスキーをオンザロックで。(以前はストレートでしか呑まなかった。)両掌と指とがジンジンと鳴るほど痺れている。左肩が痛む。肉が落ちて、倚子に腰掛けているだけで尻も脚も痛む。疲れると歯が痛む。幸い頭痛はめったに無い。脂肪をあまり摂っていない。蛋白質も十分でない。炭水化物の主食を口も体も拒絶気味。脱水を懼れて水分は意識的に入れている。食の感激のうすいのは、残念。いちばん美味しいのは果物。この夏は幸福なほど果物を食べた。少年のむかしも大人になってからも久しく、果物はワキのものだと思っていたが、ほんとになにもかもあの手術から、変わってしまった。胃袋が全く無いことのこれは結論的な状況か。

 

* せめて街歩きを楽しみたいが、酷暑は剣呑そのもの。36度の日照りの下を、昨日、自転車でものの二分とかからない散髪に走っただけで、しばらく変だった。やってくれた青年にも奥さんにも「秦さん、お疲れ」と言われたほど。ま、なんとか凌いで凌いで行くだけのこと。二十日過ぎからの「選集②」の発送が思いやられる。宅急便では送料が倍以上かかる、郵便局へは荷を運ばねばならない。自転車ではむり。腕車でもとても量は運べない。けれど必要な限りは送りたい。送らねば。曇ってくれるといい。

2014 8・16 154

 

 

* 起床9:00 血圧130-60(52) 血糖値89  体重67.9kg

 

*  億劫にしてきた気がかりの大仕事を、眼を酷使しながら、とにかく一段落させた。

二十日には大きな箱でいくつもの大荷物が運び込まれる。受け取っておいて午後には忘れぬように聖路加の眼科へ出向かねば。  二十一日からは気の張る限定特装本の手抜きのならぬ発送に集中する十日間ほどが続くだろうが、すぐさま二十二日夜分には、国立劇場で坂田藤十郎の会。好きな「吉田屋」などを楽しんではやばや一息をつく。

明日と明後日は、とにもかくにも気楽に過ごしたいが、この内に早くも「湖の本121」が責了に出来るかも知れない。その発送用意は半ばはしてあるが、「選集」についで「湖の本」発送にも連続しそうな初秋になる。秋は、秋。それなりの期待も楽しみもある。十一日は「秀山祭」の歌舞伎座にずっぽり終日。昼の「隅田川続俤(すみだがわごにちのおもかげ)=法界坊」に浄瑠璃「双面水照月」がついて吉右衛門。当時勘九郎の勘三郎が「平成中村座」旗揚げの浅草舞台の面白くて面白くて堪らなかった懐かしさを、播磨屋がどう様変わりに再現・表現してくれるだろう。夜には、仁左衛門が孫千之助と「連獅子」を颯爽と舞うだろう。

2014 8・17 154

 

* 夜前、「畜生塚」に次いで長編「慈子」の初校ゲラを読み通した。来迎院の世界、齋王の譜。朱雀家のひとたち、その死生。われながら「凄み」すら覚えて肌のそよぐのを感じた。「選集③」、次いで「隠水(こもりづ)の」「誘惑」を初校する。一種おそろしいほどの異境が書かれている。明日はそなゲラを持って街へ食べに出かけようか。食べないとからだが弱って行く、それが分かる。

 

* 九時すぎ。もう眼は見えていない。

2014 8・17 154

 

 

* 起床8:30 血圧130-60(52) 血糖値100 体重68.0kg

 

*  今日は、とにもかくにも食べに出た、校正ゲラを二種類持って。そして食べ、そして読んだ。昼過ぎには西武で肴で八海山を、夕刻前には上野公園のフレンチ精養軒にはいり、つまみ、添え物はなにも口にしなかったが、フィレのステーキも、スープも、食前酒のシェリーも美味かった。わたしが独り占めのように店は静かで見晴らしよく、ひさびさにうっとりと佳い休養になった。元気になり、思い切って、手許で無くなっては困ると気がかりだったヒューレットパカードのプリンタインクを有楽町まで買いに行き、その足で日比谷のクラブに入り、ここでも独り占めの静かさで若いお嬢さんと愉快に話しながらヘネシーと竹鶴を、エスカルゴとブルーチーズとで愛飲。持って出た校正も、期待していた以上にここで静かに読み進んだ。さすがに食べて効いたか元気に歩いて保谷まで帰ったのが十時過ぎ。疲れていないのが、有り難い。いい休養になった。

2014 8・18 154

 

 

* 起床8:00 血圧134-59(57) 血糖値95  体重6 7. 30kg

 

*  「湖の本121」を全紙責了にした。「選集②」は明日朝に出来てくる。受け取ったら、その足で暫くぶりの眼科受診に築地へ。「選集③」はわたしの頁数読み違えで予定の二作を組置きにあとへ廻さねばならぬかと思っていたが、調べてみれば印刷所出校時の意味不明の間違いがあり、わたしの頁数読みに間違いなかったことが判明した。

さて明日明後日から、「秦恒平選集」第二巻の贈呈ないし希望者への郵送作業にまた相当な日数を要する。本を傷めないように荷造りするのが容易でなく、それは妻が一手にしてくれるが、宅急便でなく郵便局へ運ばねばならない、これが炎天下の大変な労作になる。思いやられる。ま、幸いそれへ気持ちも集中できる。べつだん慌てる必要はないし、約束事もない。僅少の限定本であり希望者の熱意は高い。手作業を叮嚀に叮嚀にと心するばかりである。寄贈も思い切って数を減らさざるを得ないだろう。

2014 8・19 154

 

 

* さ、あすからに備えて、あまり気張らず、盃を少し傾け傾け心身をやすませておくか。

 

* 黒いマゴのお医者さんで輸液分を十日毎に買ってくるのが、この一年四ヶ月のわたしの仕事。そうとうヒドイ腎臓だったのがよく立ち直ってくれていて女医さんも喜んでくれている。マゴの年齢はどれほどですかねと尋ねてみると、人間の八十歳でしょうねと。ウヘッ。わたしは今年の暮れに七十九歳になるのだ、「黒いマゴ」どころか「黒い兄者」だなあ上座に上げないとしつれいだなあと妻と笑った。元気でもっともっと長生きしてくれるといい。いまでは、ほとんど「会話」もできるほど、ものがよくわかる兄貴である。

 

* 鑑定団を見ながら酒杯に馴染んでいた。さ、もう今日はこれでいいだろう。本を読んで寝よう。明日は、神官を受け容れることと、眼科の検査・診察。涼しいことを望むのはありえない、せめて曇っていて欲しいが。慌てて帰るよりせっかくの街ゆえ、食欲を励まして帰りたい。

2014 8・19 154

 

 

* 起床8:00 血圧115-55(60) 血糖値93  体重68.0kg

 

*  九時過ぎ、無事に「秦恒平選集」第二巻『清経入水・雲居寺跡=初恋・風の奏で=寂光平家・繪巻』出来てきた。確認して置いて、炎暑に喘ぎながら聖路加病院眼科へ。よくなってますね、両方1.5ですね、どうしてでしょうね。左の白内障はすすんでますねえ。次回三ヶ月後には視野検査もしましょう。ブルーベリイなど、ま、気休めですけど、いいですよ」と。わたしの自覚からすると、ちょっとも良い視力でなく、どんなに眼鏡を使い分け使い分けしていても、疲れてくれば文字粒も潰れて読めず、視野は霞んでいる。わけが分からない。ま、諦め諦めやりくりして付き合ってゆくまで。

思い切り早くに出かけたので診察予約の二時半には、もう支払いも済ませ、近くの薬局で処方の点眼薬三種類を買ってきた。

有楽町「きく川」で鰻をと思ったが、有楽町までが億劫で、例の築地玉寿司で京の酒「古都」二合で特上の「栄蔵寿司あらため、極み」を食べて帰ってきた。電車でも、外来でも、また電車でも「選集③」の「隠沼(こもりぬ)」「隠水(こもりづ)の」の読み校正をずんずん進めていた。この二作も身に沁みて気に入っている。

2014 8・20 154

 

 

* 起床8:00 血圧123-62(62) 血糖値79  体重68.1kg

 

*  作業に入る。夜中少しめが醒め、拾遺和歌集の二撰をすすめたりヒルテイやマキリップやグリーンを読み、わたしの「隠水の」を校正読みしたり。すこし酒をのみ少しウイスキー「富士山麓」を含み、リーゼを一錠服して寝た。八時に目覚めた。、

2014 8・21 154

 

 

* 炎える空気をかき分けるように郵便局へ三度「選集②」を運んだ。一冊が重く嵩高いので一度に多くは運べない。一册一册に手紙など添えていると多くはとても捗らないが、それは覚悟の前。傷まずに届いて欲しい。雨が、いや。

やっと夕食にありついた。晩も、荷造りのためのさぎょうも死ながら仕事もする。

2014 8・21 154

 

 

* 起床7:00 血圧128-64(58) 血糖値93  体重68.6kg

 

* 午前中に二度郵便局へ荷を運んだ。午後、もういちどだけ運んで、今日の外向けの仕事は終えておく。順調にことは運んでいる。

とはいえ、荷をうしろに積んで自転車で走る数分の炎を噴く暑さは、文字どおり凄かった。一度一度家に帰るとぐたりと息を喘いだ。

四時過ぎ、熱暑の中を妻と、国立劇場へ向かった。至藝、四世坂田藤十郎の「藤娘」「吉田屋」をしんそこ楽しんできたかった。地下鉄は涼しかったが永田町で降りた暑さに気分が悪くなった。ペットボトルの水分を補給し、タクシーで劇場に。さすがに盛大な山城屋贔屓の人出。いすに腰掛け、売店での少し食べ物を口に入れ、水分をとって、なんとか不具合から遁れた。三度のあの郵便巨木往来でもう熱中症に罹っていたと思われる。ま、大過なく、安堵した。

満員の劇場、松嶋屋・美吉屋のおかげ、前三列、「吉田屋」のためには絶好の席がもらえていた。観えるのがありがたく、しかも「吉田屋」の芝居はだいたいがわれわれの席の前で終始する。申し分なかった。

開幕は、「藤娘」 藤十郎ムリをせず悠々と華麗な舞踊を若々しく鷹揚に踊る。彼は、既に八十の半ば。それが若い豊かな美貌の娘にみえるのが堪らなく嬉しい。久しく見久しい久しい、扇雀、鴈治郎そして藤十郎に大化けした六十年だ、京都の頃、歌舞伎というと武智歌舞伎で扇雀・鶴之助(のちに富十郎)だった。

中幕には、女性だけの長唄「二人椀久」の演奏、これが今藤の三味線を芯に、唄よし、笛よし、小鼓も大鼓も、一糸乱れぬ好宴で、堪能した。山城屋に華をそえた名演奏、この幕は寝ると言っていた妻も感嘆。

そして期待の「吉田屋」は、好きな歌舞伎で五本の指折りのうちに加えたいほどの大好き。むかし先々代の勘三郎と若い玉三郎との舞台を観て痺れたのが病みつき、読者の藤間由子が最前列真ん中の席へ連れて行ってくれて観たむのだった。その後は幾度「吉田屋」を観たことか、近年では仁左衛門襲名の舞台から、それが印象的に焼き付いてきた。夕霧は玉三郎できまり。

今日は、藤十郎が浄瑠璃の型で上方の芝居に徹して、仁左衛門らのそれとは随分異なった情緒纏綿の藤屋伊左衛門を孫の壱太郎を夕霧役に引き上げて、面白く、懐かしく演じてくれた。天与の愛嬌、しかも歌舞伎界最長老の至藝。熱中症など飛んで行った、

 

* 八時半にはねて、車で日比谷へ、そしてクラブへ入った。食事をし、妻は赤ワインを、わたしはヘネシーと竹鶴、そして二人ともアイスクリームで口を冷やした。のんびりと、丸ノ内線、西武線で帰ってきた。

2014 8・22 154

 

 

* 起床8:45 血圧136-71(61) 血糖値105 体重67.9kg

 

* 朝、目覚めると、床に坐って真っ先に緑内障用の「タブロス」(日に一回)を点眼する。これは忘れてはいけませんと、もう大昔から言われていて、それで起床なにをおいても第一番に実行する。次いでですぐ、秦の両親と叔母の位牌、妻が持参の観音像に「敬意」を表してから、体重、血圧、血糖値を計り、記録する。ついで食事前のインシュリン注射(朝昼晩)。食後に服する十種類ほどの錠剤を必要量、七宝の小皿に出しておく。そしてすぐ座布団を膝に置いて黒いマゴを載せ、落ち着かせる。輸液の用意は妻がして、マゴに注射。針の刺入をしそこなうと体外へ液が洩れる。刺入に成功すれば、早いときは十数分もせぬまに輸液終了、マゴは自由を得る。われわれは朝食する。用意しておいた食後の薬をすべて服する。

以上、毎朝のきまり。

2014 8・23 154

 

 

* 疲れか。機械の前で、腰掛けたまま寝入っていた。三度ほど気付いて目覚めようとしたが、すぐまた。やすもう。

と、言いながら、やはり仕事をつづけていた。結果も効率も、よし。やがて十一時。

今日息子へのメールで初めて洩らしたが、なにとなく、前立腺そして咽喉の辺に「違和感を予感」している。次回診療のおり検査を願い出ようと思っている。

2014 8・23 154

 

 

* 起床8:00 血圧125-65(57) 血糖値96  体重68.1kg

 

* 着々、しかし一冊一冊の慎重な荷造りはなかなか難儀、だが、包装は妻に手伝ってもらい、手分けして少しずつ作業進めている。昨日今日は郵便局が開いていない。明日何度も郵便局へ通うが、せめて曇っていて欲しい。明日夕刻には歯医者へ。さいわい、痛いというほどのことはなかった。

22014 8・24 154

 

 

* 狭い家の三室で冷房していても、むうっと暑い。家の中での熱中症、油断ならない。

2014 8・24 154

 

 

* 起床8:15 血圧126-62(65) 血糖値88  体重68.3kg

 

*  輸液後、すぐ、烈しく労働した。朝食、すこしワインと「ちんぐ」を腹に入れた。二階へ上がったが機械の前でなくソファに落ち込み、昼前まで寝入っていた。からだが堅くなった。

2014 8・25 154

 

 

* ネバーエンデイングの歯医者へ。

帰り、中華家族で休息、妻は酢豚とクリーム煮の芝海老。わたしはマオタイと甕入り紹興酒。保谷駅でパンや果物買って帰る。

往来の電車や食事の店で、「誘惑」の初校をずんずん進めてきた。東横女子短大へ、一年だけ話しに(とても講義とはいえません)行ってたときの試みが按配よう生きてくれた。

2014 8・25 154

 

 

* 起床7:45 血圧134-73(56) 血糖値94  体重68.3kg

2014 8・26 154

 

 

* 壱岐の「ちんぐ」もイタリアのワインもウイスキー「富士山麓」も飲み干した。缶の野菜ジュースが美味い、以前は全然見向かなかったのに。飯や固形の物が食べにくく、ことに細かく粉になったり粘ったりするもの、つまり歯に触るもの、素麺のように細いものなどがうまく口の奥へ通らない。むりをして呑み込むと苦しくなる。ひたすら飲み物を飲み、水とお茶を呑み、果物を食し、甘味が欲しいと白砂糖。これが美味い。ハハハ 血糖値は安定しているので油断もしている。

 

* 終日働いた。「氷の微笑」のシャロン・ストーンを観たかったが、なぜかみんなが同時に英語と日本語を喋るのに辟易した。

「誘惑」を読み上げて、「選集③」の初校を終えたい。建頁を確認して跋と奥付など、また前ヅケの總扉や写真を。

それでいて、フォークナーの「アブサロム、アブサロム」 マルケスの「族長の秋」 グリーンの「事件の核心」に引っ張られている。マキリップの「イルスの竪琴」はわたしには美酒に同じい、陶酔する。「里見八犬伝」は文字どおりの通俗な稗史の超大作、ゆっくりで良い。ジョイスの「ダブリン市民」は、「アイルランド」への興味と帯同する。佐伯真一さんに戴いた「建礼門院の悲劇」も、面白すぎるほど。ラ・ロシュフコー、陶淵明、後撰・拾遺和歌集、そして「茶道問答集」も、機械の側から放せないで、一服がわりに読んでいる。目は、ちっとも休まらない。ひっきりなしに目薬をさし、眼鏡を取り換えている。

2014 8・26 154

 

 

* 起床7:45 血圧147-68(51) 血糖値102 体重68.5kg

2014 8・27 154

 

 

* 肩の凝る力仕事、手先仕事、二人でとにかくも終えた。四時半。事故は、郵便局帰りに、カラのダンボール箱ひとつ片手に掴んで自転車に乗りかけ、路上に転倒。幸いごく軽傷で済んだ。

さ、次へ。

2014 8・27 154

 

 

* 起床9:00 血圧130-68(66) 血糖値99  体重67.7kg

 

* 首の根をつかむと電気がはしるように肩胛骨の方へ痛む。首が回りかねている。疲れを、開放してやらねば。

2014 8・28 154

 

 

* 起床5:30 血圧136-75(51) 血糖値100 体重67.4kg

 

* 濃いお茶にのまれたか目が冴え、電気をつけて本を読んで早朝を迎えた。「選集③」の「誘惑」を初稿し終えて、要再校で戻すことが出来る。かなり綺麗なゲラなので早くに再校が出るだろう。その間に前・後ろのツキモノを入稿してしまう。追っかけて「湖の本122」

が出来てくるはず。

読書は、マキリップに心酔している。鏡花の触るのさえ惜しいほど美しい造本の「山海評判記」では耽溺の嬉しさを満喫。フォークナー、マルケス、ジョイス、グリーンに乗っている。八犬伝も気の向くままに。

七時に独りテレビの前でシャロン・ストーンのセクシーな魅力をたのしみ、見終わってからはブルース・ウイリスの風変わりな「キッド」を機械にセットしておいた。

昨日の晩、武井咲で注目しているつづきものの「真実の瞬間」をまずまず面白く観た。来週には完結。ま、佳い方のみものだった。これが終わるとまたもや米倉涼子の「わたし失敗しません」の外科もの。川の映えしてますます佳い写真を見せて貰いたい。

2014 8・29 154

 

 

* ブルース・ウイリスの「キッド」 滋味掬すべきものがあった。今夜は、もうやすまないと、睡眠が足りなくなる。

2014 8・29 154

 

 

* 起床8:30 血圧125-73(50) 血糖値90  体重67.7kg

 

* 昨夜は一度も起きず熟睡した。なにとも知れないがよろこばしい気分で夢ともみえない夢に揺られていた。

 

* 昨晩気付いたが、もう十数年、インシュリンを朝昼晩と注射し続けてきた腹部に、一箇所、十円硬貨大の鮮明に赤い硬結が出来ていて、触れるとビー玉のように円く硬い。シャツ二枚の上から指で触れても分かる。恐らくは虫さされであろう、かなりの痒みを帯びている。それにしてもかつてない赤身と大きさ硬さで、気持ち悪い。

2014 8・30 154

 

 

* 眼鏡を掛けても掛け替えても、字が読めない。視野は濡れたように曇っている。さっきニメートルほどさきのテレビ映画がよく見えないので、バカみたいに眼鏡を二つ重ねてみたら、ウソのように画像がクリヤになったのに惘れた。そうは長持ちはしてくれないのだが。眼鏡の問題以前に、視力や眼精自体がしょっちゅう動揺しているのだと思うしかない。「選集」の校正ミスが気になる。「粟田山」が「栗田山」に、「咄嗟」が「咄嵯」になど、情けないほど直し続けてきたが、同様の直し洩れが幾らも有るだろうかと思うと情けない。

2014 8・30 154

 

 

* 起床8:45 血圧127-68(61) 血糖値94  体重67.9kg

2014 8・31 154

 

 

* 朝から、眼の見えないのに困惑・憂鬱。視野がまぶしく濁っている。昼間からうまい山葵漬をさかなに、八海山を戴いている。

 

* 眼精疲労、底知れず。寝入るより逃げ道がない。

明日はまた、歯医者。

2014 8・31 154

 

 

* 起床9:30 血圧127-62(66) 血糖値87  体重67.9kg

2014 9・1 155

 

 

* 今日の歯医者へは散々の雨の中であった。妻もわたしもまだながながと治療がつづく。

 

* 帰りに、フレンチの「リオン」に寄り、ディナーで「選集②」の打ち上げを。前菜にシェフがとくべつにだしてくれたムール貝が、帝国ホテルのクラブでいつも食べるエスカルゴよりも美味くて、大喜びした。泡の盛り上がったキャベツの熱いスープも美味かった。メインには鰆の料理をもらい、冷たいデザートと珈琲。妻は、紅茶。お腹の張るのがつらいので、いつも頼んで量を按配して貰っている。とても肉と魚とを両方食べきれない。しかし赤ワインはたっぷりもらい、今晩はわたしから頼んで、美味いシェリーにも酔った。

めずらしく今日の外出には校正するゲラがなかった。雨には降られたが、都合良く帰りは駅からタクシーに乗れた。

2014 9・1 155

 

 

* 起床6:00 血圧139-67(53) 血糖値81  体重67.7kg

 

* うかうかしていたが「湖の本121」発送の用意が俄然遅れているのに気がついた。遅れても差し支えないが、作業が溜まれば他の仕事に差し支える。手は老齢の不充分な四本しかない。古いものを片づけ積み上げて、新しい荷のために場所をつくらねばならない、なによりもそれが難儀。本という荷は石のように重い。

 

* 連絡有り 「湖の本121」は九月九日朝に出来てくる、と。おおっ。

夕刻には、歯医者へ。十一日は、秀山祭。吉右衛門の奮闘はもとよりのこと。仁左衛門と千之助の連獅子が成功して欲しい。楽しみ。

 

* 昨日は銀行、今日は郵便局の用をすませた。またも暑くなってきた。日照りのギラギラが目に痛い。サングラスが放せない。いつも紐の眼鏡一つを余分・予備に頸に掛けている。トライアイの気味あり。ヒアレインをじゃぶじゃぶ点眼し、時にフルメトロンやハイパージールの応援を頼んでいる。緑内障用のタブロスは起床即座に一度点眼している。じつに点眼が下手である。

2014 9・2 155

 

 

* 昨日歯科の待合いで週刊朝日をみていて読者から投稿の、「クロサワ・アキラ」のどこがいいのか、じつにくだらない、「七人の侍」など黒白で汚いだけではないかと、識者に訊いていた。わたしも驚いたが、回答者がカンカンに怒っていたのが可笑しかった。

今朝、機械が始動するまでの短時間にラ・ロシュフコーの「箴言集」で「趣味(グウ)について」考察した一文を読んで大いに共感し感心した。すぐにも此処へ引き合いに出したくて堪らないが早や眼が茫漠と滲んでつらいので諦める。こんな時はとにかくも機械から離れるしかない。

2014 9・2 155

 

 

* 信じられないほど嵩高く重い荷物を持ち上げては二三段の階段を上り下りしてモノを隣棟に運んだ。能くこれだけの腕ちから腰ちから脚ちからが出せたと惘れているが、もうこれが最後だろう。転倒しなくても骨折するおそれはある。

昨日歯医者の待合いで、曾野綾子さんのエッセイを読んでいたら、いまは、散らかったものを片づけ片づけて脚の踏み場、つまり畳や床が少しでも見えるようにするのが嬉しいと書かれていた。よく分かる。我が家は三浦・曾野夫妻の家とは比べものにならぬ狭さ。もっともっと切実に畳や床が回復できるようにと苦心惨憺している。

 

* からだをキツく働かせたので体重が67.1キロまで減った。二年半前の大手術後に66.6キロだった。まだその頃の水準に近くいる。むろん体力は回復している。体重を増やすまいと気を配っているのは、血糖値の優良正常値を維持し続けたいからで、体重が増えればかならず血糖値が高くなって行く、気がしている、体験的に。

 

* 各務原の詩人、山中以都子さん。有元さんに頂戴していた「八海山」をちょうど飲み干したところへ、お心入れ最良の純米大吟醸「三千盛超特」と、燗ががことに美味い「三千盛本醸」の、一升瓶二本を下さった。美味いお酒で、感謝、感謝。元気が湧く。酒の秋が来つつある。

2014 9・2 155

 

 

* 起床8:00 血圧126-66(60) 血糖値93  体重67.5kg

2014 9・3 155

 

 

* ロスから帰国の池宮さん、すでに京都入りしていて、電話があった。次の日曜か月曜ころに東京で会いたい、と。いつものように妻も一緒に、街で夕食したい。酒の美味いおでんの店がみつかればいいが。火曜日夕刻には歯科の予約があり、午前には「湖の本121」が出来てきて受け容れねばならない。発送で身動きならない。十一日は終日歌舞伎座、十四の日曜頃には発送も終えられるだろうが、火曜水曜と聖路加で検査と診察、木曜は秋場所、金曜は俳優座稽古場公演。体を動かす機会として歩き回らねば。その勢いで新幹線に乗り込めるほどだと頼もしいのだが。

梅若の橘香会から、十月二十六日に万三郎の「通小町」小書き「雨夜の伝」新演出で演じるのでと招待が来た。狂言は右近の「呂蓮」そして万三郎監修、小林保治作の新作能「将門」を加藤眞吾が、と。長丁場、身がもつかしらん。

2014 9・3 155

 

 

* 起床8:00 血圧129-67(61) 血糖値101 体重67.4kg

2014 9・4 155

 

 

* 起床8:30 血圧131-73(55) 血糖値105 体重67.7kg

2014 9・5 155

 

 

* 起床8:00 血圧132-64(59) 血糖値103 体重67.9kg

2014 9・6 155

 

 

* 起床8:00 血圧118-64(60) 血糖値95  体重68.7kg

 

* 明け方五時、喉元を衝き上げるキツい、いがらいものに飛び起きて手洗いで含嗽を繰り返した。三度目ぐらいで薄い黄色の水気を吐き、ついで赤いものがまじりだし、血液と分かるようになった。含嗽を繰り返す打ちに水気は白くもどり、のどもとの不快ないがらっぽさも薄れた。傷み等の苦痛は無かった。もう一寝入りしての起床時にはうがいして何事も無かった。

逆流性食道炎とか呑酸とかテレビで注意している。胃袋はないので胃酸もなかろうと思う物の、これに似た、ただし軽微な不快感に喉もとを襲われることはこの半年ほどに七、八回は有った。

 

* 朝食には卵納豆と桃、それにクスリと思って小さい猪口いっぱいの赤ワイン。食前にインシュリン注射。食後に各種服薬。

黒いマゴの輸液から、ダスティン・ホフマン、キャサリン・モスそしてアン・バンクロフトの、主題歌美しい「卒業」を観た。

 

* 三島賞作家の久間十義さんから、日本橋屋の和菓子をたくさん頂戴し、さっそくに、久しぶりカリッと美味しい最中の美味を満喫。感謝します。

2014 9・7 155

 

 

* 起床7:30 血圧146-69(52) 血糖値98  体重68.4kg

2014 9・8 155

 

 

* どうも、元気よくない。腹部に虚脱感、と謂うて説明もしにくいが。三度の食事が、まるで楽しくない。ただの義務か通過儀礼のようになっている。あれを食べたい、あれなら美味かろうという予測がもてない。結局は三度の食事への合間に果物やちょっと菓子類のつまみ食いをしている。酒は、呑める。が酒で身は保たせられない。

2014 9・8 155

 

 

* あすからを考えてもう目も躯もやすめよう。それでも、もう半時間ほども「閨秀」を読みたい。松園さんは、やがて嗣子松篁を産む。

2014 9・8 155

 

 

* 起床8:15 血圧146-69(52) 血糖値100 体重68.4kg

 

* 登高の日だが、保谷の近くには高い場所がない。近隣では我が家間の辺が比較的高い方。晴天。暑くなりそう。

 

*  体重等を量り、黒いマゴの輸液を済ませた九時前に、新刊「湖の本121」到着、玄関に積み上げる。

軽い朝食(蜜柑ジュース少し 桃 バナナ)後、輸液分の補充に医院へ。途中数軒のポストに新刊を入れる。

立川さんのポストの前で、下の郵便局方面から坂を上ってきて左折したおばあさんの自転車に、同じく下から来た青年の自転車が追い越しざま左折して前のおばあさんに接触、烈しく左へ転倒させた。

青年は茫然と立っていたので、痛がっているおばあさんを起こしてあげるように青年に言い、駆け寄ってわたしは自転車を起こした。老人は大泉の医者へ行くといういうが無理だろう、一度「近い」という家へ帰るように、青年に送ってあげてと言い置いてわたしは医院へ出向いた。おばあさんは腰が痛むと顔をしかめていた。ことばはハッキリしていた。青年は二十代半ば過ぎか、スマートで日焼けした屈強の若者と見えたが対応はためらいがちに鈍くみえた。真後ろから来て、近接したまま同方角へ追い越しザマ左折したのだから、咎は明らかに青年にあると道の向かい側から、よく見えた。青年がお祖母さんを起こし、老人は起って痛みと不服とを話すことが出来ていたし、家も近いと話していた。もういちど、家へせめて送ってあげるよう青年にすすめ、わたしは急ぎの医者へ向かった。帰りはその道を通らなかったので、その後は知らない。

2014 9・9 155

 

 

* 歯医者へ。帰り、江古田の「中華家族」で、わたしはマオタイ、妻は梅酒。酢豚と肉韮炒めで夕食に。

帰ってからも十時まで発送作業。明日、終日頑張る。明後日から、来週いっぱい、病院がよいなどの連続になる。

2014 9・9 155

 

 

* 起床9:15 血圧135-69(59) 血糖値89  体重67.7kg

2014 9・10 155

 

 

* 起床7:00 血圧145-66(54) 血糖値94  体重68.1kg

2014 9・11 155

 

 

* 起床8:00 血圧129-64(62) 血糖値87  体重68.5kg

2014 9・12 155

 

 

* まず間違いなく明日土曜中には「湖の本122」発送を終える。晩には建日子が来るという。日曜、月曜の連休、わたしも連休。

今朝、捻ったように右のうしろ腰が痛んだが、どうやら軽快した。作業の疲れで歯が浮いている。かみ合わせに痛みが来る。もう、やすもう、何ということもない、もう十一時半だ。視野がまっしろに眩しい。なんともはや至る所、故障。だからどうというワケではない。

2014 9・12 155

 

 

* 起床9:00 血圧130-65(54) 血糖値84  体重67.5kg

 

*  体調、良し。

2014 9・13 155

 

 

* 起床9:30 血圧131-57(57) 血糖値98  体重68.0kg

 

*  あいかわらず不可思議きわまりない夢をみる。脱水しないように目が覚めると水分を摂っている。脚の攣りは手術以前から比べれば激減していて、起きてもなんとか乗り切れているが、最近の新徴候は、右といわず左ともなく、どの指となく手の指が捻れ強ばり痛んで回復しにくいこと。温熱湯を浴びせて凌いでいる。喉もとのいがらっぽいえずきも、夜中ときどき襲ってくる。手指の攣れは、本の発送のような荷重に耐えて運んだり持ち上げたりすることの祟りではあるだろう、致し方ない。

 

* 今日は暑くなりそう。

2014 9・14 155

 

 

* 胸(喉もと)が、やけて不快。目、よく見えない。

入浴中、手先の震えがあり、浴槽のなかで測ってみると、血糖値52。明らかな低血糖。すぐ白砂糖を4、5匙、口に入れる。

2014 9・14 155

 

 

* 起床8:15 血圧130-64(53) 血糖値97  体重67.5kg

2014 9・15 155

 

 

* 明日午後には糖尿の検査と診察。午前中から出掛ける。

2014 9・15 155

 

 

* 起床8:15 血圧138-67(65) 血糖値92  体重68.5kg

 

*  海外へ、また多部数読者への小包本を郵便局へ届けた。さ、築地へと思う目の前へ、世田谷の「珠」さんから、東尋坊で出逢ったという美味そうな粕漬けの肴と純米大吟醸とを戴いた。楽しみ。

そして妻は歯医者へ、わたしは聖路加へ。

2014 9・16 155

 

 

* 日照りでも、焦げ付くあつさではもう無かった。

二階生理検査室のまえで順番を待つうち、衝き上げるものを感じた。続いて聖路加病院の建物が唸るように横揺れ。

幸い被害はなく、震度は五弱。

検査を早い時間に済ませて内分泌・代謝の診察室へ早く乗り込み、二時半からの診察を一時半には済ませてもらえた。諸検査、のープロブレム。薬局で処方薬受け取りにゆっくり腰を据えて、「畜生塚」を読み上げ、帰路に「隠沼(こもりぬ)」も大半読み進めた。再校ゲラがよめさえすれば家にいても外にいても、おなじこと、つまり仕事は捗る。築地の宮川本廛で久しぶりに鰻をと思ったが時間外。せっかく小手指へ直通が来たのに鰻へ気が走って有楽町で途中下車。ところがめざす「きく川」が休業中。しかたなく有楽町線ホームへおりると目の前へ「保谷」直通では致し方なく、空腹の儘ゲラを読み読み帰ってきた。幸い永く待たずにタクシーに乗れた。

歯医者の診察台にいた妻も医師たちもほとんど地震に驚いていなかった。

 

* 連休のあとで、来信の山。とても記録保存していられない、書斎温度も蒸し暑くなって、さすがに疲労している。朝から帰宅まで、水分以外になにも食べていなかった。

京、岩倉の森下君、「湖の本121」へのお返しにに、また手作りの音盤二枚「流行歌(うた)は心の日記帳」第一集と、ライブ盤「島津亞矢ベスト20」。ありがとう。

2014 9・16 155

 

 

* 明日は腫瘍内科での検査と診察。

2014 9・16 155

 

 

* 起床7:30 血圧134-63(57) 血糖値82  体重67.3kg

 

*  今日は腫瘍内科の検査と診察。本命の受診であり、主治医は名義は部長だが、担当医が別にきまっていてよくしてもらっていたが、七月からカナダへ移転のため、部長主治医のもとで新しい段階に入る。

 

* 「隠沼(こもりぬ)」読み終えた。短篇だが、「太陽」に発表した短篇はどれも好きで、自信をもっていた。此の作も、何度読み直しても間然するものを認めない。

今日は「隠水(こもりづ)の」と「月皓く」を持って出る。

 

* 十一時半には検査を終えていた、が、診察室に呼び込まれたのは四時半。支払いを終えたのは五時前。ヘトヘトに疲れた。その間に病因の近在をゆるゆる歩き、待合いに入ってからは「隠水の」「月皓く」の全部を克明に読み終えた。もうあとは、テレビの大相撲を見るしかないと思った時に呼ばれた。ヘトヘに疲れた。

検査結果には幸いなんらの問題もなかった。次回は師走に。

タクシーで銀座七丁目まで走り「やす幸」へ。しかし疲れすぎていてか、空腹に熱燗二合のせいか、食べ物が喉を通りにくく、気分わるく店を出て灯ともし頃の銀座をよろよろ、喫茶室の「花椿」に上がってひとやすみした。幸い「京のひる寝」一冊をもっていたので少し読み返しながら、珈琲。味も分からず。またよろよろと結局銀座一丁目まで歩いて有楽町線に乗った。幸い席を譲ってくれる男性がいて息をついた。

いやもう、ヘトヘトに疲れて、如何ともなしがたく、録画の「NCIS」をぼんやり観ていた。せっかく戴いていたすてきな「めおと」の塗盃で乾杯も出来なかった。たくさんな郵便に、やっと目を通しただけ。

2014 9・17 155

 

 

* まだ十時前だが、余力が尽きている。それでも中編の二篇を責了出来るまで一日に読み終えたのだから、仕事量としては十分。ヘトヘトに疲れただけが宜しくない。

お手紙戴いたのは、梅原猛さん、ドナルド・キーンさん、講談社の天野敬子さん、新潮社の小島喜久江さん、京・宝蔵館社主、静岡大の小和田哲男教授、翻訳家の持田鋼一郎さん、エッセイストの榊弘子さん、妻の従弟の濱敏夫さん山梨県立文学館、昭和女子大、多摩美大図書館などなど、ご鄭重にご挨拶頂いた。キーンさんの、石川啄木にもふれた文面がおもしろかった。

これ以上なにもしないで、もう休みたい。

2014 9・17 155

 

* 起床8:00 血圧124-62(59) 血糖値98  体重67.4kg

2014 9・18 155

 

 

* 明日は、俳優座稽古場公演。いま、楽しみは、「仕事」「観劇」そして「読書」かなあ。そして「酒・肴」かなあ。食欲が出てきて欲しい。昨日の診察では、データ的に何の問題も現れていないと。からだのあちこちを圧されても打たれてもナンでもなかった。ただ、やはり疲れる。そして目もひどく疲れる。

2014 9・18 155

 

 

* 起床8:30 血圧134-68(58) 血糖値83  体重67.9kg

2014 9・19 155

 

 

* 起床8:30 血圧135-69(66) 血糖値89  体重67.8kg

2014 9・20 155

 

 

* 起床8:30 血圧125-67(58) 血糖値81  体重68.0kg

2014 9・21 155

 

 

* 「慈子」第一章を再校し終え、第二章に入った。一日にもう四十頁ずつ読めれば、「選集③」は責了へもって行ける。「選集④」は「墨牡丹」を読み終えてももう一作「華厳」を、場合によっては、さらに一作「鷺」を読まねばならないかも。③はいわば恋愛小説集、④は美術・藝術家小説小説集になる。

もう「読む」には、目が見えない。テレビにも惹かれない。音楽を聴きながら放心していよう。

2014 9・21 155

 

 

* 起床8:00 血圧142-66(52) 血糖値97  体重67.6kg

2014 9・22 155

 

 

* 起床9:00 血圧132-68(64) 血糖値90  体重67.6kg

2014 9・23 155

 

 

* 起床8:00 血圧127-68(63) 血糖値95  体重68.5kg

 

*  書き継いでいる一つの長編に、夢の中で漢字二字の好題を得て、ああこれに小さく「ヰタセクスアリス」と副えればキマリだと喜んだ。書き留めておこうと思い思いしているうち忽然として忘れ果てている。悔しい。二字のこと、また忽然と思い出せますように。いまいまのことは惘れるほどよく忘れる。

 

* 先頃から、同じ眼鏡ケースを二度見失って難渋した。不安だった。一度目はさんざ捜索のあげく、妻が、わたしの極く身の側のばからしいような物蔭から、ひょいと拾い上げてくれた。満杯のダンボール函の蓋の片平が外へ開いていて、その下に落ちていた。二度目も、難渋のはてのはて、まさかそんなところにはと思うソフアの足元、かけ流してある敷物の蔭に落ちていた。どうしようもない。 2014 9・24 155

 

 

* 雨もよいの夕刻、歯医者へ。幸いひどくは降られず。帰りね「VIVO」に寄り、スタンドでウオトカとバーボン。妻は赤いワイン。

2014 9・24 155

 

 

* 映画「去年の夏、突然に」を途中まで観て、疲れてきたので今夜はやすむことに。

2014 9・24 155

 

 

* 起床9:15 血圧141-74(75) 血糖値91  体重67.9kg

 

*  今日ほど嬉しかった日、今日ほど楽しかった本場所の相撲観戦は無かった、この何年ものうちに。あまり嬉しく楽しくて、じつは逸の城が豪栄道を転がした相撲からあとは、観たのやら観てないのやら自覚がないほどで、白鵬の勝ち相撲などまったく記憶になく、弓取りも知らず、酔ったはずみか転んでおでこに瘤をつくり医療室へ連れて行かれたのもワケがわからなかった。それでも昔の横綱大の國を観たような、大砂嵐と握手したような、阿生におでこを氷嚢で冷やして貰っていたのも、ワケが分からなかった、無性に楽しかったし嬉しかった。ほんとに久しぶりに娘とのいい時間を桟敷で三人で過ごせた気がしていた。

両国で、阿生に盛り上げたようなアイスクリームをご馳走になり、妻と阿生とは嬉々として話し合っていて、わたしは氷嚢をおでこを冷やされていた。

両国駅から、妻とは飯田橋で乗り換えて帰ってきたはずだが、阿生とはどこでどうサヨナラしてきたのか記憶にない。

しかしまあ、楽しい半日だった。阿美錦も勝ったし、逸の城も大関に勝ってしまったし、琴奨菊は横綱に勝ったのではなかったか。白鵬はだれと相撲を取ったのか、きっと大関稀勢の里だろうが勝ったにちがいない、負けた大騒ぎは見聞きした気がしない。

かくては、念願の白鵬三十一回目、全勝での優勝が期待できそうだが、此処まで来たら今場所の大花火に、一敗の平幕新無入幕の怪物逸の城と全勝横綱白鵬との勝負も観てみたいものだ。

 

* 、もう今夜は、このままやすむ。いい一日だった。嬉しかった。

2014 9・25 155

 

 

* 起床7:15 血圧126-64(54) 血糖値99  体重67.9kg

2014 9・26 155

 

 

* 起床9:00 血圧135-67(58) 血糖値98  体重67.9kg

2014 9・27 155

 

 

* 起床9:00 血圧143-77(64) 血糖値96  体重68.1kg

2014 9・28 155

 

 

* 湖の本にしてもう四頁で「華厳」読み終えるのだが、まるで眼が見えない。明日には確実に読み終えて、とうどう「選集④」の入稿作業に取り組める。質・量とも最良の一巻になるだろう。

掌説を含む「短編集」 また「冬祭り」「最上徳内」「親指のマリア」等の長編集、が念頭にある。あせらず、慌てず、最良の一巻一巻をめざして進みたい。

それにしても「華厳」 なんという烈しい物語を書いていたことか。読み返しながら震えていた。「廬山」との姉妹編であることがはっきり読み取れる。それでいて独自の物語世界を創り上げている。

2014 9・28 155

 

 

* 起床8:30 血圧133-72(58) 血糖値83  体重68.3kg

2014 9・29 155

 

 

* 起床8:20 血圧141-82(66) 血糖値101 体重68.1kg  夜中手先等に震え感じる、血糖値49。即口に白砂糖三匙。ワイン少しとミルク。血糖値122に戻る。朝まで眠る。低血糖の原因は承知している。

 

* 妻、地元指導の健康診断に。無事。

 

* 選集第五巻は、新聞連載小説「冬祭り」で造る。

従来全面使い慣れたノートパソコンで仕事してきたが、90度右へ向けば大画面のDELLがある。大画面で字を読む方が目に優しいかと、原稿づくりなど、少しずつそっちへ異動して行きたい、そのためには新しい機械の動作に慣れ馴染まないといけない。読む原稿の画面での文字を思い切って大きく設定しておき、入稿等の直前に設定しなおせば良い。なにより第一に「読める」画面を工夫しないと。

2014 9・30 155

 

 

*起床7:20 血圧130-65(54) 血糖値100 体重68.8kg

 

* あれにも、それにも、これにもといろんな仕事に手を出している。

2014 10・1 156

 

 

*起床8:20 血圧147-68(52) 血糖値95  体重68.3kg

 

* わたしの両手指先の痺れは抗癌剤このかたとれない。そこへ妻の動脈血腫手術が起きて、手術は済んだが、手先に強い痺れがのこって日々の手作業に迷惑が出ている。昨日は、利き手の左親指の先を何かのはずみで切りこみ、過度ではないが出血が止まらない。指先のこと、うまく処置ができないので、やはり病院を頼むことに。わたしも脚の爪を切るつもりで肉を挟んでしまった。指先の働きは大事だ。

2014 10・2 156

 

 

* 目が見えず、仕方なく機械仕事をはなれて、ぼうやりとでも何とかわかる映画「故郷への遠い道」を観て、泣いた。パイパー・ローリーの母親が一家の芯にいて、悲劇を抱き込んできた一家を幸せに恢復させる。胸を衝かれた。

 

* 今日は「冬祭り」を読み、エッセイ集を読み、本を読んだ。明日はまた歯医者似通う。

2014 10・2 156

 

 

*起床9:00 血圧135-64(60) 血糖値99  体重68.4kg

2014 10・3 156

 

 

* 夕刻、歯医者へ出向く。  二人で治療に二時間かかる。わたしはいくら待たされても本がある限り平気。今日は佐伯真一さんの「建礼門院の悲劇」を持っていて、たくさん読めてよかった。

妻の抜歯は、出血に大事を取って、医科歯科大に依頼。

帰路中華家族で晩飯にする。わたしは例の、マオタイ。食は、酢豚ととりの唐揚げ。

2014 10・3 156

 

 

*起床9:00 血圧134-68(61) 血糖値91  体重67.8kg

 

*とにもかくにも目の不自由と対抗しながら仕事を続けている。仕事か視力か、どちらが先に「駆けつくか」といった気分。原稿や本が読みにくいだけでなく、視野があまいというか滲んでいるために、ちょっとした片づけが出来ず、狭いが上の狭さへモノをまた取り散らかして絶望的な気分になる。しかもそんな際に妙に面白い物を見つけ出したりする。

今、ぜひ欲しくて見つからないモノが、七、八つはある。情けない。目前の仕事がおもしろいのでガマンしていられる。

2014 10・4 156

 

 

* いま、近用二つ、室内用、遠用二つ、遠用サングラスの眼鏡を使っているが、どれ一つもクリアに見えない。さっき近用に遠用を重ねてみると、ややクリアに見えたが、むろん長持ちしない。どうなってるんだ眼科学という医学は。

2014 10・4 156

 

 

* 十時半、もう目は限界に来ている。

2014 10・4 156

 

 

*起床9:00 血圧133-60(56) 血糖値98  体重67.8kg

 

*  本降りの雨が夜前からいまも降り続いている。催しの多い季節、困惑している人達が多かろう。聴雨の風情をはるかに超え、また諸方に水害が起きていようと想う。

2014 10・5 156

 

 

*起床9:00 血圧136-64(63) 血糖値90  体重68.3kg  夜中降雨甚大 書庫の書斎部分に甚だしい雨漏り、対応に奮迅、疲労切、防禦と対応、およそ成らず。嗚呼。

2014 10・6 156

 

 

* 疲労を押して、あれこれ。

 

*  目がよく見えず、仕事ができない。からだをやすめるのが、具体的には熟睡するのが目のためにも一の効果と、分かっている。

 

* 湖の本新刊にいま三案あって、編輯に大わらわ。大雨被害のかたづけや以降の対策にも苦慮。立ち向かうしかない。

2014 10・6 156

 

 

*起床9:00 血圧136-64(63) 血糖値90  体重68.3kg

2014 10・7 156

 

 

* 街歩きしたと思っていた、天気も上々に回復していた。が、その気になれなかった。なによりも視界がぼうと滲んでいてはきぶんもわるいし危ない。貧血が戻っているのか、それも目のせいか躯がゆらってする。雨に濡れたきもちのわるさも加わっていて、これはもう無理にも仕事をして過ごすしかなかった。

折しも、「選集④」の前半初校が出てきた。「蝶の皿」「廬山」「青井戸」「閨秀」と。後半に長編「墨牡丹」と「華厳」が出てくる。この巻は、まちがいなく、わたしの文学作品選の粋を成すだろう。見えない眼を見開いて校正に努めよう。

2014 10・7 156

 

 

*起床8:00 血圧144-69(64) 血糖値77  体重69.4kg

2014 10・8 156

 

 

☆ 皆既月食をみながら

帰宅しました。

お加減はいかがですか。

書庫の大切な本や原稿は、大丈夫でしたか。

捜し物は見つかりましたか。

昨日は午前中に郵便局の用事など済ませ、昼から多摩川を渡り西へ向かいました。

すすき野原を吹く風が冷たく、風邪をひいてしまったみたいです。

「冬祭り」は、私も大好きな作品です。  毬

 

* 月の食よりも、ほとんど暴力的なわたしの眼の食が、たいへん。小さな字での初出原稿コピーを読みながらスキャン原稿の校正をするのが大変。機械の字はべらぼうに大きく変えてなんとか読めるが、原稿になるブリントの薄れ掛けた細字は、裸眼を五ミリ間隔までくっつけても乱視や復視のため容易に読み取れない。本も断然読みにくくなった。ひょっとしてもう一度眼科の手術を受けるしかないのかも。ひどくユーウツだが。

いまのところ、スキャンやコの仕事は全面的に妻が手伝っていてくれるが、妻も疲れる。妻抜歯の必要も出血を伴う不安があり、お願いして医科歯科大への紹介状を書いて貰った。大丈夫と想っても、大事はとりたい。

2014 10・8 156

 

 

*起床8:00 血圧152-70(58) 血糖値90  体重69.2kg

2014 10・9 156

 

 

* とにかく、やすみやすみ「仕事」をしている。

2014 10・9 156

 

 

*起床8:00 血圧133-64(48) 血糖値95  体重68.8kg

2014 10・10 156

 

 

* いま、遠用眼鏡の外へなんだか分からないが補助レンズを引っかけている。これで、少なくも今はかなり明るく機械画面の文字が見える。何でもいい工夫し工夫して凌ぎ凌ぎ「仕事」はしたい。業執とは思っていない、ただ立ち向かって「今・此処」に生き続けるだけのこと。

2014 10・10 156

 

 

* 起床8:00 血圧1 41-62( 55)  血糖値95  体重68. 2kg

* 出掛けたかったが、出来なかった。目前の機械仕事に終日打ちこんでいた。もう目はほとんど見えない。へとほとに疲れている。しかし、厄介な手間の掛かる仕事を仕遂げたと思う。

妻も懸命に、十篇の対談・鼎談・座談会のコピーブリントをスキャンしてくれた。この校正の難しさ、原本プリントが年経て劣化しており想像を絶する。ま、根気よく根気よく根気よくやる。それだけのこと。

失せモノの捜索も手を抜けない。手書き原稿の電子データ化、これはもう自分でやるしかない、馴染んでいる妻にも読みづらい手書きだから。

酒が和洋とも切れ、ビールも切れ、クスリ代わりの赤ワインを呑んでいる。

マリリン・モンローの笑える映画で休息、ただし二メートル余の距離でモンローの顔がグジャグジャで見えない。

 

* 明日はまだ颱風が来ないとか。出掛けられるかな、早い内に。 2014 10・11 156

 

 

* 起床9:00 血圧1 43-69(64) 血糖値90  体重68.4kg

 

*  昼すぎから初校ゲラをもって出掛け、「蝶の皿」を仕上げ「廬山」へ。レバンテで牡蛎でビールを呑み、家には岡山の有元さんからお酒を頂いているのが楽しみで食事もせず、帰宅。「酒一筋」二升頂戴、歓声と共に頂く。なんだかお酒、しばらくぶりで美味いこと。

2014 10・12 156

 

 

* 幸い颱風はまだ此処までは来ず、無難な外出であった。

 

* 夕食を外でせず帰宅したのには、嬉しいワケがあった。このところ切れていた日本酒が今日にも岡山の有元さんから頂戴できるとお知らせをもらっていたのだ、ちゃんと「酒一筋」が二升届いていた。行儀悪く、あつかましく、恥ずかしいが歓声をあげて、晩食前にぐいぐい戴いた。美味い。ありがとう存じます。

さきごろ故郷新潟の美味い「どぶろく」を送ってくれた奈良住まいの理史くんから、湖の本の払い込みが来ていた。重ね重ねありがとう。

2014 10・12 156

 

 

* 選集④の「蝶の皿」「廬山」初校。清朝の精磁、虎渓三笑や来迎図、朝鮮の青井戸、上村松園、村上華岳、そして明の遺臣による大同華厳寺の大壁画など、みな忘れがたい渾身の作。丁寧にかつ楽しんで校正したい。

しかし情けない眼のわるさ、「湖の本121」にも誤植の見落としがたくさん有るのでは。魯魚の誤りだけでなく、ひらかなの濁音、半濁音、促音、拗音などの誤りが見苦しくはないかと気がかり。

ことに「選集」には、一つでもそういう誤りを無くしたいのだが。

この「私語」「箚記」にも、数え切れないほどの誤記がある。妻の指摘してくれた分は努めて直すようにしているが、もう、なかば気に掛けずにただ「書く」に徹している、言い訳めくが。

 

* 「湖の本122」の原稿づくりは眼にきつかった。入稿できて、一息つけた。創作の方へ時間をより多く掛けたい、少しも慌ててはいないけれども。

 

* 『冬祭り』を読み進んで、もう眼がダメ。やがて日付が変わる。

2014 10・12 156

 

 

* 起床8:00 血圧1 43-65(59) 血糖値88  体重68.2kg 二三日に一度ずつ就寝時、熟睡を得たいため安定剤リーゼを服している。 2014 10・13  156

 

 

* 国技館で前のめりに転倒し額につくった瘤、まだ、それと分かる感じに残っている。

2014 10・13 156

 

 

* 雨の音が高くなって。

家にいて雨を聴くのは<何度も書いているが、昔から好き、家屋に被害が来ない限り。

本郷に「聴雨庵」というすき焼き専門の和風の大きな料亭があり、歳末など、編集委員の医学部教授らを招いて何度も忘年会をした。接待用の佳い店を探すのも仕事の内だった。

その頃のわたしはほとんど呑まなかった。すすんで呑むようになったのは務めをやめてから、むしろ老境近くなってからで。出版社は著者接待時代だったから、各社がいろんな店へ連れ出した。最後のバアまで辿り着いても、わたしは平然としていて、相手をしてくれる編集者が大概潰れていた。「いくらのましても酔ってくれない、ソンしたみたい」と何度もぼやかれた。

しかし、もうそうは行かぬ、が、昨日も、帰ると、岡山の秋の名酒に歓声をあげ、ご機嫌でしっかり楽しんだ。感謝。

2014 10・13 156

 

 

* 颱風、無事過ぎてほしい。明後日午後は、たとえ雨が激しくても電車さえ走ってくれれば、病院へ。お薬も欲しい。

からだ大事にしなくては。こころもちの方も柔軟かつ健康に保たねば。ぜひとも。

2014 10・13 156

 

 

* 熟睡が、眼には何より。熟睡したい。

2014 10・13 156

 

 

* 起床8:30 血圧137-80(64) 血糖値98  体重67.7kg  いちばんに緑内障のためのタブロスを点眼、すぐ体重、血圧、血糖値をはかり、朝食前のインシュリン注射。今朝は食前に黒いマゴに輸液している頃から食後もしばらく胸ないし喉の軽微ながらやけるのが不快だった。

 

* 幸い早足の颱風は列島を串刺しに東北海上へ抜け、風だけが残っている。空は青やかに陽光もすずしい。

2014 10・14 156

 

 

* 起床7:30 血圧133-62(62) 血糖値95  体重68.2kg

 

* 「感染」の諸検査が先にあり、結果が出るのに一時間、そのデータが出てこないと診察されない。一時過ぎの予約だが、十一時ごろには検査を受けておき、あとは、校正を読んで診察までを過ごす。その点、校正仕事ははかどるし作を再々検討も可能で好都合。機械の光る画面に食いついているよりも眼も少しはラクというもの。

で、十時前には家を出る。降られるだろう今日は。

2014 10・15 156

 

 

* 今日、聖路加での諸検査異常なく、早く終えた。検査データの出るのに一時間はかかる。それからまだ待って待って診察になる。その待ち時間を利して、「選集④」の「廬山」「青井戸」を初校し終え、さらに「閨秀」へも読み進めた。機械に向かうよりはゲラを読む方が眼は、ラクです。

それでもいつもより早めに診察を終えた。処方薬も築地の薬局で手に入れ、たいした雨でもなかったので、銀座西五番街での当代楽吉左衛門子息の石材による造形展を見てきた。新婚の夫人とも初対面。いろいろと創作上のことなど教わってきた。

近くの三笠会館で遅い昼食。食べ物は極度に少なくし、美味い紹興酒を二合。これは、しかし、効き過ぎた。銀座から池袋へ地下鉄に乗ったが、はっと目が覚めると「銀座駅」、ただし方角が逆様の新宿中野行き。いささか胸をしめつける感じが苦しかった。

幸い、地下鉄でも西武でも、いつでも、席を譲ってくださる方が十度に八度はあり有り難い。しかし、よほどひ弱に見えるのだろう、宜しくないことだ。幸いに小雨ながらタクシーが早く来てくれて無事帰宅した。

2014 10・15 156

 

 

* 起床7:30 血圧138-72(51) 血糖値92  体重68.3kg

2014 10・16 156

 

 

* 起床7:00 血圧147-68(52)  血糖値97  体重69.13g

 

*  明け方、寝苦しいまで、

「一時間を一時間生きる難しさ」

という句意を問い続けてむりやり目覚めた。リーゼを服した。

一時間とは、客観的に推移する時間の枠・区切りだが、われわれは、わたしは、その一時間をほんとうに一時間「生きた」といえる「生き」を生きていただろうか。睡眠中の「一時間」は「介意している「一時間」とほぼ等質であるとしても、日中の一時間、一時間に相当に「生きた」と言いうる内実が創られているのか。そう厳密に問うと、われわれは、わたしは、すかすかの時間をいたずらに流すように空費してしまっていないか。「難しさ」ということばで夢寐にわたしは呻いていた。苦しくて、起きてしまった。煩悩か。

2014 10・17 156

 

 

* 起床8:00 血圧135-73(61)  血糖値87  体重69.4g

2014 10・18 156

 

 

* 西武で京都名匠会をやるという宣伝を電車で見ていた。むかしは互匠会といい、よく出掛けて「京都」を味わった。小説『慈子』の幕切れに互匠会を利用したのを思い出す。小説『畜生塚』で町子が截金の作を出したのは洛北鷹峰光悦寺での互匠会だった。

しきりに京都が懐かしい、恋しいほどに。しかし京都まで新幹線には乗れても、願うままには自在にとても歩けそうにない。すこし気弱になっているか。

2014 10・18 156

 

 

* 起床8:00 血圧147-82(53)  血糖値83  体重68.3g

2014 10・19 156

 

 

* 起床8:00 血圧145-78(56)  血糖値92  体重67.7g

 

* 午前中、重労働。重い荷を自転車の荷台に積み、郵便局への坂道をともあれ、七往復。汗みづくで疲労困憊。作業は、続く。

 

*  小雨が来たが、合間をみて郵便局へ。疲れると機械の前へ来て、『冬祭り』に入り込む。

 

* 元文春の寺田英視さん、電話で「選集③」の着を告げ、これぞ読書の醍醐味ですねえと。しばらく歓談。歯のおかげで、電話口では一段と話しづらい。

 

* 疲れ疲れて十一時半。頭はぼーッとしている。

2014 10・20 156

 

 

* 起床8:00 血圧142-67(60)  血糖値91  体重68.1g

2014 10・21 156

 

 

* 起床7:00 血圧146-70(60)  血糖値90  体重68.0g

2014 10・22 156

 

 

* 今晩は望月太左衛さんの鼓楽会に招待されていて、銀座の時事通信ホールへ行く気でいたが、雨と添えとに用心して失礼した。雨で郵便局へも走らなかった。明日からは通常の仕事へ戻れる。土曜には、梅若万三郎の「通小町」に招かれているが、目が見えるかどうか、心配。

先生にはせいぜい出歩かれるようにと奨められている。脚力をと。このところ、朝はやにきまって左脚が攣りついで右脚が攣る。ひところほど耐え難いきつい痛みではないが、かなり痛い。仕方なく立って廊下を歩いて回復させている。

手術前には、隅田川の大橋をみな歩いて渡るという目当てで出歩いたが、そういうのを工夫したい。下町に行くと、思いも懸けない家なみに挟まれて小さな祠や社が隠れている。ああいうのを写真に撮って歩いたらどうかしらん。ただ、歩きでは校正の仕事など出来ない、電車なら出来るが。この晩年になって、にわかに校正仕事が津浪のように押し寄せるとは。工夫はいろいにしなければならない。

2014 10・22 156

 

 

* 起床9:30 血圧137-67(56)  血糖値90  体重68.1g

2014 10・23 156

 

 

* 起床7:30 血圧138-66(56)  血糖値92  体重68.1g

2014 10・24 156

 

 

* 目がすっきり見えさえすれば幾らでも仕事が出来るのに、どの眼鏡にかけかえてもクリヤな視野は得られず、文字がよく読めない。これにはほとほと参る。

2014 10・24 156

 

 

* 起床9:00 血圧138-76(67)  血糖値92  体重68.3g

2014 10・25 156

 

 

* 起床9:00 血圧149-90(60)  血糖値86  体重68.0g

2014 10・26 156

 

 

* いたく疲労溜まり、眼も霞んで、とても能を二番も観にゆける体調でなくなった。大事の会に見所で粗相があってはいけないので、残念だが、失礼する。要「校正」の仕事も溜まってしまっているが、ほおっと放心し休息したい気持ち。

2014 10・26 156

 

 

* 選集⑤『冬祭り』を入稿した。これは、大冊。大きな山の一つになる。冬(ふう)ちゃんや法子や順や顕がたすけてくれるだろう。

 

* この三、四日、『冬祭り』を読み終えたあと、吸い寄せられるように『生きたかりしに』にほぼ没頭している。

梅若の能にはとても体力的に出られなかった。校正ゲラを持って街へ出ることも出来なかった。

ただもう、眼をやすめやすめ自分の小説を読み続けて手を添えていった。兄恒彦が恋しいほど懐かしい。あの兄が少年のむかしに「肝膿瘍」を患って入院していたとは。親の言いつけで強引に見舞いにやられたが、わたしは拒み通した。「血縁」の「うそくさい」ことをとことん嫌った。

2014 10・26 156

 

 

* 起床8:30 血圧143-68(57)  血糖値87  体重68.5g

 

* 黒いマゴの輸液も欠かさず。

2014 10・27 156

 

 

* しばらくぶりに歯医者へ。湖の本121『京のひる寝』が面白かったと娘のような女先生。お土産に、長野小布施産特級、みごとな大粒の栗を一キロも袋に入れて頂いた。去年も戴いた。感謝。

帰りに「リヨン」で晩餐、二種類の赤ワインが美味く、フレンチをしみじみ前菜からデザート・珈琲まで楽しんだ。

家に帰ったら、留守に、どさっといろんな郵便物や頂き物がきていた。岡山のすばらしい葡萄、瀬戸ジャイアンツ。また有元さんからいつもお心入れのじつに味良い近江の特製「鮒鮨」も。有り難う存じます。

2014 10・27 156

 

 

* 起床8:30 血圧161-77(57)  血糖値88  体重68.5g   : 血圧がやや高めに推移している。

 

* 朝の主食に大きな栗を五つ、そしてジャイアントな葡萄を三顆。インシュリン打ち、ビタミン類服薬。黒いマゴの輸液しながら、ジャン・ポール・ベルモンドとすてきな美少女との「勝手にしやがれ」のフランス語を、音楽のように楽しんでいた。

2014 10・28 156

 

 

☆ 全集版コピー

 

無事に頂戴しています。今回の選集含めて、すべて揃ったということで、「畜生塚」 みづうみの推敲のあとをたどるのが楽しみです。写真のみづうみのお若いこと! 見るだけで剃刀のようですから、わたくしはお年寄りのみづうみのほうが好きです。

本日二十八日の私語ですが、みづうみらしくなく誤変換がとても多いのが気になります。お目の状態大丈夫でしょうか。どうかご無理なさいませんように。充分なご休養と、優秀な眼科医をと願っています。  秋

 

* 実を言うと、終日、字が読めない、見えない、アテズッポウで書いたり読んだりしている。情けないが。妻が要訂正箇所を指摘してくれた。

 

* 体力的な健康が保てても視力が磨滅したのでは、この先が覚束ない。これは根性で左右できない。

おまけに昨日から最近用の眼鏡をケースごと一つ見失っている。どうなることか。

いまぶん手にしている最大長編は、半ばまで読み返しが進み、ほぼ満足に近い仕上がりを見せている。手がけているあと三つの長編が、しのぎを削るように鼻面を揃えて走っている。いやいや、慌てまいと手綱を引いている。

2014 10・28 156

 

 

* 戴いた鮒鮓がじつに美味い。酒は三千盛も手取川も能登誉もあり、肴には神宗の塩昆布もうまい。目が見えなくても酒も肴も美味い。ありがたい。オマケに西条吊し柿があり小布施のお送りがあり岡山の巨大葡萄も。珈琲・紅茶には老舗開進堂きわめつきのクッキーもある。目をつむっていても美味い物は美味い。とかと目はあけて、たゆまず仕事しなくては。いよいよ寿命との本式の競走になってきたか。

2014 10・28 156

 

 

* 起床9:15 血圧144-74(56)  血糖値82  体重69.3g

2014 10・29 156

 

 

* 起床8:00  血圧153-68(59)  血糖値96  体重69.0g

2014 10・30 156

 

 

* 起床8:00  血圧153-68(59)  血糖値96  体重69.0g

2014 10・31 156

 

 

* 機械の前でキイを叩き文章を読みつづけていると、とてものことに眼がもたない。それでも、少しずつ少しずつ、やめられない。

今は、機械の気儘にまかせて、いろんな音楽を聴いている。歌も器楽も。じつにいろんな歌が去来する。誰の何のという聞きわけには気が無い。ただ耳にいろいろ楽しんで何時間も。ときどきじっと目を閉じてやすむ。寝入ってしまうこともある。

明日は日曜だが、もしも雨もよいならばむしろ好都合に街へ出てみよう。「墨牡丹」と「湖の本122」の校正を捗らせたい。電車が空いていて座れさえすれば、苦にならない。

おやおや、「蛍の光」を歌いだした。今度はなにかのアリアだ、トスカかしら。

2014 10・31 156

 

 

* 起床8:45  血圧143-68(54)  血糖値93  体重68.6g

 

* 身辺を少しずつ点検、モノを捜しながら不要のモノは棄てようと。意外に捨てたい物が少なくてアタマを掻いている。

2014 11・1 157

 

 

* 起床8:30  血圧138-69(59)  血糖値91  体重68.3g

2014 11・2 157

 

 

* 何をしようとしても機械に向いて眩しくギラギラし、字を読むも書くも苦痛。機械のまぶしさが堪える。

天気も良くなるとか、あすは、目をやすめるためにも、校正ゲラを鞄に、ふらりふらり出歩いてきたい。

2014 11・2 157

 

 

* 起床8:30  血圧141-70(60)  血糖値89  体重68.5g

 

* 各務原の石井真知子さんから、美味しい柿の葉寿司がたくさんの箱詰めを、朝いちばんに頂戴した。喜んで妻ともう朝食に頂いた。歌舞伎座や国立劇場で好んで柿の葉寿司を買うが、それより遙かに寿司飯がうまくて賞嘆した。感謝。

 

* ゲラを持って出かけた。駅へのバスに目の前で走り去られ、駅まで歩いたが胸が痛くなり閉口した。駅のホームであいにく倚子席が塞がっていて、しゃがみ込んで兎に角水分をとった。電車で、もう校正を始めた。坐ってしまえば不快はしずまった。リポビタンDとやらを買って呑み、手持ちのくすりのアリナミンなどを服した。すっかり回復した。歩きも出来た、仕事も出来た。四時には銀座おでんの「やす幸」の酒でゆっくり休息し、この前にあがった椿屋で、珈琲。

必要があって、歩いて帝国ホテルのクラブとちょっとした打ち合わせがしておきたくて五階へ上がった、が、祭日であることを失念していた。祭日は夜のクラブはお休み。しかたなかった。それでも、校正はよく捗らせた。

2014 11・3 157

 

 

* ほぼ確実に、近いうち、十一月の通り過ぎるやいなや、わたしのniftyメールは少なくも発信不能に陥るということが分かっている。対応を要請のメールを貰っているが、わたしのアタマは要請の文面や指示が読み切れない。受信は出来るなら、返事は郵便や電話ですべきはする、大方は拱手してやり過ごすことになる。絶対に必要な要件は印刷所への入稿。これは妻の機械を頼むしかない。

 

* このXP機械も、俄然混乱や不調を表し掛けている。思い切って不慣れだが新機DELLへの乗り換えを考えねばならないが、まったく使い勝手に惑うばかり、しかも大画面の眩しさ、目の負担はきつい。ものすごい量の現在コンテンツを要領よくバックアップしたり、保存したり、移転したりして、今一度の「再開」を覚悟しなくてはなりません。

2014 11・3 157

 

 

* 起床9: 15 血圧1 36-76(65)  血糖値9 2  体重68. 1g

2014 11・4 157

 

 

* 起床9: 15 血圧1 32- 68(73)  血糖値82  体重68. 1g

2014 11・5 157

 

 

* 起床8:15  血圧1 31-66 (62)  血糖値89 体重68.8g

2014 11・6 157

 

 

* 明日は朝に歯医者、夕方にも歯医者と、二度通う。土日は家におれるが、どちらかで、散髪。月曜は昼過ぎに聖路加で前立腺検査、そのあと顔見世歌舞伎座夜の部で、染五郎弁慶を、父幸四郎の富樫、叔父吉右衛門の義経という趣向の豪華版で楽しむ。昼の部は一週間後に楽しむ。十三日木曜には昼に俳優座招待期待の新劇を観てのあと、京都からみえる来客を迎える。さらに聖路加眼科もあり歯科治療もあって、その間にも「湖の本」の再校「選集④」の要再校も、そろそろ「選集⑤」の初校も出てくるだろう。慌てず狂わず、息抜きもしながら創作もむろん進める。おっそろしく忙しい爺ではある。

2014 11・6 157

 

 

* 雨は降らないはずと言う。バスを待つ間に雨がきた。

三井ガーデンホテルへはソニービル前からタクシーに乗った。

十三年ぶり、奥さんとはもっと久し振りに、和歌山の三宅貞雄夫妻と会った。懐かしい。越後湯沢の親戚が経営の温泉旅館へ行っての帰りと。和歌山から長途の電車旅行はさぞおつかれであったろう、わたしはとてもまだそんな自信がない。

選集③巻をおみやげにさしあげた。

今日午後に東京のホテルへ入って、なんとスカイツリーへ。夫妻ともとても草臥れてきましたと。さもあろうと気の毒だった。あの塔は都内のあちこち遠方から遙かに眼にするのが一番だ。

それでは、すこし夜の銀座を歩きましょうかと。ただし小雨がつづいていた。ホテルの傘を借りてあるいたが、銀座の灯、うるんできれいだった。わたしのわるい眼も潤んでいて、まるで水の中を泳ぐようだった。まぶしいほどキラキラした。

夫妻の希望で、前を通ったおでんの「やす幸」に入った。歓談。空腹にうまい酒がはやく周って、しっかり疲れてきたので、街頭、ソニービルの前で、健康を祈って別れてきた。うまくホテルへ戻られたろうか。送り届ける元気がもう抜けていた。

「墨牡丹」の校正ゲラを持っていたので、電車で仕事して疲れを躱した。喉が渇いた。保谷でタクシーが一台待っててくれ、無事に八時半に帰宅。酒の上へ疲れが出て、脱水と貧血気味だったか。番茶をガブガブ呑んだ。ほっこりして座り込み、例の「ドクターx」を観た。

2014 11・6 157

 

 

* 起床7:30 血圧126-80(56)  血糖値86  体重69.8g

 

*  十時半に歯医者へ。左奥へ入れ歯の用意。いったん帰宅。

2014 11・7 157

 

 

* さて、もう一度歯医者へ出向いてくる、マスクをした顔で。

 

* 歯、一段落。ともあれ欠け歯がなくなった。本物の歯は上の半分ほど無くなった。やれやれ。

ひどく疲れた。潰れるように寝入って起きて、疲れはひどい。なにも措いて、休む。明日・明後日、よく休まねば。

2014 11・7 157

 

 

* 起床9:30 血圧132-66(59)  血糖値95  体重68.9g

2014 11・8 157

 

 

* 散髪してきた。お元気に成られたようです、今日はお顔色もほっとあかくでと、散髪してくれる奥さんにいわれた。酒のせいでなければ良いが。鏡にうつる顔が、ややもとへ戻り掛けて、頬がかすかにふくらとしてきているのかなと感じた。もっともっと歩かないといけない。駅から家まで、なんとかのろのろせずに歩いて、ちょうど十五分で帰れた。ゆっくりなら二十分、それぐらいなら歩けるようになった。駅からはタクシーと決めてもう何年もたつが、三度に一度は歩くようにするといい。

 

* この前新幹線に乗ったのは何年前か。少なくもこの三年は乗っていない。和歌山の三宅さん夫妻は一気に貴志川から大阪へ、東京へ、群馬長岡の温泉地まで、互いに杖になりながら乗り物で来られた。まさに、すごい。讃嘆と羨望をおしまない。

この暮れには七九(ななく)歳。年明けて好きな「ななくさ」で雑煮を祝う頃には、すこしでも「京都」が近くなっているかどうか。

2014 11・8 157

 

 

* 起床9:30 血圧145-69(59)  血糖値100 体重68.7g

2014 11・9 157

 

 

* 明日は早くから聖路加へ行く。検査と診察の後、歌舞伎座へ入る。明朝のうちに「選集④」の要再校ゲラを返送する。前ヅケ後ヅケも添えて。

2014 11・9 157

 

 

* 起床8:10 血圧134-66(66)  血糖値78  体重68.1g

 

* 「選集④」の要再校ゲラを送り出しておいて、十時半に家を出、聖路加病院では前立腺に問題なしと。フリバス三ヶ月の処方をもらって、妻と出逢いの歌舞伎座へ。歌舞伎座顔見世夜の部は、染五郎、懸命の初役弁慶健闘を心から喜んで、また菊五郎の気の入ったいがみの権太にも感動し、おお満足して日比谷のクラブへ。例のサイコロステーキとエスカルゴで、わたしはヘネシーをかなり飲み、妻はビール。そしてアイスクリーム。マスターらとも歓談。帰宅は十一時。

病院の待ち時間や電車の中で「冬祭り」の初校、大いに、すいすい捗る。

2014 11・10 157

 

 

* 起床8:00 血圧133-63(66)  血糖値91  体重68.1g

2014 11・11 157

 

 

☆ 秦恒平選集 第三巻

ご恵贈賜り 厚く厚く 御礼申し上げます。

お酒は召し上ってるようで何よりです。

寒くなってまいります。

御身お大切に。  御礼まで。  喜多流  友枝昭世

 

* 恐縮です。昭世さんのみごとなお能を心深く観られるだけの体力をはやくほんとうに回復したいもの。食べ物が摂りにくいのでお酒で熱量を得ているような、まだ、有様です。なによりも眼を、視力を回復しないと、舞台が遠霞む海のように見えます。

2014 11・11 157

 

 

* 起床9:45 血圧133-68(66)  血糖値99  体重68.5g   夢、連夜晦渋複雑のまま。夢に疲れる。リーゼには効果あり、ただ連用はしない。

2014 11・12 157

 

 

* なんとなく心すすまない用件にせまられて、機嫌がよくない。 2014 11・12 157

 

 

* 一日中眼の不振に泣かされた。仕事にならない。

2014 11・12 157

 

 

* 起床7:30 血圧126-59(62)  血糖値97  体重69.0g   夢、連夜晦渋複雑のまま。

2014 11・13 157

 

 

* 起床7:30 血圧136-62(53)  血糖値84  体重68.2g

 

*  今日は、夕刻、また歯科へ通う。

2014 11・14 157

 

 

* 朝一番に、奈良の西川絹子さんから調理のてだても出来たにゅうめんの大函が届いた。さっそく朝食にご馳走になった。歯の治療がすすんで少しく麺類も口に入りやすくなった。感謝。

2014 11・14 157

 

 

* 歯の帰り、江古田の中華家族でマオタイ、酢豚などさかなにダブルで二杯。校正用にすこぶる有用な簡易レンズを女将がブレゼントしてくれた。たいへん綺麗にゲラが読めて嬉しい。いつも苦心惨憺ゲラを読んでいるのを哀れんで親切に用意してくれていたらしく、感謝。感謝。

 

*忙しい一週間だったが、明日明後日はやすめる。来週水曜の午後一番に眼科の検査と診察を受けけば、そのすぐあとから次週金曜まで戸外へ出る予定には縛られていない。ほっとする。そしてもうはや、師走目前。「仕事」はひしひしと足元を掬わんばかりに追ってきている。よしよし。成るように成る。

 

* 白鵬が高安に負け、ガッカリ。勝負には勝敗在りとは言え。

 

* なんとなく、がっかり。このところの心身疲労。やすむとしよう。

2014 11・14 157

 

 

* 起床9:30 血圧136-62(53)  血糖値84  体重68.2g

 

*  朝一番にドッカーンと凸版から「湖の本122」再校出そろい、「選集④」も再校出そろった。おそるべき嵩の高さも重さ。折しも安倍政権は私利私略のみの「解散」に踏み切ると。歳末の、年始のいろんな切迫を思えばもはや躊躇ならないと、今日一日で「湖の本」責了へ持って運びたく、朝から脇目もふらず責了紙を読みに読んできた。たぶん今夜中に責了用意が成り、師走の上旬に刊行、発送へ持ち込めるだろう。そして心静かに「選集④」を責了まで読み込み同調して「選集⑤ 冬祭り」の初校を戻して行く。

なんとなくわたしに今、健康感覚が無く、どうもよろしくないという弱気が生じていて、快眠もなく寝起きもわるく、痛切な胸焼けにギョッとするほど苦しいときがある。「静かな心」へ落ち着くためには、気を病んでいてはならず、集中して「仕事」へ没頭してゆこうとしている。気弱もいけない、騒がしい気持ちもいけない。閑静、閑靖。しかし、へこむことなく仕事へ向き合って行きたい。何かしらと競走している気がしないでもないが、それならそれでよい。

2014 11・15 157

 

 

* 起床10:00  血圧139-71(60)  血糖値99  体重68.9g

 

* まるまる一冊を一日掛けて読み通したで、さすがに眼が腫れたように感じる。それでも二つの肩に同時に二つの重荷では潰れるとと思い、他の何を措いてもと、片方の荷を一気に片付けた。仕事の上の視野がさすがに明るんだ。気も楽になった、すこしだけ。

2014 11・16 157

 

 

* 残念だが、今日はみう眼が利かない。両眼とも疲れてかすかに痛みさえ有る。津浪のようにくる仕事の波に胸の内が廻る毬のようにあばれているが、知らん顔をしてやすもうと思う。明日はもいい歌舞伎が楽しめるだろう、まぢかの席から我當の顔がみえるし、染五郎も見えるし、久し振りに「井伊大老」を吉右衛門で観られる。三十三回忌先代高麗屋幸四郎最期の井伊大老を、あの名優六代目歌右衛門お静の方とともに観たときの、畏しいほどの深い濃い静寂の舞台が、いまも眼にある。次男吉右衛門の好演を期待する。そして高麗屋家の藝である長男幸四郎の熊谷陣屋。相模に魁春、弥陀六に左団次そして源義経に尾上菊五郎。当代最良の舞台が確実に期待できる。何度も何度も観てきた芝居だが、左団次がぐっとよく成り、前の羽左衛門弥陀六に迫っていて、熊谷陣屋が豊に成っている。幸四郎が今回はどのように役を彫琢するか、楽しみだ。

夜は先週に観ているので、ひけあとは、すこし気もゆるりと妻と食事などしてから帰れるだろう。

2014 11・16 157

 

 

* 起床7:00 血圧141-67(50)  血糖値88  体重68.7g

2014 11・17 157

 

 

* あれこれと有った一週間、まだ明後日に聖路加眼科の検査と診察がある。朝から検査に向かうのはいいが、せめて二時半頃には解放されたいもの。美術展の招待券もムダにし続けている。

 

* 疲れている。ゆうべよく眠れなかった。

2014 11・17 157

 

 

* 起床8:45 血圧139-73(64)  血糖値92  体重68.9g

2014 11・18 157

 

 

*  天気はよし。校正ゲラをかかえて街へ出てくるか。すこし息もつきたい。黒いマゴに輸液してやれば(二日、間が開いた)出掛けられるかも。家で早昼を済ましておいて。

 

* 電車の中で校正はひたすら進んだし、歩くのも上野の山をしっかり歩いたけれど、整養軒での軽食には食欲涌かず、ビールを二杯呑んで、魚の料理を少し食べ、デザートも小さいアイスクリームだけ食べ、パン二つも持って帰ってきた。なかなか、うまく美味い物に当たらない。昨日の「きく川」の鰻などよく食べたと思う。それでも「菊正宗」二本に力を得てであった。

2014 11・18 157

 

 

* 明日は早くからまた聖路加へ、眼科へ。それが済んで一週間余り落ち着いて「仕事」に打ち込める。

2014 11・18 157

 

 

* 起 7:15  血圧116-55(69)  血糖値105 体重68.1g

2014 11/19 157

 

 

* 眼科では視野検査と眼圧測定。視力佳いですね、視野も問題ないですと診察は一分もかけず、また三ヶ月後にと。点眼薬だけ大盤振る舞い。わたし自身が見えなくて、疲れて、いつも水の中を泳いでいるように視野が滲んでボケテ居る、複視もひどく縦線はグニャグニャですと訴えても、どこ吹く風で、はいまた三ヶ月後と。どうしようもない。

 

* 朝から三時半四時前まで、ほとんど食せず。病院と薬局のあと、玉寿司で酒と刺身。追加であなご、墨烏賊、つぶ貝、大トロを一貫ずつ。病院でも薬局でも「校正」だけは大いに捗った。帰路の有楽町線、清瀬まで乗り越して保谷へ戻った。

白鵬一敗を守り、全勝の鶴龍が稀勢乃里に負けた。

2014 11・19 157

 

 

* 起 9:15  血圧119-58(63)  血糖値83  体重68.4g

2014 11・20 157

 

 

* 校正だけでなく、機械仕事もいろいろして、今日は眼の負担がよりきつかった。病院の眼科医にデーモンのような「ドクターX」がいないかなあと、痛切に希望する。

2014 11・20 157

 

 

* 起 10:15 血圧125-63(63)  血糖値98  体重69.5g

2014 11・21 157

 

 

* 今日、白楽天の弟、白行簡の著に擬された希有に得難い一書を購い得た。あらましを先ず読んで深く感じた。精読する。眼のかすみが情けないが、読書はあたう限り続ける。

2014 11・21 157

 

 

* 起 8:00  血圧132-58(50)  血糖値86  体重68.6g

 

* カレンダーの次々送られてくる季節になった。豊潤な「能登誉」をぐいぐい、酔いを発して睡る。眼が少し休まる。しかし時間は消える。

胸に灯のともるような「いい言葉(つごうのいい甘い言葉ではない、)を聴きたいし読みたいし、自分でも書きたい、話したい。心身が根で疲れていてはそんな言葉は生まれない。

結局、いい作品を読んで慰めている。

2014 11・22 157

 

 

* 起 9:15  血圧136-66(56)  血糖値88  体重68.9g

2014 11・23 157

 

 

* 腹の張った漢字と空腹に似た感じが同居し、きもちがわるい。手先の痺れも軽快どころか日々に重苦しく指の屈伸に痛みも伴う。

痛みが来て掌をしっかり握れない。ときどき足の攣れるのとおなじ感覚で指が捩れたように攣って固まる。

体重は少しずつ増え気味で顔色も顔つきもよくなったと人には見えるらしいのに、だらんとして、しんどい。仕事へ打ちこんでそういう不快をわきへよけている。これでは、都の郊外へ電車に乗る分にはいいが、まだ新幹線に乗ろうという気になれない。せめて熱海か富士山の見える辺まで往復してみたいが、元気がない。

天気が良ければ、また校正ゲラをもって、明日は、西武線の奥、吾野辺から大きく熊谷を経て池袋へ戻るぐらい乗ってみたいが、いまの気分は芳しくない。

 

* 小説「生きたかりしに」を原稿にして六百枚ほどまで推敲し続けている。

 

* あちこちの引き出しやダンボールから、試行錯誤の創作原稿類が幾つも見つかる。どうすりゃいいんだ、このわたし…という流行り歌があったなあ。

 

* もう機械の字が見えない。

2014 11・23 157

 

 

* 起 9:15  血圧136-66(56)  血糖値88  体重68.9g

朝起き体重が、身につけたものの量で、不確かになっている。入浴後の計測に限定しようかと思うが。これら機械的な計測習慣、いいことなのか、ムダなのか、分からないでいる。

 

* 外へ出る元気なく、午後から晩へ、居眠りし、またぐっすり寝入っていた。眼が使えないなら寝ているに越したことがない。出掛けるには寒くなってきた、よほどでないと寒さへ向かって出掛けて行こうとしなくなりそう。

 

* 飲食の食に、気がない。元気になって来つつあるという実感が薄く、むしろ逆の感じ。

幸い、自作を読み返し読み返しして、いやな現実からあたかも身を避けている、逃避とまで言わなくても退避している。それが幸いとも有り難いとも思われる。そして「仕事」に向かう気概は少しも弱っていない、視力ばかりが損なわれていて、それが、困るのである。

2014 11・24 157

 

 

* 起 9:15  血圧136-66(56)  血糖値88  体重68.9g

2014 11・25 157

 

 

* 起 8:15  血圧136-70(66)  血糖値78  体重69.7g

2014 11・26 157

 

 

* 起床9:15 血圧135-73(61)  血糖値88  体重68.1g

 

* dell機故障が気になり、眠りにつき難く、寝床で校正ゲラを読み、最もの安静剤としてマキリップ『イルスの竪琴』第三巻ののこり四分の一ほどを払暁までかけて読了した。

この本は少なくも七度ほどは繰り返し繰り返し愛読してきたが飽きるどころか、読見返すつど、新たな発見と納得と不思議さに驚かされる。第一巻、第二巻は物語の展開であり、それでも、各所の表現にああそうだったかと驚かされるのだが、第三巻は緊密にいわば目のつんだ集中的な謎解きが巨大に進行し深化して行くので、よく心入れて注意していないと秘跡の見落としをしてしまい兼ねない、現に此度はよくよく静かに深くゆっくり読み進めていって、ああそうかという驚きに何カ所でも出会った。興味津々のうちに、普通の文庫本の百数十頁をも目を皿にして読み切った。

『ゲド戦記』のフィロソフイーとはやや異なるが『イルスの竪琴』という綿密な構成で仕上がった大長編も強い訴求力のフィロソフィを孕んで物語が怒濤のように、疾風のように進んで行く。哲学に味わいと強みがある。

これらに比べるとはるかな長編の『指輪物語』はただ壮大なファンタジーでこそあれ、フィロソフィで厳粛にさせる小説ではなかった。 マキリップの想像力は緻密で柄が大きく、世界の深層へもおおきくまた細密に及んでいる。構想に乱れが無いのに驚かされる。

今一つ、訳者の脇さんの日本語がおちついて周到な想像力を働かせている。脇さんは泉鏡花の研究者であって、このマキリップ本は脇さんから直に贈られたわたしの愛蔵本である。脇さんの最近を知らないが、元気かなあ。もう大昔、泉鏡花を語り合う座談会で会ってこのかた消息がない。幾重にもお礼が言いたいお一人である。

2014 11・27 157

 

 

* 起床8:30 血圧144-63(61)  血糖値93  体重68.9g

 

* 感冒様の症状で妻は昨日病院へ。わたしもかるく咳をするので、今日の歯科をキャンセルした。

 

* 日本酒が切れたので、とっておき、池宮さんロス土産の「Old Parr」の口を切ったのが、美味くて。酔うと寝てしまう。目のために酔いは良いと勝手なリクツをつけています。

2014 11・28 157

 

 

* もう眼が霞みきって、どうにもならない。

2014 11・28 157

 

 

* 起床8:30 血圧135-65(62)  血糖値93  体重69.2g

2014 11・29 157

 

 

* 起床8:00 血圧147-68(56)  血糖値90  体重69.6g

 

* 寒くなった。出掛けるのはもう今日ぐらいかなどと思いながら、いる。もう十二月になるのだと、妙に慌てたのが可笑しい。

:: 健康回復に自信が持てないでいる。なんとなく気弱になっている。健康に関しては「鬱」なのかもと妻は眺めているようだ、予定のある行動が気重くて踏み出せない。外出の要がないと、安心してしまう。今日も、結局午後の後半は寝入っていた。寝入れば眼はラクになる。眼がラクでないと仕事にならない。わたしの日々に仕事の割愛はできない。

 

* 寝入るのも、目疲れが一切因。視野が滲むので、行動にアクテイヴィティが発動しにくくなっている。すると、どう動くのかも、考えつけない。面倒になる。これは、病気鬱でなく、動き鬱なのだ。しかし、健康のためにもぜひ活溌に動いて元気にならねばならない、それは、明白。

寒ければ寒いといって立ち向かふ そうあるべしと思っている。 2014 11・30 157

 

 

* 鉢巻き拡大鏡の御蔭で、画面の字が大きく読める。いまはもう裸眼では、文字粒が乱・複視で潰れてしまう。なんとかなんとか工夫しながら「読み続ける」のがわたしの運というモノ。

 

* 疲れたな、やすみたいなと思うと、今は「OldParr」をストレートで、少しずつ少しだけ口にする。すると寝入って行ける 2014 11・30 157

 

 

*起床8:30 血圧136-65(61)  血糖値76  体重69.6g

2014 12・1 158

 

 

*起床8:00 血圧135-58(63)  血糖値90  体重69.9g

 

* 好天のようだったが外出せず、仕事と、休息の居眠り。「湖の本122」刷りだしが届いた。気になる私語の刻だけを読み返した。思い通り書けてはいたが、沙翁の「四大悲劇」が「四代悲劇」になっていたのは、わたしの迂闊な見落とし。

「選集④」の函装幀や別刷り前付が届いた。口絵写真、まずは遺憾なく入った。、

2014 12・2 158

 

 

* 九時半。階下へおりて、凸版への必要な郵便物を用意し、六日から始める「湖の本122」発送の予備作業に、明日・明後日の二日をうまく使いたい。

もう機械画面の文字は霞んで読めていない。キイを敲いているだけ。、

2014 12・2 158

 

 

*起床8:30 血圧149-66(56)  血糖値84  体重70.3g

2014 12・3 158

 

 

* きのう午後に一度、今日も同じ刻限に、きゅうーっと、ものの二、三分、腹の真ん中が痛んだ。痛みは緩解して何事もなかったが、実を言うと胃全摘そして胆嚢切除いらい、あんなに頻繁だった腹痛を一度も感じたこと無かったのである。もっと腹の具合はいつもいつも不安定で食欲も無い。無いからか定時の食事をなげてしまい、一日中少しずつとはいえ間食し飲酒している。よろしいことて゜は、ない。

 

* とても疲れた。明日一日を休み、明後日新刊「湖の本」を受け容れる。今夜もリーゼ服して熟睡したい。「華厳」をとにかくも校正し終えたい。もう機械のキーが読めない。

2014 12・3 158

 

 

*起床8:30 血圧149-66(56)  血糖値84  体重70.3g

2014 12・4 158

 

 

* 「糸瓜と木魚」を読みなから「明治」という時代を遠くから眺め返している。明治初年の画家たちが思い出される。おもしろい。

しかし、もう機械の字が読めず、機械に字が書けない。十一時過ぎ。

明日には「湖の本」新刊が出来てきて、もう試薬も「選集⑤ 冬祭り」再校ゲラが届いてくる。

もう建日子が渾身の劇作・演出の舞台も開幕している。

2014 12・4 158

 

 

*起床8:00 血圧159-80(57)  血糖値94  体重69.0g

2014 12・5 158

 

 

*起床8:00 血圧124-56(58)  血糖値89  体重68.7g

2014 12・6 158

 

 

* 本を一日扱って荷にし送り出すのは、まことに「重い」労働である。それだけの重量仕事ができるということに張り合いも元気も涌いてくる。

2014 12・6 158

 

 

* 起床9:30 血圧134-62(61)  血糖値93  体重68.0g

 

* 夕食まで、発送の作業。残余を、あえてして明日に持ち越す。「浦霞」ひとえに美味。烏賊素麺を肴に。

2014 12・7 158

 

 

* 力仕事で根気仕事、それが「湖の本」発送作業。疲れもきつい。明日も、つづける。明日中には、一応了というところまで行く。 2014 12・7 158

 

 

* 起床9:30 血圧127-51(63)  血糖値90  体重67.9g

2014 12・8 158

 

 

* 今日も午後の遅くまで発送の作業、予定していた全部を送り出した。体調を崩しかねないほど疲れ切った。

二階の機械の前へきても、居眠りし、はっと目覚め、しかし次に気付いたときはまた居眠りしていた。それが三度も続いて、仕方なく機械の前を退散した。

夕食も食欲無く、ほとんど食べられなかった。床について寝ようとしたが今度は眠れず、仰臥の姿勢で「墨牡丹」を何十頁か再校した。「糸瓜と木魚」も読み進めた。

2014 12・8 158

 

 

* 起床9:00 血圧132-63(54)  血糖値95  体重68.0g

2014 12・9 158

 

 

* 体調ととのわず、かなり重い疲労感と無力感に、食事も摂る気がしない。酒も入らない。睡るしかないか。

 

* と、謂いながら、書下ろし長編『あやつり春風馬堤曲』に取り付いて読み返し始めると、これはもえベラボーな「あやつり」物語が与謝蕪村の老境と絡み合いながら進行し、なんとも、やめられない、止まらない、よほどケシカラナイ妖艶の誘惑物語がしあがって行く。蕪村攷としては、でたらめな追及ではないが、「容姿嬋娟」「癡情可憐」の女子大生がからまってきて途方もなく宏遠なものがたり世界へにじり寄って行くようだ。この話なども、読める人と読み悩む人との差違はちいさくない。そして、これはわたしの創作の流れによほど早くに忍び入り、今日の新作へも流れ込んでいる、といわねばならない。

 

* 例年なら明日はたいてい歌舞伎座にいるのだが、この師走の歌舞伎には心もち縁遠く、強いて観劇を求めなかった。

どのように過ごすかは、健康も念頭に、明朝の思案に。

2014 12・9 158

 

 

* 起床8:00 血圧148-64(64)  血糖値103 体重67.8g

 

*朝、「浦霞」小酌 上煎茶で「とらや」羊羹一切れ 蜜柑 婚約以来五十七年を祝う。

2014 12・10 158

 

 

* 起床10:00  血圧136-71(59)  血糖値101 体重67.6g

 

*  今日中にもと、頑張って追加の発送を終えた。明日、もう少し、可能な限りを頑張ってみる。

2014 12・11 158

 

* 一日、午後から晩にかけて疲れと腹部の不快は深まる。「あやつり春風馬堤曲」がわれながら(あたりまえだが)面白く読めるのには気をよくしているが、不可解な曇り日のようなからだの不快は気持ち悪い。じつは二月にはぜひにも京都へという誘いを受けてきたが、お断りと決めた。今日は酒も飲めない。

そのかわり、ドラマ「ドクターX」には満足した。共感が過ぎるほどで、少しく苦しくさえあった。次回で今回のシリーズを閉じるようだが、一日も早く新シリーズを見せて欲しい。このドラマに先行した、Dfileの「クローザー」もシンドイ思いを強いるスリルに溢れていた。西欧のカソリック教会がらみの映像では、久しい各時代の歴史にからみついた聖職者たちのとてもガマンならない悪行がよく話題にされる。不快を覚えることが多い。

 

* もう十時半。もう一晩、はやめにゆっくり熟睡に入りたい、と言いつつ、昨夜も校正ゲラをはじめ、『眠れぬ夜のために』『箴言集』『アブサロム、アブサロム』『族長の秋』『南総里見八犬伝』『ダブリン物語』などに読み耽ってしまった。白行簡の興味深い漢文も面白く楽しんでいる。泉鏡花の『山海評判記』も読み切りたいと手放していない。

今夜はやはり『新蔵人』に手を出さずにはおれないだろう。

2014 12・11 158

 

 

* 起床9:30 血圧149-69(57)  血糖値106 体重68.3g

 

*  朝一番に、千葉の池田忠彦さんから過分のお見舞いを戴いた。恐れ入ります。

 

* このところ朝食後の気分がぐたりと凹んだ感じで困る。

 

* 夜前はやはり「新蔵人」を本文も絵巻も読み終え見終えた。六位蔵人級の中級貴族一家が帝とも関わって行く趣向の物語で難解でもなく高級でもない、平安・鎌倉期の物語や絵巻とはちがう。親しめて面白いと謂えば言える。

 

* なんともいえず連夜一克な難しい夢を見続けるので、それにも疲れる。

2014 12・12 158

 

 

* この師走はめったになく歌舞伎を観なかった。明けて正月も、どうやら席が難しいらしい、わたしの今の視力では好席とされる「とちり」席ですら視線が届かないので、予約した十五日をキャンセルし、成り行きに任せることにした。

じつは、いまも機械の画面はあまりに薄霞んで、とても疲れる。疲れはするが、ずうっと「あやつり春風馬堤曲」のおもしろさに惹かれて読み続けていた。此の作は雑誌にも載せず、書き下ろしの単行本にもせぬまま、創刊十年を記念の「湖の本」35巻にして読者へ贈った。その意味からもこれは読んだ方の人数はすくない。やがたの選集⑥で「糸瓜と木魚」「秋萩帖」と並んで、明治期、えどの天明期そして平安初期を書いた藝術家小説の競演になるのは、とても嬉しい。

 

* からだに生気がない。視野がクリアでないため、自然目を閉じていたくなる。それではハナシにならないので、やはり小説を読みに機械の前へ来る。

2014 12・12 158

 

 

* 起床8:30 血圧128-52(58)  血糖値103 体重68.1g

2014 12・13 158

 

 

* 起床9:15 血圧128-56(52)  血糖値101 体重68.3g

2014 12・14 158

 

 

* 起床10:15  血圧129-55(560  血糖値102 体重69.0g

2014 12・15 158

 

 

* 暫くぶりに歯医者へ行き、帰りに「中華家族」でマオタイを堪能して帰った。妻はカシューナツツだの酢豚だのビーフンなどを楽しんでいた。

2014 12・15 158

 

 

* 起床10:00  血圧138-65(58)  血糖値88  体重68.3g

2014 12・16 158

 

 

* 明日の診察、なんとなく物憂い。午後の予約だが、校正をたくさん持って朝早くから出かける。聖路加病院には、明るい食堂があり、静かな礼拝堂が二つもある。落ち着いた談話ないし休憩の部屋もあり、外来でも十分明るい。自作を静かにゲラのまま読み返しているときが、このところ一等気持ちも落ち着く。「墨牡丹」と「冬祭り」を持って行く。病院へ、診察を受けに行くというより、校正しに行く気分。解放されるのが午後何時になるか、見当が付かない。十時。今夜は、もう休息する。

2014 12・16 158

 

 

* 起床10:00  血圧138-65(58)  血糖値88  体重68.3g

 

* 九時前のバスで保谷駅へ、病院へ十時十五分頃着、生理検査を受け終えて十一時前。感染症内科の処方を受けたのが一時、これは早かった。二時半予約の腫瘍内科の診察を終えたのが四時、薬局で処方のクスリの出たのが四時三十分。

クラブへ五時過ぎに入った。

両内科の診察、検査ともに問題なく良好、それでも体違和の感覚に対応して一月二十一日、CT検査をときまった。よりリーズナブルな安心のためにも検査は、有り難い。今日、出掛けていって良かった。

 

* クラブではコニャックとシャンペン、ガーリック・ソーセージとエスカルゴ、そしてアイスクリーム。一日中の明き時間を「校正」にあて、「墨牡丹」読了、これで選集③を下旬の内に「責了」へ持って行ける。「冬祭り」も、もうナホトカ港へ入るまで。外出すれば、否応なく校正は進行する。時間が有効に活きてくれるし、機械でない分、目もすこしはラクである。

2014 12・17 158

 

 

* 起床10:00  血圧149-71(64)  血糖値104 体重69.8g

2014 12・18 158

 

 

* 起床9:00 血圧131-56(55)  血糖値95  体重69.2g

 

* 重苦しい体調、時刻の推移につれて加わる疲労感につきあいながら、「秋萩帖」を読み継ぎ、新たな書き下ろし長編「生きたかりしに」を書き継いでいた。口に入れて快いのは、いま、キリンん゛売り出した「別格」の飲料、ことに「鉄観音」をひえたままで飲むこと。腹具合が静かに治まる。

 

* もう宵ぐちから殆どまともな視力がない。ここへあれこれ書き入れるちからがない。少しでも少しでも先へ先へ「間に合う」ように、したい「仕事」に心身を投じたい。それだけだ。そういえば、東工大で井上靖の詩で「間に合う」ことについて学生諸君に考えて貰ったのを思い出す。

 

* 床に就いてから、裸眼を励まし励まし「冬祭り」の再校ゲラを読む。ハバロウスカから雨のモスクワへやがて飛びたつだろう。「冬祭り」を読んでいるとは、それ以前の殆どの、またそれ以後の幾つもの自作をまるで「食し」ているようだ。

「冬祭り」のゲラを置くと、次は鏡花の豪華限定本で、小村雪岱全挿絵の入った新聞連載初稿の「山海評判記」を嘗めるように読む。ま、すべての読者が支離滅裂、口から出任せの語り本と惘れるだろう。わたしもかなり惘れながらまるで譫言のような鏡花の凄みの日本語を堪能している。

そのあとは、はやく読み終えようと「八犬伝」馬琴のあくどいほど饒舌をときにウンザリしながら読み進んでいる。分厚い岩波文庫で十巻は長すぎる。達者の筆で五巻、せめて六巻に添削・推敲しうれば「最良の読み物」の一つになるだろう。

ついでジョイスのやかましい「意識の流れ」ものの『若い藝術家の肖像』とそれに事実上先行していた短編集『ブブリン市民』を退屈しながら読んでいる。「意識の流れ」と称されてきた、だらだらと、こまごまとした叙事叙景の垂れ流しをわたしは今のとわころ賞讃できない。二十世紀を打ち鳴らすように登場したと今にして言えるのは、ジョイスよりもはるかにカフカだと思われる。

このところ不幸にして、カミュほども魂にしみいる世界文学に出会えない。ひとつには翻訳の日本語が文学藝術に成れていないのでは。尾張の「鳶」はときどき佳い本をこれまでも奨めてくれた。また教えて貰おうか。

 

* 頼んでおいたスキャン原稿が妻からつぎつぎに電送されてきて、メールボックスにも一太郎にも溢れている。これらを四でよく校訂する仕事も大量になってきた。とても休んでいられない。

2014 2・19 158

 

 

* 起床8:00 血圧142-62(50)  血糖値85  体重69.5g

2014 12・20 158

 

 

* 十二月二十一日 日  七十九歳誕生日

 

* 起床8:30 血圧149-62(54)  血糖値91  体重69.2g

2014 12・21 158

 

 

* 朝いちばんに栃木の渡辺佳寛さんから徳島産、赤着ちゃんの拳大のみごとな苺を、吉備のご老人からは選り抜きの名酒二升で祝って頂いた。有り難う存じます。薬がわりの赤ワインそして佳いお酒で小さく乾杯し、蛤汁と赤飯で朝食を祝い、さっそく苺を一つずつ、また佳い茶を淹れ、京都から戴いていた大好きな柚餅を美味しく味わった。今日は、なんとなく外出も億劫、家でゆっくりやすみやすみ静かに仕事をしたい。

 

* 西東京市会議員選挙。妻と、足腰が痛いと言い合いながら投票所へ往復してきた。

 

* 「秋萩帖」が面白く運べている。おやおやこんなヒロインたちが現れるのか、懐かしいなと文字の見えない目尻をさげながら読んでいる。今日は郵便もこない。出向くのも重たい、「和加奈」からすこし美味そうに刺身の大皿でも取り寄せて酒を飲もう。睡くなったら寝よう。寝られなければ鏡花の美装本を読み上げよう、そうそう今晩は澤口靖子主演の特別番組があるはず。

2014 12・21 158

 

 

* 視野がまぶしくギラギラしながら、モノは見えにくい。左眼はやや黄濁して暗いがモノはほぼ真っ直ぐ見える。右眼はマッシロに眩しく、黄斑前膜はきれいに取れたはずなのに、縦線は甚だしく蛇行する。本の文字は、いまは裸眼でも読みにくく、乱視・複視が疲れとともにひどくなる。白内障をしゅじゅつすると明るくなるというのなら右白内障手術は成功しているのか。

何が何だか、分からない。

2014 12・21 158

 

 

* 起床7:00 血圧136-73(50)  血糖値98  体重69.5g

2014 12・22 158

 

 

* 朝はやくに聖路加病院へ。今日は内分泌・代謝内科もつまりは糖尿病の診察。検査結果良好、次回ははや花も盛りすぎたかという春四月下旬に。

 

* 朝からほとんど食べていなかったが。昨日はなにも誕生日らしいことはしなかったので、帰路、帝国ホテルでシャンペンで乾杯し、キールとパンケーキで、「冬祭り」の三章分を読み校正、すこし酔い心地で夕過ぎて帰宅。日本酒をもうすこし飲み、柚餅と、さくらの巨きな「もも苺」を一顆。

2014 12・22 158

 

 

* イヴの夕方に、歯医者へ行って、それでこの暮れの用事納め。あとは、書いたり読んだり組み立てたり、好きに楽しむ。片付け仕事などしない。したいことをして、もし少しでも片づくモノが在れば勿怪の幸い。

幸い、感染系、腫瘍系、代謝系、前立腺系、みなすこぶる好適な検査結果が出ている、それでも念のため一月二十一日には一年ぶりのCT検査を受ける。かるい貧血や増加きみの体重などマイナス要因も無くはないけれど、肝臓も、血糖値も、問題なく安定していると。改善せず、悪化を歎くのはただ視覚。なんとか、休み休みつきあうしかない。

出来る限り、仕事をしつづけたい。

2014 12・22 158

 

 

* 起床9:00 血圧146-69(53)  血糖値97  体重69.4g

 

*  気分的にゆっくりしている。眼の不調に伴う疲労感は抜きがたく外出の元気もない。

 

* 朝九時前のバスに乗り、帰宅が晩景という病院通いが相次いだので、よほど疲れた。幸い診察じたいは異常なく安心できたが、ほとんど食べずに半日を病院で過ごし、大方の待ち時間をゲラの校正で過ごすのはラクではなかった。ま、そういう日々であることは目下はやむをえぬことと思っているが。

明日の歯医者通いは残しているが、ほっこりと今、まあまあ冬休みかなあと安堵し、さっきから、また新規の論著仕事に手をつけ始めた。わるくない仕事になるだろう。

論攷に類する仕事を手がけるつど思うことがある。われわれの仕事は発見であるよりは、より以上に発明があるかどうかにかかっている。論点を切り開いて新たな視野を発見するに止まらず、創始発明しなくてはならない。おもしろい仕事とはそういうものかと思っている。「研究」といった文字からは門外に棲む人の大胆な発明が、どんな課題、どんな時代にもあり得る。思い返せばわたしのエッセイや論著も、みな一門外漢の発明仕事を心がけてきたんだと苦笑もする。大学のおそらく教授としても残れる可能性を持っていたが、抛つほどにその道は顧みず、小説家に成れたこと、今にしてしみじみ喜んでいる。

 

* それにしても輝度を2にさげても、機械の画面が眩しい。辛い。

 

* 明夕の歯医者が済めばいちだんと気持ちのらくな歳末になる。暮れ正月という暦には一切不作法に怠けさせてもらい、楽しむための仕事をしたり、買い物の街歩きを楽しもう、少なくも雑煮の味噌だけは買いに出る役目がある。毎年入手に奔走し閉口する「蛤」は、今年からは冷凍品の買い置きにまかせることにした。新門前の養家いらいの久しい習いがとうとう一つ失せる。

 

* 岡山雄町の名酒、また群馬の名酒「赤城山」 また近江藤居本家の「旭日・琵琶の舞・杜氏の舞・新嘗祭神酒の白酒・黒酒」などを次々に舌鼓をうちうち静かに戴いている。けっして鯨飲も暴飲も大飲もしません。しみじみと味わって楽しんでいます。さまざまな地方色の一夜干しや干物も戴いている。二刀流のわたしは酒の前後に上等の和菓子や銘茶も、果物も、うれしく味わっている。なにもかも量はすしずつ、果実、高級蛋白質、酒、甘味。このところわたしのそういう食事である。

2014 12・23 158

 

 

* 起床9:00 血圧000-00(00)  血糖値99  体重69.5g

 

*処方薬を請け出しにいったり、黒いマゴ正月にも掛かる輸液分を買いに行ったり、郵便局へ走ったり、故紙をまとめて出したり、なかなか忙しい中で、「和加奈」寿司がわざわざご馳走として運んでくれた鯛の兜煮を賞味して、栄養をつけた。

 

* 論著にはげみ、「秋萩帖」の読みにも励んで、このあとは今年最後の歯医者へ通う。

 

* 江古田でささやかなケーキを買い、帰りの電車まえに馴染みのスタンドバーで、わたしはウオツカのダブルを二杯それだけ、妻は赤ワインと鹿の肉料理。よく冷やしたズブロッカが素敵に美味かった。

 

* 帰って、ケーキを少しずつ、そしてパナマの紅茶。少し居眠りした。

2014 12・24 158

 

 

* 起床9:00 血圧129-65(52)  血糖値86  体重68.3g

 

* 心ゆるめて、階段を上がったり降りたり、上で下で好きな仕事をしたり居眠りしたり酒を飲んだりして過ごしている。機械ではもう何時間もピアノ曲や管弦楽や,かと思うと好き勝手に演歌や唱歌や同様が聞こえる。仕事の邪魔はすこしもしない。

それにしてもよほど衰えてきたものだ、漢字が正確に思い出せなかったり、書き間違いもいっぱいする。

困ったことに、先日送り出した「湖の本122」をお届けしますという挨拶のつもりが「122册」分、折り返しご送金下さい等と書いてしまっていたりしている。恐縮だけで相済まない。やれやれ。

2014 12・25 158

 

 

* 起床9:00 血圧130-62(50)  血糖値99  体重68.4g

 

*  昼前、駅前の銀行で払い込み、つけ込みなどの用を済ませ、西友で買い物して、帰る。けっこう疲れる。おそい昼食後にすこし寝入る。

2014 12・26 158

 

 

* 「和加奈」の寿司と肴とで、美味い酒を飲んだ。高麗屋から貰ったキリンの別格飲み物、また牧南恭子さんに戴いた「摺り下ろし林檎ジュース」がサッパリと美味しい。

2014 12・26 158

 

 

* 寿司の「和可奈」が煮てくれた鯛の兜煮がじつに美味かった。

今晩はお礼に寿司と刺身二人前を出前して貰い、酒の「赤城山」で美味しく食べた。

食後の湯ではヒルテイを読み、また後撰和歌集と拾遺和歌集の撰歌をゆっくり楽しんだ。浴室に強い照明を入れてあり、湯気の効果もあり裸眼で字が読めます。

このごろ八時のDlifeドラマを一時間ぼんやり観て楽しんで眼を機械からやすめ、九時からまたうまくすれば日付の替わる頃まで仕事をしている。

うまくすると、今日の西友での買い物で、暮れに池袋まで出て行く定番の買い物に出掛けなくて済むかも知れない。

だいたい、午前から午後へ疲れが溜まり、午後から夜になるとしっかり疲れるというのがこのところの常例。その疲れを少しでも減らしたい。ほんとはその為にももっと街へ出て歩いてこなくてはいけないのだが。

2014 12・26 158

 

 

* 起床8:00 血圧159-73(52)  血糖値94  体重69.0g

2014 12・27 158

 

 

* 暗い目を使いながら、『秋萩帖』を好調に「八の帖」まで読み進んだ。こんな懐かしい場面を創っていたんだと、ほろっとした。 2014 12・27 158

 

 

* 起床8:00 血圧136-66(62)  血糖値86  体重69.4g

 

* 小説世界に心身を浸して今日も過ごしている。疲れると、目先を変えて「繪」を語ったエッセイを次々に読んでいる、目がきかなくなるといつしか居眠りへ沈み込んで行く。なんと穏やかに心ゆくとしのせであることか。

正月のお飾りをこっちの玄関外にも、西の玄関外にももう飾った。あちこち干支の午たちにもお休み願って、未さんたちをお迎えする。繪も、あちこち、新しく掛け替えてみよう、玄関はやはり蓬莱山の長軸が佳いだろう。松篁さんの鷺のうつくしい「ゆき」をわきへ並べてみようか。ものでひっくりかえっているけれど、せめて雑煮を祝う間はめでたい掛け物を掛けようか。

2014 12・28 158

 

 

* 起床9:00 血圧141-62(55)  血糖値84  体重69.7g

2014 12・29 158

 

 

* 起床9:00 血圧141-62(55)  血糖値84  体重69.7g

2014 12・30 158

 

 

* 起床8:00 血圧147-63(47)  血糖値85  体重69.7g

2014 12・31 158

 

 

* 爪は切ったし湯も使ったが、鬚もあたっていない。元朝のこととして。

 

* こんなに、なにげもない穏やかな大晦日は珍しくも有り難く。どうか、誰のうえにも来る年の平安を心より祈る。

2014 12・31 158

 

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