* 起床8:00 血圧 159-74 (76) 血糖値100 体重 62.4kg
* 安名尊(あなたふと 催馬樂)
あな尊 今日の尊さや 古(いにしへ)も はれ
古も かくやありけむや 今日の尊さ
あはれ そこよしや 今日の尊さ
* 令和二年元旦の鐘を、京都知恩院の大釣鐘で聴いた。明けまして、おめでとう。平和な一年でありますように。
2020 1/1 218
* 賀正 快晴というべし。日ざし明るい狭庭に目白か、小鳥も。「マ・ア」も元気。
* 朝十時。帰ってきた建日子らを迎えて、祝い雑煮、乾杯。
妻や建日子らは初詣に。私は、失礼。寒中の長蛇の列を避け、何れ静かに一人で参拝かると、去年より決めた。
* 年賀状、今年も私宛五、六十もあったか。
私自身は何十年らい年賀状のために暮れの時間を塞ぐのを、一切避けさせて貰っている。返礼も失礼させて貰っている、「私語の刻」そして「仕事」ないし休息に、全て思いも時間も傾けている。
* こまかな朝早やな校正で、もう眼が霞んでキイの字が見えない。
* 七時半、建日子ら加わり、昼以来、談笑、頂戴物の名酒、呑みに呑む。
わたしは妻が用意の煮しめのほか、建日子が持参し呉れた「イタリアンお節料理」とかには殆ど手が出なかった。丸餅二つ、そして山の物の子芋・大根に、海の物の昆布出汁、削り鰹の、朝一番の白味噌雑煮で、十二分、それ以上は食欲が出なかった。
2020 1/1 218
* 起床7:45 血圧 148-62 (60) 血糖値86 体重 62.2kg
2020 1/2 218
* 起床8:15 血圧 138-74 (66) 血糖値107 体重 62.8kg
2020 1/3 218
* 起床7:45 血圧 154-76 (70) 血糖値105 体重 62.2kg
2020 1/4 218
* 起床9:15 血圧 175-78 (60) 血糖値105 体重 62.1kg
2020 1/5 218
* 怪我かなにより怖い。わたしはいま、冗談でなく 起ち居に全身でよろめく。危ないと思う。自転車での滑走は平気なのに、停まって、下車のときなど脚が働かず、転倒しそうで危ない。歩いてても躓く危険は日増しに増している。慎重に慎重に気はを付けているが。
2020 1/5 218
* 次々の「湖の本」のため原稿を用意していて、危ない事故に遭い、思い切って身を捨てるほどに処置し、辛うじて今は回復してくれている。おかげで、用意 した大量の原稿を、消去するしかなかった。また最初からやり直さねばならぬ。やり直せるのなら幸いとしたい。断崖絶壁に沿って幅一尺の桟道を践んでいるよ うな機械の危なさ。致し方なく、なんとかなんとか顛落せぬように歩み続けている。坂倉健教授に教わったとおり、この機械はむしろそうは感嘆に壊れないんで す、無数に編まれた蜘蛛の巣の道を如何様にも通り抜けて回復するんですというのょ信頼し、諦めないようにしている。
* もう今日の機械はとじましょう。目も胸も疲れました。
2020 1/5 218
* 起床9:15 血圧 149-76 (71) 血糖値90 体重 62.9kg
2020 1/6 218
* まだ九時半だが、とても睡い。今日の私は、おおかた十三世紀「承久の変」前夜をさまよい歩いていた。不快に気の重いという彷徨ではないが、しんから疲れた。そのうち十二世紀へ、さらには奈良時代から平安初期への道をそぞろぎ歩くことになる。我ながらヘンである。
2020 1/6 218
* 起床9:15 血圧 149-76 (71) 血糖値90 体重 62.9kg
2020 1/7 218
* 七草粥の雑煮を祝った。
* 世界のニュース、国内のニュース、それにテレビ・コマーシャル。みな不快。私に、頑なありや。いやはや。
2020 1/7 218
* 「湖の本」148 この二十三日に納品できると。ウーン、かなり体力的にきついので、めったになかったことだが、二十七、八日にしてもらえまいかと折 衝しています。「発送」用意は、「発送」作業よりも細かな仕事が多般にわたって、ウカとすると、前回のようなご迷惑な「しくじり」をしてしまう。
何にせよ、注文の郵送封筒が届いたので、明日から「ハンコ捺し」にかかる。各種の「挨拶」にバカな誤記を繰り返せない。宛名印刷も、謹呈先の思案や宛名書きもラクでない。150回近くも、34年も二人でし続けてきた。
* 「湖の本」149 の入稿用意にかかり、かなり進め得た。ただ。視野が霞んで半ば失せながらの原稿づくり、疲労の度は増す増す、で。それでも、佳い一巻一巻を作り続けたい。坐っていて出来るのだから有り難いとも云える。
それにしても、暮れから七草の今日まで、よぅお呑んだなあ。
2020 1/7 218
* 正月八日 水 祝・建日子誕生日
* 起床8:30 血圧 153-75 (66) 血糖値94 体重 62.35kg
2020 1/8 218
* 起床9:00 血圧 146-71 (78) 血糖値99 体重 62.8kg
2020 1/9 218
* 近くのセイムスへ「マ・ア」の砂など買いに行く。砂は重いので、私の自転車なしに妻が独りの手では運べない。ついでに二三日切れていた日本酒を買い、戴いた「甕覗」の青磁の明き甕へそそぎ入れ、着いていた小さな柄杓で戴いている。柄杓酒、なかなか。
* メール便の「私語分類19」を無事に保存してゆく作業、わたしのアタマもずいぶん捩れてきていて、簡単そうな作業にかなり戸惑い、まだ半分に間がある。こんな作業をして戴いて、有り難い極み、お蔭で、「湖の本」への段取りも建てられる。
十時まえ。もう目が見えていない。よく働いたとと思う、今日一日。寝床のらいとだと、もう少し本が読める。『選集32』の校正も出来るか。
* 一つ、もう一年近くもなっているか、右脚の足首から10センチほど上の「骨(と感じている)」部にかすかな負担痛があり、無くならないで感じ続けている。歩行に問題ないのに、起ち居や階段の上がり降りに負担痛らしき違和を覚えて気味が悪い。骨折などしたくない。整形外科へ行くほどとも思われない、歩く文には、自転車でも故障はなにも無いのだから。
2020 1/9 218
* 起床7:10 血圧 152-78 (54) 血糖値94 体重 62.25kg
2020 1/10 218
* 十日には小豆を煮て善哉を食して祝う習い。朝、その通りに。しかも、
2020 1/10 218
* 二十八日の「湖の本148」納本までに、病院・医院へ三度通わねばならない。煩多な送り用意のアレコレも 油断無く捗らせながら、『選集32』の初校了・要再校にも達しておきたい。
忙しいとは、ヘバッテるヒマはない、ということ。とはいえ、ぐたっと疲れている。すこし横になり、昔々の若書きの『初稿・雲居寺跡』を読もう。
すくなくも あの五月蠅かった「新潮」が一字一句にも注文を付けなかった『蝶の皿』や太宰治賞選者満票の『清経入水』より、一段と若い早い時期の、ひた すら小説が書きたい書きたいで書いていた未完の「草稿」だけれど、今の目で見ても、なんという瑞々しい清々しい筆致で描写し表現しているかと我ながら呆れ るほどの思いがある。「愛着の作」と自身に言い聞かせられるほど、小説の文章がもう存分に書けていて、読み替えしていて懐かしい。しかも、いかにも私なり の超現実、シュールの時空が彫刻されている。あの時期時代の、そして現在でも、この私の作は、異様に孤立していると評された『清経入水』らの一卵性の兄弟 と見える。身辺の些事を書いての私小説型リアリズム時代だった、あの頃は。まさに私の作風は中村光夫先生の評されていたように、異様なまで孤立していた。 「作家さよなら」と手記して、作家世間に入り交じるのは止そうと思ったのはムリなかった。常態は、ずーっと続いて、私は「群れを嫌い、拘束を嫌い、権威を 嫌」って、あたかもフリーランスの作家になった。必然の成り行きだったなあと、未完成の「初稿・雲居寺跡」は納得させる萌芽を見せている。
* まだ八時前だが、目はもふ潰れている。機械を離れる。
2020 1/10 218
* 起床8:50 血圧 141-78 (65) 血糖値107 体重 61.45kg
2020 1/11 218
* 三月の歌舞伎座、二月の松本紀保の芝居、予約が出来た。芝居と病院・医院とが、私の外歩きの機会。あとは数分の往復で足るような郵便局への投函、セイムスでの「クスリ」買い。
* 自転車でハガキを出しに走り、どこかの店で校正したいと思っていたが、どう走っても近隣にそういう店がなく、不用意にラーメン屋に入ってしまい、これが合わず腹ごと疲れて帰り、横になって『戦争と平和』一を読み終え、園頼三先生のエッセイを少し読み、そのまま七時半までも寝入っていた。眠るのはいいことと自身に言い聞かせている、なにより眼をやすませてやれる。
* やすませた眼をまた酷使し、ここ十日ほど掛けていた「湖の本149」入稿原稿の用意を、あらまし終えた。これで「148」発送用意に集中できるが、新しい創作・小説の一つに、山・川そして海の道
を構想していて、本腰を入れねば相撲にならない。
2020 1/11 218
* 起床8:50 血圧 130-64 (60) 血糖値90 体重 62.0kg
2020 1/12 218
* がまんづよく、郵封筒に、わが住所印や謹呈印などを捺して行く。二箱400枚も捺すと手先が痺れる。何日かかけて捺し終えるのが無難。今日は、正月に 京都市内を走る全国女子駅伝を聴きながら。町並みがそれはもう懐かしく、しかも「京都」の女子達は伝統的に強く、今日も、あれれどうかなと案じたが悠々優 勝しました。拍手。
2020 1/12 218
* 起床7:30 血圧 146-67 (56) 血糖値92 体重 61.7kg
2020 1/13 218
* 起床8:00 血圧 136-66 (57) 血糖値84 体重 62.0kg
2020 1/14 218
* 起床9:10 血圧 133-64 (75) 血糖値96 体重 62.0kg
2020 1/15 218
* 十五日の小豆雑煮を祝った多々。
* 幸いに、昨日、今朝の、体調を示す数字はほぼ落ち着いている。この辺を維持したく、体重はいま少し減らしたい。増やしたくない。
脚のとはなく、むしろ上体に、よろっと崩れる瞬間を感じている。これが安定すれば、乗り物での少しの遠出は出来るかも。京都府文化賞の会が、今少し暖かい時季だと思い切って行きたいのだが、たぶん宿の斡旋は府がしてくれるだろうし。
* 昨日、大阪の河野能子さん、京の、大好きな「御池煎餅」を下さった。関東の堅い武骨な煎餅とは大違いの京菓子。
2020 1/15 218
* 起床8:20 血圧 148-68 (65) 血糖値103 体重 62.05kg
2020 1/16 218
* 今日、初春大歌舞伎の夜の部を楽しむ。和やいだお天気ですように。
* もう正月は過ぎた。堅実に着実に生き延びる地力を持たねばと願う。
* 有楽町のビッグ・カメラのソニー店で。まるまる16年愛用し、たくさんな気に入りの風景や花など映してきた「コニカ・ミノルタ」のディマージュX50 のいよいよの寿命を案じて、新しい、やはり軽い小さなカメラを買った。さ、愛用に耐えてくれるか、新たな付き合いを始める。
* 歌舞伎座夜の最初は「義経腰越状」のうち『五斗兵衛三番叟』を白鸚のなんと初役で。以前に、弟吉右衛門の悠々とした酔狂を観ていた。白鸚、初役などと 想えない律儀にして愛嬌・愛想をにじませた佳い意味で楷書くずれの五斗兵衛を呑みかつ舞ってくれた。二列真中央の絶好席で私も乾杯した。
五斗兵衛とは五斗の酒にも負けぬ意味もあり、しかし、義経の軍営に軍師役として招かれお見えの席でもあるのだ、本姓は「後藤」で、この後藤氏はのちのち に武士の魂と謂われた刀剣の飾り三所物などを明治維新に至るまで一手に引き受けた後藤祐乗らの祖先に当たる。そしてさらにはこの後藤家はこの私の実父方に あたると長編『老いのセクスアリス 或る寓話』で明かしている!
* 中幕は、猿之助と團子での「連獅子」で、去年の暮れに感動した幸四郎・染五郎父子のみごとな「連獅子」に感嘆したに負けないすばらしいデュエットで、妻も私も大いに楽しんだ。
* 大切りは三島由紀夫歌舞伎の快作「鰯売恋曳網」を父勘三郎の衣鉢を着実に受け継いで行く勘九郎と七之助兄弟が軽妙・軽快、あざやかな芝居で笑わせ楽し ませてくれた。先代勘三郎を喪ったのはわれわれの歌舞伎体験での最大級の悲歎であったが、遺児の二人がなつかしい俤を感じ取らせてくれる。頑張れよと拍手 を惜しまなかった。
* 日比谷のクラブへ直行、なんだかシャンペンやワインの御馳走にもあずかりながら、「なだ万」の弁当やとびきり美味いスモークサーモンなどで、ほっこりと寛いだ。
今夜は電車で十二時に近くなって帰宅、おとなしく留守をしてくれた「マ・ア」にも、土産あり。,
2020 1/16 218
* 起床7:30 血圧 153-82 (62) 血糖値99 体重 62.4kg
2020 1/17 218
* 機械を離れて起った瞬時、右脚の足首上 15センチほどに脱力を感じた。冷えている。
2020 1/17 218
* 起床9:15 血圧 155-73 (66) 血糖値104 体重 62.8kg
2020 1/18 218
* 起床7:30 血圧 155-74 (70) 血糖値104 体重 62.7kg
2020 1/19 218
* 午後にもすこしは歩きにでたかったが、妻が出かけるはずお午食の婆会が流れたというので、わたしも家でせっせと校正していた。
夕刻には建日子が顔を見せてくれるという、酒を切らしているが、クルマだというから、よしよし。
* 夕食しながら大相撲を今日の打ち止めまで観て、しばらく話して、明早朝の大垣行きの仕事とかで、建日子、都心へ戻っていった。血糖値が案じられると か、からだ、くれぐれも大切にするように。建日子も五十になる、似た仕事とはいえ、だからこそ仕事のタチも仕方もちがうので、なにかとおやじとの対話は鬱 陶しくもあるだろうと可哀想に思うが。せいぜいカーサンに甘えてやって欲しい。
また、元気に顔を見せに来ておくれ。
2020 1/19 218
* 起床8:00 血圧 159-76 (54) 血糖値87 体重 61.6kg
2020 1/20 218
* どこへどう行けばいいか、見当だけはついた先へ、妻のお使いで自転車に乗った。行きは失敗、迷いながら大回りした。
用は足せて、そこは中ぐらいな市場でもあり、酒もふくめ手当たり次第之肉や魚などを買って、帰りは昔々から心得た馴染みの道を通って帰った。自転車は、らく。帰って、大相撲みながら夕食。
湯を遣って、明日は、聖路加病院一時半の内分泌科、一時間く行き検査を受ける。雨でないよう願う。寄るところもなく会う人もなく、おそめの昼食を何処か でして帰るだけか、ほどほどの嵩の校正刷りももっている。電車が空いていたら、ふらーぁっと乗り回してもいいが、せいぜい山手線しかないし。
2020 1/20 218
* 起床6:50 血圧 123-64 (66) 血糖値107 体重 61.25kg
2020 1/21 218
* 六時に目覚めた。十時半には聖路加病院へ向かう。検査もふくめ、診察時間にまで余裕はある。『選集32』の巻頭に最新作として収める『花方』の初校読みを終えてきたいが。
寒いけれど 幸い好天。
「湖の本148」発送へあと一週間の余裕を適切につかいたい。用意は未だ万全ではない。
買ってきた写真機の使用法がまだ読み取れていない。撮影できても、パソコンへ取り込む方法が手に入っていない。
* 聖路加内分泌(糖尿)科の診察日一日早くに間違えて出向いた。幸いに今日も同じ医師の診察日であり、割り込ませて貰えた。なんで、間違えたか。ガックリ。
院内で、今日も、林田副院長とパタッと出会い、ハグして久闊を叙した。
検査テ゜ータは全体に医師もおどろく宜しさで、血糖ももとより、肝も腎も問題なくキレイであったらしい。よしよし。
朝にビスケット二枚ほど食べただけだったが、どこで食べて帰りたい気もなく、ペットボトルの茶を半分ほど呑んだだけで家に帰った。好天だったが寒かったこともとびきり。
2020 1/21 218
* 起床7:45 血圧 123-66 (68) 血糖値105 体重 61.0kg
2020 1/22 218
* 妻より先に逝きたいが、孤独に妻を歎かせたくもない。もう日々に、生きの課題は死ぬになってきた。顔を振り首を振り、たしかな仕事をしながら気を励ましたい。
* 気疲れしたか、夕食後に潰れるように横になり十時半まで寝入っていた。メールも来ていない。機械を消し暖房も消して、今夜はもう休もう。寝入ってたお蔭で、この時間にウソのように視野は明るく澄んでいるのだが。
* そんなことを謂いながら、建日子に貰った静かなジャズ・バラードに誘い込まれるようにもう日付の変わった迄もモノわ書き続けていた。もう、やすもう。
2020 1/22 218
* よく寝たような、寝足りないような。寝入ると視力がラクという言い訳が出来ている、今の私には明るい視力はなによりの賜物なのである。
2020 1/23 218
* 起床8:00 血圧 142-76 (65) 血糖値106 体重 62.1kg
2020 1/24 218
* 『選集 32』の創作部分全部の「要再校」ゲラを送り出し、巻に添えての「跋文」途中から、江古田二丁目まで約束の歯 科へ妻と出向いた。五時、中華家族で永年飲み続けてきたマオタイのいよいよ最期のグラスを飲み干してきた。もう、この東京で私のためにマオタイ酒を飲まし てくれる店は絶無だろう、じつに残り惜しかった。55、6度もあろう、世界一美味い酒と思ってきたが、もう手に入らないと。井上靖さんらと中国招かれて いったときは、どんな宴会でもマオタイが出た。あれは何処でだったか一度わたしは酔いつぶれたこともあった。今は中国政府は宴会用の他は輸出を止めている とまで聞いている。
2020 1/24 218
* 起床8:00 血圧 142-76 (65) 血糖値106 体重 62.1kg
2020 1/25 218
* :今朝は痛いほど手先が冷たい。マウスを持つ右手にだけちっちゃな子供ののような柄の手袋を嵌めている。素肌の左の、冷たいこと。
* 午過ぎて三時間ほど機械の前で寝潰れていた。
2020 1/25 218
* 起床8:00 血圧 142-76 (65) 血糖値106 体重 62.1kg
2020 1/26 218
* 起床10:00 血圧 153-76 (61) 血糖値99 体重 62.8kg
2020 1/27 218
* 寒い。今日はなぜかからだが揺れる。自転車の用があって、走るのは何でもないが、乗り降りに揺らぐのが危なかった。
手が冷たい。
* 落ち着いて、過去作の全部を 妻が発起念願の『選集』で、一つ一つ、心穏やかに読み返して楽しめる日々があるだろうか。谷崎潤一郎にそんな願望を聞いた覚えがある、が、その余裕がお有りだったろうか。
* 夕食後 ダンス映画「ロシュフォールの恋」を観ながら、観終えずに寝入っていた。
* 明朝からの力仕事に備え、早寝しようかと。と、思いつつ、ふと、心惹く新しい仕事にも手をつけたみた。
2020 1/27 218
* 起床7:45 血圧 150-81 (71) 血糖値87 体重 62.8kg
2020 1/28 218
* 八時半の雨中、「湖の本 148」着。 さ、労働の開始。
* 六時過ぎ。
かなりガンバッた。胸苦しく、ニトロも一度含んだ。胸部の芯、胃全摘のあと、食道と十二指腸を直かに結び繋いだ辺に固い圧感がある。
目もよく見えず、疲れは加わる。しかもガンバッた分も、雨のため集荷に来てくれず、大方は明日へ延期と。ま、お天気には逆らえない。
* 午前は国会審議も聴いていたが、安倍自民党総理のムチャクチャには惘れ返るのみ。イヤ!!
* このまま、今晩は遊んでしまうか。休むか、もう少し粘ってガンバルか。佳い映画でもあると気が晴れるのだが。
ま、ガツガツはしないでおこう。
* 二時間近く、気ままな「読み・書き」仕事をしていた。「読み」「書き」そして「読書」が私の「仕事」。「休息」でもあり、幸せなことだ。
* 「鑑定団」を観ていた。香月康夫(?)の佳い繪、虚子の佳い句と書を観た。虎徹の剣には真価が窺えなかった。ニセモノだった。
* 視力の衰え 甚だしい。もうなにも出来ない。
2020 1/28 218
* 起床7:45 血圧 150-81 (71) 血糖値87 体重 62.7kg
2020 1/29 218
* 起床7:30 血圧 157-81 (64) 血糖値110 体重 62.0kg
2020 1/30 218
* 暁けまえの五時半ころから眠れず、床の中で(記憶力をたしかめる意味で)天皇126歴代を思い出したり、百人一首を50以上思い出したり、新しい創作のタネをまさぐったりし、七時半には床を出た。二階へ上がると、昨夜のママに機械は働いていて、部屋に電氣も暖房もついていて。老耄は、着々と私を蚕食しているよう。
* 昼すぎ ともあれ予定の「湖の本 148」 全発送を終えた。
2020 1/30 218
* 起床9:30 血圧 147-77 (66) 血糖値110 体重 62.2kg
2020 1/31 218
* 中国武漢に発症したらしい新型コロナウイルス感染症が世界的に猛威を振るい始め、日本国内にも、東京にも感染者が出ている。的確で敏速な 愛のある政策で防禦に努めて欲しい、個々人の用心ももとよりだが。
* 体調宜しからず。 席を確保してもらい楽しみにしていた松本紀保さんの芝居も、辞退することにした。招待の来ていた俳優座早野ゆかりさんの芝居も、い ちどは行きましょうと返事しかけたが、辞退した。天候の乱調にまきこまれ体不調を倍加させてはならない。
七日には聖路加腫瘍内科でのさらに新たな検査を受 ける。
* 「湖の本 149」の初校が組み上がって届き、放っておく気になれず、校正し始めている。内容が気に嵌って興深いので、あれれという間にはかどるだろ うが、数のキマリの「湖の本 150」をどんな創作で満たすか、これは容易ならぬ難関である。材料がないのでなく、実は幾つも有って気迷いというムダ時間 を心して警戒せねば。
追いかけて、間もなく『選集 32』の再校分もどさっと纏めて飛び込んでくる、これは大量で、時間を要する上に、
ここまで来た以上 予定完結の「第三十三巻」を腰を据え腹を決めて編輯にかからねばならない。相当に骨が折れ、気疲れしそう。体調との闘いにも負けるわけに行かぬ。
なにより、恥ずかしい、ウソ出来のヤッツケ仕事は決してしてはならない。続けて、同題、二種類の
韓国ドラマ「心医 ホ・ジュン」を心して見続けている。すくなくも創作の姿勢としてあのユ・ウィテ先生と弟子ホ・ジュンとの及びも付かぬ精神と医の技術とに敬意を覚えつつ、気分として真摯に「後続」したいと願う。「ニゲ出す」わけに行かない。
* 太宰賞での先輩加賀乙彦さんからエッセイ『わたしの芭蕉』句鑑賞の一冊が送られてきた。加賀さんは私より六歳の年長、昭和四年生まれ、九十歳に成られ たろう。この歳で新しい仕事で本の出る書き手は少なかろう、よく知らないが。ご健康で、お元気に「前」を着々歩いていて欲しい、ついて行きたい。
* 「秦 恒平・湖の本」に歌誌「広告」を載せて欲しいという、創刊三十四年にして初の奇抜な希望が寄せてこられた。夢にもそういうコトは思い寄らず、その気なく、もう目前に「第150巻」の出版が手招きしている。
* 一昨年九月五日に亡くなった愛おしい「黒いマーゴ」の愛用していた柔らかな毛のトヤを持ち出してきたらいまの黒い「マコ」がまっさきに入って丸くなって寝入ったのには、ほろっとした。
2020 1/31 218
* 明日から、もう二月。「述懐」を寄せて古人の歌などもえらび、写真も気の晴れる色花や、ちょっと自慢の、柴又帝釈天境内で「偶然に」「咄嗟に」とらえた、「かくれんぼ」の鬼さん少年らの瞬間を選んでみた。柴又、もう一度行ってみたいなあ。遠いなあ。
しきりにまた行きたいところが思い浮かぶ。上野と浅草を懐かしむ。博物館、西洋美術館、寄席。食べ物では浅草の米久、上野の天ぷら、静養軒や西洋美術館 内のすいれん。鶯谷駅前の蕎麦の公望荘が無くなったのが惜しい。もう十何年も新幹線に乗ってない。窓から富士山が観たい。京都へ帰りたい。「マ・ア」に留 守番はさせられず、杖をついてもゆらゆらのわたし一人では、やはり危ない。やれやれ。
2020 1/31 218
* 起床8:30 血私圧 144-78 (55) 血糖値100 体重 63.0kg
2020 2/1 219
* 今日は、ことに寒い、25度にもした暖房が利いてこない。
* 体調を危ぶみ、せっかく座席を確保して貰えた松本紀保の芝居、また招待してくれた早野かおりの芝居も、辞退、遠慮させて貰ったのは残念。しかし今、雑沓へは出ないでとのドクターストップは拒みにくい。病院通いだけは余儀ないが。
2020 2/1 219
☆ 秦 恒平様
「湖(うみ)の本 148 濯麟清流 (四) 読み・書き・読書」を拝受しました。
インフルエンザに加えて新型コロナウイルス、免疫力低下の高齢者には厳しい状況です。お互い気を付けましょう。 令和2年2月1日 濵 靖夫拝 (妻の従弟)
2020 2/1 219
* 起床9:00 血私圧 171-84 (58) 血糖値93 体重 62.9kg
2020 2/2 219
* 起床8:15 血私圧 177-79 (58) 血糖値105 体重 62.1kg
2020 2/3 219
* 私家版本が今日も一冊届いた。題して『幸福の絆』と。速読して手厳しい感想をもったが、奥付には住所しかない。手紙を書いて投函しにゆく元気は乏しく、願わくはメールアドレスが有ればすぐにも感想が言えるのにと、いつも思う。
感想を書き、ちょうど『濯鱗清流 読み・書き・読書』を出したばかり、送ってあげたいと思ったが、ついつい、億劫に。
郵便手紙を昔から億劫がって ハガキすらめったに書かない人なのです、私は。ご無礼ばかりしている。
* 九時前だが 疲労しつくしている。もう機械の前には居れない。瞼も重い。
2020 2/3 219
* 起床8:15 血私圧 141-68 (58) 血糖値101 体重 62.0kg
2020 2/4 219
* 起床8:15 血私圧 124-64 (62) 血糖値100 体重 62.35kg
2020 2/5 219
* 根をつめた仕事して。疲れて。宵寝して。晩の映画、遠い遠い記憶のママの「OK牧場の決闘」を観た。なによりも眼が疲れ切っている。
2020 2/5 219
* 起床10:10 血圧 130-58 (60) 血糖値87 体重 62.3kg
2020 2/6 219
* 東村山の写真家近藤聡さん、名酒一升下さる。このところ、北越光明寺さんに頂戴した名酒「甕覗」の美しい青磁の「甕」にお酒を満たしては、小柄杓でお 酒を賞美堪能している。瓶からのなま注ぎより格別の風情で、小柄杓ゆえ存外に量も控えられている。柄杓の、ふと甕にふれて鳴る色佳さも楽しんでいる。
2020 2/6 219
* 実は今 私の頭と時間を所有しているのは「湖の本」「選集」「病院通い」のほか、幾つかの創作の「芽」を飼うことにまじって、明治の元勲山縣有朋とい うややこしい「人」なので。私のなかへ住まいを得るなど「とんでもない」遠い人物なのであるが、ひょこんと、しかも影濃く跳び込んでこられて動かない。仕 方なく、わたしは「尾張の鳶」さんの京都行きを煩わしてすこしでも情報が得たいと頼んだばかり。
なにやら気ぜわしい老人になっているものです。眼が、もっとすっきり見えると助かるのですが。
* 入浴したが、気分わるく危険を感じたので出て、温かくし休息していた。明日は、聖路加病院の腫瘍内科検査と診察。少なくも診察前一時間には検査を受けねばならず、朝が早い。一時頃には解放されたいが、諸事剣呑の時節、異状さえなくば素早く帰ったが良いか。
今晩もはやめに寝入りたい。眠るのは、悪くない、すくなくも視力のために。
2020 2/6 219
* 起床7:00 血圧 148-75 (60) 血糖値72 体重 62.7kg
* 最近になく血糖値が低かった。体重はむしろ堅調に伸びようとしている。食欲が増したというではないが、時に空腹を感じ、なにかしら食べたいと思っていることもある。美味いという実感はほとんど無いのだが。
2020 2/7 219
* 十時半まえに尿を含む血液等検査受け終えて、一時過ぎに腫瘍内科の部長診察。検査結果に、在来一桁の「癌マーカー値」が一気に数十を超える高水準に なっており、来週半ばと再来週前半の二度、広範囲考との検査を要することとなった。胃全摘手術が2012年2月だった。以来まる8年、安心もせず特別不安 にも思ってなかったが、なにかあるなら有る時期ではあるがと思ってはいた。落ち着いて検査に臨むだけのことと。
* 今日は新富町で下車位置を間違えて、聖路加までよほど歩いた。生理検査のあとの待ち時間も三時間ほどかかった。更科蕎麦でかるく昼食、一合の酒をのみ、どこへも寄らず帰ってきて、「心医 ホ・ジュン」を感動してみた。
2020 2/7 219
* 明日には、『選集32』の再校が出そろってくるという。「湖の本 149」の再校も追っかけてくる筈だ。『選集 最終巻』の編輯入稿が目前のも急務な ら、「湖の本 150」の原稿づくりも目前の急務。予感した通り、気忙しい二月三月になる。今の実感では俄かに、体が崩れるという予感は無いのだけれど。 ま、楽観はいいとして、油断はしない方がいい。
2020 2/7 219
* 起床7:45 血圧 155-74 (78) 血糖値85 体重 61.75kg
2020 2/8 219
* 起床8:15 血圧 139-71 (68) 血糖値129 体重 61.3kg
2020 2/9 219
* 『選集』零校の赤字が(主に読み仮名付けだが)莫大に多くて再校ゲラで確認するのに凄いといいたいほど手間が掛かり、昨日終日、今朝も続行して、まだ 相当な頁が残っている。これを遣りきって初めて再校作業になる。信じられないほど嵩高い一巻になるが、ちょっとこれまでのお行儀のいい一巻一巻より型破り な面白みももちそう。とにかくも、これを校了するには全部を丹念に間違いなく読みとおさねば事は終えない。
十二日早朝に一次のカメラ検査を受け、二十四日には通常の前立腺診察、翌二十五日に更に何種かの二次検査を受けたあとに診察・診断がある。つまりは、二十四日までにこの厖大な『選集32』を「責了ま」で持ち込んでおきたい。
たぶん「湖の本 149」の再校出も逼っていて、この通読再校は妻を煩わさざるを得まい。
問題は、なんとか無事に『選集』も「湖の本」も「送り出せる」か、だ。
更には、『選集 33』という最終巻の編輯と入稿という難しい作業がある。「湖の本 150」という切り目の入稿も、見当はもう付けてあるが、原稿が仕上がるか、実はこの原稿づくり作業がほとほと手間がかかる。
妻の、二台も持った私のよりずっと新しい機械が、二台とも「字が書けない」などという故障を起こしていて、それでは、どう手伝って貰いようもない。単純に一太郎でひらかな字が書けなくなる、なんてことが信じられないのだが。
* 「選集 32」のものすごいほどの赤字を、再校ゲラで尽く点検し終えた。一日かかった。あとは常識校正風に読み通せばよい。
* わたしがどう介入してみても慣れぬ妻の機械には、手も足も出なかった。妻に、文字原稿を代筆・筆写して貰う願いは諦め、いわゆる上の常識校正などを頼むことに。
わたしは今、或る和本の和活字本を懸命に筆写しているが、原本を読んで理解しながら正漢字をたくさんたくさん拾わねばならない。内容的にはマ興味津々、 身を寄せて理解しやすくはあるけれど、筆写の手間は大変。A4判で150頁ある。やっと18頁を機械に入れた、これで数日も掛かっている。美本の傷みを歎 きながら機械複写も試みたが、まったく不可能、マックロになる。写本はしかも従の仕事、原稿を創らねばならない。これはかなりアタマを使う要がある。
* 検査前、あまり体に負担も掛けたくない。当日は、べらぼうに早起きして、通勤満員車に立ち通して行かねばならない。有効に、生きた時間を活かさねば。
2020 2/9 219
* 起床7:40 血圧 150-79 (63) 血糖値121 体重 61.65kg
2020 2/10 219
* 起床8:30 血圧 165-70 (65) 血糖値99 体重 61.65kg
2020 2/11 219
* 自筆年譜(一)の 三校を要請した。自転車での坂道上下も難なく疾走でき、投函しての帰宅へ往復五分とかかっていない。昨日、一昨日のまる二日、検査前を考慮し、一滴のアル コールも口にしていない。シャンとして起ち居、歩き、車走など何の差し支えもなく、いわゆるアル中では全然無いということ。
今日は、仕事しながらも、明日ごく早朝の「カメラ」検査のために用意、心用意も必要。
2020 2/11 219
* 『選集 32』の巻頭作、次作、三作を三校、および自筆原稿を再校し終えた、残るは四作、まだ道半ばだが、あすの検査後つぎの検査二十五日までにはう まくすると「責了へ漕ぎ着けられるかも。 とにかくも「選集」と「湖の本 149」とをキレイに片づけておくことを先決とし、「選集33 完結分」「湖の 本 150」の「入稿」は別途の集中に期するのがいいようだ。とにかくも明日、上部消化管カメラ検査を事無く終えてきたい。
* 八時以降の食物摂取は禁じられており、水も明朝八時以降は禁じられている。空腹はまるで苦にならない人になっている。
ともあれ夕食し、入浴する。
明朝は遅くも七時半には聖路加病院へ出掛ける。カメラ十時だけれど。いつもの通院とちがい、電車は通勤客で満員、坐っては行けまい。
* 九時。休息状態で明日に備える。
2020 2/11 219
* 起床5:30 血圧 143-74 (62) 血糖値97 体重 61.1kg
2020 2/12 219
* 暁け四時半に手洗いに立ち、五時半に目覚め、六時に着替えて、七時三分のバスに駆け込み、七時十九分の準急新木場行きに乗り、幸い練馬で座れて八時半 過ぎて聖路加に着き、受付を終えてサテ約束の十時までは校正をと、取りかかった途端にナースに呼び込まれ、あああと思う間に内視鏡検査無事に終えた。写 真、「とっても綺麗です」と。先ずは一安心。九時半も待たず支払いも終えて帰路へ。食事には一時間待てと言われていたがこんな時間ではマトモに店が開いて いない。池袋まで戻り、西武の食堂へ上がってもみな十一時開店までに三、四十分待ちとなり、西武・パルコとずいぶん無駄足を踏んで、あげくまことにショウ もない止まり木で不味い寿司を少し摘んで、保谷へ帰った。家で何か食べたはずだが、食後に熟睡して、なにも覚えていない。
* ま、第一段階のカメラは、無難そうに通過した。
次ぎ、二十五日には、広い範囲のCT透視。無事平穏を願うのみ。
2020 2/12 219
* 少し、昨夜来の睡眠不足を休息のためにも癒やしておきたい。つまりは横になりながらゲラを読み、眠くなれば寝てしまおうか、と。
2020 2/12 219
* 起床8:15 血圧 124-55 (64) 血糖値83 体重 61.9kg
2020 2/13 219
* 次の検査までに懸命に仕事を進められるだけ進めておきたい、今はそれだけ。
* 眼鏡をかけていても、眼下のキイの字が色薄れて読みにくく、何度も間違える。機械の画面は緑色にし文字は濃い黒にして最大にしている。読まれる方は適宜按配して御覧下さい。
* 半歩一歩ずつ仕事は進んでくれる。前に立って牽いたり後ろへまわって押したり。仕事は一気呵成にゆくときも、じりじりとし辛抱仕事になることも、当たり前に有る。慌てても焦れても仕事はサマにならない。
* 九時半、眼見えず、字読めず。機械をはなれる。階下で電灯がかわると、視力がすこし戻ってくる。もう少し校正は出来るかも。
2020 2/13 219
* 起床7:30 血圧 137-75 (70) 血糖値97 体重 62.3kg
2020 2/14 219
* 新型コロナウイルスが猖獗の様子を見せ、気味がわるい。極力、外出したくないが、重要検査をひかえた病院通いは避けられない。超満員通勤電車での一時間余は気が重い。
* 厚労大臣が新型コロナウイルス感染症に、「まだ」疫学的結果が出てないので云々と発言していて、往年、日本の医書で初めて「疫学入門」という新刊を医 学書院で企画し出版した記憶を呼び覚まし、ふっと可笑しかった。「疫学」は、右から左の当座の成り行きを謂うようなものでない。大臣のそばにどんな専門家 グループが形成されているのかが心もとない。
こういう時に「日本医師会」とか「日本医学界総会」などは、いちはやく有能な医学者・検査技師らのグループを行政の中枢へ送り込み政策を助ける社会的義務があるのではないか。
* 終日、校正や原稿づくりに視力を使い果たし、まだ八時半だがもう機械仕事は出来ない。疲れた。暖かかったのに、ときどきかるい寒けや嚔の出るのに、こ の時節柄気味も悪い。とにかくも外出は勉めて避けていようと思うが、歯医者があり尿検査があり造影剤検査がある。せめて歯医者は現状に問題がないので先延 ばしして貰おうと。尿検査も急を要するようでないし。満員電車に一時間余は恐れ入る。
2020 2/14 219
* 起床7:30 血圧 133-72 (64) 血糖値101 体重 62.0kg
2020 2/15 219
* 友人知己、ことに故障をかかえて日々通院・介護などする人らの様子も案じられる。メールで見舞うのさえ心重い。
* 書庫の上庭に冬枯れの草ぐさのなかで、昔、鉢植えで戴いたのを後につちにおろした白梅が、弾けたように元気いっぱいに満開、咲き切っている。異様なほどの陽気で春がもう来ているよう。
* ギシギシと仕事が詰んで来ているが、一散に駆けている。
* 建日子の呉れたジャズ八枚セットのうち、二枚が、機械仕事のそばで一日中鳴っていても邪魔にならず、気を静めまた引き立ててくれると納得できた。他は、どことなく騒がしい音が混じった。
* 和本、少なくも六十頁は書写したいところ、三十頁に達した。和活字や正字や旧仮名遣いや濁点をつけない習いなどに馴染んでない者では、手に負えないであろう。書写の内容は私にはすこぶる心惹かれるものがある。
2020 2/15 219
* 起床7:30 血圧 133-72 (64) 血糖値95 体重 61.2kg
2020 2/16 219
* 24 25日と続く聖路加の前日診察を延期してもらい、いつも貰う処方箋を、翌日のCT検査と腫瘍内科診断の、後か先かに外来受付で戴けないかと、医師あて手紙を 書いた。朝の満員通勤電車に二日続けて立ち続け乗るのは避けたい。好都合、にいつも三、四分の会話だけで、決まって出してもらう処方箋なので。
2020 2/16 219
* 起床8:15 血圧 130-71 (65) 血糖値113(88) 体重 61.05kg
2020 2/17 219
* 柳北ではない、ひとつ別に懸命に今原稿づくりしているしごとがあり、期限までにはとても全部はまかないきれないが、せめて半分の余まで到達できれば用 向きは達しうると、根をつめている。古活字から正しく原拠のママ字を読み取る仕事は眼に痛いほど堪えるが、こらえている。
昨日観た映画「カルメン故郷に帰る」の故郷浅間の大きなはけやかな自然にふしぎなほど励まされている。批評味にも優れてしかも心優しくもあるすばらしい 劇画であった。創作とは、あのように胸に響いて忘れ得ず、しかもおもしろい、情の篤いモノでありたい。ひとつには大きな、あるいは。ささやかな自然美に根 をおろした感慨や人間の行為で創作はありたいもの。
* テレビ画面など見えなくていいので、階下で珈琲で休息していた。
* そうだそうだ今朝、都内・杉並の、久しい読者である江藤利雄さんから、綺麗な筺に名酒と極上の焼酎を詰め合わせたのを頂戴した。焼酎が珍しく、すぐさま朝から、すこぅしずつ頂戴した。美味い。とても美味い。有難う存じます。
2020 2/17 219
* 起床7:40 血圧 136-68 (61) 血糖値105 体重 61.2kg
2020 2/18 219
* コロナ感染症に用心し、次のCT検査をクリヤし、気を入れて今年の桜桃忌前後に強い中仕切りを樹てて置きたい、そこでは終わらない気でいる。
それにしても視力の衰弱は日増しに顕著で、長時間に堪えて仕事していると、階下へ降りて大きな画面のテレビにさえ数十センチきでも近付かねば演者、話者の顔がボヤケる。新調の眼鏡がたちまちにダメになり、むしろ裸眼に頼っている。ブルーライトに負けている。やれやれ。
2020 2/18 219
* 起床7:40 血圧 128-68 (63) 血糖値107 体重 61.4kg
2020 2/19 219
* 起床7:10 血圧 141-76 (67) 血糖値91 体重 61.7kg
2020 2/20 219
* はやく寝てはやめに起きた。起きると、「マ・ア」が喜ぶ。
体重、血糖値、血圧を計り、機械を温めに二階へ。17曲もはいっているジャズ盤「Smoke Gets In Your Eyes」が静かに静かに鳴りだす。17曲の、どれ一曲もだれ一人もを知らなかったし、今も聞き分けようともしていない。大きな「一つ」の静かに綺麗な、 私の仕事への「伴奏」とうけとって馴染み親しんでいる。
* 夜前の夢に、このところ二、三度もみえる昔、俳優座にいた東山千栄子と妻もいっしょにいた、ふっくらと大柄に温かな女優だった。「母」を感じていたの だろうか。場所は、なんだか新装もうるわしい佳い「社宅」の三階の我らの部屋だった。部屋の外で話したのが、むかし上司だった鶴岡八郎さんとみえて、その 実は一緒に中国へ旅した作家の辻邦生さんだった。井上靖夫妻、巌谷大四さんら一緒に中国政府に招かれていった作家は、辻さんも大岡信さんも、一人残らず亡 くなっている。ひしひしと身に迫るモノを感じる。
* 毛糸の、こども用にみえる一つ半端になった手袋を見失った。マウスが今朝はとても冷たい。
* 兄貴のアコが仕事部屋へ執拗なほど入って来たがり、入ってしまうと物陰や下や隅へ隠れ潜んで出てくれない。こまかなものをひっくり返されたり噛まれたり持ち出されたりが叶わない。弟の「黒いマコ」は足に纏いつき甘えにあまえ、歩けない。
2020 2/20 219
* 起床7:10 血圧 141-76 (67) 血糖値91 体重 61.7kg
2020 2/21 219
* CT検査よりも、そのために満員の通勤電車に一時間乗るしかない現実と、感染症の無気味なちからとに閉口する。しかし今回だけは他をおいても出向くしかない。なにか、ぶッたまげるほど面白いことないかねえ。
* 思い立った仕事、というより今は難儀をきわめた書写の仕事なれど、気を入れて立ち向かっている。途方もないとみていたものが、少なくも第一段階への到達もあと二、三日の間近に見えてきた、目は衰えて見えにくいけれども。
* お酒が身をまもるかと、美味しく戴いている。あと、寝入る。それもいいことと思っている。勝手な想いであるが、それもいいことと思い、目覚めれば仕事 をしている。いまは、外出をあえて望まない。酒は今の感染症には良くないというテレビの知恵付けもある。それもそうだろうと思う。が。
* 最低そこまでは初一段と願ったところへ仕事の手が届いた。欲をいえば第四段まであり、しかし手つだってはもらえない、この仕事所詮は私でないと出来な い。私ならその作業の内実を味わいながら煩瑣を極める読み書き・手作業にも堪えられる。そのためにも健康で、何より、目が見えてなくては出来ない。
もう今日も四時になろうとしていて、額に疲れを感じる。すこし休む。「心医 ホ・ジュン」に励まされてこようか。
* 九時前、気張って初一段の書写を終えた。どうあっても漢字の見付けられぬのが、一字だけあった。
思い切って、明日には第二段の作業へ移行すしよう。文字の一字一字、送りがな等々に視力を使い果たして、もう何も今夜はムリ。
2020 2/21 219
* 起床7:10 血圧 141-76 (67) 血糖値91 体重 61.7kg
2020 2/22 219
* 第二段もやがて終え、もうすぐ第三段もかたづいて量の多い第四段へ来る。どこかで歩を休めて、別方角から手を掛けて行くか。駆け抜けて先へ行くか。体調は、はかり難い。成るがままにまっすぐ。それにしても、わたし、浮世離れした仕事に精出している。しかしなかなか味がある。
歩け歩け あーるけ歩けと唄う歌があった。
* なにが本当にはどうなっていて、どうすすみ、どう有効に対処できるのか、だれにもシカと分かっていない危なさに日々を送り迎えている。人の滅ぶとはこういうことか。これは蔓延の感染症のこと。
* 「ほどほど」という都合のいいもの言いがある。「いいかげんにしないか」という叱責も、親切な忠告に類すると見られている。どうも苦手、というより可能なら避けて通って、「目いっぱい」やりたい。遣りたくても出来ない事もあると承知しているけれども。
* 八時半。肩も背も胸もかるい痛みをおびて、さっきは、濃い鼻血をかなり零した。寝るに勝る健康薬はないか。つづけてきたなんぎな書写作業は、もう書き 原稿と併行しつつ追って行けば要が足せると見ている。印刷所の二月三月は予算消化の思惑で仕事が殺到するのが、常。私のしごとのような端物はちょっと遠慮 してしかるべき季節、むしろ幸便に、先々へ目配りも手配りもして置きたい。来週火曜、満員電車で朝早のCT検査通いは鬱陶しいのだが、これは避けて通れな い。
2020 2/22 219
* 起床7:10 血圧 141-76 (67) 血糖値91 体重 61.7kg
2020 2/23 219
* 明後日には、あまり出かけたくない都心へ、さきの内視鏡に次ぐCT造影検査と診断とを受けに聖路加病院へ通う。穏便に帰宅したい。
2020 2/23 219
* 起床8:00 血圧 141-77 (62) 血糖値80 体重 61.5kg
2020 2/24 219
* 起床6:00 血圧 156-92 (74) 血糖値86 体重 62.4kg
2020 2/25 219
* 市の小さな巡回バスを避けて駅まで15分懸命に歩いたがあと150メートルほど脚が縺れ、体 勢が保てなくて物騒だった。かろうじて駅ホームで水分を摂り呼吸を調え、腰の痛みにロキソニンを服した。むろん電車は満員で。かろうじて池袋で前の人が下 車、坐ることが出来た。新富町から聖路加への歩行もけさはすんり堪えたが、さきに生理検査を終え、腫瘍内科の受付を経てからCT検査の受付も終え、昨日診 察であった前立腺の方のいつもの処方箋用意だけ頼んであったのを先ず受け取って。
CT検査は十一時にはすんなり終えて、腫瘍内科で、先頃の内視鏡検査ももろともに診断を受けた。両検査そして今朝の生理検査もともども「オールライト」の無事で済んだ。癌マーカーその他の値も平常に戻っていた。ほっとした。感謝。
* 薬局で処方薬を受け取って、正午過ぎ。ゆらゆら歩いて馴染みの「玉寿司」本舗で板さんはからい襟きの刺身で、一献二献。機嫌良く新富町から「保谷行 き」に乗れ、安心して寝てきた。着いたかと下車して改札を出たが、様子がちがった。一駅はやい大泉学園駅で降りていた。改札の外にみたこともない「天丼」 専門店があったので、米の飯は遠慮し、海老天二尾だけを食し、もう一駅を乗りまして、保谷駅で和菓子二種、二つずつ買ってタクシーで帰宅。煎茶が旨い。
ビニールの手袋を二度取り換え、マスクも三枚つかい、まずまずナニゴトも無くて有りがたかった、要心しつつ、これで仕事も続けられる。感謝。
* 明日には待機していた「湖の本」「選集」のつづき仕事が届いて、気忙しくなる。それもよし。
* 困惑気味は、三月半ばの、歌舞伎座。コロナ感染症に最も濃縮ぎみに危険なのは密閉された屋内大勢での行事。観客も危ないが、心配するのは俳優達の健 康。ことに八十前後の老齢に今度の感染症は致死危険をはらんでいる。私一人なら覚悟を決め得ても、妻も一緒となるとこれはよくよく要心せざるを得ない。あ と、三週間、下火におさまっていてくれるといいが、
* 五時半になった。
2020 2/25 219
* 起床8:10 血圧 122-72 (75) 血糖値97 体重 63.0kg
2020 2/26 219
* 起床8:10 血圧 122-72 (75) 血糖値97 体重 63.0kg
2020 2/27 219
* 起床8:00 血圧 144-69 (72) 血糖値100 体重 62.5kg
2020 2/28 219
* 八時半。今日は、夕刻前にかなり疲労し寝入っていた。疲れても仕方ない踏み込みで仕事をしている。「老い」を大事にしながら、負けてはしまうまい、と。
2020 2/28 219
* 起床8:00 血圧 151-76 (58) 血糖値 96 体重 62.75kg
2020 2/29 219
* 流行り病がかく身近にせまって恐怖心すら喚起した体験を幸い過去に持たない。鎮静をと、防備の他なにも出来ないが、心より願う。可能な限り私は自身の世界へ潜りこんで過ごしたい。
2020 2/29 219
* 今夜の機械仕事は終えよう。瞼が腫れたように重い。京都が人少なに空いていると。行ける時に行きたいがなあ。東山と鴨川とが見られたらいい。出来れば 泉涌寺と東福寺。八坂神社と知恩院、高台寺、清水寺から清閑寺。祇園四條と河原町。京都御所と大学。嵯峨、嵐山。ムリかなあ。墓はいらない、骨を撒いてく れと頼んである。
2020 2/29 219
* 起床8:00 血圧 151-76 (58) 血糖値 96 体重 62.75kg
2020 3/1 220
* 起床7:50 血圧 167-85 (60) 血糖値 86 体重 62.1kg
2020 3/2 220
* 起床8:30 血圧 156-73 (72) 血糖値 99 体重 62.15kg
2020 3/3 220
* 感染症蔓延への足どりがとても気になる。八十歳以上の罹患だけでなく致死率も高いと聞いている。残念ながら三月の外出は、能う限りは失礼したい。建日 子にも無用に帰ってこなくても佳いよと伝えてある。家族内感染は目も当てられないことになる。それでもポストへの投函には自転車を走らせる。人通りの極く 少ない視野の開けた長い下り坂があり、往復して五分とかからず、上りは脚を踏ん張ってエイエイと帰ってくる。いまぶん自転車は徒歩よりよほどラクに利用で きている。
太っていた昔は、肩、腰、膝などの痛みがきつかったのに胃全摘でどんと体重を減らして以降、忘れたように痛みはへり、発送等の力仕事のあとに腰へ痛みが来るのも、ま、ロキソニンの効果に頼んで躱している。
2020 3/3 220
* 起床9:00 血圧 146-80 (68) 血糖値 94 体重 62.05kg
2020 3/4 220
* 寝られるなら寝るという考えでいまは過ごしている。昨夜も十一時とはなってないうちに寝入り、「マ・ア」に起こされて九時だった。
体力と視力との大切なそして危険な時期を歩いている。
感染症から身を防げるかぎりは賢く油断無く防がねば。
2020 3/4 220
* 新しい批評の原稿を書き進めたい、しみじみと。
そう願って、書き始めた、まず順当に滑り出したように感じる。ここ暫くは校正という仕事が無く、発送用意の作業に併行して新しい仕事、ちょっと様変わりの、しかし気乗りのしている仕事に打ち込める。感染症をなんとか避けて隠居しながら、心静かに書き継ぎたい。
* 食の欲は細く薄く、しかし酒は、自前のリクツをつけては愛飲し、やや酒量を増している。一升をせめて五日保たせよと妻は叱り、それが自然と四日で一升瓶を明けている。感染症にもいいんだと勝手なことを言い、妻は断乎否認するが、「酒飲みの口説は屁なり出放題」。
* 九時半。もう目が見えない。よく寝て、また明日。
2020 3/4 220
* 起床9:00 血圧 146-80 (68) 血糖値 94 体重 62.05kg
2020 3/5 220
* 「湖の本 150」入稿の原稿を、着々書き進んでいる。目さえ健康に達者に利いてくれれば、もっとラクなのだが。瞼が厚ぼったい。
* 新しい作の書き出しに手を染め、これが存外に速く纏まるかも知れない。根が外出の少ない日々であったが、コロナ感染症の騒ぎで、日々、真っ向の家の内籠もりが強いられ、仕事は存外に捗ってくれるかも知れない。
2020 3/5 220
* 起床8:20 血圧 142-74 (55) 血糖値 90 体重 63.0kg
2020 3/6 220
* 起床8:00 血圧 144-69 (57) 血糖値 95 体重 62.9kg
2020 3/7 220
* 「湖の本 149」発送用意の、半ばには達したか。
『選集 32』も追いかけて出来てくる。その発送用意もしておかねば。
重ねて、次々のメインには記念の中仕切り「湖の本 150」分入稿への執筆が、さ、半ばは出来あがったと謂えようか。思いがけず興趣の仕事へ付き当たって、嬉しい拾いものに。
『選集』最終巻入稿の用意は、まだ半ば。あとの半ばに、辛抱の手作業を相当量残している。こつこつと進める。
さらにその向こう先へとなれば、心身の健康を頼みに、気もはればれと、好みの創作や執筆をのびのび楽しみたい。もう思い付いていること、幾つもある。もう、評判の何のと気にかけずに。
* 八時前なのに、気を入れ根を詰め見えない目を酷に見ひらいて朝から集中していたので、いまは半盲どころでなく、タダの勘でキイをまさぐっている。20 年にもなる愛機なればこそ。今は、かなりの画面のテレビでさえ、すり寄って間近でないと演者が誰かもしかと見えない。寝床で、昔の古電球の明かりになる と、すこしラクになり、文庫本の字も少しずつ見よくなる。「源氏物語 若菜上」がやがて過ぎ、「戦争と平和」は戦場を出て待望の第三編へ入り、「千夜一夜 物語」はベラボーに面白い。レマルク本は次ぎに「凱旋門」が控えている。のず絶妙の選択です。持ち重りの単行書も、ホメロスの長い長い「イリアス」を根気 よく、島津先生の「源氏物語放談」のほかにもう一冊、私の『花方』をはるか昔から導いてくれた或る「源氏物語論」を楽しんでいる。楽しむと謂えば、自分で 書いた『オイノ・セクスアリス 或る寓話』の第一部を身内に逢うような楽しみで読み返している。
今日のたとっておき一升瓶の口を切った。漬けた小鯛が有りがたかった。
2020 3/7 220
* 起床8:00 血圧 149-72 (58) 血糖値 93 体重 62.6kg
2020 3/8 220
* 起床8:00 血圧 141-68 (55) 血糖値 86 体重 62.7kg
2020 3/9 220
* 六時半、もう目が霞んで、小さな字での原稿は書けない、わたしの「湖の本」は本文10ポ組みだが、機械の上でそれでは、ましてミン朝文字では書くも読 むもほとんど無理。ま、やすみおすみ、字も大きく太くして書き進むまで。うまくすればもう三日の内にも「湖の本 150」記念の一冊を入稿できるかも知れ ない。「湖の本 149」発送の用意は、宛名の印刷貼り込みができれば、ほぼ仕上がりになる。『選集 32』発送用意は、まだ何も出来ていない。
* 九時。およそ、八、九割がた今してきた仕事は成ったと思う、あとは仕上げの推敲か。今夜はもうやすむ。
2020 3/9 220
* 起床8:00 血圧 122-56 (56) 血糖値 85 体重 62.7kg
2020 3/10 220
* 起床7:30 血圧 140-68 (56) 血糖値 82 体重 63.0kg
2020 3/11 220
* 起床8:45 血圧 145-68 (62) 血糖値 91 体重 63.5kg
2020 3/12 220
* 「湖の本 150」記念の中仕切り特別編を「入稿」へ漕ぎ着けた。このさきは、記念の口絵調製を慎重に。
懸命の意気とがんばりで、創刊34年の桜桃忌には「無理かなあ」と思っていたのが、十二分に間に合うまで運べた。
次いでは『選集 33完結巻』の編輯、これは構成は出来ていて、「書誌」の書き足し作業に相当手がかかる。これは、さまで急がなくてもよい、充分思案を筑紫悔いの残りの寡いのを願っている。
それよりも次ぎに当面の力仕事に「湖の本 149」発送 さらに『選集 32』の発送が続いて来る。からだへ堪える力仕事になるので、妻も私にも、要用心の家仕事。外出は極力避けたい。
* 髪にふれるとかすかに痛い。こういう時は子供の昔からかぜ気味であった。今日はもう休息へ舵を切ろう。手さきが痺れ、暖房していて膝下が冷える。
2020 3/12 220
* 起床10:30 血圧 131-63 (54) 血糖値 100 体重 63.25kg
2020 3/13 220
* はやく寝に就いたが左にかすかに頭痛あり、夜中ロキソニンを服し、よく寝て、気付いたら十時半、驚いた。熱はないがアタマ(髪の毛)の違和は残って、胸もかすかに重い。風邪を引きこむまいと用心している風邪のようでもない。
* 頭痛はあるが、『選集 33』最終の辛抱仕事になる「全書誌」追加の仕事へとりついた、創作・エッセイを区別無く追い始めたのが第百一巻の長編小説 『凶器』から。以降少なくも第百五十巻までを詳細に精確に原稿に仕遂げねば。ま、幸いといっておくが、版元をもった刊本はたぶん平凡社新書の『京のわる 口』だけだろう、これは簡単に追加が利く。辛抱仕事は辛抱すれば成って行く。辛抱も、その気で楽しめない物ではない。
* 湯を遣えと階下から声が掛かっている。大丈夫かな。
* 湯の中で「若菜上」をじりりと読み進めていたが照明が揺れ動きだし、湯から上がった。はやばや床に就くに越したことはない、十時過ぎた。
藤田まことと渡邊篤、大路恵美の「剣客商売」をあいしているのに、別に二時間の北大路欣也らの「剣客商売」もあって、こっちはテンと魅力と旨味に書けた台本、役者らで観るに堪えず。ヤはり脚本の出来が役者の脚もひっぱる。
2020 3/13 220
* 三月十四日 土 結婚して、61年 乾杯
* 起床9:30 血圧 122-62 (73) 血糖値 100 体重 63.0kg
2020 3/14 220
* 夕刻 雪が降った。寒い。かすかな頭痛が、つづいてい。仕事は、いろいろを、すこしずつ捗らせている。暖房していても肌寒く、機械仕事はもうおやめにして、階下でテレビを聴きながら宛名貼りを終えたい。はやく床に就いて本が読みたい。
2020 3/14 220
* 起床9:30 血圧 122-62 (73) 血糖値 100 体重 63.0kg
* 「方丈」と、張即之の二字が顕れると、きりっと引き締まる。
2020 3/15 220
* 午後睡魔をまねいて四時まで寝入っていた。書斎の暖房は効いていてポンチョを脱いでいたが、肌寒く感じ始めて着重ねた。体調は尋常を欠いているか。発送までにあと三日の余裕をむしろ静養に充てたい。髪の毛は敏感だが、頭痛は無い、ようだ。
機会クンにもぜひ穏やかな気分で居て貰いたい。
2020 3/15 220
* 起床9:30 血圧 122-62 (73) 血糖値 100 体重 63.0kg
* 「方丈」と、張即之の二字が顕れると、きりっと引き締まる。
2020 3/16 220
* 食欲も緩く、つい、あり合わせで済まして体に栄養がついていないか、寒けと眠気に負けている。いざとなると買い置きのたいしたものはなく、出前で取れる手料理の寿司もいまのところ避けたい気分。風邪薬で寒けと髪の毛の不快感をおさえている。
* 細かな字の仕事(湖の本全書誌)を一日していた。捗りはしたが、目は痛み放題、霞んでしまっている。九時過ぎ。もう休む。体調は、宜しからず寒けを覚え続け、頭も重い。櫻のたよりも聞いたと思うのに、今日は好天なりにとびきり寒かった。寒いのに弱い。
2020 3/16 220
* 起床7:15 血圧 146-72 (52) 血糖値 75 体重 63.55kg
2020 3/17 220
* すっきり目覚めたので、そのまま床を離れた。昨日のように寒くないといいが。
* 朝食抜きで機械へ来て、こまごまと難儀仕事をだいぶ進めた。頭痛無い。寒いが寒けもない。仕事のはかどるのが、クスリになる。
2020 3/17 220
* 何はあれ私も妻も、トシであり、コロナに限らず気を付けて日々生きて行かねばならない。妻のいつもの検査と診察、まずパスして帰ってきた。次は連休明けにしてもらえたと。
食い物も飲み物も、そとへ出ないので払底。出前の「寿司」は、昨今では、なにとなし気になる。床下からの古い缶詰に手を付けている。「マ・ア」は、いつもわたしたちが近くにいるので安心して元気いっぱい、そして甘える。
2020 3/17 220
* 晩、疲れ寝のあと、仕残しの要に機械の前へ。かすかに頭痛がある。やすむ。
2020 3/17 220
* 起床8:00 血圧 158-82 (61) 血糖値 82 体重 62.8kg
2020 3/18 220
* 「やれやれ」には安心と嘆息の二面があるが、私がときおり漏らすのは嘆息の方。あきらめてやり過ごそうとしている感じもあるか。
夜前も困惑の極のような独りで旅先のトンマな忘れ物トラブルの夢にへとへとに悩まされ疲れていた。夢でへこむ私は、いつも壮年。そんなにもわたしはウカツな慌て者だったかなあ。そんな寝言は言ってられない、今日はフルにいそがしい。明日から力仕事だ。
* 一日がかりかと気のシンドかった要事を、二時間で遂げた。気がラクになった。妙なもので、仕事や作業に打ち込んでいると頭痛なども消散してくれる。ただし目は疲れる。
2020 3/18 220
* 体疲労、手ひどい、暖かいが過ぎた今日・今夜だからか。あすからに備え、はやく休もう。『戦争と平和』で、主人公の一人のアンドレイ公爵の、醜いのに眼の美しい妹マリアが、求婚に訪れた男を父親のめのまえできっぱり断る場面は、印象に濃い。続きを読んで行こう。
2020 3/18 220
* 起床8:00 血圧 145-68 (55) 血糖値 72 体重 62.9kg
2020 3/19 220
* 発送作業に集中、疲労でからだゾワゾワと気持ち悪い。明日の用は明日にまわし、休息しいしい、慌てまい急ぐまい。と、言いつつ、ヘトヘトまでやって、ノビている。九時半。もう寝る。明日も作業は続く。
2020 3/19 220
* 起床7:00 血圧 140-71 (53) 血糖値 88 体重 62.0kg
2020 3/20 220
* さ、発送のつづき作業に掛かる。
* 老夫婦ともに草臥れて。急ぐまいぞ。急くから疲れる。なにごとも、これまでの倍の時間をかければよい。
コロナはとてもまだ下火とはいえまい、よくて横這いか。世界、海外、欧米がピンチにある。世界のせまさをウイルスが思い知らせる。
二月から、飽きず、機械の側ではいつもじャズ・バラーズの17曲が鳴り続けている。仕事や気分の邪魔はせず、鳴っているのを忘れているほど気は落ち着く。『椿山集』まるまる一冊もこれを聴くと無く聴き続けているうちに書き写せた。
2020 3/20 220
* もう目がくらく、細かな仕事は今夜は無理。八時だが、休息に。ダンボール函に荷造りした本包みを55册ずつ入れて、この一箱ずつをキッチンから玄関へ 何度も何度も何度も運ぶ。重い。刊を重ねる度に重さが腕に背に足腰に堪える、が、まだ持てる。両掌は指先まで四六時中痺れて、ヒリヒリしている。痛いのも 痺れるのも生きている証拠。
さ、よこになって、トルストイや紫式部や成島柳北やホメロスや千夜一夜物語を楽しもう。
2020 3/20 220
* 起床7:00 血圧 140-71 (53) 血糖値 88 体重 62.0kg
2020 3/21 220
* せいぜい午後の一時過ぎで、がくっと草臥れている。「どうすりゃいいのさ此のわたし 夢は夜ひらく」とだれかが唄っていた。夜、ゆめは要らないというのに見ている。いま、この愕然たる疲労感をどうすればいいのか。
2020 3/21 220
* 起床7:00 血圧 134-68 (52) 血糖値 80 体重 62.2kg
2020 3/22 220
* 機械(小さいカメラや携帯電話)を買いながら、説明書きをたちまち失くしてしまい、ロクに使えない。まさか捨てていまいと、大捜索しても見つからず、 大昔に何十册のなかの一册の貴重な文献を見失っていたのが、今夜、堆い書類の中から見つかったが、今の役にはもう立たない。
見つけないと、肌身にそえて所持していても使えないのでは、バカみたい。
根気よく 捜索も継続のこと。やれやれ。
2020 3/22 220
* 起床8:00 血圧 144-68 (52) 血糖値 73 体重 62.25kg
2020 3/23 220
* コロナはまだ都内で爆発的に感染をひろげるおそれありとか。気を抜いてはならぬ。手足、アタマを、しっかり働かせながら、用心して仕事を続けねば。
2020 3/23 220
* 十一時。もう休もう。
2020 3/23 220
* 起床9:00 血圧 146-68 (60) 血糖値 81 体重 62.3kg
* よく寝た と思える朝置きは気分も体調もいい。
2020 3/24 220
* 岩淵宏子さん来信を添えて女性文学全集の第11、12巻の完結分までを戴いた。
講談社役員の天野敬子さんからもお手紙を、井上靖先生のお嬢さんからも、元岩波書院「世界」の清水克郎さん、妻の従弟の濱靖夫さんからも、「三田文学」編集室、大正大学国文学研などもう何通も戴 いており、医学書院の七尾清君からは電話ももらっていながら、何ともいえずシンドクて、このまま寝入ることにする。『選集32』発送の宛名書きという用意 が全然出来ていないが、今は断念してでもやすむことに決める。
2020 3/24 220
* 妻は、わたくしのは花粉症と診断していて、もう一月どころでなく洟水が止まらないのは、さもあろうかと思っている。何にしても「湖の本 149」は送り出せていて、それだけは有りがたい。
* いま、夕刻六時。
* 十一時前まで、「戦争と平和」のまま寝入っていた。このまま、また寝入りたい。 2020 3/24 220
* 起床9:00 血圧 146-68 (60) 血糖値 81 体重 62.3kg
2020 3/25 220
* 東京オリンピックは延期となった。一年後で済むか、甚だ心もとなく、「中止」の声もいずれ上がり兼ねまい。新型コロナウイルス猖獗の気配は濃厚で、東 京都の都市封鎖すら起きかねず、われわれも八十代半ば、油断どころでない危機に迫られている。慎重に、落ち着いて、情況を見きわめながら病魔から身を避け ねばならぬ。油断大敵という耳馴れた標語をなにより大事に噛みしめてすくなくもこの夏を乗り切らねば。
2020 3/25 220
* 起床9:00 血圧 146-68 (60) 血糖値 81 体重 62.3kg
2020 3/26 220
* 容易ならぬ暗闇の路へ正確な道案内なしに彷徨い行く「コロナ道」ではある。用心のし過ぎは無いと心得て甘い油断は禁物と。
2020 3/26 220
* そうそう都市封鎖の成る昨今とは思えないが、賢しらに動き回るのは人メイワクから我が身に災厄をまねくことになる。
こんな時こそ可能な人はしずかに本をよむことだ。
2020 3/26 220
* 夕食終えてやっぱり疲れていいる。やすみやすみ階下で「選集32」送りだしの用意をしよう。
* と、思いつつ、やはり機械に向かい、しておかねば済まぬ根気仕事を続けていた。眼玉が外へ垂れそうに重い。
2020 3/26 220
* 起床8:00 血圧 148-68 (61) 血糖値 90 体重 62.55kg
2020 3/27 220
* コロナ猖獗。ただ、じっとしていること。親疎のべつなく無用の人づきあいを遠慮すること。それが、じつは簡単でも容易でもない。
幸か不幸か機械が銜えているか知れぬウイルスは人体に病害しない。わたしは生来逼塞を苦にしない。行けるなら京都へなら帰りたいが、保谷ずまいでは閑居はありがたい。電話は苦手だが、メールは歓迎する。
* 日々夜々のコロナ騒ぎだが、十二分慎重に、しかし過剰に心配せぬよう日々の要用を片づけている。当面は『選集32』の無事送り出しを願いつつ用意している。
2020 3/27 220
* 起床8:00 血圧 148-68 (61) 血糖値 90 体重 62.55kg
2020 3/28 220
* コロナ感染症の怖ろしいまで執拗な蔓延と病苦、医療崩壊のサマは、言語に絶して凄まじい。生き延びるという課題が、一人一人に、ことに高齢者にノシかかっている。われわれはともに八十四歳、罹れば即、アウトである。慎重に、油断なく生き抜くこと。
2020 3/28 220
* コロナウイルスの大変な性質史と影響と現況とを行政からも医学からも現況からもいろいろ耳にして、いささかならず絶句の体。それでも仕事は仕事、手は止めていられない。
2020 3/28 220
* 細かな作業らを急かれて疲労困憊。こういう仕事ほど、遣っておかねば先へ進めない。山中の渓流に橋を架けて進むよう。もう、やすむ。コロナは猖獗ま段階へ迫っている。いまは、我々風情ではどう慌てても仕方ない、落ち着いて専門家の助言を聴く耳だけは明けていたい。
2020 3/28 220
* 起床8:30 血圧 134-64 (65) 血糖値 81 体重 63.25kg
2020 3/29 220
* 午後二時、あすの『選集32』受け入れの用意が十全に間に合った。用意が出来てこそ仕事は無事に捗る。用意が第一とわたしは学校の頃も、勤め人の頃も思って、備えていた。
ま、ホッとした。
* 朝からの霙もやんで、幸い積んだ雪も流れてくれるだろう。気が付いてみると三月がもう過ぎて行く。慌ただしい、悩ましい、怖ろしくもある三月だった。四月は安心というわけに行かぬようだ。
2020 3/29 220
* 起床8:30 血圧 134-64 (65) 血糖値 81 体重 63.25kg
2020 3/30 220
* 九時、新刊の『選集32』届いてすぐ送り出し用意にかかったが、思いの外に今回はからだに堪えて捗らない。やすみやすみ、とにかく潰れてしまわぬように作業するしかない。一巻が「湖の本」の数册分にあたり筺も表紙も分厚い。一々印を捺したりし、ひと作業に大げさにいうと骨身が傷む。それでも、予定の三分の一は郵便局に渡せた。この分だと三日はかかる、いつものことだ。湖の本を一冊ずつ封筒に容れて行くだけで済むとは行かない。
もうあと一巻で予定分の三十三巻終了の『選集』 もう、ひとふんばり。体力の露骨なほどの衰えに驚いている。当然といえば、当然だが。力仕事までも妻が 手伝ってくれて出来ている難行苦行だが、少なくもこれだけの仕事を仕遂げてきた生涯、まだ時間にも力にも余りがある。楽しみたい。
2020 3/30 220
* 書いておきたいアレコレの多さに辟易し、三ザルの心境へ凹んでいる。八時半。もう、今夜はおやすみとする。
* おたよりも十通ちかいが、草臥れていて、失敬します。
ひとつ驚いたのは、ペンの理事時代から親しい作家の森詠さんから、「日本ペンクラブが、いま大変な状態です。(略)存続の危機に陥っているという噂もあ ります。また後ほど。不一」とあるのにビックリもしなかった。なにしろ「ペン」は持つのかも知れないが、「文学・文藝」の「作品」で世に立っている作家の 異様に少ない「雑居」所帯で、藤村、白鳥、直哉、康成、光治良、光夫等々の「日本」を「世界」へ代表できる光った「文学会長」が、遠藤周作、井上靖の以 降、ほとんど停頓。「理事」の席を望んで右往左往のチャチな徒党騒ぎまで伝わってくる。 やれやれ。
2020 3/30 220
* 起床9:00 血圧 140-69 (55) 血糖値 99 体重 62.6kg
2020 3/31 220
* 『選集32』送り出し作業三分の二、残りは明日へ。今回の発送では膂力は保っても腰の痛みに閉口している。気長に少しずつやれば済むことだが。
2020 3/31 220
* ひとまずは、目の前の作業を終えた。が、もうすこし、思案したいところがある。疲れた。
すこし寛いで、湯に漬かるか。睡いというではないが、ただただ瞼が重い。
* コロナの猖獗が度を増していて、怖ろしい。徹底した姿勢と覚悟とで防禦に努めねばいけない。傍観しての憂慮ではいけない。危険がみら迫っているという覚悟で対処し防備するしかない。
2020 3/31 220
* 起床7:目に20 血圧 143-74 (59) 血糖値 97 体重 62.35kg
2020 4/1 221
* 今日、『選集 32』 やっと送り終えようまで。夫婦して、ふうふう。さ、もう残る最終三十三、一巻を、遅くも年内に無事に刊行し終えたい。
疲れて、機械の前で瞑目。はてしない。
* 一時過ぎ。機械の前で寝入っていた。
2020 4/1 221
* 本を送り出し終え、イイ意味で「脱落」感に身を任せている。安堵と疲労とにくるまれているよう。幸い、これでしばらくは「急がれる」仕事から見放していてもらえる。
2020 4/1 221
* 起床7:40 血圧 141-69 (54) 血糖値 90 体重 62.15kg
2020 4/2 221
* どんよりと疲れを身に溜めてるが、今日はこころもち気楽に半ば目をとじている。視力の衰えは何とも致 しようなく、視野もキイの字も滲んで霞んでいる。コロナの脅威をすなおに懼れて「籠居」を縦まに、それでもやっぱり、手書きの古原稿を読み、本を読み、お 便りを楽しんでいる。好きなジャズ曲はもうこの二ヶ月ちかくいつみ機械のちかくで静かにわたしを落ち着かせてくれる。
2020 4/2 221
* 起床9:00 血圧 135-68 (60) 血糖値 90 体重 62.7kg
2020 4/3 221
* 頂き物へ、妻は筆まめにお礼の葉書をいつもお送りしていたが、ポストへの往来にも今はどんなコロナ危険があるやもしれずと、この際はご無礼ながら、一 切見合わせよと私から妻に禁じました。最低限度の買い物にだけ近くのセイムスへ二人で出向く、それ以外は可能な限り(病院へも)うごかないようにしてい る。用心に用心して足りぬことは無い。せめて「家の内」だけを衛生無蓋に近く護りたい。それは吾一人の常識であるばかりか、世間一般への良識に類する。家 の中でも、わたしはマスクしている。手も機ごとに洗いうがいもする。戸外での用も要もない立話しも避けたい。マスクよりも取り換えと洗濯の利く手袋がほし い。
* 建日子から、「手袋」を送ったと母親へ、敦弔名メール。ありがとう。劇団生活のある建日子のことは案じて余りあるが慎重な性格に頼みをかけている。本 当なら同じ家で日々を居たい願い切なものがあるが、そうも行くまい彼の日々を思い、真実、平安と無事と、徹底した用慎とを父は祈願している。
2020 4/3 221
* 眠れるのは嬉しい功徳と、午後、三時間ちかく寝入っていた。またあすからは、そうも行くまい。
* 何の理由も根拠もないが、まさしく勝手な想い入れで、日本酒、ウイスキー、ワイン、ビールをまぜこぜに好きに口にしている、お腹は壊さない程度に。食は、あいかわらず細い。
* こういう時節になり家に籠もっていると、建日子と、撮り溜めてある夥しい和洋の佳い映画を観ながら、ワイワイと評判したいなと思うのである。
朝日子は、どうしているだろう、とも思うのである。
2020 4/3 221
* 起床9:00 血圧 135-68 (60) 血糖値 90 体重 62.7kg
2020 4/4 221
* 起床9:30 血圧 159-72 (55) 血糖値 82 体重 63.15kg
2020 4/5 221
* 妻が、半年遅れで私に追いついた。八十四歳の誕生日、おめでとう。朝も遅めながら、義妹の贈り物のクッキーでお茶を呑み、塗り杯で清酒を一口ずつ含んだ。元気でありたい。
* わたしは今、寝たいだけというより、寝られるだけは長く寝ていようと謂う心境。眠るという健康法があるかどうか。寝ていられる限りは寝ていたいと、なにより疲れたからだが望んでいる。
2020 4/5 221
* 部屋照明のブルーライトを消して。大昔の電球にかえて、すこし目が見え字が読める。
寝室でも、天井のブルーライトを消して、昔の電球のカタンドに替えると、小さな字の文庫本でもむしろだんだんによく読めるようになる。「戦争と平和」 「浄土三部経の大経」「千夜一夜物語」「凱旋門」みな文庫本を愉しんでいる。「ホメロス」は心惹かれながらも本が重くて仰向きに寝たまま読むのはしんじ い。
上野千鶴子の『生き延びるための思想』は著者の念頭には女性の読者が期待されているだろうが、男も読んで熟考してよい立派な思想書に成っている。惜しくも亡くなった歴史家網野善彦の著書とともに、わたしはこの二人から佳い鞭を打たれてきた。
* 秋ならぬ春の盛だが、三「密」を強いられる当節こそ、読書を愉しむといいのに、と、思う。
2020 4/5 221
* ポストへも外出を控えている。自然、手紙・ハガキでのご挨拶を省かせて頂いている。
「メール」という機能だけには、感謝、感謝。「ソシアル・ネット」のほとんど全部を、私は、機械(パソコン)を使い始め巨大な「ホームページ」を働かせ始めた「前世紀末」以来、遣う人の度量や器量しだいで「公害」を為すものと警戒してきたが。
2020 4/5 221
* おう。十一時半。本の続きを読みに、機械から離れる。
2020 4/5 221
* 起床8:45 血圧 175-87 (54) 血糖値 88 体重 62.75kg
2020 4/6 221
* コロナの行方や如何。甘い淺い期待は無効の気がする。気概をこめて万全用心すべきだろう。
* 総理の先へ先へ出て、まず都知事のかなり気の入った具体的非常対策が出た。総理はそれを聞いて大急ぎにあすに用意の非常宣言を継ぎ貼りしていることだろう。
* 我が家はただただ籠居して用心するだけ。すべき用心はやはりあれこれ有るのだ。
今夜は、ヘレン・ミレン主演、緊迫の凄みな映画「第一容疑者」前編に掴まれていた。一昨日は「ロシュフォールの恋人達」をまた、昨日は「ナパロンの要 塞」と、「スピード」で楽しんだ。佳い映画は確実に胸に来る。一年中観ていても観きれないほど選り抜きの板が置いてある。脚力は一日中の階段の上がり降り と、草笛光子に奨められた足踏み機を重用して。
* それにしても、新たな校正仕事の面白いこと。しかし、読者さんらはどうかなあ。
* 十時過ぎた・
2020 4/6 221
* 起床8:45 血圧 136-75 (60) 血糖値 100 体重 63.35kg
2020 4/7 221
* このコロナ騒乱の時節に批評ないし解説そして建言で私が信頼をおくのは、朝のテレビ朝日で話している女医師の岡田さん、そもそも総研の彼、そして青木理さん。
今朝も安倍総理「特派員」のような政治評論家は、もはや都知事の先走りを出しゃばり同然に政府の迷惑だなどと口走っている。何なんだ、かの「田崎」某とは。
言われるまでもない「非常事態」に相違ない。われわれ民衆は ただ冷静に、何をしてはいけないか、何はせざるをえないかを思案し実行するしか、この猖獗 の感染症から身をよけるすべはないのだ。われら八十四歳夫婦は、幸いにもじっとしていられる小さな家があり、二人とも出好きではない。家の中に用事はいくら もあり、二人とも本も楽しんで読める。贔屓のテレビ番組もあり、上出来の映画の板にも不自由なく、まさしく「籠居」に甘んじてひっそりしていられる、とは いえ、100%そうも行きかねるのが「生活者」 用心して動く時は動かねば。狭い家で脚もせいぜい使ってやらねば。
* 鎌倉の橋本夫妻、銀座千疋屋のいかにも口涼しいゼリー菓子で、東村山の近藤聡さん選りぬきの「名酒」一升で、『選集32』を祝って下さる。
* ロシアの誰とかが、ウオトカさえ呑んでればコロナなんぞ、と、さすがに賛同しかねることょ言うらしい。が、微かにも幾らか私もそんなリクツを添えてお酒は毎日夜、しかと戴いている。功徳の一は、寝入ること。寝入れば確実に眼も身もやすまります。
そしてありがたいことに、うるわしいほど仲のいい兄弟の「マ・ア」たちが老人二人をひっきりなしに慰め笑わせ、ときに疾風のように家を駆けめぐって憤慨させてくれる。「命」というありがたみをしみじみ分かち持たせてくれる、猫のふたりが。
* また寝入っていた。のびのびと出来る場所がない。腰かけていて、尻の痛さで目が覚める。尻の肉が落ちきっているのだろう。それでも体重は今朝は63キロを記録していた。
四時半。安倍総理の非常事態宣言は宵になるか。歴史に問うべく、聴いて置きたい。 2020 4/7 221
* 嬉しい、懐かしい、佳いお便りが昨日もたくさん、今日も、郵便の数少ない火曜日なのにたくさん頂戴したが、もう、手も目も頭も疲れていて、記録出来ない。
繪も入って歌舞伎の高麗屋白鸚さんご夫妻、「鞘走らぬ名刀」と早くに表した能の喜多流シテ方友枝昭世さん、「秦さんはいまも現役ばりばりの作家」と作家 の森詠さん、大阪の石毛直道さん、さいたま市の松井由紀子さん、町田市の浦城幾世さん、山梨県立文学館の中野和子さん、津市の山下愛子さん等々、恐れ入り ます。嬉しく拝見しました。 2020 4/7 221
* 起床7:50 血圧 166-80 (56) 血糖値 91 体重 63.4kg
2020 4/8 221
* 起床7:45 血圧 124-68 (69) 血糖値 82 体重 62.5kg
2020 4/9 221
* あきとし・じゅんさん、京・永楽屋の御馳走を、 所沢の藤森佐貴子さんからも好物のお菓子を頂戴した。食に、励まねば。痩せて行くのは困りものです。
2020 4/9 221
* 起床8:00 血圧 152-77 (58) 血糖値 94 体重 62.35kg
2020 4/10 221
* 『戦争と平和』が、戦争場面を抜け出て、アンドレイの帰還とか、ピエールの決闘とか、ロストフの賭博借財とか、俄然として面白さみを深めてきた。レマルクの『凱旋門』もぐんぐんと惹きつけてくれる。
これをしている、あれもしたい、それが先かと気ぜわしいが、姿勢としてはコロナ禍に何としても巻き込まれぬよう気を張って用心の日々を過ごしたい。
* フェイスブックで建日子が何かはつげんしてるらしく通知は来るが、もう七、八年にもなろうか、わたしの此の機械でかなり華々しく発信し続けていたフェ イスブックもツイッターも、両方とも、全く画面が掴み出せなくなってしまい、いっそこれ幸いとソシアルネットでの発信や発言は封じ切ってきた。建日子が何 をどう考えて発信したり発言したりしているか、何も知らない。
それにしてもあんなに活溌に活用してきた画面が、いったいどこへどう雲散霧消して無くなってしまったのか、不思議。
建日子には、小説を書くだけでなく、それ以上に芝居を書いて演出し、映画を製作演出する仕事がある、らしい。当然のようにコロナ禍で仕事は痛手を蒙り、さて國の補償が得られる公算は、どんなものか。
なにはともあれ、今は住まいでの籠居に徹し、決して決して無用の外出など気まぐれにもしないで慎重に乗り切ってほしい。ほんとなら建日子が保谷へ帰って くれて、いろんな話しが出来ると嬉しいのだが、それは、この際はむしろ厳に避けた方がいいと諦めている。無事を願い祈る。
わたしはわたしの仕事と気を入れて向き合い過ごす。「湖の本150」記念の一巻をすこしでも面白く仕上げたいのだが、思案に暮れる難関もある。十七日に 内分泌の診察が予定されているのだが、幸いにもインスリン注射分はもう数ヶ月分は余裕があり、ビタミンや催眠剤は何とでもなる。
籠居は、我が家の老夫婦に向いているのである、ちょっとも出かけたいなど思わない。歯医者さんへも当分は失敬させて貰う。
* 湖の本の口絵を工夫している内 十時をまわった。もう、眼が限界を超えている。 2020 4/10 221
* 起床9:00 血圧 149-73 (61) 血糖値 96 体重 61.95kg
2020 4/11 221
* 国をあげて病み苦しむ状況が刻々伝えられ苦渋に満ちて語り合われるテレビに吐息し、かりそめに動かした別チャンネルから、おお、「荒城の月」の合唱が 聴かれ、つっと泪が奔った。あいついで「めだかの学校」が懐かしく、そして圧巻の藤村「椰子の実」を傍へ来た妻としみじみ聴いた。「流離のおもひ」と聴き 「いつの日か故郷に帰らん」と聴くともう堪らなく呻いて泣いた。帰りたい…泣いた。
「子供たちに残したい 美しい日本のうた」という番組だった。心底、私もそう願う。
* この夜中にも私は、夢うつつのまま島崎藤村のあの、まだあげそめし前髪の「初恋」の詩詞を繰り返し追っていた。美しい日本語の精髄を近代詩の最初にう たいあげた藤村。誰を尊敬してきましたかと受賞の記者会見で問われ私は一瞬のためらいなく藤村、漱石、潤一郎と答えて記者席のざわめきとともにものすごい ほどカメラノのくフラッシュを浴びた。佳い美しい日本語、確かな日本語を佳い美しうたとともに子供たちに残したいと心より願う。いま私の耳には「春のうら らの隅田川」と唄う美しい歌声が聞こえてくる。
* 根をつめていて、目が見えない。目薬をさすとしばらく視野が明るい。
2020 4/11 221
* 疲労困憊 十時半。
2020 4/11 221
* 起床8:00 血圧 149-73 (61) 血糖値 90 体重 63.2kg
2020 4/12 221
* 夜前は灯を消す前に、『戦争と平和』 ピエールが、老マソン(フリーメーソン)から声を掛けられ、神そして信仰にふれて圧倒の対話の場面、またレマルク『凱旋門」』の医師ラヴ ィックが、夜の街でひろった女の二年もの同棲相手の「死」を処置してやる場面を、ともに、身にしみじみと読み耽った。そのあと成島柳北一册の『全集』で雑 文をおもしろく拾い読みし、さらに『大無量壽経』の底知れぬ「時の深み」へ寝入って行く私を沈ませていった。
* 一夜の夢見は静かではなかった。
2020 4/12 221
* 久し振りにマット・デーモンの映画を観ていた。いい出来ではなかったが。都内のコロナ患者は日曜日にして、大勢出ていた。
今日は、昨日に継いでアタマがよく働かなかった。印刷所へ「湖の本 150」口絵の案を送信できただけか。
十一時半になる。やすみたい、ぐっすり。
2020 4/12 221
* 起床8:30 血圧 147-74 (63) 血糖値 97 体重 63.2kg
2020 4/13 221
* やがて十時、疲れた。
2020 4/13 221
* 起床8:30 血圧 147-74 (63) 血糖値 97 体重 63.2kg
2020 4/14 221
* 思案を重ね、むしろ筆の走りをおさえていた「湖の本 150」の跋文を、必要な半ばまでは書いた。もう一思案してから、初校の出来ているゲラとともに、早ければ明日にも送りたい。
* よく気張って ほぼ心ゆく「私語の刻」を費やし終えた。疲れて半盲に同じいが、致し方もなく。
2020 4/14 221
* 起床9:00 血圧 158-74 (69) 血糖値 99 体重 61.9kg
2020 4/15 221
* まる一年の抗癌剤以来だが私の掌はふたつともビビビビと音もしそうに痺れている。キイを捜して押すのはできるが、ボールペンで字を書くとビクビク震えてまことに見苦しい字しか書けない。手紙やハガキを差し上げたいと思ってもあまりの震え字に我から仰天してしまう。
2020 4/15 221
* もっと本を読み返しておきたく、隣(西)棟(本で埋まっている)から、文庫本ばかりを五、六十册籠へ入れて東へ運んできた。いい本というのは繰り返し 読んで読んで読んでも古びないどころか怖いほど誘惑される。それが佳い。ブルーライトには眼が負けてしまうが、昔のママの電球だとよほどラクに読める。ま いばん寝入る前に手にする本は十册、その周辺に堅い思い本なども出番を待っている。
2020 4/15 221
* 九時になる。もう機械からは離れたい。階下で出来る仕事、階下でないとし難い仕事もある。
* ひさしぶりに上出来の読み物「女王陛下のユリシーズ号」か「北壁の死闘」でも読んで寝入りたい。
2020 4/15 221
* 起床9:00 血圧 158-74 (69) 血糖値 99 体重 61.9kg
2020 4/16 221
* 戸外に憧れている「マ・ア」兄弟と、昨日も今朝も、頸紐に繋いだまま、四方を建物にふさがれている狭いテラスへ一緒に出てやった。いかにも嬉しそう。 書庫うえのエプロン、その上は草木の破売るに任せた細長い狭庭になっていて、ひとりずつ、そこまで押し上げてやると、それは珍しそうに。
ついでに、妻が愛している大きな重い植木鉢のベンジャミンを、晩秋から春までは家の中へ入れ上げるのが我が家の慣いで。今年はすこしテラスへ出してやる のが遅れていたので、ガンバッテ妻とふたりで引き摺り出した。季節をよむ我が家の年中行事なのだが、ま、おっとヨシヨシである。枝を張っていて、植木鉢も 大きく重くて、かなり難儀なチカラ仕事なんです。
2020 4/16 221
* 起床10:00 血圧 158-74 (69) 血糖値 109 体重 62.25kg
2020 4/17 221
* まだ九時前だけれど、骨休めしてもいい好機とも謂えるので、メールもないので、階下へ。ニュースはコロナの話し固まっていよう。いい映画かドラマがなければ、余みたい本を幾らも幾らも読んで、読みながら、また寝入ろう。
2020 4/17 221
* 起床9:15 血圧 128-67 (54) 血糖値 78 体重 62.3kg
2020 4/18 221
* 午後いっぱい、眼にきつい、細字を間違えずに読み取り書き込んで行く辛抱仕事をつづけて、五時半になった。食欲、無し。しかし酒だけを入れて腹を傷めたくないし。階下へ。
2020 4/18 221
* 八時まで、コツコツと頑張っていた。
2020 4/18 221
* やれやれ。身も心も疲れやすいが、疲れてはならぬ。
2020 4/18 221
* 起床8:00 血圧 137-68 (62) 血糖値 96 体重 61.9kg
2020 4/19 221
* 起床8:40 血圧 138-72 (68) 血糖値 91 体重 62.15kg
2020 4/20 221
* 起床6:15 血圧 143-69 (54) 血糖値 90 体重 62.2kg
2020 4/21 221
* この「私語」の、この上の行までは、前夜機械を離れる前に、頭の日付と計測値はそのまま、筆頭の「枕草子」は選んだ箇所を即、貼り付けている。明くる朝 に、すぐその朝の新しい気分で新しい筆記へ入れるように。計測値は、その朝の値に書き直せば済む。まさしく「闇に言い置く」「私語」なので、「読者」を先 にアタマに置いては居ない。訪ねよられて読んで下さる方のあるのは嬉しい、が、読者を意識して書いているとは言えない、この想いや思い、どう伝わるか、伝 わってほしいと願うときもあるけれど。時には、賛否のまま「秦 恒平がこんなことを言うていた」とよそへ向け拡げて頂いても構わない、有難いと思っている、が、あくまで「闇に言い置く 私語の刻」であり、自分の都合で 記載している。体調をはかる数値も、医者に命じられているのでなく、何となしキマリをつける気分で勝手に計測したのを、当日最初の儀式のように気ままに構 えている。
2020 4/21 221
* 夜前ははやくに床について読書を楽しみ、十一時前には寝入ってたろうか、何故と分からない、どうも「北壁の死闘」に揺すられてか一夜寝苦しいまま、六時過ぎには起きてしまった。ま、七時間は寝るようにしていて、それぐらいは夢うつつに揺すられ続けていた。
* グールドの元気なピアノが鳴りつづけている。さて、さて。八時。朝食して、今日もいろいろ遣ってみましょう、元気に元気に。
* 私の歩幅でこの機械部屋を出て階段まで七歩とない二階廊下「靖子ロード」(壁に、沢口靖子の畳半分ほどの顔写真が。)に丈の低い書架が外向きの窓下に三つ並んで、文 庫・新書本がもはや雑多に三百近くつまっているのを、せめて、文学・小説、古典・和歌俳句集、東西の歴史、その他に分類できないか(もともとは分類してい たのが出し入れの内にゴッチャになっていた)と廊下に座り込んだ。ところが、狭い廊下に坐ってしまうと、容易なことで立ち上がれない。困った。西の棟、二 階に同じほど文庫・新書本があるのと一緒に仕分けたいが、ダメ。しかし、どんなに古くて埃をかぶり本自体が傷んでいても、なかみは立派なものばかりで、 触っているだけで気が晴れ、読みたくなる。この性分は、大トクで。生涯自動車などと縁がなく暮らして来たが、いい読書で怪我などしない、目にはキツいけれど。
お金の乏しすぎた頃は、古本屋で立ち読みし、表紙ももげてボロボロにこわれ、「持って行け」とばかり店の外に積んだ中から、岩波文庫などの古典や史書や 名うての海外小説などを貰ったり安く買ったりしてきたのが、今までも、今でも、役立ってくれる。和読んで心惹かれればオンの字。ただ、書架から出したり戻 したりがグチャグチャだと肝心の時に探し出すのがたいへん、それで整理しようと坐り込んだが、これもたいへん。
* こんな私語で息をつくのが私の休憩。
2020 4/21 221
* 疲れて、見さしの映画「東京物語」の後半を見始めたが、娘夫婦らに熱海へ追い出されたあたりから見苦しく息がつまってやめた、戦死した息子の嫁の原節子の優しさが懐かしかったがもう息苦しくてやめた。
* 喜多方での鑑定団も見ていたが抜群の逸物には出逢えなかった。
いま、ペギー葉山が、純真に「学生時代」を唱っている。
十時。昨日から今日へ疲れが濃く、今夜はもう床に入る。
2020 4/21 221
* 起床8:00 血圧 133-69 (66) 血糖値 101 体重 61.85kg
2020 4/22 221
* 自転車で、是非にも印刷所に必要な資料を送りたく、ポストへ走った。道路工事のそばを通ってきた。
* やけくそ同然 8ポイント大の細字原書誌を 各頁複写しては逐一校正確認して原稿につくっている。湖の本の創刊から第百巻分。十册分の原稿をやっと確認した。元の資料冊子でやっと一頁分。もう十二頁分仕事が残っていてこの機械へ容れて行く、厳格に校正して行く。
早くてもう一週間かかりそう。ガマンして、ガマンして。頭重たい。
* こめかみの痛みを堪えて堪えて 廿四册分の既刊湖の本の書誌を確定した。こんなふうになる。
22・23・24 『冬祭り』(上・中・下) (東京・中日・北海 道・西日本・神戸新聞・河北新報その他夕刊連載小説)昭和五十五年五月九日~五十六年二月二十八日 二百四十一回連載 上・ロシアへ、バイカル号で 津 軽の海を ナホトカから ハバロフスク経由 雨のモスクワ 中・ルサールカ 再会 そして一週間 黄金の秋 冬のことぶれ 下・提案 ひまつりの山へ み ごもりの湖へ 愛しい日々 冬祭り 各巻に・作品の後に 各・百八十四頁 上・一九九一年八月十日刊 中・同十月一日 下・同十一月十日刊 各・一九 ○○円
遣って仕舞うのは何かに催されているのかと少し不安だが、投げ出せない。ま、色んな記憶や思い出に励まされもする。関わって下さった沢山の方々に「死なれて」もいる。
* 双の上腕が痛み、頭痛もきた。休みに降りよう。体を横にしたい。
* 吉備の人、最上のお酒を送って下さった。今朝 生協配達の四号瓶二本は三日で消えるなあと気弱に勘定していたので、ひときわ嬉しく、御礼申し上げま す。日々お寂しくはないかと妻ともよくお噂しているが。お大事になさって下さい、ぜひにも。この方には「湖の本 150」の中仕切り本、ゆっくりご味読頂 けると佳いなと願っている。
すこし、背が、ぞくっとしてきた。おやすみなさい。
2020 4/22 221
* 起床8:45 血圧 115-57 (70) 血糖値 89 体重 61.55kg
* 体重が少しずつ減る傾向。血圧も今朝は低めだった。
* 昨夜、こまかな仕事に根をつめ、「 すこし、背が、ぞくっとしてきた。おやすみなさい。」と書いて転送中に、両上腕が痛み 頭痛が走り、悪寒で全身がガクガクしものも言えず、顔も歪む感じで 辛うじて階下へのがれ、熱めの茶を大量に飲んで心身を温めた。低血糖の症状に似て思えたが血糖値は穏やかで、極度の疲労からきた急激な体違和だったらし い。ややおさまったところで床に就き、もう本も読むことができた。ちょっと怖い体験だった。部屋が冷えていたのではない、それでいて強い悪寒があった。ガ クガクしてまともに言葉が吐けなかった。幸い、熱水分の補給で緩和したのは、極度の脱水が来ていたのだろう。
2020 4/23 221
* テレビ朝日の朝の「コロナ戦争」検討は、女優の高木さんとそもそも総研の玉川さんと、立ちゲストの岡田晴恵先生。明快、適確な厳しい政府・専 門家委員会への批判や注文も分かりよく、もっとも信頼が置けると聴いた。権威主義でなあなあのオエラガタ世間では弾かれる顔と言葉かも知れないが、折角、 健闘願いたい。
* 私も、気忙しくならず、からだと相談しながら仕事をつづけたい。昨夜のような体調を繰り返すと危険な淵へ落ちてしまう。「枕草子」今朝の第二○六段 五月の京の山里の風情に思いを慰めている。
* こんなとき、兄北澤恒彦が存命で居てくれたら、機械を通じてまた新たな「往復書簡」が楽しめたに違いない。
* 建日子や、朝日子も成ろうなら、こんな際なればこそ、いまのうちに父に聴きたいと想うことあらば「問うて」おいてくれるといいのだが。
父をわがつまづきとしていくそたびのろひしならむ今ぞうしなふ 岡井隆
亡き父をこの夜はおもふ話すほどのことなけれど酒など共にのみたし 井上正一
今にして知りて悲しむ父母がわれにしまししその片おもひ 窪田空穂
百石(ももさか)ニ八十石(やそさか)ソヘテ給ヒテシ、
乳房ノ報ヒ今日ゾワガスルヤ、
今日ゾワガスルヤ、
今日セデハ、何(いつ)カハスベキ、
年モ経ヌベシ、サ代モ経ヌベシ。 叡山所伝「百石讃歌」 『愛、はるかに照せ』より
* 親孝行を強いている気は微塵もない、ただ「時」という容赦ない超大の船にわれわれは乗せられて容易に顔も合わせ得ずに「旅」している。
酒の飲めるようになってきた建日子と、いまこの一つ家で過ごせるなら、「吉備の人」に賜ったとびきりのお酒も何かしらの話を肴に楽しめるのだが。だが、今はそれほどのことも堪えて要心しなければ。
* 昨夜おそくの発作的な苦しさは根が深いかも知れず、いまも「靖子ロード」で、やや重めに設定してあるいわゆる脚踏み機械を50回(いつもは100回)踏 んでみて、30回目頃から微かに胸の奥に痛みを感じた。日々を静養すべきなのだろうが、今世紀に入っての二十年だけ見ても、わたしの日常は静養なんて日々 ではなかった。
「作 家ってそんなに忙しいんですかと聞かれる」が、むかし、週刊誌の連載小説を三つも四つも書き飛ばしていた連中などたぶん今は昔語りで、今日「自称作家」の 500人 に450人は、作が売れる、本になる希望はかぼそく、昔なら腹立ち紛れ原稿用紙をクシャにして身のまわりに撒いていたのと大差ない日々を過ごさざるを得て いない。世の中も出版社も編集者もまともな書き手など期待していない、「売れる物書いて」が、少なくもこの40年は決まり文句だったし、まともに日本語も 書けない自称の文士が文藝団体の会員や役員にもぞろぞろいたのを私は「ペン電子文藝館」での具体的な校閲作業を通して呆れるほど知っている。
私の「湖の本」のように、書いた仕事が確実に活字になり、本になり、読者へ届くというのは、これは異様も異様なほど「世界的にも」例外なのだ。「書ける」「技術的 に本が作れる」「受け容れ支えて呉れる愛読者が相当数有る」「出版に協力ないし理解を示してくれる家族」無しには、ゼッタイに「作家」として作品を世に出しつづけるなど不可能。せい ぜい頁数も少ない仲間雑誌に拠る程度になり、これがまた維持できずに壊れて行く。
2020 4/23 221
* 仕事に二階へ上がってきたのだが、なにか兆す痛みを胸に感じたので、下 へ降り、横になろう。印刷所でもコロナでの縮小や進行替えが始まっているのだ、今はタマは向こうに投げてあり、少しはユックリしたがいいのだ、だから 建 日子がいるといいのになあとつまらないテレビ番組の前で思ってしまう。
* 寝床では とてつもなく面白い「千夜一夜物語」の他に、小説・物語の名品や秀作三つ四つ五つと手を出しているが、ほかにも、「創世記」はじめ、「孫子講話」「大無量壽経」「般若心経講義」そして「柳北全集」を気の済むだけ手に執っている。鈴木大拙先生の講演「無心ということ」へも手を伸ばしている。外出したいなど思わない、むしろ極力要心している。
2020 4/23 221
* 起床8:00 血圧 152-81 (79) 血糖値 94 体重 61.1kg
2020 4/24 221
* 両掌は十指の尖まで無数の縦皺、そして鳴りそうにジセンジンと痺れている。胃全摘後の一年の抗癌剤服用に堪えて以降、こうなっている。抗癌剤おやめな さいと医学書院の昔に「胃と腸」編輯の頃御指導頂いていた編集委員先生のお一人からご注意いただいた。建日子からも言われていた、が、私は押して、それも 放射線でなく抗癌剤に耐えようと決心した。若干の癌転移が認められていたのと闘うなら今の内と思った。じつに切ないほど苦しい一年で、担当医の女先生の方 からもう止めましょうよと言われても、どう曲がりなりにも一年は耐えましょうと、それでも十ヶ月を超えたころに先生から打ち切られた。苦しかったが私はこ れが「生きる体験」と断念に近いほど放念を自身に強いつつ闘い抜いた。放射線はイヤだとはじめから抗癌剤を受け容れた。
うちで夫婦して好きだった女優「山名さん(役の名)」は乳がん手術後に放射線を浴びていたという。何のシカとしたリクツはなしに私は放射線を浴び続けるのが怖かった。
抗癌剤のつらさをどう耐えたといったモノではなかった、ただ、痛いという感触はなく、全身が堅めの綿のように崩れていた。げえげえと粘ったモノをながす ようにトイレで吐いた。吐いたあとも便座に腰かけ、頭や顔を抱えて深々と突っ伏し、両の臂を膝について、ただただ堪えた、そんな三百六十日近くが続いて、 いらい私にはトイレの便座が固有の一世界のように今でも想われる。今も、便座に腰かけると目のマン前の壁に、三人の仔ライオン兄弟(と想っている)が横並 びに寄り添い臥してまっすぐ私に笑むような優しい目を向けてくれている。その上には犬と猫のマンガふう夫婦らしきが、チンと高坐りに並んで、佳い笑顔と視 線を私に呉れている。繪さらにその上には、カレンダー写真から切り残した横綱白鵬のウムと力籠もって土俵へ双の手をひろげた土俵入り写真が大きく貼ってあ る。私は、手洗いに入ると便座から、優しげなライオンたちやいい笑顔の犬猫夫婦や大横綱の力感漲る土俵入りの気魄の眼光に励まされてくる。
あの辛かった頃、もう七八年まえのことだが、便座の前に貼った写真に憩いかつ激励されていた。なにかしら工夫して耐えべきは耐えねばならぬ、死線といえども生きていのちがあるからは。
* 私も今はさらに老いて、耐えきれるかどうか、分からないが、トイレというのが存外な「役」立つ場だとは思い知った。ただし明るい便座トイレなればこ そ。子供のころの秦の旧家のような暗くて、しゃがむ便所立ち便所では気が滅入っただろう。ちいさい頃の怖がり恒平は便所へひとりで行けぬ児だった。便所は 部屋の外、小さな泉水の向こうへ短いながら廊下を伝って行かねばならなかった。
* 思い出に耽るようになり、老境の向こう視野には過ぎし日々が。いやいや、私にはまだ残してある仕事、多いのだ。
* いま我が家の「元気」「快活」「親愛」はアコとマコの兄弟ふたりが狭いは狭いなりに心得て家なかを駆け回っている。老夫婦にもじつに親密に甘えてくれ る。心励まされ笑い絶やさず過ごせている。そのかわり、破れるモノは残り無く破られ、落とせるモノは何でも落とされている。夜分は、四人で寝入っている が、彼ら兄弟の朝飯時間八時が近づくと「あげる人」の妻は、容赦なく起こされてしまう。
2020 4/24 221
* 起床8:00 血圧 128-62 (69) 血糖値 101 体重 61.25kg
2020 4.25 221
* 夕刻 寒けを感じ、活気を見失っていると思って、食事せず寝床へ遁れた。本も少ししか読めずに寝入ったが、一刻ののちに尿意で目が覚め、それを幸便に 夜分にときめられたインシュリンを注射、尿の薬もキマリの一錠、おまけに何とない気分薬や乳酸薬を喉へ流しこんで、「おまけ」と念じセイムスで買い副えた 清酒をほんの一口「旨い」と感じながらまた床へ戻った。ラングレーの「北壁」は後半へ、「戦争と平和」は露仏両皇帝のかりそめの和睦場面を読みおえて、寝 入った。
機械を止めに、目ざめた九時すぎに二階へ来た。
☆ ご無沙汰
テレビはコロナ一色
昔の香港旅行で不衛生なキッチンに辟易したのを思い出してます。
最近は(京で同窓の=)芦田姉妹とも疎遠… お元気でお過ごし下さい。 花小金井 泉
* 寒けは、まだ少し。飲食ぬきのまま、寝てしまうか、ナ。
2020 4/25 221
* 起床8:00 血圧 127-64 (63) 血糖値 93 体重 61.5kg
2020 4/26 221
* 浴室で、よくあったまりたくて、「北壁の死闘」「戦争と平和」「凱旋門」を楽しんだ。さすがに、帰還後のアンドレイ公爵の思索に落ち着きと深みとが加 わって、藝術としての文学作品の深みに驚嘆し嬉しくなる。レマルクはいい小説を書いて楽しませ、ラングレーはアイガー北壁との死闘のなかで迫り来る原子爆 弾の脅威で胸を騒がせる。
わたしは、どんな読書にも朱筆をそばに置いていて、いい表現や思惟をみつけると朱線を残しておく。それが再読クや再々讀のさいの見付け柱に成ってくれる。
* ぁ、もう十一時。視野が蔭ぐらいのは、当たり前。
* 籠居に徹し、あす予約の聖路加通いは失礼する。先日は、糖尿の法の診察も失礼した。往復に三時間ちかくは電車に乗らねば。ここは、ガマンの仕どきと。出たいとか退屈とか、まったく無し。
2020 4/26 221
* 起床10:00 血圧 115-59 (70) 血糖値 96 体重 61.9kg
* よう寝ました。寝られる幸せを実感、体調管理には何より。徹して、籠居。あふれ出す「ことば」は、この機械の「闇」へ「私語」して、涸れてしまうことは無い。
2020 4/27 221
* 起床8:30 血圧 154-74 (68) 血糖値 91 体重 62.15kg
2020 4/28 221
* 必要不可欠の細字校正作業、目が腫れてくる、けど。
* 昨日頂戴した京・嵯峨野の若筍の御飯を、妻が美味しく炊いてくれた。蜆の味噌汁も旨く合い、近来になくたっぷり二膳もお代わりした。季節の味、旬の味わいの宜しさ、嬉しかった。
有子さんに、新ためて感謝。
2020 4/28 221
* 起床8:30 血圧 154-74 (68) 血糖値 91 体重 62.15kg
2020 4/29 221
* 起床9:30 血圧 127-67 (61) 血糖値 92 体重 61.95kg
2020 4/30 221
* 午前に、初めて携帯電話を用い、ロサンゼルスの池宮さんと暫時懐旧歓談。あと十年で百歳など想えない昔のママ元気なチョコちゃんの声だった、逆に、ただし私の、息がぬけてうまく喋れないのに喫驚。歯が無いからナア。
2020 4/30 221
* もともと私は外出好きでなかったし、いまはコロナという奇態なモノのせいで、ともあれ陋居の籠居に徹してられて、性にも合っている。ただ、聖路加二科 の診察日を無断で失礼したのがちょっと気になるが、往復の電車に二時間半は、やはりこの際遠慮したい。駅まで歩くし、駅から病院へも歩く。先が聖路加とは いえ病院という空間には相違ない。やはり慎重でありたい。と、まあ、家に籠もっている。機械や校正ゲラに向かう仕事は捗るし、読書の楽しみは創作への刺戟 や栄養である。
食欲はうすいが、酒は友になる。愛おしい「マ・ア」もいて、ありとある障子は引き裂いてくれて、さらに親ふたりの薄手の衣服を何が旨いのやら盛んに噛み破ってくれる。懐き切っていてどう叱っても怒鳴っても追いかけても楽しそうな顔をしている。
2020 4/30 221
* 起床10:20 血圧 135-65 (59) 血糖値 84 体重 61.8kg
2020 5/1 222
* 睡るに、まかせている。いずれは寝入って醒めない。夢さえ見ず済めば眠りはやすまりの最たるもの。
* 晩の七時。今日なにをしてきたかよく覚えていない。瞬間的な物忘れが起きはじめている。そうだ、「湖の本 150」の再校を進めて、主要部分の初校朱 字がちゃんと直ってきたかを通して確認した。これからはその主要部分を、初校する気で、厳格に原稿原本に当たりながら読み返して行く。数日はかかるはず、 この数日は昔感覚で謂うとゴールデンウイーク。しかし今はコロナ戦争の守勢に甘んじてむしろ厳しい籠居自粛に身を持さねばならない。
それでも今日、ポストまで自転車で走った。近辺ではほとんどひとに出会わなくて済む、それが有難いというのもへんな時節だ。
2020 5/1 222
* じつは、寝てしまいたくもあるのだが、寝過ぎては呆けるとも聞いた気がしているので、頑張ります。
2020 5/1 222
* 起床 7:45 血圧 143-69 (48) 血糖値 84 体重 62.15kg
2020 5/2 222
* コロナ塗みれの朝早からの報道にも顔をそむけ、ただ 三つの「密」に嵌るまいとだけ。
2020 5/2 222
* 蒸し暑く、真夏なみ。せて心涼しくいたいもの。機械のそば、冷房しないと、肌着になっても暑苦しく長居できない。からだを傷めてしまう。
* 晩、入浴。あたらしく『女王陛下のユリシーズ号』を読み始める。これも息苦しくなるほどの極限を堪えに耐えて読み進めねばならぬ感動篇。こんどは同じ 死闘ではあるが「アイガー北壁」のような山でなく極北極寒の海の闘い、息苦しいまでに過酷な感動篇と記憶している。そう分かっていても読み始めるとなる と、怕くなるような力作で。
* きつい感染ウィルスが蔓延、外向きに頑張りにくいこの節であり、むしろ休息と睡眠をしかと摂ることが大事、と、ま、そう思って寝入ろうと思う。
2020 5/2 222
* (二〇二〇)五月三日 日 憲法記念日
* 起床 9:00 血圧 122-64 (57) 血糖値 93 体重 61.65kg
2020 5/3 222
* 体調健全という自覚はもてない、けだるさに絡みつかれている。こういう時だ、静かにけだるさとも付き合って行かねば。
2020 5/3 222
* 起床 7:45 血圧 129-61 (57) 血糖値 81 体重 61.2kg
2020 5/4 222
* 注意力と視力の傾注は、濃い疲労を招く。朝のうちにもすこし横になった。午後は三時から六時までも寝入っていた。運動不足もこの節はいくぶん余儀ないが、重い目の脚踏み、せいぜいの階段上下は心がけている。
* 昨夜も十時過ぎて床に就き、しかし「源氏物語」「孫子講話」「戦争と平和」「凱旋門」「女王陛下のユリシーズ号」「大無量壽経」を結局一時頃まで読み 耽っていた。機械の側では、ジャズに伴奏してもらいながら、一息一息つくふうに、鈴木大拙先生の「無心ということ」 旧約の「創世記」 を少しずつ読んで いる。
2020 5/4 222
* 十時。骨休めの晩になった。 2020 5/4 222
* 起床 7:45 血圧 127-58 (56) 血糖値 84 体重 61.4kg
2020 5/5 222
* 終日、一字の誤植もゆるされない参考原本の校正に、草臥れた。ふい、ふいと寝入りそうになる。コロナ禍にはわるく馴れ抜けてはならないし。幸いに私の 仕事は、なにより気に入っている「読み・書き・創作」で飽きることは無いが、もとでは、視力と体力。疲れきっては危ない。なんだか、あっというまに大型連 休も、カレンダーによるともう明日一日。やはり仕掛け仕事の尻を追うということになります。なかなか無心につとめるというのも難しいが。
2020 5/5 222
* 起床 7:45 血圧 127-58 (56) 血糖値 84 体重 61.4kg
2020 5/6 222
* やはりテレビ朝日の羽鳥番組の「コロナ禍討議」を最も尊重し傾聴していた。東京都も、政府との過度の接触をぬけて大阪府知事のような賢明な事態の把握 と独自性の対策へ渾身向かってほしい。政府の「いい加減さ」はとてももう転換も修復もなるまいから。小池知事は「ことば」では明快に語っているが、「こと ば」のレベルで自足してはならない。コロナ禍のより明晰な理解の上で施策ありたい。
* おもえば、私の、癌による胃全摘・胆嚢摘除の手術が、2012年の二月だった。以来八年、私は通院検査と受診のほか、ま、歌舞伎座を楽しむていどで、ほ ぼ家居の仕事に終始し、社会生活はゼロに近かった。情報としての世情はなんとかテレビで掴めていても、視力を労り新聞は一切読まなくなった。出歩くという 習いは手術以前とは雲泥の差で減り、無くなったとすら謂えた。なによりも、新幹線に前後十年も乗っていない、つまり京都へ帰っていない。仕事の量は、むしろ そと目には旺盛とすら驚かれている。この老境に私はいま不満か。いや京都を措いていえば、私は性にあった家居の日々をいま前向きに受け容れているのだと思 う。
現在はともかく、未来に多くを頼める状態に「いまの日本」はない。科学技術的の恩恵はもはや受け摂る能を私は持たない。現在未来の藝術に心ときめかす余力も ない。私の残されたわずかな明日を生きて行く滋養と財産とは、あきらかに、精微なまで蓄えた「過去」のもつ力量であるとともに、リアルに拘束されず今も可能な読書が下支えしている「想像・幻想」のリアリティだと謂うしかない。恐れねばならぬのは、ただ一つ、陳腐である。
「自筆年譜(一)」で驚かせた精度といまも鮮 明な記憶と記録とで、私は、概ね二十世紀末までの自身を現在も所持している。今世紀以降はこの厖大な「ホームページ」がある。
つまるところ、私は作家。文筆家として「私」を表現し続けてきた。それがどんなに無意味なまで幼稚で未熟であっても弁明弁解など出来ない。
2020 5/6 222
* 起床 8:10 血圧 145-71 (58) 血糖値 77 体重 61.5kg
2020 5/7 222
* 睡魔に身をゆだねたいほど、心身疲労している。目をあいているのも物憂い。幸い、ことを焦らぬ限り、今朝の三校請求の様相で大きな一息がつけるのだから休憩すればいいのだ。
「休憩」というと思い出す、建日子が小学校四、五年生、せいぜい六年生初めの頃、一緒に浴室にいた時 彼は突如として人生とは「いっときの休憩室だって ね」と口にした。耳を疑ったが、彼はそれを『モンテクリスト伯』でエドモン・ダンテスが云うていたと。大デュマのこの作は、西欧の小説で五作選べと云われ たらきっと数え入れたいほど私は熟読していたのに、咄嗟に思い出せなかったが、建日子は彼なりの理解で「休憩室」と飜訳していたろう、深く頷けた。その感 触は、いま此のHP冒頭の写真「方丈」のしたにあげた
あの世よりあの世へ帰るひとやすみ
の述懐に息づいている。落ち着きのない私は、あまりにその「ひとやすみ」中にあれこれし過ぎたがる、それで疲れを溜める。まるで、八十五にもなろうという一少年かのように気ぜわしい。
* 体を働かせないからだろう、食がウソのように極く細になり、食べられない。食べさせようと勤めてくれるのに、済まない。
2020 5/7 222
* 九時前だが、やすませてもらう。
2020 5/7 222
* 起床 8:20 血圧 143-68 (55) 血糖値 86 体重 61.8kg
2020 5/8 222
* 連続の韓ドラマ「大王世宗」を観つづけている。「イ・サン」「トン・イ」「馬医」「心医ホ・ジュン」をいずれも観通していずれにも心惹かれまた朝鮮半島の歴史風土や人や言葉に多く教えられてきた。今度のはまだ緒について遠くないがひときわ宮廷社会の激闘多く、時に疲労する。今日も観終えて二時、潰れるように二時間寝た。
2020 5/8 222
* 夕方 鮮紅の血痰を少し吐いた。
2020 5/8 222
* 九時前。もう休みたい。
2020 5/8 222
* 起床 8:20 血圧 132-74 (65) 血糖値 95 体重 62.3kg
2020 5/9 222
☆ 鴉に
もうお休みになられたでしょうか。
HPの血痰の記載に驚いています。無理せずお身体休ませて下さいますよう。 尾張の鳶
* 「湖の本 150」を送り終え、『選集』最終33巻の納品をみるまで、たとえ、何かしら病状を呈しても決して入院しない。私にしか成し終え得ない仕事であるから。少なくも其処へは地力と自力とで辿りつく。要心はしながら、
2020 5/9 222
* 「秦」という國の始皇帝よる中国統一に至る歴史と文物とを感嘆、テレビで見ていた。
体調、妙に歪んでいる。今、右肩に太い釘を打たれるような痛みがあり。八時半だが、もう休もうと思う。視力の急な弱りがからだに響いているのだろう、疲 れやすくて当然と思う。コロナ禍の第一波がもし平穏化して無事が見込めたら、歩くという近所への外出も考慮したい。体力も落ちているのが分かる。
2020 5/9 222
* 起床 8:20 血圧 132-74 (65) 血糖値 95 体重 62.3kg
2020 5/10 222
* 喪ったかと落胆していた「湖の本107 バグワンと私 上」一冊分を、広漠とした機械の中から辛うじて見付け出した。疲れた。大仕事だった。
この肉親にも同じい馴染みの旧友機械クン、おそろしいほどのコンテンツを呑み込んでくれている。
湖の本150巻の全部、選集既刊32巻の全部、1998年三月から二十数年欠かしたことのない「私語 日乗」が毎年毎月毎日の365日、ほぼ8700日 分、そして創作、エッセイ、随筆等々の依頼原稿。そして萬と数え切れない永年保存のメールと写真。パソコンが無かったら、とてもこれだけの原稿用紙やノー トや資料を収容保存しきれない。
驚いたことにそれほどの大量を事ともせず「すっかり全部」保存してくれるモノも別に在る。
いやはや、 あらためて、東工大教授に招聘してくれた大学に感謝します。何故かなら、東工大の学生君らの助力なしくて私に「ホームページ」の何のと、出来得た話でなかった。ぜったい無かった。感謝。
* が、いまや、視野が、春霞とはこれかというほど滲むように霞んでいる。休憩。
2020 5/10 222
* 起床 8:00 血圧 121-67 (66) 血糖値 91 体重 61.35kg
2020 5/11 222
* 自身で写真を撮るのに、文章を書くのとならぶ喜び、ときに生き甲斐をも覚える。文章は読み返すのが必要だが、写真は眺めれば楽しめる。上に掲げた四枚 の二枚は画家の作品だが、爆発する大紫の満開も、京の八坂神社西楼門上から眺めた石段下四條通りの夜色も、撮影した私自身を心静かに励まし慰めてくれるこ とは、小磯良平や高木冨子の表現と変わりない。機械の能力がなお許してくれるなら、自愛自負の撮影写真の展覧会を此処でしてみたいほど、写真いじりをして いると時を忘れる。出歩くなととめられていても、時間をもてあますなど全然無いが、体力の目減りは目に見えて著しく、宜しくないと危惧している。
幸い、久しい聖路加通いのなかで、決定的に必要な二種の「インシュリン」は、あと一年ほどは予備を得ているし、点眼薬の三種も、鷲づかみのようにたくさ ん出してくれていたので不安がない。ビタミン剤の二種にもまだまだゆったり余裕がある。ただ、頻尿を抑えてくれる薬がもう一月分ほどに減っていて、これだ けは近所のセイムスで補給するしかない、が、さて聖路加病院へいつからまた通えるのか、計り知れない。歯医者へも、実は近所の眼科へも行きたいが、濃厚接 触なしに済まない診療なのでビビってしまう。
やっぱり、自愛の写真をときどき羅列鑑賞して弱り気味な身も心も励ましてやりましょう。逃げ出せるどこも無い。
2020 5/11 222
眼鏡が
* ブルーライトに迷惑しきって、ついに天井の大きな灯りを消してしまい、強いて昔の電球ひとつを機械の近くに据えて細かな仕事に明け暮れていた。闘いに 似た仕事への念入りで、やれることはやるしかないと。私の現用の眼鏡は目から五、六センチ浮かすと鮮明にものが見える。もはや造って一等新しい眼鏡がこう であり、間近い箱に、数えてみると古眼鏡が九つ入っている。なんとか見やすいのを時々に捜すがダメです。
* 『選集 33』の入稿原稿を作りはじめているが、読みに読まねばならない、目玉が焦げそう。今日は暑くて、歯は痛み、両肩は水晶玉のように尖って痛く 凝り、ロキソニンと抗生物質のプロモックスで凌いだが、この難行は優に今月中かかるだろう。加えて、「湖の本 150」三校が出て来て、ここでは超複雑難 読の漢字に悩まされる。しかし、口絵は綺麗に出来てきた。これの発送は六月の早めにしたく、封筒を買い入れ、印を捺し、送り先を今回は慎重に選びたい。安 倍晋三氏にどう「謹呈」するか、また今回は歌の詠めて字の読める先を選ばせて貰う。拗音も濁音もふりがなもないひらかなの表現を句もなく読める人はもう今 日歌詠みと雖も多くはない。
* 十時半。機械を止めるのは十一時過ぎるだろう。明日の午後、聖路加の医師から「電話診察」があると報されている。妻は近くの病院へ定期の診察とクスリを請け出しに出かける。
籠居といいつつ、なんという気忙しい日々であることか。食細く。いろいろ用意してもらいながら、気の毒なほど食べられない。体を壊したくない。
2020 5/11 222
* 起床 9:00 血圧 123-62 (69) 血糖値 97 体重 60.7kg
* 体重が、とうとう60キロ台へ割り込んだ、手術後の66キロ台からじりじりと、幾らか私自身も意図して減らしてきた。最高86.6キロ当時から、「鉛筆を削ったような」と謂われた高校・大学・新婚当時へ戻った。この辺を維持したいと思っている。
2020 5/12 222
* 聖路加病院内分泌科の先生から、昨日に「約束」の出来ていた電話があり、次回、八月十日過ぎに受診、今回の処方箋は薬局宛て送りますと。なにとなく、一つ、肩の荷を下ろした。
妻は今しも、地元の病院で定期の診察を受けている。
2020 5/12 222
* 起床 7:50 血圧 130-66 (66) 血糖値 94 体重 60.1kg
2020 5/13 222
* コロナ禍は失せたのではない、ただ様相の推移のうえにあるだけ。要心を怠れば竹篦返しに遭うだろう。
* 朝も五時台で外が明るんでいる。夏至へ、日の一番ながい日へ歩み寄っている。「マ・ア」の目覚めも早く、遠慮そうにトーサン、カーサンを起こしに来る。
* 晩の七時も一日中、細字の文章を添削しながら読み続けて、歯は浮いて痛み、肩は石のよう。けれどそういう仕事がいささかも途切れないで始終私の前にあり、浮いても痛んだも凝ってもその仕事に打ち込める。有難いと思う。
* 九時。もう限界。横になりたい。もう九時半。直ぐ十時になりそう。
2020 5/13 222
* 起床 8:10 血圧 122-69 (68) 血糖値 107 体重 60.75kg
2020 5/14 222
* 『選集 33』編輯の、一の関門を、いま晩九時半に通過した。あとはだいぶラクになるか。いや、この関門に今少しの旗を立ててやらねばなるまいか。それはいっそ楽しみとしたい。そのあとは、一気にかなり強硬に進んで行くか、期待したい。
* それでも、午後、「湖の本149」の請求分支払いのために、日盛りの下を思い切って妻と郵便局へ歩いた。腰が痛んだ。自転車ならあっという間なのに、 杖を突いてマスクして歩くのはしんどかった。すこしは遠くまで散歩の気でいたのに、払い込みの機械操作を妻がし終えるのを待ちかねて、そのまま家に帰っ た。もう一つ,『選集 32』の支払いもあるが、銀行は駅の向こう。駅までバスやタクシーを敬遠して往復歩くのは厳しいなあと言い合った。
* たんに運動も摂食も足りなくてか、体調になんともいえぬ違和があり、体を横にしたくなる。そうもしてられず仕事に打ち込む。さらに疲れる。うまいも の、さしづめ「寿司」など思っても寿司屋こそ今は休業しているだろう。小さかった頃から食わず嫌いの多い子だった。このところ、酒の酔いが早い。
2020 5/14 222
* 起床 7:45 血圧 127-63 (57) 血糖値 92 体重 60.7kg
2020 5/15 222
* ジャズの演奏が一日中、しづかに、わたしの仕事部屋に。二時半。すこし、むっと暑く、そげたほお額に熱気。ブルーライトを避け、裸電球を機械の背後においているから。
*『選集 33』の編輯へ、よほど踏み込んできた。思い切り。残るは、それか。
週明けには、『湖の本 150』三校が出て、届く予定。一日中、倚子の暮らし。立ち歩くと腰に負担を覚えますなあ。。
2020 5/15 222
* 起床 7:45 血圧 110-58 (59) 血糖値 77 体重 60.7kg
2020 5/16 222
* 今日もよく仕事した。すこし寒けの一日だった。休息には横になり『女王陛下のユリシーズ号』に同船して、へとへとに揺すられる、が、読書の魅力に他ならず。
2020 5/16 222
* 九時半。機械を離れるのは十時過ぎか、半か。目玉が音たてて軋むよう。
2020 5/16 222
* 起床 7:45 血圧 110-58 (59) 血糖値 77 体重 60.7kg
2020 5/17 222
* 本当に怖くて要心しなければと心するのは、秋から冬へ年越えの頃の、コロナ第二波とインフルエンザの合併来襲と、真剣に恐れる。八十五歳の冬至の誕生 日を慎重に超えてゆかねばならない。わたしはもうそこへまで思いを馳せている。怯えていてはならない、立ち向かわねばならぬ。
* 『選集 33』の受賞後15年「自筆略年譜」や単行図書・湖の本等の「全書誌」など細字の原稿調整や本文原稿の念入りの編輯で、知らぬまに五時半、肩が石の割れるように痛い道理。参った。
* 『選集』書誌作業が最終巻のためにまだ残っている。ただもうこつこつと下ごしらえはできた。明日にはもっと詳細に細かな仕事になる。細かな仕事は気も目も草臥れるが、投げ出せない。仕事は投げたら、お終い。
「湖の本150」を責了に出すのも、遅くももう数日内には遂げておきたい。
九時半。疲れた。
* 感染病の大きな揺り返しがこの秋にはと聞き、それまでに、少なくも『選集』33巻の完結へ少なくもせめて「初校」ぐらいまでは自力で運んでおきたい。オールド・ブラックジョーのように、生きていたい気力が痩せて来ているのに気付く。
2020 5/17 222
* 起床 8:20 血圧 132-69 (60) 血糖値 88 体重 59.7kg
* 体重が60キロを割った。昭和三四年(1959)東京での生活を始めてこの方、初の数字かと思われる。「食べない」から、減る。それに尽きている。安いな がら食いしん坊に違いなかった、のに、食欲払底。疲れ目のせいかも、いつも睡い感覚。
2020 5/18 222
* 聖路加病院内分泌科の電話診察で処方された薬を、今朝、市内の薬局で手に入れた。払底のリーゼが手に入り、なんとなくホッとしている。もうやがて、次 いで泌尿器科の排尿促進薬の処方ももらえるだろう。病院へは、いつごろから出向けるか。歯科医へも眼科医へも行きたいが。
2020 5/18 222
* 夕飯に、久し振り寿司屋の刺身を取り寄せたが、食欲を満たしてくれず、落胆。肴のせいでない、わたしの口が食べないのであって。
* 九時。終日、『選集』全書誌作業にとりついて、大変さにしんから草臥れた。かろうじて第十巻まで。まだ創作巻の途中 で、いい方。エッセイの巻々へ来ると、泣きそう。ま、あと二十三巻分、四、五日かける気で、それより「湖の本 150」を責了へ持って行き、荷を軽くした い。
二つ三っつ心がけ手も掛けている小説が、「こっちへ来い」と呼びつける。疲れた。風呂へ浸かる元気もない。北極海の酷寒・烈風・高層ビル大超弩級の怒濤に加えてドイツ自慢の潜水雷撃のUボートと爆撃機に襲い続けられる船団指揮の『巡洋艦 ユリシーズ』のもの凄さにアテられてわたしもマイっているのかも。やれやれ。それでも、今夜も読む。レマルクもトルストイも源氏物語も読む。栄養は本で摂っているよう。
* 久しく 日比谷のクラブへも行けてなくて、スコッチやブランデーに遠ざかっているのが寂しい。近所の「セイムス」では銘柄の佳いのが無い。
2020 5/18 222
* 起床 7:30 血圧 120-63 (66) 血糖値 88 体重 60.15kg
2020 5/19 222
* 今日も、目の霞み、歯の痛さを怺えながら私は「籠居」なりの仕事に励みます。事の軽重や進行をあたまに、交通整理していないと、「タイムリー」という重みが前後へ混乱する。
* 午前中 書誌の仕事をしていた。疲れた。だが、生涯かけて積みあげてきた、ことに「創作」の書誌的な点検と回顧は、いろんな意味で身につまされる。と 同時に、井口哲郎大兄の立派な題字を戴いて着実になってきたわが「選集」本の手触りの良さ、適度の重さ、文字の大きさ、余の用はおいてゆっくり読み返した いとついつい思い入れてしまう。谷崎先生が、老後には楽しんで自作を読み返したいと述懐されていた頃、ああ、そんなものかなあと半ば余所に聴いていたが、 いまや七十九で亡くなられた先生より五年生き延びてきたのだ。感慨深い。やはり、書き継いで行きたいと願う。
2020 5/19 222
* 十一時になっている。 明日、明後日には 何としても 駅の方まで用足しに向かわねばならない。
2020 5/19 222
* 起床 9:00 血圧 119-59 (70) 血糖値 71 体重 60.1kg
2020 5/20 222
* 今日も、やや冷えている。風邪は恐れたがよい。
2020 5/20 222
* 午後、それぞれの所用のため、徒歩で、駅前の銀行、西友へ出向いて、ほかに立ち寄らずまた徒歩で帰った。バスもタクシーも敬遠したのだが、ほぼ四千二 百歩。夕方、入浴したら、湯の中で脚頸上の骨が折れるかというほどの痛み、ロキソニンで抑えたほど。脚は、例にない強行徒歩でよほど仰天したらしい。湯を でたあとも、両脚とも捩れたように攣り気味で閉口した。歩いただけでなく、午前中、家の中でだが相当な重荷を運んだり高いところから下ろしたり、かなりの 力仕事を重ねてもいた。老体、ゆるめてもならず、使いすぎるのも要注意か。
* 十時。もう半時間ほどで、やすむことに。
2020 5/20 222
* 起床 8:10 血圧 143-64 (58) 血糖値 89 体重 60.75kg
2020 5/21 222
* 早い「梅雨冷え」かのように今日も雨で肌寒い。五月雨と梅雨とはべつものだが、いま、この五月の雨は梅雨入りの雨かのよう。
* 夕刻前に 「湖の本 150」責了全紙 用意できた。明朝一番に郵送できる。
ひきつづき、発送用意。 読者ほかの皆さんへ挨拶状を書いて印刷、 郵送封筒に住所印等の押印、宛名印刷と貼り付けを。
そのかたわら、創作の進行。『選集 33』編輯を終え、頁数を睨みながら、入稿。その頃には、「湖の本 150」ず納品されて発送の力仕事。その間にも、 「湖の本 151」の心づもり。
おおかた「六月仕事」か「七月」へ引き摺るか。コロナ禍が一度沈静したら、聖路加病院へも神戸歯科へも通いたいが。
團十郎襲名興行が どうなるのか、すこしヤキモキしている。いまの白鸚さんのお父さん(先々代幸四郎)がまだ染五郎で、伯父さん先々代、すばらしい美男 子だった團十郎がまだ海老蔵の時分からわたしは歌舞伎を観てきた。今しも新團十郎になろうとコロナ禍に遮られじっと待機している海老蔵は、孫に当たる。惜 しくも早く亡くなった先代、どんどんよくなる成田の太鼓といわれた先代お父さん團十郎の襲名も観てきた。一等大きな襲名舞台、かなうなら中村歌右衛門の襲 名もぜひ観たいんだがなあ、福助に怪我があって残念だった。美しさの輝いてきた七之助が、兄勘九郎の勘三郎襲名と並んで歌右衛門というのが夢だが、たのむ から早く嗣いでおくれよ。
2020 5/21 222
* 起床 8:10 血圧 129-72 (64) 血糖値 90 体重 61.0kg
2020 5/22 222
* コツコツと根気の仕事をつづけている。眼鏡を両の指でもち、眼から七、八センチ離すととてもクリアに機械の文字が見える。片手では、視野が震える。いっそ目を閉じて仕事できないかなどとボケたことを思う。そんな時は痛いほど鼻をつまむ。
2020 5/22 222
* 「選集 書誌」 やっと第二十巻まで、かつがつ仕上げた。まだ三分の一に届かず、全身、ガチガチに疲労。発送封筒へハンコ捺しも半分近くは終えた。 まだ八時半だが 、明朝のアタマヘ枕草子を入れておいて、休息しないとノビる。全身強張る。一日の終わりに清少納言と語り合うてきたのが、佳い憩いにはなった。もう残り少 ないが。
* 足首の上変の細そうな骨が折れるのでないかとおもうほど。両上腕の肉がガチガチに熱も帯びて張っている。 休まねば。
2020 5/22 222
* 起床 8:10 血圧 129-72 (64) 血糖値 90 体重 61.0kg
2020 5/23 222
* こまかな仕事でよほど疲れたか、夕食後、横になったら十時まで寝入っていた。アコが心配そうに覗きに来たので起きあがったが、まだ茫然と。いっそもう今夜は寝てしまおう。
幸い、郵送の「湖の本 150」責了紙は、十円分値上げ切手を貼り忘れたが、追跡で、届いたようだ。
2020 5/23 222
* 起床 8:10 血圧 129-72 (64) 血糖値 90 体重 61.0kg
2020 5/24 222
* 指先が音たてそうにじんじんと痺れている。首すじが硬く痛む。幸い、それでも生きている。生きられる限りは懸命に生きる、当然のこと。
* あさに寝て午後に寝て 疲労の極か。頭も手も機械も働かない。
2020 5/24 222
* 十時。もう横にならないと持たない。「創世記」「般若心経(の註釈」に今日は惹き込まれた。『パルムの僧院』にも手を出す。谷崎先生のお若い頃、例に なく乗ってられて、芥川にも奨めてられた。私も二度は読んできた。レマルク『愛する時と死する時』 トルストイ『戦争と平和』 源氏物語はゆっくり「柏 木」に入り、少しずつ物語は湿ってくる。何と言っても何が面白いか、籤とらずに「千夜一夜物語」であります。
2020 5/24 222
* 起床 7:00 血圧 125-58 (54) 血糖値 90 体重 61.1kg
2020 5/25 222
* おもしろい夢、珍しく、楽しい夢。歌舞伎の芝居ぶりを、ひとり合点に大いに弁舌していた。
* 七時に起きた。八時半過ぎて聖路加病院からの電話診察があった。八月二十四日、次の視察日。
* 蒸し暑い。昼食進まず。こまかな仕事つづけると、立ってもおれないほど疲労。
心は健常、体は困憊、読は旺盛、食は乏少、自転車颯爽、歩けばヨロヨロ ま、これも釣り合いか。
世界中が ヘン。ことに香港が危ない。中国は香港を結局召し上げ、抵抗勢力は、屠るか禁獄するか徹底下放して絶滅させるだろう。ことは香港の問題でな く、下手をすると未来の日本の苦難となる。それが理解できているのか日本人は。断然踏み込んで防衛すべき國は、アメリカよりもやはり中国。時と場合で朝鮮 半島は中国の先兵になる。蒙古襲来のおりのように。そしてもう「神風」はゼッタイに吹かない。
2020 5/25 222
* 七時、もうこれ以上今夜の仕事はムリ、ボヤーっとしていたい。
* と、いいながら九時前、気がかりの一仕事をし終えた。明日からが少し気軽になる。
階下へ降りる。テレビはただコマーシャルが喧しく、つまらない。 寝床の電灯をブルーから昔のに代え、本を読む。「パルムの僧院」へ雪崩れ込みたいが「柏木」死後の「夕霧」の足元よろめくのも見てやりたい。
2020 5/25 222
* 起床 8:50 血圧 136-64 (49) 血糖値 91 体重 60.8kg
2020 5/26 222
* イヤーぁイヤな夢にほとほと疲労してむりやり目覚めた。黒いマコが起こしに来てくれた。旅行先の都会で妻と往きはぐれ、携帯電話もつかえず、荷など置いていた宿も分からず。こんなのを時を隔てて繰り返し夢見る。似ている。
似た夢は繰り返しみるもので、おっそろしい狭隘な路地なかの迷路を両側の茣蓙床から半裸の男女やこどもたちの凍えそうな沈黙と凝視に堪えて延々と出口を捜すのである。これは、怖い。
* それは嬉しかった楽しかった夢も、ホンのときどき、見る。夢の話など、しない方がいいのかも。
* あっともいわぬまに、晩の八時半、朝からの続き仕事の中途で。グタッとしている。ジャズまで草臥れた音を奏でている。とりかえてみたが。 ま、仕事をキリまでやろう。
* ダメ。歯が痛んできた。仕事は、もう、今夜は、やめ。残念。
* 今日、京都の羽生さんにいいお手紙と鶴屋の甘味をたっぷり頂戴した。この歳になっても、やはり戦時育ちから甘い味わいにとことん弱い。寝床のそばへご く小さな容器に生の白砂糖をひそませ、時に夜中に掌にぽちっと落として口にしている。砂糖をぬすむはなしは狂言にも逸話にもちょくちょく有る。昔から同情 していた。
2020 5/26 222
* 起床 8:50 血圧 136-64 (49) 血糖値 91 体重 60.8kg
2020 5/27 222
* 相変わらず夢見はよくなかった。わたしの心奥はよほど病んでいるらしい。静かな心にはほど遠い。
2020 5/27 222
* 電話診察で出た医薬を無事受け取ってきた。自転車は難なく。しかし昨日から今日へ、家の中で三度大よろけたり尻餅衝いたりしている。睡眠が不足ということは無い。体重沈下にみられるように体力の衰えか。瞼が重い。
* 倚子の儘で寝入ると倚子を掴んでいようとするのか肉の落ちた尻が痛む。
* 都の、新しいコロナ感染者数は、この三日、僅かずつでもむしろ増加している。油断はならない。
2020 5/27 222
* 十時過ぎ。もう、やすむ。
2020 5/27 222
* 起床 8:30 血圧 142-71 (53) 血糖値 91 体重 61.0kg
2020 5/28 222
* 目を明いてられない。目そのものが朝から疲労して、じんじん鳴っている。
2020 5/28 222
* ふうふう言いながら、一巻に百近い数の書誌をやっと三分の二終えた。夕方の強う雨風が窓を打つ。仕事しているとまだしも集中しているが、立って階下へ おりるとぐったり力がない。手すりのある階段より廊下や畳部屋でよろつく。転んで足腰骨に故障がでてはならず、慎重にしている。
2020 5/28 222
* 十一時になる。今日の仕事は芯からろげるほど草臥れた。やすんでいるときが辛く、機械と向き合っている方がマシ、ただし目の酷使はなはだしい。洋は疲れ目と思うことにして、さ、やすもう。六月六日に「湖の本150」が出来てくる。十日頃までが、シンドい。
2020 5/28 222
* 起床 8:50 血圧 134-66 (68) 血糖値 99 体重 60.9kg
2020 5/29 222
* コロナ禍は、揺り返し、寄せ返し、押し返しの波を本気でおそれ備えねばと思う。気の緩みがなにより危ない。家の内で 体力の意地と補強を考え、まだまだ街へ出て行く気は無い。
2020 5/29 222
* 起床 7:30 血圧 122-67 (58) 血糖値 91 体重 60.6kg
2020 5/30 222
* 起床 7:30 血圧 116-56 (67) 血糖値 95 体重 60.7kg
2020 5/31 222
* 細菌学 感染学 の微妙に果てなく底知れぬ展開をもつことを日ごと専門家はテレビで教えてくれる。そしてその病害展開がいかに内政・外交にかかわるも のかを、地球地域を東西南北に四分してそれぞれの曰く謂いがたい実情を介して思い知らされている。「日本」の地域情況だけでモノを謂うていても背後の複雑 怪奇は計り知れない。克服なのか共生なのか、細菌やウイルスとの妥協なのか。
* こういうとき、置き忘れてならないのが、「美しい」モノ、コト、ヒトとの触れ合いかと思い当たる。美術とはたやすく触れ合えぬ今だけれど、我が家の狭 い庭にも佳い草葉は群れ花も咲いている。アコもマコも家中をかけまわる。老夫婦は つかれたら横になり、それぞれの読書と仮眠に憩うている。建日子や朝日 子はどうしてるかな。
* とはいえ、朝から、今まだ九時にならないのに、芯の疲れが眠けの渦巻くように自覚される。
機械のまぢかでは、静かなジャズバラードが、終日。建日子が呉れたもののなかで、この音楽機械とジャズCDとが、いっとうわたしを癒やしてくれる。
五月が、今日でおわる。
2020 5/31 222
* 暑いのに、ひどい嚔みを連発する。
* 和歌山の三宅貞雄さんへ「携帯」で電話してみた。つながり、久々に少しく話したが、つくづく電話下手になっていて惘れた。編集者時代は若い社員がびっ くりするほど私の仕事電話は要を得て簡潔だった。いまは、「用」が無いので、話そうと努めるほど声ばかり大きくなり、何の電話かと向こうさんの迷惑ばかり 思ってしまう。
それでも、電話ででも人と話さないといかんなあと思っている。
2020 5/31 222
* 西隣に入って、必要なモノを捜したがみつからず、そのうち、昔々の講談社文学全集で、まっこと素晴らしい見付けもの、というか「着想」を得た。「選 集」後の先々の「大きな新しい創作」へ、ガチッと繋がりそう、嬉しくて、ほくほく。「湖の本 150」を送り出し、「選集 最終の33」を入稿し終えた ら、新しい大仕事へ、周到に、大胆に用意にかからねば。そのためには、何としても歩かねば。何としても歩きたい。歩いて「調べる仕事」から始めねばならな い。コロナを横目に、奮発、何としても電車に乗らねば。暑い暑い七月からになるか。参考文献をあつめねば。ねばねば、ねばだけで終わるまい。
2020 5/31 222
* 『選集』を、如何様に結ぶか、は、慌てず、「湖の本 150」を無事送り出してからでいいと。ゆっくりでいいと。
* 十時をまわった。五月が逝く。おやすみ。
2020 5/31 222
* 起床 7:30 血圧 116-56 (67) 血糖値 95 体重 60.7kg
2020 6/1 223
* 「マ・ア」が五時半ごろから起こしにかかり、叩き棒で応戦しながら七時半に起きた。めざとい子らであります。
テレビでは、都会はまったくもとのままの人出で賑わつている。無事の経過を願う。 2020 6/1 223
* 起床 7:30 血圧 128-72 (64) 血糖値 95 体重 60.35kg
2020 6/2 223
* 午過ぎて 「創世記」を読んで二時間ほど寝入り、目覚めてまた「創世記」を読んでいた。
* 追加分の宛名をほぼ確定。送り用意一歩前進、あと住所を書き入れる。
暑い。疲れが砂袋のように重たい。
2020 6/2 223
* すうっと寝入ってしまい目が覚めない、それがいいとも。それは困るとも。 気持ちはそうは騒がしいわけでないのです。好奇心や関心が勝手に働いてくれる。わたくしという鏡が動きまわってやたらたくさん写そうとしているわけでない のです、鏡はじっとしていて、鏡の前をいろんなモノ、コト、ヒトが通ってゆく、それが写る。写す。私という鏡、気が多いか。
2020 6/2 223
* 九時半になる。もう視力はかすれ霞み、瞼が腫れてきた。からだは重い砂袋のようにヘバっている。休むしかない。ブルーライトも機械の画面も目に厳しい。油断はならないが、明日があると思うことに。
2020 6/2 223
* 起床 9:45 血圧 116-62 (69) 血糖値 90 体重 60.3kg
2020 6/3 223
* 二時間ほど、時を忘れていた。面白い作業ではないが、必要なことはするが先。積んでおけばただ負担になる。すこし休みに降りる。
* 七時前から、床で、鷗外集を手に『澁江抽斎』に引き込まれた、えらいモノに捉まったぞと思いつつ、はるか以前の初見時同様もの凄い勢いで引っ張り込ま れた。で、姿勢をかえ、た途端、喉もとへ顔もゆがむ強烈な苦みで濃厚な胆汁ようの粘分がこみあげて、呻くように手洗いへ吐きに走った。
この一月の余も、明け方になると同じ苦みが胸もとより喉もとへこみ上げそう、ないしこみ上げて、辟易していた。が、今日の、先刻ほどの量と烈しさの吐液 までは無かった。今は、二種類のヤサイジュースを混ぜて飲み下し、これまでも焙じ茶や水で喉もとを洗っていた。うがいも、手洗いではきまりほどに重ねてき た。
痛みは何もない、ただもう顔の歪むほどな苦さにヘキエキした。
2020 6/3 223
* それにしても、あの文豪「鷗外」とも名作『澁江抽斎』とも関係無しのあの苦悶の苦い吐液は何であろうか。私には胃全摘のついでに胆嚢も全摘されている。肝臓はある。その辺からの苦い極みの分泌物であるのか。砂袋を抱いたような日々の疲労がただの疲れでありますように。六月には腫瘍内科と内分泌科とに予約がある。
* 何にしても発送前のもう二日の余裕を安らかに心用意し、目前へ迫った力仕事を、慣れなじんだ作業を無事通過したい。
2020 6/3 223
* 起床 8:15 血圧 131-67 (68) 血糖値 93 体重 60.25kg
2020 6/4 223
* りーぜのおかげかひどい夢は見ないが、やはり喉もとへ突き刺すような苦みが来て、お茶をがぶ呑みして凌いだ。六時から「マ・ア」は起こしに来ていたが疲れ寝のまた寝で朝八時過ぎた。食欲は無し。
2020 6/4 223
* 起床 8:15 血圧 128-69 (54) 血糖値 79 体重 60.6kg
2020 6/5 223
* 午前の十時半 もう目が、視野が霞んでいる。
2020 6/5 223
* いま、『秦 恒平選集 第33巻」本文を入稿(電送)した。ちゃんと届いて欲しいが。
* 入浴 読書
2020 6/5 223
* さ、明日からは力仕事、急ぐまい、が、「ゆっくり疲れ」というのの有るのも知っている。無事にというのが願いである。
2020 6/5 223
* 起床 7:30 血圧 126-65 (52) 血糖値 83 体重 60.7kg
2020 6/6 223
* 「胸焼け」にこのところ悩ませられる。これき「からだ言葉」ではなく、症状なだけか、な。
2020 6/6 223
* 一便は夕方に送り出した、が、宅急便サンは多忙らしく、すぐには送り出せませんよと無愛想。やれやれ。どっちがお客やら。よしよし。もう三、四日も掛ける気で。
* 今日、テレビで、わたしの新刊「湖の本」とも呼応の「軍国明治」番組があった。掌をさすようにわたしの今度の「湖の本」では、すでに書きかつ語っていた。
* とほうもなく疲れたのが分かる。いつも、ダンボールの空き箱に荷造り本を55册ずつで一と荷にし、玄関まで運んで積んでおく。この「55册一箱」を持 ち上げるのが、前回も感じたが今回更にひとしお重くなった。同じこの作業を創刊から34年150回繰り返してきたのだ、妻と二人だけで、と思うと我ながら 「ようやるよ」と感じ入る。それにしても今回初日にしてこのひどい疲労にはすこし驚いている。
そう思いながら、「151」巻には、出来るのか出来ぬか途方もないことを遣ってみようかなと、もうウズウズしている。当たり前に思えば、ま、不可能で しょうという難作業、最初の段を登るのに優に一年はかかる、けれど、もしやれたらやり甲斐あって面白いよと、やはりウズウズする。そのためには、少なくも 大きな漢和大字典が必要、幸か不幸か、それは書庫に在る。気合いだけの、いやいてや残年寿命の問題でもあり、怖じ気づかずにやるか、だ。だが私の漢字の素 養は往昔の文学者とはとても比べものにならないと、はや逃げ腰。ただ「読む」ぶんには故障は無いのだ、「読みながら」という手をうまく使えれば。
こんなことを思っているうちは疲れを忘れている。ありがたい。
2020 6/6 223
* 八時前だが、作業の継続は今晩は断念し、体をやすめるとしよう。とは、いえ、つまり何冊も何冊も本を読み継ぐのですが、そして昏睡のように睡りたい。
2020 6/6 223
* 起床 7:30 血圧 126-65 (52) 血糖値 83 体重 60.7kg
2020 6/7 223
* 疲労困憊 身動きもならない。ここまで来たかと思うが、妻はもう休ませても、わたしはまだ此の道を懸命に歩くしかあるまいか。
* この機械部屋の右へ手も届くほどに西に障子窓があり、外に開け放しの雨戸がある。雨戸のおさまるところへなに鳥だか、椋鳥かが巣を作って小鳥がひっき りなしに親に餌をもとめチチチチチチチチと鳴き続けている。朝から晩まで聞いていて、毎年のこと、いずれ遠からずみな巣立って行く。障子窓も硝子窓は決し て開けないで、わたしはこの季節、例年、チチチチチチチチを聴いている。命がそこで声あげているのだ、なんと嬉しいことだろう。
2020 6/7 223
* 明日には、大方、送り出し終えよう、ガンバリ過ぎたという気もあるが。瀬戸を一つ越えて行けるという安堵も。 疲れた、疲れた。「疲れたビー」と唸る、こんなもの言いどこから生えて出たか。ま、今夜は、もう、やすむだけです。
2020 6/7 223
* 起床 8:15 血圧 129-66 (60) 血糖値 91 体重 60.65kg
2020 6/8 223
* 今回の「湖の本 150」 送り終えた。ただ、アメリカへは送れたがスペインへの荷物はコロナの影響で送れなかった。
心底、ホッコリした。過去149回、今回ほど疲労したことはなかった、しかも半ば妻に手伝ってもらいながら。暑さもこたえた。いま、ほっとしているが、いきなり次の仕事へ、ムリは利かない。暫く息をつぎたい。
* 猛暑と湿気、寝ころんで次々にあれこれ読み耽っているまに蚊に食われ、腫れて、痒い。難は、どこにも、いつでも在る。
まだ七時半にならないが、なにもせず、休息しよう。
と、云いながらちょっと遊んでみた。下記は、全面幕末の漢文体で書かれてあるのを、なんとか読み下してみたものである。原文の漢字を拾うのに苦辛した。読みは、おおかたこれで通じていると思う。
柳橋新誌序
往日 静軒居士なる者有り、『江戸繁盛記』を著す。つぶさに八百八街の景状を摸し、勝場劇區、載せざる所無く、説かざる所なし。其の文極めて 詼謔にして、其の事は則ち明詳、讀む者をして臥して其の地の有る所を知らしむ。闔都の風俗を諳熟するの人有ると雖も、亦一事を附益すること能はざる也。然 れども其の今を距ること二十年に過ぎ、物換り俗移り、地の熱閙冷索相ひ變ずる者少なしと為ず。往時新地深川の妓院、綺羅叢を為しし者、今は乃ち索然として 踪と無く、神明芳坊の孌、章肆すと。娼楼と相抗する者も亦寥として影を斂む。其の他各處の繁華、日に衰へ月に瘠せて、能く古に及ぶ者鮮し矣。芳原品川の若 きも、亦當日説く所に比すれば、則ち五六分を減ず、嗚呼。居士をして方今の状を観せしめば、乃ち愕然として驚き、慨として将に嘆ぜんとす。知らず、其の人 尚を存するや否や。
然れども此の大都の繁華、奚ぞ其れ地を払って尽くす可けんや。古へに微にして今に盛んなる者も亦た有り、柳橋、是也。柳橋は何に因て然るか。深川の廢す るに因る。凡そ物の太だ盛んにして頓に衰ふる者、復た興らざること靡し、諸れを将家に譬ふれば猶新田氏のごとき歟。乃ち今の柳橋は亦深川の死灰再び燃る者 にして、其の盛ん殆ど舊に踵ぐと云ふ。噫。其の盛んを記せざれば、乃ち亦五年十年を過ぎ、安んぞ知らん凋零して今日に如かざるを。余や、狂愚の一書生。凹 硯禿筆、僅かに其の口を糊する者。居士の才無く、居士の學無し。是に加ふるに赤貧洗ふが如く、未だ曾て一にも其境に遊んで、而して其の実を験せず。焉んぞ 之を記するに足らん。然れども喜んで蕩子の説話を聞き、市街の図册を覩て、其の墍略を窺ふことを得たり、遂に一夕の閑を偸んで記す。文の鄙俚、事の猥褻、 正人君子をして之を読ましめば乃ち将に唾して棄てんとせん焉。然れども正人君子の能く記する処のものは、固より余のこれを記するを俟たず。正人君子の記す ること能はざる所のものにして、而して余輩の正に記すべき所也、蓋し余の知る所を記するのみ。知らざる所の者は亦た将に狂愚余の若き者有りて附益せんとす べし。
安政屠維協洽之歳。早梅将に綻びんとするの月。何有仙史。鎖春楼之南軒に於て書す。
* 思わず微笑のわくを覚えまして、読み・書きを遊びました。初編の序で、本部ははるかに長編、二編も在る。読むは読めても、上の程度にすら書き写すのは、とても、とても。
「安政屠維協洽之歳」とある。安政といえば、大獄があり、井伊大老に桜田門外の変があった。そういう余の騒がしさを云いつつ、よそにみて狭斜の「柳橋」を謳歌しようとか。
九時になる。
2020 6/8 223
* 起床 7:30 血圧 123-58 (53) 血糖値 94 体重 60.45kg
2020 6/9 223
* さすがに、ホッコリ息がつけている心地。猛暑とか。 本が届き始めているらしく。核心に触れた感想や批評・批判が来ればいいが。
* すぐの窓そとの雨戸仕舞いの中で小鳥たちがチイチイチイチイと親鳥の餌を待って鳴いているのが愛らしい。一切、近寄りもせずそのままにさせている。ひ だりで静かなジャズ、右手で小鳥たちの声。この狭苦しい仕事部屋がとてもとても気に入っている、体温のママの籠もり処である。
* 朝。十時過ぎて。機械の前で ボーゼンとただ時を見送っている。ナーンにもしていない。いや、いろいろ思ってはいるのだがとりとめない。とりとめなくて懐かしくも。こういう時間は私には珍しい。
* 昼食も口に入らず ブッ潰れそうにまた寝入っていた。「マ・ア」が代わる代わる心配そうに顔を寄せに来るのは感じていたが容易に起きられなかった。
2020 6/9 223
* 四国の大成繁さん、たくさんの素麺を下さる。食のてんで進まないいま、ことに有難い。感謝します。
* まだ六時だが、どうしようもなく草臥れきっている。
* 十時まで寝潰れていた。
2020 6/9 223
* 起床 8:00 血圧 121-54 (63) 血糖値 98 体重 61.25kg
2020 6/10 223
* 昼すぎ 食もそこそこらまた寝つぶれていた。
* 明日は、久し振りに聖路加で二科(腫瘍内科・内分泌科)の診察を受ける。待たされ時間の手仕事も今は無く、読める本を何冊か持参しなくては。
朝早の電車、気が重いが仕方有るまい。まことに久し振りの街なか出で。うろつく元気はなく、済めばさっさと帰ってくるか。
* 長湯の後も疲れて寝入っていた。八時。もう明朝に備え、はやく寝みたい。
2020 6/10 223
* 起床 7:30 血圧 136-66 (52) 血糖値 87 体重 61.4kg
2020 6/11223
* 小さな市内バスの混雑をさけ、駅まで二十分を歩き、一時間余の電車を経て新富町からまた十数分歩いて聖路加病院へ。
ところが、めざす腫瘍内科も内分泌科 も、診察予約は六月でなく「八月」十一日だった。まったくの無駄足であった。老耄とはかかること、私も妻もただもう「十一日」の「今日」としかアタマにな かった。病院へ着いて、疲れきっていて、間違ったと知れて更にガックリ、しかし腹いせに街を歩こう、うまいものを食って帰ろうなど思いもよらず、ただただ、へとへ とのまま、また新富町から電車で保谷まで。タクシーもバスもやはり敬遠し、雨もよいの日盛りを よたよたと歩いて家まで帰った。なにもかも、お話しにならな い。
幸い、持って出ていた「明治維新史」が、小説よりも面白く電車のなかで読めていたので、疲労のまま途中で頽折れることなく、やっと帰宅できた。
夫婦して老い耄れる、とはこういうことかと惘れるばかり。
2020 6/11 223
* 寝てしまうより無事の手もなく。熱中症などでなく、ただもう消耗、疲労困憊。宵の七時まで寝ていて、いま八時過ぎだが、また寝入りたい。
昨日、熊本の 陣より山縣有朋が西郷隆盛に送った長文の一部を書き写して、続きをと思うが、それも今はしんどい。それにしても『文法詳解 増補明治作文三千題』なる大冊、まこと に妙なモンでありまして、その議論、教訓、雑学、もの言い等々の多彩と煩褥と珍奇には、感心のあまり呆れてしまう。
「明治」という時代と人とはよほど「勉強」への意欲に燃えていたらしい。処世応用、「本を読んでエラクなれよ」と「時代」が「人」に懇切なまで教え強い ていたのだ。余翳は昭和十年生まれの私ぐらいにまでも及んでいたのだろう。「平成・令和」の「スマホ遊狂」と較べてみても意味ないが、もはやこういう「本」の 出版されるワケがない。
しかしまた『椿山集』の歌にこんなのもありましたナ。
何事も学べばよしと教へけむ書(ふみ)読む人のうはの空なる
* 九時。へんに寒けもしてくしゃみを連発。もう休む。
2020 6/11 223
* 起床 9:50 血圧 136-66 (52) 血糖値 88 体重 61.0kg
2020 6/12 223
* 寝たいのに夜っぴて寝にくかった。リーゼも切れていた。理由の一は、まっさきに手を出し読んだ、読み進んだ本が、悪かった、のでな良すぎた。鷗外先生 の『澀江抽齋』が、まず、やめられなかった。一度止めて他へ転じてもまた戻って読み継ぎ続けた延々と。こうなるのは、往年の体験から分かっていたが、止め られなかった。いわゆる小説でも物語でもなく、千人の九九八人はヘキエキして投げ出す。新聞連載時、新聞社から伏して「中絶」を冀ったという伝説もある。 しかし引きつけられては逃げ出せない魅力と筆力なのである。気の有る方は一度試みられると良い。
さらにもう一冊、深澤三千男さんの、王権の光と闇を見つめる眼で書かれた『源氏物語の深層世界』で、是も再々讀なのに掴まれて離れられなかった。つまりは読書の幸福を満喫しかなり興奮していたのである。
他に「戦争と平和」はナターシャに悪い虫が噛みつこうとしている不快な箇所へ来ていて気が騒いでいた。トルストイの三大名作のいずれもが、ことに「アン ナ・カレーニナ」も「戦争と平和」も不快な色男を持ち出していやな展開になる。「復活」はまだしも男の純真が甦って救いがあるが。
* ま、そんなことで、疲労困憊も手伝ったろうが眠れない長い一夜であった。そして明け方から十時前まで寝入っていた。幸い、今は、こういう不規則がゆるされるタイミングで、「する」仕事より「思う・思案する」時が得られている。助かる。
2020 6/12 223
* 起床 7:50 血圧 146-76 (69) 血糖値 87 体重 61.05kg
2020 6/13 223
* 十時を過ぎた。機械はやすめよう。
2020 6/13 223
* 起床 8:00 血圧 137-66 (60) 血糖値 100 体重 60.45kg
2020 6/14 223
* 「虫」という季節病の鬼があばれはじめている。閉口頓首、太刀打ち為らない。
2020 6/14 223
* やがて「選集 33」の初校が出てくると、またしても私の日々は俄然「仕事」まみれに戻る。いまのうち休養しておきたいが。体調、全身状態、まことに宜しくない。九時半だが、階下へ、そして床へと。
2020 6/14 223
* 起床 9:40 血圧 124-73 (61) 血糖値 93 体重 60.4kg
2020 6/15 223
* 年中でもっともイヤな季節になってきた。皮下の血のめぐりに異変の症状があらわれ、日夜心身の不快に悩まされる。去年、そうだった。案じたまま今年もすでに来た。施す手もなく絶えながら早い秋を待つことになる。老残衰兆の一か。
2020 6/15 223
* ぴんぴんしていますなどという老人を一人も知らないことに妙に安堵している気味、やれやれとばかり。
* 凄みの日盛りをセイムスへ当座の薬品や「マ・ア」の食べ物や今日明日の酒を買いに行った。自転車で二分とかからないかも、近くてたいそう助かる。
2020 6/15 223
* 古い機械に超々満載が気の毒で、外へ取り出して保存し必要に応じて外から持ち込むようにしたく、なるべく身軽にしてあげたいと、まわらぬ智慧を搾ったり。なにやかやのうちに十時が過ぎている。寝床の読書へと身を転じましょう。
2020 6/15 223
* 起床 8:30 血圧 128-59 (55) 血糖値 85 体重 61.4kg
2020 6/16 223
* 珍しく夢に自ヤマされた覚えのない眠りからさめた。とうに妻も「マ・ア」もいなかった。全身の、体表の不快もやや軽減しながら、腰回りや肩先に残っていた。
2020 6/16 223
* 機械の前で腰かけたまま寝入っているのに、二度気づいた。致し方なく。寝たくて、寝られるうちにせいぜい寝て、休養しておくも可か。それとも「整頓」の名目で機械のなかみを整理するか。
2020 6/16 223
* 十時半を過ぎゆく。
* 思えば今日、この部屋で二度も転びかけた、幸いに狭いのでものに掴まるのだが、掴まるのがまた危険。用心しないと。
2020 6/16 223
* 起床 5:00 血圧 155-67 (58) 血糖値 90 体重 60.85kg
2020 6/17 223
* 無理起きに床を離れてきた。一等明けの早い時季へ来ている、夏至は来たのか過ぎたのか。五時で昼間のように明るい、肌にはこころよい明るさ、だが身がもつかしらん。数日、はじめている根気仕事が一つある、眼にはきついが。ま、それから始めようか。
* 一時間半を用いて、原本の半頁を読んで書き下した。やっと一頁半を濟した。あとを少なくも十二頁ぶん、つまりは根をつめて一ヶ月は掛けねば要を成さな い。けれども、けっこうに興趣の仕事であるのも違いない。棒を折るか、苦労して楽しむか。難儀は、視力。とっかかっている相手は、せいぜい8ポイント活字 の漢文。わたしの湖の本し10ポイント字をつかっている。小さい字にさらに小さい字の脇書き。こんなことを私は楽しみと謂うのか、嗚呼。
* 京・山科の詩人あきとし・じゅんさん、めずらかに、健康促進の酢や出汁、濃厚の果汁等々の飲料をいろいろに下さる。食をすすめないと疲労が衰弱へ傾きつつあるとき、ご厚意に御礼申します。
* 五時に起きて九時半。すこし休息しないと危ないか。
* 正午近くめざめる。
吉備の人、鰻の御馳走を下さる。有難く。
高麗屋から、「優茶」のボトル戴く。 感謝。
2020 6/17 223
* 十時をこえて行く。永い一日だったが、適当に寝てもいた。コロナも心配、政治は不快だが、河野外相が不要で不能な高価な防備設備を「設置中断」と決めたのは、近ごろにない事であった。。
2020 6/17 223
* 起床 8:00 血圧 145-71 (57) 血糖値 95 体重 60.7kg
2020 6/18 223
* (二〇二〇)六月十九日 金 桜桃忌
* 起床 8:00 血圧 152-72 (58) 血糖値 91 体重 60.7kg
2020 6/19 223
* 妻は「桜桃」をちゃんと用意してくれていた。朝、一献、乾杯した。
2020 6/19 223
* 機械の脱線や不調が突として繰り返されるが、黙って恢復を待っている。そんな間にと、三時から五時まで寝入っていた。
* 夕食には、吉備の人に頂戴していた「鰻の蒲焼き」と、山形の「あらきそば」さんから到来のみごとな「桜桃」を戴く。幸い、いいお酒ものこしてある。
雨の桜桃忌。心もち冷えてきている。
コロナ禍への判断は慎重にと。都知事選にも煽られ、アベノリスクの夫婦議員逮捕でも右往左往の安倍政権「経済」寄りご都合主義の甘い緩和方針が、二波を 呼び込む裏目に出ないのを望みたい。私の見映えもしない長白髪は左右へ垂れて繁りに繁ったまま。散髪も歯医者も、まだ遠慮している。
2020 6/19 223
* 十時過ぎて行く。もう休もう。も少し、輝くような桜桃を戴いてから、床へ。
「戦争と平和」 源氏物語は「鈴虫」 レマルクは「愛する時と死する時」 スタンダールは「パルムの僧院」 「千夜一夜物語」 そして日本の幕末から近代史を、さらえている。仰向きにねて両手をあげて本を読むうち、腕の血が引いて行く。
2020 6/19 223
* 起床 8:30 血圧 129-74 (58) 血糖値 89 体重 61.65kg
2020 6/20 223
* 見えない眼で読めない漢字を捜しあて探し当てながら漢文を読み続けていると肩というより頸筋が意思のように痛み出す。それでも興味有る仕事にはつい打 ち込む。関連の本も熱心に調べ読みする。疲れる。機械の前で猛烈な嚔が七、八度も出たのが不快だった。全身状態の宜しくないまま四時頃、休息にと、湯を立 ててもらって浸かったもののなんとも気分わるく、這い出るように濡れたまま手洗いに逃げ込み、強烈に苦い、茶黒い粘液を暫く吐いた。色の付いた胆汁ようの 吐物は少量であったが、粘性の白い唾液はかなり吐き続けた。
床について、本も読んでいるうちに落ち着いて不快感も失せた。遅めの夕食は白粥で。
今は、何時頃か、もう不快感は抜けているが、早めに横になろう。苦いものに喉もとへ攻め上がられることがこのところ、一月ほども、折々に繰り返された。何故か分からない。病院へは行かない。
2020 6/20 223
* 起床 8:10 血圧 161-75 (58) 血糖値 88 体重 61.0kg
2020 6/21 223
* 大きな仕事になりそうな次ぎの仕事を念頭に書き留めていた「想い・思い」を見直すと、優に数十枚にも積まれてある。その一々は作には使わないが、もう、思案よりも「書き始める」時機のように思われる。体調の不快を大事に躱したい。病院へは行かない。
2020 6/21 223
* 起床 7:50 血圧 139-68 (52) 血糖値 100 体重 61.5kg
2020 6/22 223
* 朝一番からもう目が疲れている。特に左眼が変調。小さな字の本が読めなくなってくる。漢文の訓み記号など、また画数の多い漢字など、判読に苦悶する。ま、しゃーないワと、みな齢のセイにして半ば諦めている。やれるだけは、やり続ける、それだけのことと。
* 日本のドラマないし連続ドラマの面白く無さにくらべ。珍しさも好奇心も手伝い韓国製連続の歴史劇は、「イ、サン」「トン、イ」「ホ、ジュン」などに次 いで今もずうっと「大王・世宗」をほぼ欠かさず楽しんでいる。三韓の古代史は読んでいるが中世以降の朝鮮史を知らないので、珍しいのでもある。
それにしても、がくッと芯で疲れている。睡魔がついつい忍び寄ってくる。したい仕事が次々誘ってむくるというのに。どうなるのであるか。
いま、目を酷使しても続けている長々しい漢文の読みおろし書き取りは、たいそう面白いのだが、
いささかも真面目ならぬ、或いは大まじめな「遊び」の手引きなのである。ついつい終日。眼をこすりこすり引っ張られていた。いまごろ遊びの通になっても何とも手遅れであるが。
* 九時を回ろうか。階下へもう下りた方がいい。仙台の遠藤さんに戴いた桜桃で、今晩もすこうし建日子の呉れたレミ・マルタンを、少しだけ飲もう。
2020 6/22 223
* 起床 7:00 血圧 135-66 (54) 血糖値 99 体重 61.6kg
2020 6/23 223
* 朝、起き抜けのテレビで、はじめて「すけべ蚊」なる毒虫の害を教えられた。極めて小さく、衣類に忍び入って強烈な痒さで攻撃すると。これが一等体感・体験として怪しい。正体が知れ、いくぶんホッとした。
それにしてもコロナ蚊は地球規模では文字通りに物凄いのだが、我が国は簡単なほどに警戒を解いて、人出は一気に人気スポットへ集中している。私は、いさ さか臆病に、乗り物にも心許せずまったく出かけていない。散髪に行くかどうか、まだ躊躇っている。白髪、三千丈はないが、左右うしろへ一尺にあまってい る。まだ髪が有るんだと鏡の前で驚いている。一等必要なのは、眼科での検診かと思うが。
2020 6/23 223
* 何とはまだまだ明かせないが「新しい仕事」になる筈の「用意」や「検証」にすでに取り組んでいてる、が、大方参照する本の活字は小さく、古く、ひどく難しく、目の負担で、とてもつづけて長時間は取り組めない。
慌てる必要も、無い。亀のように歩いて行く。
2020 6/23 223
* 起床 9:00 血圧 139-69 (58) 血糖値 82 体重 61.9kg
2020 6/24 223
* なんと無う 身内の芯がゆっくり緩んで溶けているように、心もとない。
* 『選集 33』の校正を始めた。50頁分ほど。ときおり、目をぢっと閉じ、やすむ。
2020 6/24 223
* 起床 8:15 血圧 149-65 (58) 血糖値 71 体重 61.1kg
2020 6/25 223
* 起床 7:50 血圧 136-68 (52) 血糖値 89 体重 61.5kg
2020 6/26 223
* それにしても、草臥れている。疲れきっている。おもしろい着想や好奇心が絶えないので日々書いて書き継いで「私語の刻」も溢れているが、それがなかっ たら、もう、ストンと落ち込みそう。けれどコロナ禍が退いてくれたら、独りで都内へも京都へも温泉へでも行ってみたい、と、いう腹もある。
むかし、秦の父から近くの祇園町について耳学問したときに、芸妓と娼妓ということばと違いを教わった。私はいましも、この歳になってから初めて此の道の 題の先達から、著述を通じてその辺の機微や微妙の悦楽について日々教わっており、足腰の立つ間に、一度でも藝妓にも娼妓にも女郎にも出会ってみたいもんや なあなど想っているのです。いよいよ狂ってきたのかな。
2020 6/26 223
* 起床 8:30 血圧 145-68 (55) 血糖値 87 体重 61.7kg
2020 6/27 223
* 後世にも精を出していたが、夕方からガックリ集中力が落ちた。二階での、機械の運びもさんざん停頓を来して、いま八時半、心身ダウン、目もよく見えない。
それでも本が読みたい、読みかけの特別に面白い漢文の一冊も。とにかく階下におり、休む。疲れ欠伸までが捩れたように出る。
2020 6/27 223
* 起床 7:30 血圧 139-71 (64) 血糖値 85 体重 61.5kg
2020 6/28 223
* 一日、アレコリしていたに相違ないが何をしていたのかと思う。
2020 6/28 223
* 起床 7:30 血圧 139-71 (64) 血糖値 85 体重 61.5kg
2020 6/29 223
* 疲れ寝には逆らわず、二三時間ずつ二度も寝入っていた。寝入るまでは床に坐り、蒲団へ脚をいれ、大きな重い校正ゲラをその脚の上にのせ、疲れ きるまで校正してからバタンと倒れて寝入ってしまう。校正なんて机ですればと。遺憾にも狭苦しくなった我が家に仕事机は此の機械君との機械机以外に置く場 所が無い。やれやれ。私はそれで宜しいが、大きな家に育っていたらしい妻には可哀想なことで。
私は、もともと小説を書き始めた頃も、編集者として都内をはせ廻りながら、どんなところででも書いていた、立ってでも書いていた。初期作の大方は雑沓のなかで書かれていた。
* 機械君の機嫌がわるく、いつ爆発するか知れない、ヒヤヒヤしながら、ひたすら頭を下げ下げキイに触れている。一蓮托生かなあと諦めに近い気分。しか し、次の「仕事」へしぶとく手を掛けている。私の熱心に、機械君がほだされてくれますように。新しい機械などもう私の朦朧とした老耄の脳では手に負えない のは分かっている、買ってもらった携帯電話もまったく使えないまま投げ出してある。
* 福岡の、今西祐一郎さん(九大名誉教授。岩波文庫源氏物語校訂者のお一人)、コロナを按じていたが、変わりない手紙をいただき、ホッとした。
両手先が四六時中ジンジン痺れていて、ペンで字が書けず、手紙もハガキも書けなくてたくさん失礼している。メールというのは助かります。
2020 6/29 223
* 起床 7:50 血圧 126-63 (65) 血糖値 84 体重 62.5kg
2020 6/30 223
* 今年も半ばを過ぎて行く。少しまた生き延びたということ。少しまた、少しまた、そして何が出来るか。無為というのは容易でない。有為の奥山を一歩一歩越えて行ければ有難しとする。
2020 6/30 223
* 起床 7:50 血圧 126-63 (65) 血糖値 84 体重 62.5kg
2020 7/1 224
* 脱水の恐れけわしく、ずいぶんと気を付けて水分を入れているけれど、アルコールも混じっている。食は、粥、汁、そして正月の煮しめ様のもの、ないし素 麺。体重は増えかけたかなと思ったのも一両日でまた減って行く。屋内熱中症には気を付けている。とかくすると、横になり本・校正ゲラを読み、そのまま暫く 寝入っている。床からの起ち居が難儀になって、なかなか起ち上がれない。しかし自転車はらくらく上り坂でも走れる。体調は、概して不穏にシンドい。危ない なあ、永くないぞこれはと警戒警報を我と我が身に鳴らし続けている。
散髪がしたい。しかしまだ電車・バスには乗りたくないのでどこへも行けない。
* あさってに建日子が前日投票に帰ってくると云う。一緒に歓談するか、投票用紙だけ渡して、今回の歓談はパスするか、悩ましい。
2020 7/1 224
* 起床 8:45 血圧 148-75 (52) 血糖値 83 体重 61.0kg
* 体重またガクンと落ち、血糖値は極く安定。
2020 7/2 224
* 東京コロナの感染者数は日々に増え続けて、とても油断ならない。明日、建日子は都知事選の前投票に家へも立ち寄るらしいが、申し合わせで、家に入ら ず、投票用紙のみ受け取ってそのまま投票所へ行くと。我が家の二人はたまに郵便局の窓口か、人少ない「セイムス」でそくさと買い物してくる程度だが、建日 子は相応に人と打ち合わせ仕事をかくことが出来ない。無症状感染は互いに用心に越したことなく、食事もしたい、話もしたい、顔も見たいが、明日は用心する と申し合わせた、母と息子とで。残念だが致し方なく、用心して不慮の発病は避けたい、慎重に用心の必要な昨今と見きわめた。
五日の都知事選投票日。さあてね。
* 日比谷のクラブへも、一月二月以降、三月からずうっと行ってない。繪にかいたほど「籠居」を決め込んでいるのだし、西武線も地下鉄もバスも気がぬけない以上に危険濃度あり、ま、今年は「顔が出せないよ」と、電話で支配人に断りを告げておいた。
* 十時になる。両瞼をシンシ針で張り拡げるほど指を目に遣うとで、いっとき、やや、字が鮮明に見える。外すと、字はボーフラのようにくねくねと霞む。も うやすもう。と、云うても機械を離れるだけ、階下で、床で、胡座に枕をのせ、ゲラをひろげて校正する。気が済んだら、『戦争と平和』等々を睡くなるまで読 む。
2020 7/2 224
* 起床 7:00 血圧 125-72 (58) 血糖値 77 体重 61.2kg
2020 7/3 224
* 建日子、でっかい車で来て、カーサンに投票用紙をもらい、岐阜のお菓子を土産に手渡し、そのまま都知事選、投票日前の投票に行った。そのまま帰ってもらった。
2020 7/3 224
* 起床 8:30 血圧 124-70 (53) 血糖値 100 体重 60.7kg
2020 7/4 224
* 前夜の夢見は、妙、であった。前半は、懐かしさのママに我流の和歌を次から次へ詠んでいた。幾らでも出来、電気を付けて書き留めようかと思いつつ寐て いた。後半では、「会場」の美しい設営に担当のプロとしてきびきびと働きつづけていた。前のはまだ分かるが、後のはどうしてこんなと惘れもする。妻は夢な んてみたことないと言う。わたしは奇々怪々に複雑な組み立ての夢は、多年の悪友であるのに。
* 昼食を忘却。一時。新しい「仕事」の前途を手さぐりにかき分けている。
2020 7/4 224
* 夕食も、しかとは、身を入れては食せなかった。
床で、何頁か校正し、疲れてから仰向きに寐て、レマルクの「グレーバーとエリザベート」に胸締められ、トルストイの、父に死なれたマリアに胸ふさがれ、柏木未亡人に恋を言ひよる堅物「夕霧」の好色に、ほおっとした。
「戦争と平和」のナターシャもいいが、アンドレイ公爵の妹マリアも私は、好き。「アンナ・カレーニナ」はにがてだが、キチイはすてきな女性だった。トルストイの把握と叙事の凄みにわたしは驚嘆する。
* 京都の万年元雄先生、小松市の八代啓子さん、静岡の西村明男君、それぞれ多彩に佳いお菓子を立派な箱入りで頂戴した。わたしは、白砂糖を小匙で掌にのせて真夜中にも口にする甘い好き。京、金澤、名古屋の名菓、頂戴します。
* さて、明日は郵便局窓口への感覚で、都知事の選挙に行く。
2020 7/4 224
* 起床 8:15 血圧 136-69 (54) 血糖値 87 体重 61.02kg
2020 7/5 224
* 起床 7:40 血圧 129-64 (63) 血糖値 81 体重 60.9kg
2020 7/6 224
* 九時半を回っている。やすみやすみの一日だった。
2020 7/6 224
* 起床 8:10 血圧 134-64 (68) 血糖値 94 体重 60.2kg
2020 7/7 224
* 何が辛いか。目の見えないこと。機械の青地に濃い黒の大きな字はまだなんとか読めるが、参考の文献や年表や辞書の見えないには泣ける。やすむしか手がない。
2020 7/7 224
* 八時を、回っている。機械仕事は、もう眼が拒絶している。階下でやすむか、『選集 33』前半の初校か。そして『戦争と平和』と『源氏物語 夕霧』の 先を追いたくて。もいちど読みたい読みたい読んで読んでと呼ばれる作が山のように。何度も読んだモノほどまた読みたい。『ゲド戦記』 それに目をつむる前 に『みごもりの湖』から少なくも現在最新の『花方』まで、自作の小説をもう一度ずつでも読んでやりたい。ちがう。読みたい。
2020 7/7 224
* 起床 6:30 血圧 131-75 (55) 血糖値 94 体重 60.65kg
2020 7/8 224
* 九州依然、中部最大級の豪雨と濁流の氾濫危険。朝から、私自身の体調も濁流のよう。高台のような「仕事」へ、避難、避難。さしあたって今度の「仕事」は「清経入水」にも「花方」にもならない。その前後に予定の『選集』全三十三の最終巻をしかと結びたい。
2020 7/8 224
* 雨はさほどでないが、豪風が家を叩いてくる。穏やかであって下され。
* 早起きした午前中は作の仕事を。
* 昼すぎ、テレビのまま倚子で一時間ほどうたた寝して、疲れた。蒸し暑く 冷房すると身が冷えた。胡座の膝にゲラをのせて、何時間も校正していた。
夕食も満足に出来ず、疲れた。
2020 7/8 224
* 起床 5:45 血圧 155-72 (58) 血糖値 97 体重 61.2kg
2020 7/9 224
* 気づいたら曉けの五時、五時半には床を出てしまった。
* 日本列島、暴雨暴風そして地震も。
2020 7/9 224
* 早起きすると、午前の内にすてきに「仕事」がはかどる。心よし。
2020 7/9 224
* 弥栄中學の二年生で同じ組にいた横井千恵子さん、例年のように私の好きな今日の漬け物、それも歯の弱い私にありがたい美味しい各種を送ってきてくれま した。有難う有難う。彼女、祇園の御茶屋の娘で、やはり一年生のとき私と同じ組だった内田豊子さんと近所住まいの大の仲良しだった。二人とも長じて祇園で 感じのいいバアをもち、あまりそういう店へ出入りしない私も、この二人の店へは妻も、友人島尾伸三さんや、甥の北澤恒や猛も連れて行って、好きに仲よく歌 など唱わせていた。私は唱えない人で、ただ飲んでいた「強いねえ」と「チイちゃん」にも「トヨ子ちゃん」にも呆れられながら。
なつかしい二人それぞれのそんな店も、いつしか祇園を出て、内田豊子さんはもう亡くなった。横井さんは私の長編『お父さん、繪を描いてください』巻頭の 「一、拝殿と山路」早々(湖の本では9頁)に、掃除当番のモップの柄で男子のわたしたちを音楽室から追っ払う「淺井多恵子」として、颯爽と登場している。
同い歳。どうか、元気でいてくれますように。このごろ、だれに向いても同じことを呼びかけている、ほとんど、頼んでいる、まるで。
友よきみもまた君も逝ったのか われは月明になにを空嘯(うさぶ)かん
そう呻いたのは二○一一の十月だった。歳あけた正月五日の人間ドックで私は二期胃癌と診断された。あれから十年余の歳月を積んできた。
2020 7/9 224
* 起床 7:45 血圧 138-66 (53) 血糖値 95 体重 60.7kg
2020 7/10 224
* 起床 7:45 血圧 138-66 (53) 血糖値 95 体重 60.7kg
2020 7/11 224
* 夜十一時半。『選集 33』前半の初校と表紙、扉の入稿分を郵便局から送り、午前中は機械にも向かい何かと書いていた筈なのに、そのまま階下でも校正 などし、昼食し、また校正している内に寝入っていた。目覚めてまた校正し、五時半ころ夕食、そのまま潰れるように寝入って、今しがた夢から目覚めた。何処 かしら、学校の体操場のような廣いところに人もばらばらに坐っていたそんな一郭で、小学生ほどの男の子の神妙に茶の平点前するのを、向き合う場所から注意 して観ていて、仕舞い方には私自身が代わって、終えていた。遠く離れた場所に馬場あき子や小林保治のような知った大人達が談笑の態も見えていた。妙な夢で あった。
* 機械の前へ上がってくると画面は消えていて、電源で起こすと、今日の「古典のからだ・こころ」の記事までのみ残り、他にも書いていた筈の全部が消えていた。朝のうちに、「保存」もせず階下に降りたまま一日放置されていたからか。
* 一日中寝入っていたような気がする、それでいて、心身は重く疲れて頸筋など痛んでいる。校正もたくさん、しは、したのであり、本も、ことに『戦争と平 和』ではアンドレイが戦負傷し、軍医の手当を受け、気が付くとトナリの床に、許婚のナターシャを誘惑し、破約に追い込んだ男もまた負傷していたり、トルストイ自 身が延々と「ナポレオン」や「戦争」を論じて倦まない辺りを面白く読んでいたのも間違いない。それでも、夕食直後から十一時まで少なくも五時間を寝入っていたと は、驚く。
2020 7/11 224
* 日付が変わろうとしている。画面保存し、また寐に、階下へ降りる。
2020 7/11 224
* 起床 6:00 血圧 147-84 (55) 血糖値 90 体重 60.4kg
2020 7/12 224
* 起床 7:10 血圧 144-69 (51) 血糖値 87 体重 60.05kg
2020 7/13 224
* 起床 7:45 血圧 141-64 (50) 血糖値 92 体重 60.2kg
2020 7/14 224
* 疲れてしまうわけに行かない。まだまだ「仕事」がある。
2020 7/14 224
* 起床 7:20 血圧 124-55 (52) 血糖値 89 体重 61.1kg
2020 7/15 224
* 起床 7:00 血圧 143-70 (53) 血糖値 96 体重 60.9kg
2020 7/16 224
* 「仕事」「校正」「コロナ」気が抜けない。白髪は伸び放題、が、散髪にも懸念がある。ガマンして済むことは済ませたい。頼みは機械君のご機嫌と私自身 のアタマの働き。食欲は低迷の限度にある。京の漬け物で酒を飲んでいる。幸い有難いことに口あたりの佳い菓子も佳い茶もある。
2020 7/16 224
* (二〇二〇)七月十七日 金 祇園祭
* 起床 6:30 血圧 143-66 (51) 血糖値 94 体重 60.5kg
2020 7/27 224
* 二三日に一度のわりで「アコ」に衝動的に足を噛まれて血みどろになる。むしろ甘えていて、応じてやらないと跳びかかるように噛むのだ、かなり痛い。
* 「選集」最後の口絵写真に苦慮しつつともあれ入稿した。「初校」も七割がた片づいて、まだ細かな仕事がドサッと有る。根気よく根気よく片づけて行くしかない。コロナ籠居で、時間はある。根気が枯れないように。しかし、食欲の湧かないのに、困る。痩せて行く。
* 十時半。たのしみの読書へ、もう機械から離れる。「戦争と平和」 戦地で負傷し重篤のままモスクワまで帰ってきたアンドレイ公爵とナポレオンの占領を避けてモスクワを遁れようとしているナターシャとが、今にも再会する。一つの佳い山場。
そして、明治維新史をも丹念に復習している。
2020 7/17 224
* 起床 9:15 血圧 132-57 (53) 血糖値 99 体重 59.6kg
* 大患退院後八年半、体重最低となる。栄養失調に陥っているか。私にして、食べられないとは、思いがけない。
2020 7/18 224
* HPを開いて、「方丈」と現れると、気がひきしまる。
2020 7/18 224
* 「湖の本 151」を書き続けて四時になっている。機械の字は霞みに霞んでただ察し察し書き継いできたが限度を超えた。やすまねば。
短い穿きものでむき出しの脛が冷たい。冷えている。
2020 7/18 224
* 神戸の岡田昌也さん、見るから豊かに美しい立派な桃、大好きな桃を下さった。このところの極端な食欲不振でも、果物とお酒とには籤ちらず、手も口も嬉しく働く。有難う存じます。
食べ物で、最近声をあげて美味に感謝したのが 京漬け物のなかの茄子だった。煮た茄子も焼いた茄子も田楽の茄子も子供の昔から親の仇のように嫌い続けてきた茄子なのに、漬け物の茄子は大の好物、ことに京漬け物の味わいは、なんとも深い。
わたしは、野菜も、ことに煮た魚も、焼いた魚でも逃げ腰で、食べさすモンが無いと秦の母を泣かせていた。戦時の白砂糖は貴重だったが、ときおり盗んだ。今でも、真夜中にでもホンの小匙が舐めたくてまくら元の戸棚に隠してある。
味噌醤油も好き。戦時疎開していた丹波での大家さんでは味噌も醤油も自家製で、ことに「もろみ」を戴くのがそれは嬉しかった。但し白い飯はなかなか口に 入らぬ時代だった。茄子並みにいやだった南瓜がよく飯に混ぜられヘキエキした。田舎暮らしで贅沢したのは、栗と柿と、丹波の茸類だったなあ。こんな「私 語」の止めどないこんな八十五になる爺さん、いるもんだろうか。
2020 7/18 224
* 八時。もう何とも前へ出られない。視野が無い。
* メールを書いても、今日は翔んで行ってくれない、何度試みても。
* 今の「仕事」は、私としてもよほどの隘路で険路で、この先では「お前、変節するのか」と罵倒されそうな難儀な議論で更に更にあの「山縣有朋」を追っか け追っかけ、フト気が付くとまるでちがう場面で妙タケレンなべつの日本人と相撲をとらねばならなくなりそう。行けるところまで行きますが。
『選集33』初校後半も、超細字部分だけ50頁ばかりまだ残ってて、目の酷使は、極み。
ブルーライトがキツい。寝室での読書には昔の電球を照明につかって、これだと、読み進むにしたがい文庫本も読める。『戦争と平和』のモスクワが燃えている。
2020 7/18 224
* 起床 8:30 血圧 123-63 (59) 血糖値 93 体重 60.15kg
2020 7/19 224
* 今日の都内感染者数は 188人ほどと聞いた。
九時 もう、機械を離れたい、が。
2020 7/19 224
* 起床 8:30 血圧 123-63 (59) 血糖値 93 体重 60.15kg
2020 7/20 224
* 能タタカヒニハテシワガなやちの梅若万三郎さん、特製の美味しい大きなソーセージを下さる。岡田昌也さんに戴いた美しい大きな桃といっしょに、ワインではやめの昼食にした。いい果物といっしょに、脂肪もある蛋白質を久しぶりに賞味できた。深く感謝。 2020 7/20 224
* なんともかとも疲れている。土用の丑とか、信じにくい陽気だが、用意の鰻蒲焼きを小さく二切れ戴きました。食べると、量は少しでも、腹が張る。
まだ七時半というのに能力はダウンしている。抵抗せず、遠慮もせず、やすもうと思う。
幸いに、大いばりで「籠居」できている。『選集 33』の初校はもう先が見えている。急がれてもいない。「口絵」の試行も、もう写真を送って頼んである。
「湖の本 151」は、今しも入稿原稿の用意に励んでいて、催促の尻を突かれてもいない。
* しかしながら、この「湖の本」の「仕事」 とてつもなく「私」めにきつく突っかかってきて、顔色が変わってしまいそう。思うまま書きすすめば、雨あられ、きつい非難の矢で立ってられなくなるかも。
慌てるな、気を急くな。
こんなときこそ、心知った人と話したい、が。
2020 7/20 224
* 起床 7:00 血圧 124-57 (53) 血糖値 95 体重 60.05kg
2020 7/21 224
* f八時。今日は、読み取りも書き上げもしにくい古人の書簡などを書き取っていて、過酷に眼は疲弊している。もういかにもゴマカシかせ利かぬ視野朦朧、少なくも一時間は休んでこなくては。
* 機械の異状に参った。二時間もかけた。なんとか恢復したか、な。十時半になった。へとへと。また明日。
2020 7/21 224
* 起床 8:15 血圧 129-72 (82) 血糖値 90 体重 59.75kg
2020 7/22 224
* 故紙回収。
2020 7/22 224
* コロナ禍は第二波の様相しるく、感染者数も増加しつつ年齢層が高齢へと迫り増してきている。とても油断ならない。疲れきってしまわないこと。
* 北越の光明寺さん、名酒別撰「越乃寒梅」を戴く。感謝。国際ペンで専務理事などをつとめられ御活躍の堀武昭さん、いつも銀座で選り抜き、実に美味い洋菓子を下さる。感謝。
* 選集最後の「函表紙」「總扉」の初校届く。さすがに残り惜しい。創刊の頃、これは選集でなく全集ですねと云われたりしたが、なかなか。全くの「選集」で、容れ余した作物がまだたくさん残っている。それはそれ。心新たにまた書き積んでゆくだけ。
* 九時。 また明日があると思おう。
2020 7/22 224
* 起床 6:45 血圧 132-58 (64) 血糖値 97 体重 59.8kg
2020 7/23 224
* 晩の七時半。
今日も、二時間ほど昼寝したが、他はずっと「仕事」に向かい、たった今まで「書き」次いでいた。意図して、今度の仕事はむしろ「手あらな」感じを避けず事と言葉を運んでいる。
どうにか、場面をがらっと転進させるところまで来た、らしい。三部めいて「湖の本 152」にも膨らむか、それがよいかどうか、見通しはもってない。成るように成らせればと、それをこそ期待している。
2020 7/23 224
* 起床 6:15 血圧 120-56 (54) 血糖値 84 体重 60.55kg
2020 7/24 224
* 独り早起きし、そのままテレビでコロナ感染拡大の報に驚きながら、ちくちく酒をしたんでいて、朝食後、また寝入っていた。ラチもないザマである。けっく、良いことに籠居に馴染んでいる。なにかしら、急がなくて「いいよいいよ」と云われている心地。
2020 7/24 224
* 大相撲の途中、贔屓の遠藤がドジな負けをくったところで湯に漬かって、トルストイ、レマルク、スタンダールを読み、あと、そのまま、機械の前で寝入っ てしまい、九時になろうとしている。それでいいと思う。いまは無理強いにからだとあたまとを遣いすぎないのが無事な気がする。身を躱すように、コロナ禍を 避けたい。寝入ってしまえる、それを今の、ちからとしたい。急がない。
2020 7/24 224
* 起床 7:45 血圧 137-62 (56) 血糖値 90 体重 60.8kg
2020 7/25 224
* 朝早に、も少し寐ていたいのに「マ・ア」のあの手この手の猛攻に起こされる。寝室の障子という障紙の惨状には泣ける。しかし、愛らしい孫、曾孫に恵まれてない年寄りは、元気な幼い兄・弟の疾風迅雷の運動場と化した狭い狭い我が家の日々を、心和んで励まされている。
* 二時間ほど昼寝の他は、草稿の書継ぎと推敲とに没頭。
7ポイントなどという細字の校正には、なかなか手が出ない、が、ほうって置けない。『選集 33』も、後半の校正が済まぬうちに前半の再校が出て来そう。
* 今日の東京と感染者数も三百に逼っていた。ちかづく八月十一日、聖路加での「腫瘍内科」「内分泌科」の受診、インシュリンやアリナミンの手持ちがあり、失礼したいと思っている。朝早の電車・地下鉄は避けたい。コロナ感染は絶対に避けたい。
建日子も、是非にも要心してくれますよう。
2020 7/25 224
* 起床 8:45 血圧 131-71 (63) 血糖値 83 体重 59.95kg
2020 7/26 224
* (二〇二〇)七月二十七日 月
* 天にのぼる嬉しい日だった。
天を仰いで悲しい日だった。
娘・朝日子 誕辰
孫・やす香 二十歳目前に長逝
2020 7/27 224
* 一寸先も闇 と、聞きも読みもしてきたが、さほどの実感を何度ほど持ったろう。二十歳目前のやす香に死なれる時はつらかった。妻がICUで苦しんだ時も怖かった。自分が癌と宣告された時はわれながら冷静だった。
戦争の折は山奥へ遁れ、困窮も度を越していたが、どこの誰を見廻しても同じなので、ごくの少年でもあったし、ふつうだった。
この「コロナ禍」のようなめに実感で出遭った覚えがなく、永く永くなりそうなトンネルの歳月かもと、ゾッとしない。
* それでも休まない。「湖の本 150 151 152」の、なんだコリャという「妙な仕事」を存分に遊ばせて貰う。病気などしてられない。
* もう十時。よく頑張ったよ、「湖の本 151」の追い想ってきた分の半ば過ぎたまで運びきれて、場面がガラッと変わって行く。変わって行く先の景色も もう予期できている。「新型コロナ・ウィルス」にやられず、粘って、書きたい思いを通したい。「152」まで事を運べるのか、「151」で仕遂げるのか。 まだ分からないが、それでよい。
2020 7/27 224
* 起床 7:45 血圧 129-72 (66) 血糖値 81 体重 60.35kg
2020 7/28 224
* 起床 8:15 血圧 132-67 (58) 血糖値 81 体重 59.85kg
2020 7/29 224
* 機械の負担をへらすことに神経を使っている。遣いすぎて草臥れる。
* 第二幕へ入った。グワラリと様子が変わる、変わって登場の役者、おもしろい、いい人です。
疲れを溜めないように、溜めないように書き進める。
さすがに、長すぎる髪をナントカ切りたい、恰好は構わん、頸筋にさわるのだけでも妻に払ってもらおう。会社を辞めた大昔に、若い人が贈ってくれたのがな んと本格のいい鋏と剪刀だった。刃物とはおもしろい貰い物だなと思ったが、以来半世紀近く、いまも愛用しているが、さあ、髪が切れるかな。
2020 7/29 224
* 起床 8:00 血圧 132-59 (55) 血糖値 86 体重 60.15kg
2020 7/30 224
* 起床 6:45 血圧 144-70 (70) 血糖値 96 体重 60.05kg
2020 7/31 224
* 起床 8:00 血圧 135-73 (63) 血糖値 82 体重 60.0kg
2020 8/1 225
* 起床 7:30 血圧 152-68 (54) 血糖値 89 体重 60.15kg
2020 8/2 225
* なにかしら体調に歪みがある。腹である。むかし老境の秦の父が、下履きのゴムがきつくてとよく歎いていたのが、同じ。
それと、極度の眼精疲労。
ま、ガマンしてガマンして「仕事」をクスリにしよう。
「書き」仕事 「読み」仕事 「調べ」仕事 が、いま、轡を並べている。
* それでも時折り横になっている。
源氏物語は「匂兵部卿」を読み終えた。
トルストイの露仏戦争論、ナポレオン論の 手厳しくリキが入っていること、なるほどこの大長編、ロシアの貴族社会物語というより、はるかに強硬に「戦争 と平和」論なのだ、ナポレオン「敗走」論なのだ。そして、アンドレイ公爵の戦傷死、若いペーチャの戦激死。ナターシャ、マリアの歎き。
レマルクの「愛する時と死する時」 わずかな賜暇休暇のあいだの兵隊グレーバーとエリザベートとの出逢いと愛と結婚、せまる別れ、胸が軋むように痛い。
* それでも私は読書を楽しむ。
* 妻、建日子と、永々電話で話していた。いまは、それしか仕方がない。
歌舞伎座が四部にわけ幕を明けたと。無事を、ただ願う。
2020 8/2 225
* 起床 8:00 血圧 136-69 (66) 血糖値 87 体重 59.7kg
2020 8/3 225
* 起床 7:30 血圧 109-57 (67) 血糖値 97 体重 59.65kg
2020 8/4 225
* 八月十一日聖路加病院の腫瘍内科検査診察、内分泌科検査診察を、郵便で、辞退した。
* ポストへ自転車で駆けたが、朝からの熱暑でぐったり草臥れてしまった。
みーんな、だれもかも草臥れているだろうなと想う。
幸いに私には籠居でこそ出来る仕事、しなくてはならぬ仕事が、いまも山と積まれてある。退屈は、したくても出来ないが、疲れは加わる。朝の床をでて二時間、九時半。ほおーッと睡い。無理すると潰れるし仕事へのちからも落ちる。今寝入ると午前が無くなる。
昨夜の続き、色気の二十歳青年得意の「漢文」の先を訓むか。眼が、参ってしまうかも。
* 眼より前に、読む私が、参りました。参った。
* そして、やはり疲れ寝て二時間半、午後に入っていた。二階、道路ぎわの「靖子ロード」熱暑、凄い。
2020 8/4 225
* 眼も歯も、ガタガタ。全部の指先が鳴るほどにジンジン。嗅覚も触覚も味覚もあるが、食欲がない。
八時半になった。 書き継ぎたいが、むりやりになっては良くない。涼しく寝入るのが明日のためか。
2020 8/4 225
* 起床 7:45 血圧 133-65 (70) 血糖値 79 体重 59.6kg
2020 8/5 225
* 起床 7:05 血圧 128-67 (58) 血糖値 87 体重 60.0kg
2020 8/6 225
* 羽鳥番組の途中から、『選集』の校正に行ったそのまま、寝入って十時半近くまで。
酒量は四日半ほどで一升瓶が空いたが、さして多くはない。外出して、一時間ほどの食事の店で、銚子が一本などということはなく、二合の銚子を二本も特段 のことではない。ただ、以前とハッキリ違っているのが食の量、外出時なら気に入って註文した肴や料理を食べているが、いま、家では時に極端に食べていな い。今朝も、桃を半分、食パン一枚の四半欠けで終えて、朝酒をふつうの酒盃に二盃。
からだが働き出すより眼のとぢる方が早いという感じ。
* どうでもいいんだと思っている。
したい仕事はしていくし、余分に疲れるほどの何もしていない。
私の日々に退屈は無い。八十年の記憶は生き生きしているし、読みたい本も山のようにあり、好奇心や好色心や批評心や、片付けを要する用事にも、幾重にもぐるぐる巻にされている。なによりも私には「歴史」という思索や受容の無尽蔵の寶庫がある。
いま劇場へこそ残念、出向けないが、好きにいろんな音楽は聴けるし、二百もの映画もよりどり観られるし、美しい場所や景色や花や木や、家族や人や物の写真も、色っぽい写真も、整理し始めれば、何日かけても足りない。
一通も捨ててない莫大な手紙の山が六十年分、数万はあろう二十数年分の夥しいメール、そして自分で書きためてしまった十万枚を優に越していよう「私語」のプルがあって、何よりその気になれば私自身の読み返せる著作が、あちこちの書架に夥しく溢れている。
* 四国、波方町の木村年孝さんから、土産各種柑橘類からのジュースを送って下さったのが、冷やして戴いて、じつに旨いのに感嘆。蜜柑類は四国がひとしお旨い。感謝。
* 動きのとれなくなる怪我はしたくない。
妻にも、建日子にも、義妹達にも、どこで何をしているか知れない娘にも孫娘にも、身内と親しむ大勢の読者の皆さんにも知友にも、さらにはわが創作世界にいま生きてある友だちにも、それを願う。
* 今日も、また昨日に次ぎ、そんな、『維新の二人』とつき合い、対話し続けたい。教わりたい。興味津々。胸を掴んで引き寄せてくる話材って、いくらでも在るのだ。
あの店やあの店でうまいものを食べに街へ出たいとも願う、が、この時節、ばかげた無謀を強行の気はつゆほども無い。
2020 8/6 225
* 起床 7:45 血圧 145-69 (63) 血糖値 84 体重 59.75kg
2020 8/7 225
* 朝九時から、三十分、目をとぢ、ただ機械の前に腰かけて、腕組みもせず、首を垂れて。
元気より疲労が先に来るが、「仕事」へ、駆け込む。
* 夕刻六時にほど無い。午前にも午後にも寝入る時間もあったが、「仕事」は捗らせていた。
* コロナ禍はとめどなく、何の安堵の見通しもなく、政府の無能と悪政も輪を掛けてとめどない。情けない、が、すり抜けすり抜けて行くしかない。
幸い「仕事」は面白く波打っており、浮かれて流されぬよう舵取りながら、私としては「かつて無い感触の作へ仕上げて行きたいと。目算はとかく逸れやすい。浮かれず筆を運ばねば。
* ま、暑いこと。郵便箱へと、表扉をあけただけで、クラッと来る。危険。実に危険。
2020 8/7 225
☆ 暑中閑話
五十代の頃、久しぶりにお目にかかった師に、
「すっかり年を取ってしまいました」
とぼやいたら、
「バカ野郎、年寄りってえのは九十になってから言え」
と怒鳴りつけられました。
言われた御本人は 「五百年後にまた会おうぜ。」と言い残し、六十代でさっさと逝かれました。
「四十、五十は洟垂れ小僧。男盛りは八、九十。」
私も後期高齢者にはなっても、まだ「年寄り」にはなれません。 秀
* 九十には私、今しばし。秦の父も叔母も母もみな九十台でした。
年寄りというより、要は「疲れるなあ」と実感の日々です、それも当然で、「読み・書き・読書」の幅も量も時間も減ってない上に、よく飲んで、食べる方はちょっぴりで。運動は、二階と下との上がり降りだけ、日に、二十度ほどです。せいぜい大声で「憤る」よう勉めています。
2020 8/7 225
* 起床 8:00 血圧 136-72 (59) 血糖値 92 体重 59.85kg
2020 8/8 225
* 朝から、もう二度、寝入っていた。寝てられる幸に、感謝。
2020 8/8 225
* 起床 8:00 血圧 136-72 (59) 血糖値 92 体重 59.85kg
2020 8/9 225
* 九月歌舞伎座の案内があった、やはり四部制。藤十郎、白鸚、菊五郎の名はないが、他は、吉右衛門、梅玉、玉三郎ら総出。無事の興行を願うが、秋へ向いて、基礎疾患もしっかり持った八十四老の私達、残念至極、現状では遠慮と決めた。役者に事故のないことを切に願うのみ。
2020 8/9 225
* 起床 8:00 血圧 136-72 (59) 血糖値 92 体重 59.85kg
2020 8/10 225
* 奇 妙に構造的に細部のある夢には幾重にも襲われていたがそれなりに熟睡もしていたはずと思う、のに、七時半にもなってながら、起きは起きて食卓についたのに 食べる気なく睡くて、遁れるように床に就いて、グッスリと十一時過ぎまで寝入っていた。冷房はしていて、熱中症とも思えないが宜しき体調ではない。鍛えよ うの無いやすみやすみの日々であれば、元気ハツラツとは行くまい、落とし穴にコトンとは落ちまい用心はしていたい。
2020 8/10 225
* 冷房のセイか、体調か、身の冷える不快を感じ、ゆっくり入浴し、『戦争と平和』も掉尾の、ピエール、ナターシャ夫妻と子供達、ニコラス、マリア夫妻と 子供達、マリアの兄の亡きアンドレイ遺子ニコーレンカらの賑やかに理想的な共住の家庭生活を心和んで読んだ。わたしの大好きな日々の営み、夫婦愛も家族愛 がためらいなく美しいまで独特に書かれてある。
戦争と平和であるからトルストイは二度の大きな戦争場面を縷々書き継ぎ語り尽くしているが、それを見事に縫い散るように、アンドレイ・ナターシャ・ピ エール・マリア・ニコラスらの愛ある心境を美しく書ききってくれる。露仏の戦争、佛帝ナポレオンと露将クトゥゾフを対比の批評などじつに独特に精緻、しか しナターシャという正真正銘の佳いヒロインを描いてアンドレイ、ピエールという二人の優れた男性を配した人生に気は、トルストイその人の懐いていた理想が 確立されているかと想われ、じつに懐かしい。
2020 8/10 225
* 起床 8:00 血圧 134-68 (59) 血糖値 97 体重 59.9kg
2020 8/11 225
* 朝のコロナ事情 を聴いて、階下で校正のあと暫時ねむり、二階へ来て、機械をあけたりメールを読んだりしながら、やはりうとうとと睡っていた。夜の睡眠時間が短かったと思 わないが、暑さと冷房と「マ*ア」の夜働きで、熟睡しにくかった。機械のそばで、ジャズ・バラードの「The Dats of Wine and Roses」が、このところ終日静かに聞こえている。
2020 8/11 225
* 聖路加病院内分泌科の診察日であったが、十一月十日に変更された。処方箋は近所の薬局へ送られてくること、前回と同じ。晩秋、コロナ禍はどう推移しているか、見当も付かない。
* 東近江五個荘の乾徳寺さんご住職から『「近江商人の魂を育てた 寺子屋』一冊を頂戴した。同じ川並の川島民親さんからも以前近江商人を主題の共著本をいただいたことがある。
乾徳寺さんの本に、「寺子屋」の先生に書を教えた勝見主殿(本姓越智)という先生が、私の育った新門前通りの「狸橋」を「住所」とされていたらしい、わたしの朧ろな記憶に「越智さん」「勝見さん」の覚えが絡んでいる、今となっては確信は持てないが。
手先の痺れと不自由でわたしは今、ペンで字が書けない、メールだと何とかなるが。
ひょっとしてこの日記、川島民親さんの目にもしとまれば、本のお礼と上のうろ覚えだけを、お伝え下さるだろう。
2020 8/11 225
* 起床 8:00 血圧 134-68 (59) 血糖値 97 体重 59.9kg
2020 8/12 225
* 起床 7:30 血圧 121-57 (58) 血糖値 81 体重 59.85kg
2020 8/13 225
* 聖路加の処方箋にしたがい用意の出来ていた「クスリ」を 駅前の薬局へ自転車で走り受け取ってきた。空気が燃えている暑さ、籠居老人の日々をむしろ感謝したほど。
* 機械の電源をONにしておいたまま、倚子で、寝入っていた。
* 昼食後、また三時前まで寝入っていた。冷房は効いている思うのだが。
2020 8/13 225
* 四時半ちかく 激しい雨。ああ生きているなあと雨を聴いている。「聴雨」 そして「雷鳴」。幸いわたしは雷さんを怖がらずに大きくなった。こころよく迎えるほどに聴いてきた。
2020 8/13 225
* 起床 8:00 血圧 131-67 (58) 血糖値 84 体重 60.05kg
2020 8/14 225
* コロナ禍も安倍政治禍も燃え広がってやむ気配無く。自衛あるのみ。
* 上一行、こう書いただけで、コトンと機械前で寝入ってしまってた、十時半を廻ってて、夜も更けたかと慌てた。おハナシにならない間抜けたハナシ。
e-old神戸さんからメールを三つも貰っているのを読まねば。「機械」の命脈にふれて教えて頂いているのだろうか。ウーム。読むのが怖くもあるが。
2020 8/14 225
* 午後もよく寝た。それでも、『選集 33』前半分の再校を終えた。最終の「あとがき」を書いてアトヅケとともに入稿すれば、そろそろ発送用意にもかからねば。
* 気分キッパリしないので、湯に漬かった。レマルクの『愛する時と死する時』 とうどう、結婚したばかりの兵士グレーバーは、「あなたの子が欲しい」と真実願う新妻エリザベートを瓦礫の戦災街にのこして、三週間の賜暇休暇から激戦の最前線へ戻っていった。
胸の疼く、若い二人の愛のせつない奔騰がいとおしい、読むのがつらいほどの別れの一夜であった。若い命の空しい費消が何ももたらさない戦争、そんな戦 争、決してしてはいけないと思う。こんな若さのまぢかな背後には、高笑いに人の命を踏み消してもてあそぶ、ゲシュタポ、ヒトラーの親衛隊。
* かろうじて源氏物語「竹河」の巻に思いをなぐさめ静めて湯からでた。おう、何たる読書よ。
2020 8/14 225
* 「選集 33」後半分の再校分も届くらしい。テキパキと、ことは運んでいる。
家の中で熱中症にならぬように慎重に心がけている。散髪にも歯医者にも行きたいが、見合わせている。
仕事、仕事。それが、クスリ。
2020 8/14 225
* 起床 8:00 血圧 131-67 (58) 血糖値 84 体重 60.05kg
2020 8/15 225
* 起床 6:30 血圧 135-60 (74) 血糖値 81 体重 60.5kg
2020 8/16 225
* 朝が早かった。二階へ来ると機械もクーラーも働いていた。申し訳ない。
2020 8/16 225
* 眼がショボショボと不快。眼鏡がほとんど役に立たず、裸眼でキイを探っている。
* 家の中で まんまと熱中症に罹っているかと思う、妻も、わたしも。おおわらわで冷やしている。
* こんな時は何かしようと思わず ひたすら休息がいい。
凄い暑気。コロナよりもこっちが危ない、避けにくい。機械に手を添えていると痛いほど熱いと感じる。機械くんも、やすませてやらねば。
2020 8/16 225
* 二階、靖子ロードに逃げ場のない猛烈な熱気が溜まって、通るたび蒸されるよう。 2020 8/16 225
* 夜八時 京の大文字 異例ながらも 美しく もの哀れに静かな炎の送り火に 泪した。
* 九時。もう機械から離れる。
2020 8/16 225
* 起床 8:30 血圧 144-77 (61) 血糖値 88 体重 59.45kg
2020 8/17 225
* 昨日はまことに危なかった、夫婦して屋内熱中症で斃 れていかねなかった。もう毎朝のコロナ番組にじっと付き合うのもつらくなりだし、自身の生活に万々注意して、うかと用心からはみ出ないようにと思う。読書 していると数限りない東西和漢の異世界が目の前にひらける。幸いにそこにコロナは見られない。上に毎朝揃えている「愛の歌」にせよ、自身口を衝いて出る歌 のしらべにせよ、明治人の漢文口調にせよ源氏物語男女の詞や思いや暮らしにせよ、アラビアンナイトの荒唐無稽の大らかさやトルストイの生真面目な戦争と平 和論にせよ、わたしの現実を縦横に豊かにしてくれる。
このごろ、夜中手洗いに立ったあとの寝入りばなには自在に歌ことばをつむいでいる、書き留めもせず夢路へ入ったゆくだけ。
2020 8/17 225
* 朝の十時半になろうとして、まだ、眼をいたわってウトウトと閉じ、マウスとは辛抱よくつき合い、鳴っているしずかなジャズをただ受け容れている。からだは火照っていない。
2020 8/17 225
* 起床 7:30 血圧 129-61 (54) 血糖値 76 体重 59.35kg
2020 8/18 225
* これも暑さか、かすかに額に痛みがある。家の中での熱中症こそ今はコロナ以上の脅威。
* 九時前、両の瞼が重く、眼の底が妙に皺っぽい。冷房を25から23に下げた。しばらく部屋を出て、水分を補給してくる。
2020 8/18 225
* 五時前、昨日よりは凌ぎやすかったが、ぐったりは同じく。むしろ暑さ負けでなく、体力が弱っている感じ、仕事に手が出ない。
『選集 33』後半の要再校ゲラが届き、ともあれ、「初校との赤字合わせ」は終えておいた。
いよいよ選集最後の「責了」へ向け、慎重に作業をと。まだ最後の「あとがき」を書くなど、つきものの用意など残っていて、後半分の再校を含む当面の要作業を確認し、落ちなく最終段階へ運ばねば。からだを弱らせてはならないが食欲がまるで無い。
* 八時前。昼寝もしたのだが、もう寝てしまおうかと。
2020 8/18 225
* 起床 8:40 血圧 136-71 (74) 血糖値 82 体重 59.05kg
2020 8/19 225
* コロナと烈暑とで異様な事態に國じゅうが陥っており、遁れようなくただ怺えている。私の眼識たしはこれで持ち堪えており、自分の世界という異界をいつ も確保しているので遁れようもあるが、妻は昨日から繰り返し軽微とはいえ眩暈に悩んであり、知友には入院という事態へ嵌っている人もある。建日子はどうか な、シャキッとしているかなと案じられる。こんなとき、一緒に暮らせていないのが、是とも悔しいとも謂えるが。
* 二三日切れていた日本酒が生協から今朝少し届いて、有難かった。
* 何としても病魔に負けず、そのためには彼奴らの踏み込めない自身の世界と好みと活力をもつことだ。わたしは「仕事」を続ける。それが活力で栄養だ。
2020 8/19 225
* 夕過ぎ、必要に逼られ、近くのセイムスへ買い物に。妻がひとりではとても持ちきれない。思いの外の夕暮れの気温穏やかで助かった。医薬と、「マ・ア」たちの食べ物とが、主。二人で買い物に出向ける幸せをこころより感謝する。
* とにもかくにも、コロナと熱暑とに負けてはならないということ。ムリは慎重に避け、懶けているなど思わずに、休める限りを休むようでありたい。幸いに宿題の提出日をわたしたちは決められていない。有難い。
* 十時半。もう階下での読む楽しみへ切り替わりたい。と、言いつつ花の写真など楽しむ内に、十一時を回っている・おやすみなさい。
2020 8/19 225
* 起床 7:45 血圧 125-62 (54) 血糖値 75 体重 59.85kg
2020 8/20 225
* 八時過ぎ。夜半に嵐を懼れないではないけれど。やすみたい。
2020 8/20 225
* 起床 8:45 血圧 131-66 (59) 血糖値 90 体重 60.0kg
2020 8/21 225
* コロナと暑さとで世の中、逼塞の体。首をすくめてでも、だれもだれも無事に乗り切ってゆきたい。建日子の、映画仕事も舞台仕事も休憩だろう、彼の方で も気を遣ってくれて敢えて会いにも帰ってこない。逢いたいが。母親へはさいさい声やメールを届けてくれている。「マ・ア」のための重たい砂などは買って 送ってきてくれる。
近所の「セイムス」へは必要最低のかぎり、二人で買い物に行く。どうしても重くなる荷持ち役をしている。
2020 8/21 225
* クーラーなしでは過ごせない、が、熱中しない冷適温がどの辺か、部屋の坐り位置でもちがうようである。クーラー真下のソファでゲラを読み続けていて、 冷気の流れを逸れていたのか、熱中ぎみになり、おまけに家中で一等猛暑の二階窓際廊下で欲しい文庫本を探したりして、さらに気分わるくなり、恢復に手間 取った。ま、なんとか。それでも、まだ、シンドい。
八時半、今晩も機械からは もう離れる。
* 取り換えたマウスが小気味よく働いてくれるので大助かり。こんなことも教わらないと判っていないヒトなんです、やれやれ。
自分の生理年齢が奇妙にヨソごとにしか想えないことがある。しばしば、ある。依然として、「こども」のよう。文藝の処女作本が、歌集の『少年』だった、そのままなにもかも立ち停まっているのでは。
寝言云うてないで、横になりたい。
2020 8/21 225
* 起床 7:25 血圧 131-73 (47) 血糖値 84 体重 60.25kg 脈搏がすくない、か。
2020 8/22 225
* ウカとすると{熱中}に負けそうに。前兆は、かすかに気が遠くなりそう。
十時間近くも床にいたのに夜中の寝覚めが頻回で熟睡感が淡い。起き抜けにもう腹の芯あたりから疲労感がある。やれやれ。
ジャズ吹奏音の静かさに身をまかせている。さ、仕事。
* 旅はおろか、都心はおろか、駅前へも病院へも出ない日々、出任せの歌など副えて、好きな「写真」に見入って憩う。
蓮の花盛りの池は、上野の不忍池だったと思うが、もっと遙かな昔に、むかぁし、京の山科へ、いまも愛している小説『秋萩帖』のために取材散策のおり、勧 修寺(かじゅうぢ)で出会った蓮池への思いがかぶっている。平安學の泰斗で今は亡き「T博士」が電話口で「蓮の花はソーラきれいです。きれいやけど…その きれいな」とおそろしいことを云われた。蓮の盛りのその池は観てはきたが、とても怖くもあったのを、まざまざと忘れない。しかもかすかには懐かしいとすら 感じている。『秋萩帖』を懐かしく読み返してみたくなった。選集第六巻に入れてある。
* 今日の暑さ、言語に絶している。23度に冷やしている気のこの機械部屋で、機械前から、クーラー真下のソファへ動いてゲラを読んでいるうち卒倒しそう になった、冷気がすぐ下へは降りてないのだ。怖くなった。外の廊下奧の手洗いなど熱湯に蒸されるようだった。無事に生きる難しさを真率思うほど。「急急に 入院」とメールで告げてきてたが、熱中症でなかったか。
2020 8/22 225
* とにかくも「選集 33」の再校分を読み終えて、それから落ち着いて「あとがき」を書きたい。慌てまい、急くまい。
九時前。もう機械から離れる。途切れない安眠が欲しいが。
2020 8/22 225
* 起床 8:00 血圧 136-63 (55) 血糖値 81 体重 60.0kg
2020 8/23 225
* 起床 7:00 血圧 141-72 (57) 血糖値 87 体重 60.15kg
2020 8/24 225
* 聖路加の予約診察日だが、やはり休むことに。電話診察そしてお薬は近くの薬局へ処方箋を送って戴くことに。
* よく寝入る。キッチンでも卓に伏して。寝床でも読書半ばから。二階で機械の前でも、ソファで校正中にも。からだが求めているのならと、随っている。合間、合間で仕事をすこしずつ進め、それでもゆっくり事は捗って行く。この時節、からだに強いて鞭してもしようがない。
* 夕食どきに撮り溜めてある中の、いわば「心芝居」とでも題された洋画、オムニバスふうに幾色物であいが巧みに一色に大きく纏まって行く「せりふ劇」映 画が洒落ていてシンミリもして面白かった。ちゃんと撮っておいて佳かったと思う映画・洋画が二、三百も遺してある。画面はきれい、なのに見る眼のちからが ン済み弱っていて、いけない。
2020 8/24 225
* 十時半になる。もう、やすむ。読書の中に、またまた「ヘドのモルゴン 星を帯びし者」を加えた。
2020 8/24 225
* 起床 8:45 血圧 152-68 (75) 血糖値 95 体重 61.0kg
2020 8/25 225
* 「脚が棒になる」と謂う。歩き疲れの表現だろうが、この数十年のわたしの脚は、棒どころか太い柱のようだった。それが、いまは時として、細い真っ直ぐな二本の棒に見える。棒の上もほぼ釣り合っている、が、元気旺盛とは、とても。痩せただけのこと。歳に相応か。
* 昼前にも睡くて一時間ほど寝ていた。昼食後も一時間半ほど寝入り、起きてすぐまた寝てしまい、へとへとに疲れる奇々怪々の、しかも筋も人たちも場面場所もハキと記憶できている夢に悩まされながら四時頃まで寝入っていた。尿意に救われた。困った夢見爺だ。生きながらすでにだんだん狂い死んでいるような気配だ。やれやれ。目の前に積んである「仕事」や「作業」の山に負けているのか。やれやれ。夢も身の内、藝の内と思うことに。
* 六時半。晩。何が、どれだけ出来るか。
* 『選集』漸く 「あとん゛き」の他は全部「責了」用意満了とみていいところまで。あとは念入りに見直すまで。
さて、最終巻「あとがき」には、さすが、例になく緊張している。昼寝の折 喧噪を極めた荒っぽい夢を、静めきってから書き起こしたい。夏はいつもだが、 体表を冒してくる正体の見えぬ虫のたぐいがワルサをしてくる。これが五月蠅くて難儀。難儀なことはとめどなく有る。生きているシルシか。
* まだ八時半にならないのに、もう眼がよく見えない。眼科へも行ってみたいが。ウーン。目薬はよくさしている、が。
九時半になる。むだな一時間ではなかった。
2020 8/25 225
* 起床 8:15 血圧 133-66 (49) 血糖値 75 体重 60.7kg
2020 8/26 225
* 故紙出しを手伝った。
妻は、ここ数日、かるい熱中のめまいを繰り返している。冷房は昼となく夜となく此の季候の厳しさでは絶やせない。わたしも一度二度気づいて、早く対処してきた。
むかしは、暑さで名高い京都でも一夏に三十度を超える三日、四日となかった。33度などと聞くと地球が病気かと想った。そんな記憶が二人共にあり、今年 の暑さなどきちがいじみて感じてしまうが、だから対応を怠っていいわけでない。要心こそ肝要、冷房以外に避け得ない。必要から外出しなくてはならない人は たいへんだ。
2020 8/26 225
* ともあれかくもあれコロナ禍は籠居で避けているが、暑さに負けるのは家の中ででも油断ならない。遠慮も深慮もなく、疲れを感じたら横になる。寝入れるなら構わず寝てしまう。へたに賢しらに頑張らない。
2020 8/26 225
* 起床 7:30 血圧 147-68 (52) 血糖値 85 体重 60.6kg
2020 8/27 225
* 朝、キッチンに入ってのムーッとした暑さにたまげた。それでもド熱い日射しの下をマスクと自転車で、 薬局へ。聖路加処方、三月分のクスリを受け取ってきた。湿気はなく、炒られる日照りの暑さだったが、クスリを貰っての往復に十分間余で帰ってこれた。水分 はたくさん摂った。
「秋よ来い 早く来い 暑さ疲れのハタさんが、おんもで食べたいと待っている」
日比谷地下の北京飯店で中華料理が食べたい、佳い紹興酒を二合。そして五階のクラブで旨い珈琲を。
* 疲れきって、仕事、捗らなかった。四時半になっている。ま、それでも、最終巻を締めくくる「あとがき」は電送入稿したので、あとは、本体の校 正紙760頁分を、よく点検の上、宅急便に託すべく荷造りすれば、ほぼ片づいてくれる。そこまで行けば、あとは送り出しのための挨拶や宛名書きなどを間に 合わせればよい。うまくすると九月下旬にも『選集』作業完結へ漕ぎ着けるだろう。「湖の本151」新作の仕上げに掛かれる。新しい、また別の大仕事へ、長 編小説へも取り組みたい。病気に掴まるまい。
ま、要は、夏バテ、日本中が夏バテ。おまけに冷房バテも。
グチってるよりは、寝た方がいい、好きな本の世界へ旅立つのがいい。さまざまな景色がある。
まだ八時半だが
2020 8/27 225
* 起床 7:15 血圧 143-68 (56) 血糖値 75 体重 60.35kg
2020 8/28 225
* 二階廊下 燃えるような暑さ。抵抗できない、ただ謹んでいる。冷えたビールだけが旨い。飲み過ぎるわけに行かない。この冷房した機械部屋でですら熱中しかねない。どうなってるの。
2020 8/28 225
* 右に、軽い偏頭痛がある。想った以上に『選集』を無事に終えるのが、肩に重い。送り挨拶文を下書きした。 九時半になった。 床へ降りて、「イルスの 竪琴」のあまりにあまりに懐かしい幻妙世界へ沈み入りたい。ロレンス「息子と恋人」にもぐいぐい惹かれている。源氏物語は宇治の「橋姫」の巻を読み終え た。ゆっくりゆっくり、染まるように読んでいる。
2020 8/28 225
* 起床 9:30 血圧 143-62 (56) 血糖値 101 体重 60.8kg
2020 8/29 225
* 起床 7:15 血圧 145-68 (49) 血糖値 88 体重 61.4kg
2020 8/30 225
* 妙にフワリと目が覚めた。めずらしく空腹感がある。いま、七時四十五分。機械をあけてこの辺までにほぼ三十分かかるということ。季節が冷えてくると稼働にもっと時間が掛かる。使用者とまったく同然の「老機」であり、たぶん運命共同体となろう。
朝食に降りる。
* 葡萄が旨かった。目疲れが癒えないか、目薬をさすとしみて痛む。
* 夏は夏の熱気に肌を焼かせて元気であるべきなのでは。小さかった頃、あの熱い京都の夏が好きだった。武徳會の水泳場に通い、「組」から「級」にすすむ と博い水域の自由泳がゆるされ、好きなだけ泳いでから家に帰った、が、かんかん照りの川端通りを三條まで、そして縄手を経て新門前の家まで、焦げるように 熱い空気を吸いながら半分気が遠くなりながら帰ったものだ。それでも毎日孤りでよく通った。
2020 8/30 225
* ご主人をなくされたあと、入院と聞いていた京都の華さん、26日に退院と。まだまだ何かと不自由そうだが、怪我なく元気を回復されたい。わたしもそうエラソーな口の利けないほどへこたれて過ごしているが。
* 火野正平の自転車旅に心慰む。政治家どもの汚らしい右往左往など観たくも聞きたくもない。
やすみやすみに、やすんでいる。半歩も外へ出ないので、総身はただ冷房感覚。23度を25度に上げてみた。ともすると眼をつむってしまう。
2020 8/30 225
* 起床 7:30 血圧 142-65 (49) 血糖値 81 体重 61.4kg
2020 8/31 225
* 今日も無為というちかいほど休んでいた。気の励むような世間でなく、世界でもない。第一巻の「星を帯びし者」を読み終えて、第二巻「海と炎の娘 レー デルル」へ入る。脇明子さん訳の日本語と表現とがじつにいいのである。三巻を戴いた脇さんに重ね重ね礼を言いたいと多年思いつつ、連絡先が判らずにいる。
* 八月が逝く。コロナと聞いてこのかた、半年になるではないか。秋冬へむけて宜しからぬ第二ないし第三波が予測されている。滅入るではないか、日本中が。世界もか。熱中症の心配一つでも早く避けたいが、残暑も猛烈か。これは一種「戦時下」に同じい。
* 四条大橋から三條のほうへ、鴨川ぞいのま輝く賑わい。思い切って大きい繪にして、実感まで美しい。帰りたいなあ。
2020 8/31 225
* 起床 7:15 血圧 155-77 (47) 血糖値 85 体重 61.0kg
2020 9/1 226
* 起床 8:00 血圧 135-74 (50) 血糖値 87 体重 60.05kg
2020 9/2 226
* 胴体、ことに腹と、二の腕を冷房に当てていると気分が悪いと気づいて、シャツを長袖に、そして胴は、建日子が呉れたナントカ謂う軽い袖無しでくるむことにした。小さい頃から秦の母はよく腹巻をさせた。腹痛たの多い子だった、わたしは。
2020 9/2 226
* 望月太佐衛さんのメールマガジンによると八月歌舞伎座の四部講演は無事に終えたと。コロナ対策も万全だったと。よかった。
ただ私の場合だと、バス、西武線・地下鉄そして場合により銀座一丁目からタクシーを使うことになる。この長い途中をやはり高齢基礎疾患者としては要心のほか無い。
いつまた尋常な状態で歌舞伎が楽しめるのかと、ヘコむ。
太佐衛さんの月々のメル・マガはじつに元気に溢れていて清々しくなる。このわたしは、グタっと全身で草臥れ弱っている。弱気というのではない、が、活気 が無い。船頭の多いばかりで「政策」も「医対策」も実効に結びつかず、船は同じ場所でぐるぐるとただ回っている感じ。「私語の刻」がグチっぽい。やれや れ。
* 一つ部屋で25度にクーラーをつけていても、部屋の場所によって28度ということがある。そこへ坐っていると熱中気味に気分が悪くなるのに驚いた。冷気の流れが単調なのである。気を付けないとアブナイ。
2020 9/2 226
* 起床 7:00 血圧 147-71 (53) 血糖値 83 体重 60.45kg
2020 9/3 226
* 冷房したのに此の機械の座が30度というのにたまげた。なんて気分が悪いんだとヘバりかけていて、温度計を確かめて驚いた。21度に下げたが温度計はまだ 28度。室内熱中必至と恐れ入り、暫く機械から離れる。冷房機の風向きはかなり偏向すると判ってないと危ない。
2020 9/3 226
* 金澤の素晴らしい名品の葡萄「ルビーロマン」の名付け親金田小夜子さん、今年も立派な一房を送ってきて下さった。美味さはもとより、見た目の美しい房生りにおどろく。ありがたく頂戴。
2020 9/3 226
* これで、今日、けっこう仕事も作業も、頑張ったのです。九時半。機械を離れる。
2020 9/3 226
* 起床 7:20 血圧 146-77 (56) 血糖値 83 体重 60.05kg
2020 9/4 226
* 冷房を20度ではじめたほど機械のある部屋に入って暑かった。熱中のしんどさが、このところ一等きつい。
2020 9/4 226
* 「選集 33」発送用意の大方を、補足程度をのこして、終えたと思う。目先が滲んでよく見えない、落ち着いて、この先々何をして行けば間違いないか。視力の衰えが心身の衰えになってゆくのを切り離せるかどうか。
2020 9/4 226
* いまやガクゼンともしない、が、日に日に老耄の度が増して、物忘れが多くなっている。新しい研究書を読み、興が乗り、理解して行くことも出来る、と同 時に、簡単な漢字を忘れて手書きできなかったり、慣れ親しんだ機械操作の手順をふいッと忘れたりしている。これはもう日増しに加わってくる老衰現象なのだ ろう、それだけに新しい機械を買っても、とても使えまいと思う。
現に携帯電話を掛けるのも受けるのも、話したい先の番号を書き込むことも、みな出来ない。写真も写せると聞いたが、手順の見当もつかない。マニュアルがあるのだが、字は小さく、読んでも納得できず、いつしかマニュアルそのものが座右に見当たらない。
所詮はこの永年連れ添うた機械くんと仲よくして行く以外に手もなく道もない。
幸い 読書は出来る。こうして書き綴るのにも困っていない。
* 九時半。もう機械は閉じます。
2020 9/4 226
* 起床 8:00 血圧 147-74 (57) 血糖値 87 体重 60.45kg
2020 9/5 226
* 十月歌舞伎座の案内が有った、が、前後左右一席明きの劇場も味気ないが、往来の乗り物にまだまだ気は許せず、じっとガマンするしかない。気の入った仕事で気分を裕に補うしかあるまい。
2020 9/5 226
* 暑いなと感じた、室温が27度。がまんは出来るが 23.5度に設定の冷房がよく働いていない
のか。
* 機械が凄い負担を感じていそうに懼れ、膨大な数の「写真の厖大な重複分」を見付け出してたくさん消去した、が、まだまだ。とはいえ、G にしてまだ相当な量の剰りがある。
しかし、機能的にあれこれと働いてくれないのもある、最も迷惑しているのはプリンタとの連携がとれず、簡単な印刷も出来ないのには困惑している。どこをどう触って修復できるのか判らない。ま、そのうちに勝手にもとへ戻ってくれないかと勝手なことを願っている。
* 七時半。ちょっと休みたくなった。機械は明けておく。
2020 9/5 226
* 起床 8:30 血圧 154-73 (50) 血糖値 79 体重 60.3kg
2020 9/6 226
* 「アコ」を自転車の前籠に載せ、郵便ポストへの用を済ませて、しばらく下保谷界隈を走ってきた。アコは、ニャッとも声たてず、おっとりと見知らぬ世間 の風情を楽しんでいた。私との信頼関係はしっかりしている。「マコ」も行きたがったが、一度にふたりを籠へ入れるのはムリで。
2020 9/6 226
* 機械の前へ戻ってくると、霞んだ視力が悲鳴をあげる。それでも、つい、構ってられないと無理強いする。宜しくない。宜しくない。
2020 9/6 226
* 起床 8:00 血圧 150-83 (56) 血糖値 79 体重 60.15kg
2020 9/7 226
* 何がどうなってか、猛烈に苦い粘液をかなり量多く、しつこく吐いた。何が障ったのか判らない。
* それでもそのあと、郵便局の用のまま「マコ」を前籠にのせて自転車で三十分近くのんびり走ってきた。マコはご機嫌良く楽しんでいたようだが、家に帰って。やはり日照りの暑熱にわたしは中ってきたなと自覚した。
とにかくも、ゆっくりゆっくり、休み休み過ごしていた方がいい。。
2020 9/7 226
* 起床 8:30 血圧 146-64 (62) 血糖値 81 体重 59.6kg
大患以後(当時66kg)以後の最低体重を記録。この程度を理想に期待してきた。
2020 9/8 226
* 今朝、寝起きの部屋の暑さに愕然とした。25度に冷房していて、むうっと暑かった。要心に用心しないと、今やコロナよりも熱中症が危ない、下手をすると命を落とす。
* このところの私は意識して怠け、というより心身を休ませ憩わせる方へ気遣いしている、つまりは体よく怠けることで平静を維持している。この烈暑はやが ては往くだろうと待っている。「仕事」も急かないで、成り行きでよしと。『選集 33』完結本の仕上がり、そして発送などは早くて今月末になろう。送り出 しのための用意は日々に出来ていつつある。落ち着けと自身に言い聞かせている。
2020 9/8 226
* 23度設定の冷房なのに、身の側の温度計では27度、みるみる体調に不安を生じ遁れるように階下へ降りたが、左の手先など震え始め、水分をたっぷり摂 り緊急の甘味に白砂糖を口に含み、クリームチーズ等を食したが震えおさまらず、低血糖かと計ってみると、まさしく低血糖値になっていた。糖分を摂りつづけ 震えはおさめた。しばらく横になっていたが眠れなかった。
* いろんなことが起きる。バタついて慌てないでいること。世は、コロナ禍をわきに置くほどの「熱中」時季にあるのだろう。気分が悪くなり出すと早い、それが危ない。
2020 9/8 226
* 食欲も体力も無い。文は作れるし本も読めるが。
葡萄の「ルビー・ロマン」だけが、美味い。もう少しして熟するだろう戴いた桃に期待している。缶ビビール一つが飲みきれない。体の芯に疲労が巻きついている、やれやれ、気分わるい。気迷い無く、佳いものがたり世界への旅を辿るにしかず。
* 九時になろうと。腹部不穏、むかむかしている。
2020 9/8 226
* 起床 7:45 血圧 146-69 (49) 血糖値 88 体重 59.95kg
2020 9/9 226
* 『選集 33』は、念入りをはかつて760頁全部の「要三校」ときまっ た。読み直すだけでたいへんな労力だが、きっちりと納得できる最終巻へ、労力も時間も厭うまいと思う。秋、涼しくなって、コロナも下火になってくれない か。英気を養いに一度久々の街へも、また歯抜けの医者へも霞目の医者へも出向きたい、が。まだまだ、要心。
* もう残り少ないであろう日々のために、「省ける」ものを省くという決心も本気で要り用になる。何を棄てるか。一切の「現今政治への関心」と謂うのが一等早いのだが。それでいいのかという惑いは残る。残るけれど、棄ててしまいたい気、濃厚。困惑。
* 毎日をこらえこらえて過ごさねば過ぎても行かぬ日々、コロナの方は落ち着いてきたともとても未だ謂えない。高齢者の感染死は率も高く、とても、もうい いでしょうとは楽観などならない。十月国立劇場の歌舞伎案内も来たが、はいありがとうと請け合うわけに行かない。「籠居」での「読み・書き・読書」に徹し てひたすら待つあるのみ。その線で、ひたすら頑張ります。籠居とばかりでは済むまい、建日子がガマンして日々を無事に乗り切ってくれますように。朝日子は 何処でどうしていることか。
2020 9/9 226
* これ以上の市街戦映画を観たことがないというほどのモノを観てぐったりした。
九時。もう機械を離れる。
明日には三校のゲラがどさっと届くだろう。また当分、念入りの日々がイヤ応なく続く。そういう日々がわたしの日々だと思っている。みな誰もがそういう日々を持っているのだろう。
2020 9/9 226
* 起床 7:30 血圧 139-61 (52) 血糖値 81 体重 59.75kg
2020 9/10 226
* 機械の前へ腰かけ、暫くはすーッと気の遠くなったままに思われた。幸か不幸か前夜に冷房を消し忘れていたので二階のこの部屋は、部屋の外より涼しく、むしろそれ故にそんな調子に沈み込んだのかも。戸外は眩しいほどの照り。
昨夜床に就いたのは十時より前だった。たくさん読んだ、夜中かなと思ったらやっと零時半にもなってなかった。リーゼを服して寝入ったが、二度 手洗いに起きた。この二三日幸いと難儀な夢魔には見舞われてない。
2020 9/10 226
* 『選集 33』の全要三校ゲラが明日にとどくと連絡在り。しかと気を取り直して、760頁を「読み」直す。悔いのない、少ない完結をと印刷所の方でも 気を遣ってくれたのだ、感謝して、頑張ります。目は、疲れる。急かぬ仕事にしよう。送り出しの用意は、先に出来ていて、それは安心ということ。
2020 9/10 226
* 体調の違和が抜けない、生きる基本の食にからだも気持ちも馴染まない。食べていないのに、或いは食べていないからか、上腹部のもたれたような違和が抜けない。胃全摘した食道と小腸(十二指腸)とのつなぎ目の辺か。
今日は、午前の一、二時間と昼食時間のほかは、時間を繋ぎ繋ぎ、ほとんど寝入っていた。「仕事」にならない。むりにも仕事しようとは思っていないが。
明日からが三校という克明な仕事の日が数日は続く。注意深い気の励みが必要になる。
2020 9/10 226
* 九時半になる。体違和は解けないまま、もう寝に行きたい。
2020 9/10 226
* 起床 7:30 血圧 134-73 (53) 血糖値 76 体重 59.6kg
2020 9/11 226
* 時間的には十分に寝たが、朝食後もヘンにぐったりして、瞼重く、ゴムでの締めがきつくてか、腹部の違和不快もまぎれもない。「年齢(とし)相応」とはこう いうことであろう、幸いに私はいまでも、日々に創作し著作し書き続けて、出版もしている。むしろ過労といわれても仕方ない。仕方がない。
2020 9/11 226
* ひっきりなしに目薬をさしている感じ。
2020 9/11 226
* 必然、すこしずつは猛暑もひかえめになろうけれど、わたしは、まだ「コロナ禍」に心ゆるす気になれない。手綱を緩めたそうな都も國も、甘く気が急いてはいないか。
2020 9/11 226
* 起床 7:15 血圧 119-62 (55) 血糖値 83 体重 60.0kg
2020 9/12 226
* 要するに、「マ・ア」に、ふたり掛かりで起こされる。
2020 9/12 226
* 校正仕事に疲れて不穏腹。九時、もう機械は離れる。
2020 9/12 226
* 起床 7:45 血圧 135-63 (65) 血糖値 73 体重 59.75kg
2020 9/13 226
* とにかくも、『選集 33』の「責了」へ、視力を駆使し続けている。
* 少しずつ、少しずつ、少しずつ。
* 八時過ぎ。もう、霞んだ目に字が読めない。
2020 9/13 226
* 起床 9:00 血圧 119-62 (55) 血糖値 90 体重 60.4kg
2020 9/14 226
* 今日は、比較的涼しいと謂えそう。とはいえ、夫婦してグタッと疲れている。一つには、生協頼みで、上等の栄養に不足しているのだろう。今日の昼は、災害時の非常食として保存のラーメンを啜った。
* 独りの目で校正していると、回をかさねてもポロリっと誤記誤植を見付けてしまい、降参する。目も神経も頭も疲れる。けれど、これはヤメラレない作業。 ま、察して読み取って下さいと言いたいところだが、それはならない、すくなくも約束事のようにならない。で、まだまだ『選集 33』三校は半途にある。休 めない。
2020 9/14 226
* 永く、ためらっていたが、妻の体調も案じられるので、寿司の出前を頼んだ。親切な「和加奈」寿司は、好物の「鯛の兜煮」をサービスしてくれた。感謝。酒は 切れていたので、珍しいワインの栓を抜いた。一人前が食べきれなかった、が、こころよく酔って寝入ってしまった、面白い夢を見ていて、ふと今しがた醒め た。十一時に驚いている。つけっ放しの機械をたしかめに上がってきた。もう、このまま、やすむ。寝過ぎるのは良くないとも教わっているのだが。
2020 9/14 226
* 起床 7:15 血圧 134-61 (64) 血糖値 85 体重 60.4kg
2020 9/15 226
* 起床 7:30 血圧 130-62 (64) 血糖値 86 体重 60.05kg
2020 9/16 226
* 少しずつ少しずつ要事を片づけては、そのたび、疲れて寝る。寝付きの早いこと。
夕刻五時。王充『論衡』の「超奇篇」を読んでいた。蒼古とした印象に、光る玉のような端的な語句が読み取れた。
2020 9/16 226
* 起床 8:00 血圧 135-60 (52) 血糖値 86 体重 60.35kg
2020 9/17 226
* 朝いちばんに私の好きな「杏のお菓子」を頂戴した。やわくてボロボロな私の歯にもごく優しい。有難い。
2020 9/17 226
* 少しずつ少しずつ。じっとしていると、とろーッと瞼が落ちてくる。いいからいいからと、そのママでいる。なにを急ぐこともない。少しずつ少しずつ…。八時半。もう眼が利かない。
2020 9/17 226
* 起床 7:30 血圧 136-72 (69) 血糖値 体重 60.35kg
血糖値検査の部品が、残り少ないと気づいた。幸いここ長期間日々数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 9/18 226
* 起床 7:30 血圧 140-62 (54) 血糖値 体重 59.6kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。幸いここ長期間日々数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 9/19 226
* 機械を開いてそのまま、「眼」を閉じたままかなりの時間、凝然と。今日も、ただただ眼を使ってするしかない仕事をする。目に頼まねば、妄想は出来ても仕事は出来ない。 2020 9/19 226
* どうしても校正せずに「責了」にできず、それ無くて別の根気仕事へ組み付けない。あと、150頁は読まねば。
気の入れどころ、シンドイけれども。
* 仙台の遠藤恵子さん、秋の香のあふれた色々の蒲鉾をたくさん送ってきて下さった。感謝感謝、酒のさかながきれたなあと思っていた。ありがたし。
2020 9/19 226
* 起床 9:00 血圧 144-83 (73) 血糖値 体重 59.75kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。幸いここ長期間日々数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 9/20 226
* 何というか分からない、喉もとを襲う猛烈な苦みの白い粘液でとび起きた。胆汁とでも謂うのか分からな いが、この夏から再々これに襲われる。今朝はかなりしつこく吐き続けた。水分と野菜ジュースの二種とで収めたが、いまも喉に苦みがうすく貼り付いている。 目をとじるとそのまますーうっと寝入りそう、。目はとじているほうが自然でラクですが、そうも行かない。
自省録(マルクス・アウレリウス)に少し聴き、鈴木大拙に「無心ということ」を少し聴く。からだからリキ(ちから)というモノが脱落し、眠けに引かれる。すべてまかせておけばラクなのであろうが、そうも行かない。
もう十一時半。無かったような午前を見送って、午後を迎える。すこしは食べておかねば。
* 自堕落というではないけれど、仕事らしい仕事もせぬまま、小津安二郎の映画「お茶漬けの味」を楽しみ、晩には篠田正浩監督・岩下志麻、それに真田大介らの江戸の真の夜と芸術的爆発を描いた名作「寫樂」を、十二分に楽しんだ。
楽しんだのだから、それで良し。いい映画は、佳いのだ断然に。十時。もう機械は仕舞う。
2020 9/20 226
* 起床 9:00 血圧 144-83 (73) 血糖値 83 体重 59.6kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけ「1」の日に測ることにした。
2020 9/21 226
* コロナへの要心が緩み、旅や食べへの割引サービスに浮かれている昨日今日のようだが、手痛い竹篦返し に遭わねば良いが。感染の日々の数字は決して良くなっていない。ヘタをすると新政権の最初の躓きになろう。市民健康を経済回復への実験材料にしている感 じ、否みにくい。無事に大事を取りながらのコロナ脱却を願う。
* さ、もう一息で「責了」へ手が届く。此処までこらえて来たのだ、慎重に、しかと送り出したい。
* セイムスへの買い物にも付き合った。安い洋酒のカティサークも買ってきた。
2020 9/21 226
* 起床 8:30 血圧 147-73 (61) 血糖値 体重 59.9kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけ「1」の日に測ることにした。
2020 9/22 226
* 昨日 自転車を操作しかね、はずみで路上へ真っ逆さまに顛倒した。腰を痛めた程度で済んだ。
今日、いま。階段を上がりきろうとして、なにとも理解できたい形で俯せに身動きならなくなった。自力で回復できなかった。情けないまで身動きがならず階 段にしがみついて妻を呼んでいた。上がり姿勢なので助かったが、降りだったら階下へ落下していたかも。前後の事情がわれながら掴めなくて、危ない。情けなく、危な い。
* 「選集 33」 漸く「責了」へまで運んだ。これて゜「おしまい」とは思っていない。
しかし、昨日の自転車操作の顛倒のような、今々階段での、全身の硬直と不自由のようなことが続くと。不慮の致命も避けられなくなる。
* もうこれで仕舞いかと思わせられること、ある。まだまだとガンバルのだが力及ばない感じの時がある。しぶとくしぶとくと自身を迫めてみる。ま、行ける ところまでは投げ出さない、それが私流だろうか。余計なことだという気も、無くもない。成り行きというもの言いは生来、好きでないのだ。
* おう。この部屋、29度にもなっている。冷房しておいて退散する。
2020 9/22 226
* すーうッと目の裏から潰れそうに、気力も体力も沈んで行く。よほど宜しくない。意気軒昂でありたいのに。後頭部が凝っている。目ははんぶん塞がっている。
それでも、とうとう『選集 33』全責了の荷造りまでした。明日、送り返す。これで最終の送り出し用意と、いよいよ「選集 151」の気を入れた書き下 ろしに掛かれる。作家生活「五十年」の『秦 恒平選集』三十三巻出版という仕事は、きつくこそあったが、持ち堪え成し得られ、無事に仕上がりそうなのは、さらにさらに明日へ繋ぐ意味でもいいことだっ た。
2020 9/22 226
* 起床 8:00 血圧 153-75 (63) 血糖値 体重 60.05kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけ「1」の日に測ることにした。
2020 9/23 226
* 故紙回収 我が家は量も多くしかも紙が重い。運び出すのに両手で荷をさげてバランスしている。片手ではからだが傾き、片足首に負荷がかかる。両足首すこし上に以前からかるい骨の痛みがある。要心している。
2020 9/23 226
* 段差とかすかな傾斜とが怖くなってきた。いまさき、宅急便扱いの店まで自転車で走ったが、自転車走は快適で、何の不満も不安も、まだ、無い。
二階の機械だけでも階下へ移せたらとの助言もいただくが、これはムリ。機械の部屋には執筆や仕事に関連して必要な資料や本が満ちあふれていて、必要のつ ど階段を上下するのでは疲労よりも気が散って集中力が失せてしまう。わたしはもう、この古馴染みの愛機と大小の書籍と資料の部屋で最期まで過ごすしかな い。たとえ死期をはやめても入院はしない。
* 際限なく寝入っている。老衰なのか、たんに疲れが溜まっているのか。酒のせいか。 2020 9/23 226
* ゆっくり湯に漬かり、仕事の次へ次へと思案。思いがけない「判断」へわたし自身が引き込まれて行く。避けては行けない。
* 選集送り出しの用意を階下で進めながら、疲れている心身をやすめたい。やすみもしたいが、しっかり寝入りたくもある。瞼が重い。
2020 9/23 226
* 起床 8:00 血圧 153-75 (63) 血糖値 体重 60.05kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけ「1」の日に測ることにした。
2020 9/24 226
* よほど芯から疲れてか、気がつくと寝入っている。寝て困る境涯でなく、心身が望むに任せている。
* 群馬の都澤しづ子さん、黒い、まん丸い、大きくて美味しい葡萄を、たっぷり、下さった。身も心も美しく潤う。感謝。
* 大津の澤敏夫さん、近江の銘酒二種に酒肴も二種添えて下さった。ありがとう存じます。
* 「湖の本 151」へ、また手を掛け始めた。かなり思い切った仕事であり趣意なので気は張るが、興は乗っている。
八時前。もう、目がいかれている。やすむ。『選集』がいつごろ仕上がってくるのか、ラクに送れる嵩でない。気に掛けていると息がつまる。
2020 9/24 226
* 真夜中に「マ・ア」が長くもない廊下をふたりで疾走しあうのに閉口するのだ、が。 2020 9/24 226
* 起床 8:15 血圧 128-73 (68) 血糖値 体重 60.1kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけ「1」の日に測ることにした。
2020 9/25 226
* 生きる、生きて行く、のも衣食住と行為・行動がかかわる以上、明らかに複雑な技術である。人はそれぞれの力量と知恵と欲望とで技術的に生きている。上手下手が係わっている。
そんなことが面倒で不快で抛とうとして抛てた人はいない。抛つのも技術なのだから。
そこで、面倒くさいという「投げやり」の技術が顔を出してくる。若い人にも無くはないが、老耄してくると、これがバカにならない。
* 気がつくと寝入っている。目が覚めて、仕事を続ける。頸筋や肩が堅くなっている。構っていられない、出来る時に出来るだけ仕事を積む。積み重ねに励まされて、前へ出る。また前へ出る。それで良しとして、前へ出る。心身疲れているけれど、少しずつ前へ出る。
* 八時半。腫れぼったい目で、がくっと頸が落ちそう。もうやすむ。
2020 9/25 226
* 起床 8:15 血圧 145-67 (56) 血糖値 体重 60.65kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけ「1」の日に測ることにした。
2020 9/26 226
* アコかマコか分からないが、席を外している間に、機械の界隈をザンザンバランとひっくり返されていた。私とゲームでも競うきでいるらしく、襖に通れる ほど穴をあけて此処へ侵入してくる。知恵比べを強いられているようで穏やかでないが、彼ら、嬉々として挑戦してくる、くそッ。
* 九時半。難しいところを刃を踏むように渉っている、少しずつすこしずつ先へ、と思いつつまた後戻りもしながら、すこしずつ。目がもう見えない。
2020 9/26 226
* 起床 8:20 血圧 153-68 (53) 血糖値 体重 60.2kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけ「1」の日に測ることにした。
2020 9/27 226
* 郵便をポストへ投函に自転車で走ったついでに、下保谷を大きくひとめぐりしてきた。脚の力を弱らせてはいかんと思う。大相撲のあと、二階廊下に置いた バネの脚踏み機を150踏んだ。100を越すとすこしきつかったが踏んだ。むだに体重を増やしていないのは悪くないのではと。しかし食は細い。量を食べる とむしろ負担の気味があり、しかし涼しい麺だけでは栄養失調しかねない。体調を元気に維持し続けること、容易でないと痛み入る。
* 七月十一日に、八月十一日の診察日をまちがえて聖路加へ無駄足を踏んだ。あれ以前にも永く、あれ以後も今日まで、市内の回遊バスをはじめ乗り物に只一 度も乗っていない、マスクして自分で近所へ走る自転車のほかは。のびのびと街歩きがしてみたいが、惘れるほど混雑の人出をテレビで見ると、油断はならない と却って要心を強めている。徐々に秋冷えが深まってきてコロナはどうなるか、最悪の場合は来年の今頃もまだ煮たアンバイではないかと気を許していない。歌 舞伎座も大相撲も、安心して妻と横に列んで見られ、一つ桟敷でふたりで脚がのばせるまでは、浮き足立つことは避ける。幸いに、籠居の家でタイクツはしない で済む暮らし。
ま、そうは言いながら、せめて歯医者にはと思うが、ま、まだまだ。粥は食え、麺は啜れ、酒は飲める。
2020 9/27 226
* 起床 8:15 血圧 144-71 (57) 血糖値 体重 61.0kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけ「1」の日に測ることにした。
2020 9/28 226
* 起床 8:30 血圧 162-71 (71) 血糖値 体重 60.85kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけ「1」の日に測ることにした。
2020 9/29 226
* 七時半。霞む視野にただ悩んでいる。仕事は前へ進みたい、キイをさぐる指先が痺れている。もし筆記なら原稿が書けないだろう。眼薬を点じ過ぎてもならない、休憩するよりない。
ま、あの炎暑は遠のいたか、しかし都内のコロナ感染者、今日は、212人と。秋の深みゆくのが好い方向へウイルスを誘い去ってくれるといいのだが。
2020 9/29 226
* 起床 7:30 血圧 142-67 (52) 血糖値 体重 60.35kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけ「1」の日に測ることにした。
2020 9/30 226
* 午後になり、この部屋 28度にも。むうっと暑いのにおどろく。妻は熱中すると眩暈が起きる。懸命に水分とビタミンなど摂らせ、かろうじていつもすり抜ける。
うすい袖長のシャツの上へ以前に建日子が呉れた紺青で袖のない、ビニールふう、前はチャックの軽い軽いのを、年がら年中まるで制服なみに着ているが、今 度は黒のを建日子がアマゾンとやらから送ってくれるという。今のは洗濯に出せるわけで、有難い。これの有難いのは、表に裏に大きめで深いポケットがついて いること、これが無いとなにかと不自由する。軽いこと軽いこと、ふわッと浮かびそう、それも老体に有難い。気も若くなり有難い。感謝。
2020 9/30 226
* 起床 5:00 血圧 120-59 (95) 血糖値 体重 60.65kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/1 227
* 昨日 書庫からもちだした昔むかしの「文藝春秋」一冊の長い長い「特集」記事を深夜まで克明に読み通し、たいそう有難い収穫で興奮もし、寝そ びれて、かはたれの朝五時にひとり床を出て、猫の「ま・あ」にも気づかれず、二階へ来た。で、すぐ原稿を書き継ぎたいところ、やはりいささかボンヤリして いる。はれならと、もう一冊持ち出しておいた箱入り本から関心の知識を汲んでおこうと読んでいた。これは深夜に熟読してたよりは深妙に難しい資料でなく、 持ち合わせの予備知識でかなりを補い読み進めておれた。命に代えても断然復活は阻止するぞと決めてきた階級的特権族、乃ち明治二年六月十九日新制定の『華 族』を、あらためて追尋・追究・再確認しておきたかった。
明治維新が制度化した「華族」と伝統の歴史が謂う「華族」とは、ちがうといえばハッキリ違う。伝統の「華族」とは公家社会で最高級の「五摂家」に次ぐ「清華家」なる公家の家格をさし示した「別称」であった。
明治政府はそんな久しい慣習など忘れたかのように、旧公家と旧武家藩主層とをひっくるめて「華族」にしてしまい、公爵 侯爵 伯爵 子爵 男爵の五階位 を区別したのだった。孰れにし。ても庶民である「士族」「平民」からは隔絶して上にある「身分」の謂い・称呼がつまり「華族」となって、さらにそこへ、明 治御一新に功績有った士族らにも爵位を与えだした、それが「新華族」という存在であった。さんな身分制度が、昭和の敗戦までつづいて、そして撤廃された。 戦争に負けてよかった最良の華族制廃止であった、二度とそんなものを復活させては成らぬ。
* ゆらゆらふらふら揺れながら、五時起きの身で、「湖の本」次回初稿の中ほどをしかと太らせ得たと思う。もう十時だ。
* 建日子からの、軽快な上着が届いた、黒でなく渋く落ち着いた茶色。コレまでのは中國製、今度のはベトナム製だと妻は言う。よく似合うと言う。ありがとさん。
2020 10/1 227
* コロナ感染者、都の数字は無情に高止まりしている。油断があってはなるまいに。病院で大きなクラスターも出たらしい。
2020 10/1 227
* 起床 9:50 血圧 149-76 (70) 血糖値 84 体重 60.0kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/2 227
* 起こしに来る「マ・ア」との合戦に草臥れて思いの外に寝過ごした。昨日の分を取り返したと。
袋にアコを入れて、ポストついでに日盛りの下保谷を大きくぐるっと自転車で。草臥れたが、「アコ」はにゃっともいわず満足の態。
2020 10/2 227
* コロナ禍で、クラブには飲み物も置いたまま 今季四月から一度も行っていない。なにしろ聖路加病院へ受診にも行っていない。阿部さんとはずいぶん以前の歌舞伎座で、新婚さんらしきお連れと ちらと擦れ違ったことがあった。
2020 10/2 227
* 起床 9:15 血圧 136-74 (74) 血糖値 体重 59.85kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/3 227
* 起床 8:00 血圧 151-76 (63) 血糖値 体重 60.2kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/4 227
* 仕掛けの「湖の本 151」後半で、難しいが越えねば済まない隘路へ踏み込んでいった。十時を過ぎた行く。階下で、目をやすめながら、読んで確かめ考えたいことが、幾つか。
2020 10/4 227
* 起床 9:30 血圧 154-79 (78) 血糖値 体重 59.5kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/5 227
* 名称が知れないが、さきに建日子に頼んだふかふか袖無しの「L」仕立ての上着が、今はいいが、やがて下着の厚めになる時季には胸まえの開きがやや窮屈かと、今朝、「LL」で赤みの色をまた送ってきてくれた。温かそうでゆったりし、冬場がらくに楽しめそう。 感謝感謝。
* 人で混み合いながら走る電車で、真向かいの席に朝日子がいるのを、お互いに見付け、笑顔で席を立ったところで、夢が失せた。四十代ほどに見えたが。
2020 10/5 227
* 書庫から大きな重たい日本史年表の幕末近代編を二册もちだし、見にくい眼を駆使・苦使して詳細に読み耽っていた。おおかた頭に入っているのを確認しつつ、新たな知見があるかと。
疲れた。ほとほと疲れた。五時になる。休息、休息。
正確を期して編まれた大小の歴史年表は、絶対の必需品。そして愛読書にも部類される。私が自前のお金をかけて手に入れる本の最右翼が、これら。そして、大小の辞書・辞典・また事典。
2020 10/5 227
* 起床 8:00 血圧 140-74 (83) 血糖値 体重 59.7kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/6 227
* 機械をオンにした倚子のまま、静粛に寝入っていた。真っ赤に燃えた顔つきのトランプ馬鹿騒ぎになどツキアッテやる気はなく、心身は、休められるときに休めたいと。
2020 10/6 227
* 今日は惘れたことに午前午後に二時間ずつ三度も寝入り、晩には『チャタレイ夫人の恋人』完訳版を、たいそうにいえば、こころ籠めて読み耽っていた。わ たしは処女作このかた「性」を大事に考え描写や表現にも心を用い続けてきた。「性」に真向かわない、真向き合えない作家をわたしは信用しない。
* あすはシャンと目覚めていますように。
2020 10/6 227
* 起床 7:40 血圧 137-73 (69) 血糖値 体重 60.2kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/7 227
* 午後も夕食後も、もう十時過ぎて、随分時も覚えず「濹上隠士」と向き会い続けていた。こころもち冷え冷えもしてきたらしい、風邪をひくまい。瞼はもう、腫れあがった感じ。
2020 10/7 227
* 起床 9:00 血圧 159-72 (54) 血糖値 体重 60.0kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/8 227
* また一人、また一人、肅然 生死の巷に見失った知友があり、どう焦っても手の施しようがない。そんなまた一人に自身も加わって行くのであろう、それま た為すすべ無い。仕事をする、し続けるだけ。この数日は颱風のなか降り次ぐ雨と予報されている。天気は天にゆだね、わたしは機嫌を損ぜず仕事するだけ。
昨夜は、いつになく、愉快に心嬉しい夢を観つづけていた、のに、もう思い出せない。かき消すという、まさに夢はかき消すように失せる。だから、いいので あろう。しつこく記憶に居坐られては叶わない。とはいえ、身に沁みて忘れるのの惜しい夢も、愉快な夢もある。有るには有る。
2020 10/8 227
* 今日も、書きながらの勉強日、勉強しながら書いて行く日だった、勉強とは、調べて読んで書き控える。芯から疲れるが、仕事している間は感じていない、そして、知らぬうち時間が過ぎている。
2020 10/8 227
* 起床 7:45 血圧 147-72 (72) 血糖値 体重 60.4kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/9 227
* 上も下も、秋冷えの肌着に替えた。颱風と長雨の予報で盛秋の天気は暗い。ワケの分からない、まじりものなしに真っ白い粘液を吐き続ける。吐く前、いと心地悪しい。胃袋を無くしたあと、こういう吐瀉体験は何度も。食道でなく気道から来るのか。
* とにかくも、じりじりと「書き仕事」を先へ運びたい。運びつづけている。が、もう八時、参考の細字がとても読み取れない。
秋色光る「三四郎の池」に見入って、「方丈」二字には瞑目し、そして今日の機械を、とじる。
2020 10/9 227
* 起床 9:30 血圧 132-74 (77) 血糖値 94 体重 59.7kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/10 227
* よく寝入った。永く寝るのはよろしくないと聞いた気もするが、安眠できるなら眠りたい、いずれの心用意にも。
2020 10/10 227
* 午前しごとに疲れ、しばらく横になっていた。起きるとやや肌寒く、上着を、建日子の送ってくれた大きめ臙脂色のに替えた。似合うと妻か云う、小さい渋茶色のは妻に譲った、似合って見えた。
そこへ布川鴇さん編輯刊行、清雅な大判詩誌「午前」第十八号が送られて来た。知名の詩人たちが毎号に詩作とエッセイを寄せていて布川さんの清潔に美しい 日本語がしかと束ねている。「午前」はかの立原道造が生前に意図して果たさずに逝った詩誌の名と布川さんに聴いている。もう十八号かといろいろに歎声も漏 らしてしまう。
* 四時にもならず外は夕景もほど過ぎて、音なく雨。颱風来はこれからか。
なにとなく上半身の深くでふるえを感じ、気持ちわるい。はらわたがゴトゴト揺れているよう。風邪か。
* 部屋の明るいブルーライトと機械の同じそれとで眸が灼かれるとは早くから感じながら手立て無かったが、古い昔の電球で造作して、部屋は暗くなっても画 面とキイへじかに届く光線を替えてみた。ま、あたまの芯が疲れていては処置無いかも知れぬが。身辺とっぷりと、深夜かのようそんな中で明治八年の「讒謗 律」「新聞紙条例」に向き合っている。気の重さよ。
2020 10/10 227
* 起床 7:30 血圧 154-77 (61) 血糖値 94 体重 59.9kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/11 227
* 四時半。午前から、疲れると「方丈」に入り「三四郎池」に佇み、寝て休み 寝て休みながら 美しい写真に励まされて原稿を少しずつ書き進め進めては、もとへ戻り、読み直しているうちに疲れる。
* 食に気が行かないのは、暮らしの晴れが無く、困惑。わたしに、食べたくない日々が来るとは思い寄らなかった。酒は、美味いとまだ感じられる、が、酒だけというのは危険と思っている。
* 建日子から正月はどうすると聞いてきたらしい。まだ三ヶ月ちかく先で、コロナとインフルエンザとの風向きが見えない以上、今の原則では、合流しないと。この際の事故は慎重にさけるしか有るまいと。
2020 10/11 227
* 引っ越すのを苦にしない人がある。わたしは、思うだにお手上げになる。ちっと、羨ましくもあるが。
この歳(もうすぐ八十五)になりうらやむという気持ちは浅ましくも俗でもうす汚くもあるけれど、もうしばらく前から羨ましい男のデレビ番組があり、つい 見てしまいながら犬が唸るように羨ましく僻んでしまう。顔も役もよく知った馴染みの五十代ほどの俳優が独りで街歩きして、ふいと食い物矢の暖簾を肩で撥ね たりする。そして、まあその店自慢そうな美味そうな食べ物を飯も汁もお茶になるまでじつに美味そうに嘆声をもらしてしたたかに食う。そして、舌なめずりす るほどにまた外の道へ出て向こうへ行く。あたまに来るほど羨ましいが、さて、食っている一々のかなりのモノがわたしは必ずしも好きでない。肴は煮ても焼い ても大方気に入らず、鍋の鱈のほか、魚は刺身でしか食えない。肉のゲテ物は全然ダメ。野菜はキャベツていど、どの季節の青いのもみなダメ。料理屋でいそいそと手を出すのは吸い物。これが、たいていお代わりが利かない。卵料理にはいつも嬉しそうに手を出してたのに、このごろ卵の味が舌にこない。妻に気の毒。
それにしても、テレビの彼氏の、食通でなんとも美味そうに食うことは。黙って、いつも眺めているだけ。
2020 10/11 227
* 起床 7:30 血圧 143-73 (72) 血糖値 94 体重 59.4kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/12 227
* 九時になった。かなり ガンバッタ か。遣ってる内は感じてないが、終えると疲れ感がズンとくる。
2020 10/12 227
* 起床 7:15 血圧 135-78 (76) 血糖値 94 体重 60.5kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/13 227
* 夢に、懐かしい重森ゲーテと田原知佐子(女優・原知佐子)とが一緒に、ほがらか・なごやかに登場、呼ぶようにわたしへ声かけていた。「も、少し、待っててよ」と手を振ったような。
いま上へ掲げてある東大の三四郎池「秋色」の写真は、原知佐子の夫君の葬儀が本郷であって、妻と参列の帰りに、東大構内を歩いたときに撮った。静かなしずかなさびしい秋の日であったが。その後にも、原知佐子の舞台も夫婦で観たし、一緒に歌舞伎や建日子の芝居も観たが…。
2020 10/13 227
* 『選集 33』の納品日が決まった、今月下旬には送り終え、「完」と成ろう。創作が二十巻、論攷・批評・エッセイ等で十三巻。一万八千頁ほどか、ま、恰好の総量。しかも「全集」でない、「選集」である。
その前にも半ばを過ぎている「湖の本 151」の書き下ろしに励む。生き残っているのだ、彼や彼女らのためにも生き努めねばと思う。この冬至には満八十五歳。もっともっと長命の人たちも昨今珍しくはないのだもの。
いわゆる「刷りだし(一部抜き)」も届いた。
* セイムスで少し買い物してきた。
* 玄関を出てすぐ曲折して石の三段なのが老人には危険とみて、美味い工合にステンレスの棒で掴まれるようにした。「さして見苦しくない」按配に仕上が り、安堵。この玄関でみごと転倒すると大怪我になる。中年過ぎた頃いちど転倒し、お向かいの奥さんに助け起こしてもらった前科があるので気に掛けていた。 大事になる前に、ともあれ予防策を実現しておいた。
* 仕事先の人から。
☆ コロナと
上手く付き合って、と言われている中、同僚が、濃厚接触者として2週間自宅待機をしております。
症状が出ないと言われている、小中高の学生が近づくだけで怖いです。
* コワイなあ。
2020 10/13 227
* 起床 8:20 血圧 164-87 (72) 血糖値 94 体重 60.85kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/14 227
* めまいを感じ、MRI検査を受けた。脳、至って健康でしたと、「お忙氏(女性)」のメールあり。
まだまだ 「脱水と熱中」とには、厳重の要心を。「めまい と 軽い頭痛 そして 異様な吐き気」とは顕著な前駆症状。妻も、何度か、「しつこい眩暈」 と「かるい頭痛」を訴え、そのつど、大量のお茶やオレンジジュースで回復してきた。私も、この夏、秋になってからも、一度二度、機械の前で、アレッと思っ た。私は少年來 親も惘れる「茶喰らい」が習いで。それでもあの大きな術後、退院して、「脱水」とは知らず、手洗いで、吐き続けたきつい思い出がある。
2020 10/14 227
* 起床 7:50 血圧 150-77 (72) 血糖値 94 体重 60.7kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/15 227
☆ 一太郎で保存するときに、型式を選べると思うのですが。
別名保存というのがあるはず。
そこで、テキストを選べば僕も読めます。 建日子
* 今年になって とみに理解力と「言葉」の記憶力が落ち込み、毎日のように「忘れている」歎きに唸っている。何か 「やってみれば」分かるのか知れないが、上の建日子の助言の謂うてあるソレが分からない。たぶん、何でもない容易いことなのだろうが「理解」できなくて情 けない。ありがとうよ。
この調子だから、この超古い機械君との「おっかなびっくり」のお馴染みにただ頼っている。新しい機械やシステムや働きに、替える・副えるということが、とても出来そうにない。
ま、登るのか降りるのか、降りているのだと思うが、ゆっくりゆっくりこの細道をただ「慣れ」一つで辿るしかないだろう。幸い、まだ「本の読める」のがありがたい。
* 九時。あまり眼の見えなさに、電灯を切り換えて仕事を続けていた。
* 入浴、湯の中で「チャタレイ夫人」を読み、「誤解だらけの佛教」論にも惹き込まれ、これはこれで私には佳い時間なのです。
2020 10/15 227
* 起床 8:00 血圧 158-85 (69) 血糖値 94 体重 61.0kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/16 227
* もう目の前に『選集 33』結巻の納入が迫っていて、今度のは、ギョッとするほど分厚い。数少ないとはいえ故障なく送り出す用意に遺漏がないか、気がかり。
いつも納品直前の数日というもの、わたしはひどく落ち着かず、オタオタする。なんとも弱いそれが「癖」になっている。
* 黒い「マコ」と自転車で少し走った。「マコ」声一つ立てず、ご機嫌。わたしは少し草臥れて、一度、急停車のとき横転の危険があったが、持ち堪えた。一つには、視野の滲みが危険なので。
2020 10/16 227
* 読み返すととほうもない乱文が見つかり、縮み上がるが、解けないクイズのようだと嗤われている、ごめん有れ。
冷えてきたのが分かる。それでも、この、珍妙奇妙に乱雑で心稚ないなこの部屋のこの機械の前のこの席がわたしは好きで、気に入っていて、出来れば此処でこ そ最期を迎えたいし、死後もこの部屋のこの席にいたい。しょせん悟り済まして積んできた歳月でなし、末期でもない。目慣れ手馴れた本や写真や繪や書や雑物 のぬくみが馴染んで身に沁みている。
* ちょっとした手違いで、思い寄らない別の画面が転送されたりする。ワケが分かっていれば簡明に訂正できる。「ワケ」を忘失してしまったら難儀を極めて訂正 も出来ぬままになりかねない。物忘れとポケとは着々私をも侵害してくる。なんとも云いがたい「抗争」が起きているようなもの。すり抜けすり抜け日々大過な く生きて行かねば。ヘマがあっても大目にみてやって下さい。
2020 10/16 227
* 左手の小指と小指そいが、痺れてしかも痛い。重い堅い本を左手に持ち、長時間かけて漢文を読み続け書き写し続けるから、小指に負担が掛かって痛むのだろう。余儀ないというしかなく、とにかく今は、気もからだも落ち着いて、大冊の納品を待つ、待つのみ。
* 九時過ぎ、もう眼が見えない。
2020 10/16 227
* 起床 8:00 血圧 126-73 (76) 血糖値 73 体重 60.4kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/17 227
* 起床 8:00 血圧 126-73 (76) 血糖値 73 体重 60.4kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/18 227
* 起床 8:30 血圧 138-73 (80) 血糖値 73 体重 60.2kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/19 227
* 明朝、結びの『選集 33』が出来てくる。数日は何かとこれに携わるだろう。これを終えると少し体力的に余裕が持てるかも。「湖の本 151」書き下ろし入稿にかなり専一できる。
無事選集の作業をし終え、一息つきたい。
好きな、ミシェル・ファイファーの映画をパスして機械の前へ戻ってきたが。
ジャズの「風のささやき」に、少しく茫ッとしている。
* 四時過ぎ、まずよしという所まで文章が続いた。眼が、もう精一杯なので、明日作業にも備えて、入浴する。
2020 10/19 227
* 起床 8:20 血圧 161-86 (80) 血糖値 73 体重 60.15kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/20 227
* いま、キイを敲いていて、右頸横が針を刺して捻られたように三秒ほど痛かった。是までにも間隔は明いているが数度経験している。
出来上がりの分厚い本が三冊一包みで届いてくる。玄関に積んだそれを一度に三包み抱いてキッチンへ運び、捺印した本を今度は十册抱きかかえて、茶の間での荷造りのために運ぶ。腕力疲れで痛むのかと。
荷造りは、不器用な私には出来ない。荷造りの方が疲れるだろうなと思う。急がなくていい。無事に、大きな一仕事が済めばよい。わたしは、今、ひと休み中。
2020 10/20 227
* 六時半。前かがみの腰が折れそうに痛い。やすまないと、明日に堪える。疲れて、睡いほど。寝てもいいが、仕事のために、また楽しみのために 読まねば 読みたい本がある。読みながら寝入ってしまうなら、それもヨシと。
* 書き継いできた原稿のある際わから丁寧に読み返し、二時間ほど手を入れていた。機械を離れる。
2020 10/20 227
* 起床 7:45 血圧 159-78 (79) 血糖値 88 体重 59.9kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/21 227
* 今日も辛抱の力仕事が続く、続く。慌てまいと自身を宥めなだめつつ。
丹波へ戦時疎開していた昔、京二条駅と亀岡駅を汽車で往復することが何度もあり、嵯峨から保津峡駅までに、七、八つもの長短のチンネルがあった。満員の中で車窓からの黒煙に巻かれるのが常だった。しかし、それも走り抜けた。
走り抜けたい、走り抜けたいと願っている、何ごとも何ごとも。もう「着駅」は遠くない。
* 午後、一便を送り出した。まだまだ。
* 今日は暖かい。力仕事のせいか、も。機械の前へきて、何にも手が着かない。ぐったり眼を閉じていた。いま聴いているジャズ、催眠効果も抜群。
* 倚子のまま、あ、寝入るといくか気付いたまま寝入っていた、夢にもジャズが。
* 九時。一息ついていたが。この疲労ではもう仕事も雑になりかねぬ。休息しよう。寝入るのが何よりの「おやすみ」になる。
2020 10/21 227
* 起床 8:00 血圧 140-74 (77) 血糖値 88 体重 60.2kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/22 227
* 昨日の疲労がこたえて、今朝はふたりともノビていた。二日三日送り遅れてもなにも問題はない、健康を一に、と思いつつ、二日目ももう大半は送り出し終え、あと、念入れ分がすこし残ったが、うまくすると明日には終えよう。
一冊一冊が大きく重くて、荷造りにも送り出しにもいつもより倍もの労力が要った。ま、も少し。も、少しと、疲れきった自身を激励している。
いまはなにもアタマ働かず、妻は「マ*ア」といっしょに寝入っている。
* ひとりで作業を継ぎ、むしろ弱った体調を思って、夕飯を、好きな中トロの刺身を主に、寿司の出前で、生協で手に入れた「奧丹波」の美味い酒を。そして、寝入った。
* 九時。よく寝た。肩の張りがラクになっている。もう今夜は、作業しない。寝入れそうなら、寝たい。明日には、送り作業を終え、新作「書き下ろし」の姿勢に就きたい。力仕事は、もう少し。もう少し。それで『秦 恒平選集』全33巻の仕事は、ともあれ、打ち上げ。残るは、最後の「製作費支払い」だけ。
2020 10/22 227
* 起床 9:30 血圧 137-74 (80) 血糖値 88 体重 60.2kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/23 227
* よく眠った。少しく回復した心地。 作業の残りを終えてしまう。
* 送り用意 全て修了、午後予定した全部が送り出せた。
2020 10/23 227
* 早晩 妻発熱。寝入っている。わたくしも 休息に入る。
2020 10/23 227
* 起床 9:30 血圧 143-78 (72) 血糖値 88 体重 60.5kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/24 227
* 一過性であったかね手当の早いが利いたか妻の発熱はおさまったが、夜中に発汗したりしていた。極度の疲労画がふたりともに身にこたえた、が、何とか通 過できるかと、要心している。ひたすらなにしろ寝入るようにしていた。よく寝た。背なかに、かすかな寒けがのこっている。
* 寺田英視さん、京都のあのすっぽん料理で聞こえた「大市」本店から、ごちそうをドサっと大きな一箱詰めで送って下さった。有難く御馳走になります
2020 10/24 227
* 起床 7:45 血圧 180-79 (65) 血糖値 88 体重 61.3kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/25 227
* 疲れていたが、少し怪我を案じもしたが、実に久しぶり電動自転車でひばりヶ丘まで往復した。この自転車ハンドル幅が常のよりやや狭く、それだけ気を付 けて運転しないとやや不安定が出る。それでも電動のたすけで往復に不自由無かった。とても普通の足漕ぎ一辺倒の自転車では、この往復はシンドかったろう、 持ち堪えられなかったろう。
昔は、足漕ぎ自転車で南は多摩川向こうまで走れたし、北は、さいたま市まで楽しんで走れた。四時間を超えて走っていて、新幹線なら神戸も過ぎて姫路あたりだなあと我ながら驚いていた。元気な時代だった。
* 九時半。もうやすまねば目がますます駄目になる。
2020 10/25 227
* 起床 8:00 血圧 168-88 (65) 血糖値 88 体重 61.3kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/26 227
* 妻に昨日から、発熱。疲労ゆえの一過性であって欲しいと願いながら様子を見ている。五度半ば過ぎから八度前半までを高下交替して、睡眠は摂れている。一度、夜中発汗していたが、繰り返してはいないか。
私は体温六度前半の、いつも通り。
大ちから仕事をみな終えていて、寝入れる限りはふたりとも寝ることにしている。体調の普通を取り戻すこと、それが専一。
2020 10/26 227
* 起床 9:15 血圧 153-77 (73) 血糖値 88 体重 60.75kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/27 227
* 起床 8:00 血圧 147-82 (72) 血糖値 88 体重 60.0kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/28 227
* 朝いちばんに、妻の束ねる故紙を、回収場所へ運ぶ。我が家はなにかと「紙」とのつき合い多く、新聞雑誌を含めて、重くて嵩高いのを十の余も運び出す。
* このところ、はやく床に就き、本を読み読み寝入って行く。朝は、八時をメドに床を起つ。
「湖の本」に重ねて「選集」33巻と付き合ってきた六年半は、いま顧みて、惘れるほどたいへんな労作と実動だった。『選集』の用が、第33巻の支払い請 求を待つだけになり、身の浮かぶような今の気楽に今更にビックリしている。とても大きなボーナスを貰ったような「気楽・気軽」、ビックリしている。コロナ 禍で外出を自身に禁じているのが惜しい、杖をひいて隅田川べりを歩いてみたいのにと思う。
2020 10/28 227
* ちかごろの若い人らの口にしている「ほっこり」とはちがっていそうな気がするが、さすがに大きなコトを終えた実感に京ことばふうに「ほっこり」している。もう一両日できちっと卒業したい
2020 10/28 227
* 起床 8:30 血圧 157-76 (63) 血糖値 88 体重 60.4kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/29 227
* 冷えて、電源を入れても機械クンの目覚めに時間が掛かる。急かせない。もの思いながら眼を閉じ、やすませている。
* ハタと参っている、機械に斯く言葉を写せるが、今がいま読まねばならぬ古書の読み取りが難、書き写すのはほとんど不可能に近くなっている。年齢と不用 心とのしからシムる必然には勝てそうにない。そういう時が、折りよからんと身に迫ってきたということ。おそらく、漢文やカタカナ交じりや難漢字の読み取り は容易でなく不可に成ろうかと。
ま、成るままに成してゆくしかない。認知力も日に日に落ちていくと思われる。ワァイと、遊びに出かけたくなる。敢えて出るなら、西行の新幹線に乗りたいが。
2020 10/29 227
* 石川・能美の井口哲郎さん、名酒一升を送って下さった。恐縮しつつ嬉しく頂戴した。米の飯をはぶいても美味しいお酒に親しんでいる。それで善いとばか り思うのではないが、目下の所 美味いお酒は御飯より身の養いに思えている。思いすぎてはならぬと心得てはいるけれど。ありがとう存じます。
2020 10/29 227
* 起床 7:45 血圧 153-70 (72) 血糖値 83 体重 60.4kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/30 227
* 井口哲郎さんに頂戴した加賀白山「萬歳樂」一の、名醸「白山」を、朝いちばん、好きな萩の大盃で一献頂戴した。しみじみと。
* 書きさし書き下ろしの新しい一編、目が見えなくなって、動きにくく。思い切った別趣向で吶喊するかと思案している。材料は多彩に豊富なのだが、今日の 読者に生まなまま呈供して味わって頂くにはかなり手強い。そこをどう打ち抜きに走れるか。もう『選集』作業は一切終えているので焦燥なく取り組めばいい。
2020 10/30 227
* 起床 8:00 血圧 151-74 (57) 血糖値 83 体重 60.3kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 10/31 227
* 家ぢゅうが、「トーサン・カーサン」隊と「アコ・マコ兄弟」隊との友好的戦闘状態で、いまや障子も襖も兄弟の攻略に破られ放題、今度は、ちょっとした 穴口を突破し、床下から天井裏までも占領下にしようと侵略意図の露わなのに辟易、ブロックで穴をふさいで撃退に成功。戸外へ自由に出してやってないのだか ら、家の中での戦争ゴッコには付き合ってやるしかなく。かわりに、からだを汚すことはすくなく、ほぼ安心して抱いたり頬ずりしたり出来る。一緒に眠れる。
* コロナ禍の欧米での延焼はひどい。日本への再度の侵蝕を懼れて政策上の要心を切望する。
2020 10/31 227
* 起床 8:00 血圧 174-94 (57) 血糖値 91 体重 60.4kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 11/1 228
* こういう時節なので 病気していないかなあと案じられる先もある。何人もある。齢だからなあ。
ゆうべの「浜作」の女将は、ひょっこりと上景気なテレビ画面に、元気そうに昔を偲ばせる笑顔を出してくれて。ホッとした。
コロナ禍は一向に沈静しない。欧米のような惨事になって行かないよう切に願う。東京の感染者数が容易に減らない。西東京市では増えていたり。医者にも病院にも通いかねている。誰も誰も健やかであって欲しい。
そういう私自身が、なんとも肌寒い。湯は、避けた方がいいのかも。
2020 11/1 228
* 眼鏡屋にも歯医者にも 美味い店にも 行ける日が待たれる、が。
コロナとは よき頃なしのこころとや こころころころころがりやまず
* 九時過ぎ。寒けがする。寝入るに如かず。掌も、指先も痺れて、お礼の手紙も書けずにいますのをお許し下さい。
2020 11/1 228
* 起床 8:30 血圧 164-77 (73) 血糖値 91 体重 60.2kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 11/2 228
* 「湖の本 151」 じりじり 仕上がって行きつつある。難は、視力。感心したことでないと思いつつ、ゴシゴシと掌で目脂をこすり取ると暫く見える。まだ六時前なのに。
* 錐を刺す酔うな痛みが右肩へきたので、一時間あまりやすんでいた。
見たことも読んだ書いたこともない漢字や熟語・成語に溢れた表白と孜々としてつきあっていると、目も肩も胸もただただ痛んでくる。一時間半 がんばったが、九時前、もう、やすまねば。
2020 11/2 228
* 起床 8:00 血圧 146-75 (83) 血糖値 91 体重 60.0kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 11/3 228
* 西欧のコロナ禍はひどすぎる。加えて日本でも乾季寒期にむかい北海道東北方面から感染増傾向が際立ち目立ってきている。戸外よりも家庭内・家屋内集団 感染の傾向が目立ってきて、冬コロナの猛威をすでに想わせる。ゴーツー・ トラベルのイートの という経済保護政策だけでは却って惨事を招くだろう。
ますます以て、籠居を覚悟の越年・越冬となろう。躊躇い無い決意こそが大事と想う。暮れも正月もなく、すくなくも春三月を待つしかないか。
政治の舵取りを間違わないで欲しい。
2020 11/3 228
* 目も肩も背も痛めながら、途方もない「快ないし怪」語の逸品を読みまた書き写している。途方もないことを始めてしまったが。よい邂逅と思っている。なんとか、せめて霜月の内に稿を成したいが。
* 九時。朦朧とした視力を猛烈な難漢字の夥しい行列に曝しながら、一仕切りまで、頑張った。ガンバル自体は苦でない、むしろ体不調も忘れているくらい。アトが疲れるが。
2020 11/3 228
* 起床 7:50 血圧 152-80 (75) 血糖値 91 体重 60.4kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 11/4
* 起床 9:00 血圧 165-84 (80) 血糖値 91 体重 60.2kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 11/5 228
* 掌 指先が ジンジン痺れていても、まだ キイを打つだけは出来て助かる。書字の能は失せてしまった。
2020 11/5 228
☆ 拝復
酷暑にたえ やっと迎えた秋ですが、気温の高下 ついていけません。
気力、体力、ご充実 豪華版選集ご完成に感服、ありがとうございます。「帰樵」図に託された同志奥様ともども この大事業を企画継続された強いご意志の根源は何か、その作家としての業のすさまじいこと。
ご本回覧した闘病久しい卒業生がいましたが、。身辺さびしくなりました。御作に触れながら離れ住む血縁についても思案いたします。
敗戦時 宮家首相による全国民總懺悔の発言、それはないよなあと思いながら過ごしてきましたが、ありばて証明 折々のご発言有意義に存じます。 アベ政 権を許さないとまで酷評された政権政策の継承をうたい(きたこれが支持されるなど合点ゆきません)それにも増す暴政のきざし、陰湿などと、東北県民性が云 々されるなど、秋田出身であること今さらながら羞じねばならぬ世の中になるとは思いもよらぬことです。
妻ともども感染恐れながらの通院の日々、お礼言上遅くなり恐縮です。今年は報恩講中止とも菩提寺から案内ありましたが、
國なまり法話果てての温め酒
落ち着いて読書の妙楽しむ日迎えたく。
くれぐれもお揃いでお大事にと念じております。
ふるさと大使務めた亡きいとこの誕生日が 11月3日、自分のための祭日…と。愉快な人でした。お届けはふるさとの物を が口ぐせ。彼の供養もかね かわりばえしませんが うどん(稲庭)少々お届けしました。
着到ご返書、どうかご放念ください。 草々 神戸市・須磨 周 神戸大名誉教授
* 戴く 一句 にいつも無上の風趣、思わず 嘆声を贈る。ありがとうございます。いつも、実に美味しい稲庭饂飩 今度も頂戴した。歯のボロボロな口に有難く、柔らかい。
2020 11/5 228
* 起床 8:00 血圧 168-85 (82) 血糖値 91 体重 60.1kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
血圧が、ひところより、やや高め推移している。膂力と視力を酷使しつづけ、肩へ、左胸へ痛みが来る。気付いている。
2020 11/6 228
* 狭いテラスに暖季には妻がお気に入りのナニ変哲もない大鉢植のベンジャミンが出してあり、寒季には狭い茶の間へ強いてもいれてやるのが我が家の年中行 事、むわたしには力仕事の一つ。それを今朝は敢行した。何十年してきたのだからいつまでも出来るとは、錯覚ないし誤解で、もう、春にまたテラスへ運び出す のは、出来ない懼れもある。
この間の「選集」最終巻の受け容れ、送り出し、片付けなど、170頁余の箱入り大冊本を、多い時は十册かかえて玄関からキッチンへ部屋へ、またキッチンへそして玄関へと運んでいた。
「湖の本」発送の時は、荷造りした分55册入りのダンボール箱を持ち上げつづけて、腕車で玄関へ運ぶ。玄関からキッチンへ運ぶ。ケッコウな「力持ち」で 永年、三十数年、やってはきたが、いつまでも出来ると過信しても、過信されても、危険は目前にある。もう出来なくなる。なって、ナニ不思議ない八十五歳が 目前、来月に逼った。ま、それでも、工夫しては、やるし、やれる。やれるうちは、やる。我ながらガンコ者だと思うが、呆れ果ててはいない。だが…
☆ 一つ一つの行動を一生の最後のもののごとくおこなえ。 マルクス・アウレリウス 2020 11/6 228
* 六時。アタマ働かず。思案鈍く。休息に如かず。今晩はもう何もできない。へとへと。鬱陶しいテレビよりも、床に就き、可能なら『チャタレイ夫人の恋人』のつづき、『史記外伝』のつづき、『柳北全集』の漢文か狂詩をて゜も読んで読み疲れて寝入りたい。
☆ 「今すぐにも人生を去って行くことのできる者のごとくあらゆることをおこない、話し、考えること」とマルクス・アウレリウスは言う、そこまでしいて自身をとりかためるまでは無い。自然とそうなる。
2020 11/6 228
* 起床 8:00 血圧 134-76 (79
82) 血糖値 91 体重 59.8kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 11/7 228
* 晩の食事後、グググッと九時近くまで寝入っていた。寝入るのはワルクない。
十時になる。
2020 11/7 228
* 起床 8:50 血圧 156-87 (7982) 血糖値 91 体重 60.2kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 11/8 228
* 岡田昌也さん、『選集』を「大偉業」と祝って、豪華な羊羹の箱をくださった。恐れ入ります。
写真家の近藤聰さんも、重ねて「カステラ」で祝って下さった。
大庭さんに頂いた赤間の雲丹の美味さ、酒の味が生き生きする。
が、心身 頽れそうに疲労、奮いおこすように鞭打ち、書き下ろしつづけているが心身働いていない。
聖路加病院内分泌科へ、出向かねばすまぬ日が近づいている。
*とかく、寝入っている。目覚めてもスッキリしていない。
2020 11/8 228
* 起床 8:10 血圧 144-70 (73) 血糖値 82 体重 60.4kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 11/9 228
* あのトランプのこと、四年後次ぎの大統領選にまた立ってくるかも。長生きしたら、それ、見るのかもね、と朝飯どき、妻との対話。
* 機械から、ATOKが消えてしまい(出てこなくなり) 難漢字をめざましく多用つまり検出しながらしか原稿が書けない現状、どうしようもなく頓挫して いる。ATOKを機械へ回復する術を、お分かりの方、教えて下さいませんか。八割方進んできた書き下ろしの新作がここで頓挫しては情けない。しかしこの極 めつけの古機械君から問題なくATOKをどう回復できるのか、ボケかけている私のアタマでは見当もつかない。ほとほと困惑している。
明日は何ヶ月ぶりかで病院へ行く。感染には気をつけながらアタマを冷やしてくる。久しぶりの外出で、過剰に緊張しているが。無事にパスしたい。
暫時の休息と むしろ寛ぐ気分で過ごす、か。
2020 11/9 228
* 起床 8:30 血圧 162-85 (77) 血糖値 93 体重 60.25kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 11/10 228
* 今日は、聖路加へ、四ヶ月ぶり受診に外出する。
* 十一時に徒歩で駅へ。新富町まで直通を待って、無難に病院着。地下鉄、空いていてくれた。
生理検査受け手て、別館五階の内分泌科へ。検査結果の出るには一時間はかかる。診察の順番などもう「待つ」気分など捨てて、『チャタレイ夫人の恋人』を読んでいた。
「診察」といつても検査結果をみるだけ、そして処方箋がでる。
検査結果は、ま、上々、予想通り。このところ自身の感覚で、身体状態は健康、心神状態の疲労困憊が問題と感じていた。今朝も駅までバスはパスして歩行、何の問題もなく、新富町の駅から聖路加病院までも歩行に疲労無く。ただ、気分は疲れ、ときどきイライラする。
* 処方箋をもって外の薬局へ入ったのが四時すこし前、モノが整ったのが四時過ぎ。家を出てから口にしたのはちいさめのペットボトルのお茶だけ。ちっとも 空腹でないが、からだには力がなくなる。しかし四時半までには帰りの地下鉄に乗らないと満員に近くなり、それは有り難くない。新富町から西武線へ直通で石 神井公園止まりがきたので乗った。食事はタマから諦めていた。駅前へちょうどタクシーが入ったので、徒歩帰りはやめて、乗った。五時。一日がかりだった。 天気はよくて、築地は紅葉よりも翠の栄えにみえて日盛りが心地よかった。
万事済んだら車で日比谷のホテル地下、北京飯店で蝦料理に佳い紹興酒を二合などと願っていたが、時間的にむり。むりをすれば帰りの電車が満員、ではコロ ナが怖い。何よりハラがすかないというのが、ちと情けなかった。保谷駅の売店で見た目凝った菓子パンを二種買って帰ったが、一口ずつしか食べられなかっ た。一つには堅く、一つには口に合わず。朝からのまなかった日本酒を、ちと風変わりな酒杯にいっぱいだけ飲んだ。蜆のみそ汁だけで、飯も抜きの夕食。それ がたいして苦にならないほど、食が細い。
* 嬉しい頂き物があった。團くんから、妻の曰くとても名店からカステラ二本。ありがとう。歯にも優しくて。
2020 11/10 228
* 起床 8:30 血圧 162-85 (77) 血糖値 93 体重 60.25kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 11/11 228
* 『秦 恒平選集』第三十三・結巻の、制作費支払いを完了してきた。これで、数年余に及んだ「選集」敢行作業は無事に完結。
また新しい目標へゆっくり歩を運んで行く。
そのためにも機械クンご機嫌を直してほしい。このご機嫌伺いにいまも四苦八苦。
くしゃみを連発。はて、いい手はないのかな。
* すこし寒気がしたので、階下で、映画「鬼の爪」を観た。松たか子の代表作といいたい痺れるほど佳い作品で。息をのんだ。こんな上手い女優がいるのに、なんでああもへたくそな女優も多いのだろう。高島礼子でも見劣りがした。こういう上出来の映画を次々に見せてほしい。
2020 11/11 228
* 起床 8:30 血圧 163-94 (68) 血糖値 100 体重 60.2kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 11/12 228
* すこし独り言したかったが、もう目がつぶれている。まだ七時前。しかしもう、ぐっすり寝入りたくもある。
昨夜の松たか子のような佳い映画なら見たいが。大きな画面のテレビなのに近くへ席を寄せないと見にくくなっている。
2020 11/12 228
* 起床 8:30 血圧 163-94 (68) 血糖値 100 体重 60.2kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 11/13 228
* よく寝た、と思う。東京、北海道、大 阪等のコロナ感染者数急増は気がかり。躊躇いのない程度の確かな政策で拡大を抑えてほしい。生半可なことを言うているまに病魔に負けて感染危険域が広がる のを徹底抑えてほしい。経済のことは、我が家ではよく分からない、が、経済擁護で重篤患者が増えて行くのは絶対に避けねば、国の根幹から感染の前につぶれ て行く。生半可な政治家の躊躇こそが危険で恐ろしい。
我が家では、新年の祝い雑煮も、老夫婦ふたりでと決めている。建日子は都内暮らしで、万全の予防に意識を集注してほしい。
2020 11/13 228
* グダッと疲労している。夕食と呼ばれているが 食べたいと思えなくて困る。
* どこか窮屈になっているのか、食べもしないのに、えづいた。
* じりじりと書き下ろし、続けている。二十日過ぎの聖路加診察、以前の通り処方箋を近くの薬局へ送って頂きたいと速達で頼んだ。コロナ禍にはワルク馴れ てはいけないヶ。籠居を敢えてして、仕事を進めたい。すくなくも私個人には、成して良き仕事と納得している、読者のみなさんはどうか、今はそれを考えな い。「明治の政治小説」を話されていた中村光夫先生の言に、「ただここで読者にのぞみたいのは、表現形式の古さ(あるひは馴染みの薄さ)に辟易せず、現代 小説を読むと同じ気持で(わからないところはとばしてかまはないから)通読してほしいといふことです。そこに、ほかの小説を読むと違つた種類の感銘をもし 感じたら、それが自分が現代にたいして持つ文学的要求と、どうつながるか、あるひはまつたく無縁であるかを考へてほしいといふことです」と。まるで私日々 に苦心の書き下ろしを「解説」「助言して頂いたよう。
* 九時過ぎて行く。
2020 11/13 228
* 起床 9:30 血圧 161-77(68) 血糖値 88 体重 60.85kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 11/14 228
* 起床 8:45 血圧 135-81(73) 血糖値 92 体重 60.45kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 11/15 228
* 起床 8:45 血圧 135-81(73) 血糖値 92 体重 60.45kg
血糖値検査用の部品が残り少ないと気づいた。長期間数値は安定しており、間隔をあけて測ることにした。
2020 11/16 228
* 寒季へ向かいコロナの脅威は倍加。ここで気を緩めることは危険千万。気をひきしめ、対応の万全をこそ当面の要事と思っている。辛労、心労、疲労の日 々。しかもインターネットでの窓が壊れ、事情を伝えも知れもならない。電話は好きでなく、電話するほどのこともなく、歳相応の無沙汰の日々に成ってきた と。
それでいて、打ち込んでいる仕事は、興味深いのだが、書くという手仕事において、簡単にはとても拾えない難漢字、そしてカタカナ書きという機械での手間取り。三重苦、四重苦の実感を堪え堪えて食いついている。腹も痛む。
2020 11/16 228
* 起床 8:10 血圧 153-77(68) 血糖値 88 体重 61.4kg
2020 11/17 228
* 起床 8:15 血圧 168-86(65) 血糖値 90 体重 61.0kg
2020 11/18 228
* もっと仕事していたいが、視力の衰退、惘れるばかり。疲労はそれで倍加する。負けるが勝ちと、退いて休む。機械くんが働いていてくれる嬉しさよ。
2020 11/18 228
* 起床 8:00 血圧 161-81(67) 血糖値 75 体重 61.5kg
2020 11/19 228
* 朝、床から立とうとして、二度も、透けた絹地のはらと落ちるように頭からくずれた。不快感や痛みなどなく、血が引くとはこんなかなと思った。低血糖か。しかしもっと低い値の経験でも、今朝のようなことは無かった、いや、有ったのかも。
いつもは朝はほとんど食べない、食べられないが、今朝は卵かけの温めた飯を一碗食した。
左うしろ首筋に、かすかに痛みがある。左腕が重い。肩凝りと思う。視力を弱めつつ見たこともなく読めない難漢字をいくつもいくつも機械から拾い出しながら書き続ける仕事で、全身が凝り固まっている。書き下ろしを、し遂げてしまうしか回復への早道は無い、か。
* コロナ禍は三波が拡大増進し、高齢者への家庭内感染の率が上がっている。奈何ともし難く、ただ、用心あるのみ。
2020 11/19 228
* 起床 8:00 血圧 161-81(67) 血糖値 75 体重 61.5kg
2020 11/20 228
* 午後二時半。昼食後、機械へ来て、いつしれず寝入っていた。眠りたいなら眠ればいい、 幸いにいま何の約束も差し支えもない。思えば稀有の日々へ歩み入っている。どこへも出られないコロナ禍が憎いか。いや、そうでも無い。引っ張り込んでくれ る小説本を選びだそう、完訳本の『チャタレイ夫人の恋人」は終幕へ少しく呆気なかった。
2020 11/20 228
* 九時をまわるか。もう資料が読めない。
2020 11/20 228
* 起床 8:00 血圧 161-81(67) 血糖値 75 体重 61.5kg
2020 11/21 228
* 起床 8:50 血圧 156-69(69) 血糖値 87 体重 61.0kg
2020 11/22 228
* 貧血なのか血圧が高いのか、起き抜けから血がひくように、ふらつく。
* 経済の大事さ、難しさは分かる。しかし、コロナ禍の猖獗と医療現場の危機的な逼迫を思えば、政治は、後者に適切に的確に手早い政策を打ち出して躊躇わないことだろう。
いまどき、オリンピックの話をしている時機か。かりにも、その為にも、コロナの鎮圧ないしは制圧へ政治と経済のちからを発揮すべきはず。GO TO すべき目標を見失い間違っている、と、わたしはそれを感じてきた。急いで出直してほしい。
* 口苦く ひたすら睡い。二時前。おそらく機械前で眠りこけて一時間は経っていよう。階下へおり、横になろう。
* 視野の遊動は無い、が、芯からゆらつとくる目眩ようの自覚がある。気分わるく横臥をつづけ、しかし読書はできる。目の疲れがからだを揺らしているの か。それも思われる。なににしても体調の動揺はつづいている。休息せよとからだが望んでいるのなら、望み通りにやすむが先決と。熱はなく嗅覚も味覚も損な われていない。極度の眼精疲労か、優にありうる。
* 晩・八時半 すこし落ち着いてるか。微妙。休息を先とする。
と云いつつ、十時に近く。視野、惨憺。
2020 11/22 228
* 起床 8:00 血圧 139-65(69) 血糖値 87 体重 60.2kg
血圧やや低めのせいか今朝は昨日ほどのユラツキ無く。
2020 11/23 228
* 電話診察で、次の日を歳あけて二月下旬とはまった。そのころがコロナ禍の行き止まりであればいいが、二月では、未だかとも。
* 健日子から、「マ・ア」それぞれの柔らかな温かな「トヤ」が送られてきた。老夫婦の日々の暮らしに「マ・ア」らの居てくれるのがどんなに慰めにも励ましにもなっているか。ありがとう。
2020 11/23 228
* 今日は日本酒を口にしなかった。ワインを少し、エビスの缶ビール一つ。昼には、スパゲティを食し、晩には鰈の揚げ物と濃い出汁粥を少しく。
2020 11/23 228
* 堅い、柔らかい、風呂委、新しい、リアルも幻想も神話も、古典も漢文も詩歌も、みな好きで、本もいろんな映画版もたっぷり身のそばに在り、このイヤミ にシンドイ時節を凌ぐには、大助かり。幸いに退屈というコト無く。「選集」を、すっかり綺麗に仕終えて「仕事」として追われないのは、じつにこのコロナ籠 居の折り、有り難い。
だが、ときどきは、街での旨い店のいい食べ物が恋しい。日比谷のホテル地下で、中華の海老料理と佳い紹興酒を二合ほど、か、五階のクラブでサイコロス テーキと蝸牛で、佳いスコッチかブランデーをシカと飲みたい、が、すっかり安全とまでは、外出しない氣でいる。歌舞伎座もはるかに遠い。どう要心されてい ても劇場は、身が退ける。高麗屋さん、ごめんなさい。
2020 11/23 228
* 起床 8:20 血圧 146-74(69) 血糖値 89 体重 60.5kg
血圧やや低めのせいか今朝は昨日ほどのユラツキ無く。
2020 11/24 228
* 十時を回って行く。書き下ろしの前進を根気よく願い次いでいる。
2020 11/24 228
* 起床 7:30 血圧 150-76(79) 血糖値 94 体重 60.0kg
血圧やや低めのせいか今朝は昨日ほどのユラツキ無く。
2020 11/25 228
* 小雨のなか回収待ちの故紙を運んだ。
* 女性二人で書かれた歌舞伎台本への感想を手紙にした。快く読ませてもらいました。ただ、手の痺れつよく、手紙を手書き出来ないので、機械書きし、妻に印刷を依頼。
わたしの印刷機がもうずうっと何故か働いて呉れない。実に実に不便。何故傷んでいるのか分からない。どこか接続が不十分なのかも。それももうアタマが働かない。年相応にか過度にか、私のボケは日に日に濃厚。モノやヒトの名前が出てこない。
* 毎朝、選んだ愛の歌を日記の頭に出していて、これが私をしみじみとした優しい気持ちにしてくれる。えり抜きの作歌を心して読み味わっているつもり。毎朝、これだけでも読んで下さる方の多いのを願う、こういうややこしい時節には殊に。
* 体調優れずせっかく書いた手紙を自転車で投函に走ったが、ややこころもとない危うさであった。仕事もしたが、床にもついて休んだ。コロナ禍への政府対応の 責任のがれのような辨口散漫に目をむく。小池都知事らの、また医師たちの政府批判はもっともと聴く。安部御用人が首班に地滑りしてさらに政治姿勢は貧弱 に。大臣たちの小ささ影の薄さ。もう口出しの気も湧かない。とはいえ、何としても病魔とは毅然と向きあわねば、つまりは徹頭徹尾遠のいて触れ合うまいと思 う。とはいえ、体のあちことに老廃の故障は湧くように表れる。
* 書き下ろしの仕上げ、もう原稿用紙にして三、四十枚も書けば十分かと見えている。慌てることはない、心ゆくもの、掛けて嬉しいものに書き上がって行くことこそ大事と。
こういう時、絶対に避けたい要心したいのが、怪我。建日子にも怪我するなよと口癖のように云うている。誰にでも云うている。
* 夜中の目覚めとも、うとうとともない時に、さかんに次々の仕事について思いにふける。半ばは夢なのだが、なかばは本気らしい。
2020 11/25 228
* 起床 8:30 血圧 157-78(79) 血糖値 91 体重 60.6kg
血圧やや低めのせいか今朝は昨日ほどのユラツキ無く。
2020 11/26 228
* 「うつ」という詞で窮境を訴えてくるヒトが増えている。そういう時代、それがただ高齢というより私と同世代の元気まーくだった 人たちから伝わってくると、高齢で日々生きて行くことの無為の重さ辛さと病気感とが輻輳するのか、ヤッパリなあとそぞろ滅入りがちへ引き込まれがちにな る。
幸い私は、今も、かつて携わったことのない話題や時代や人や仕事への関心また興味を日々持ち続けられていて、これが絶妙のクスリになってくれる。かなりシンドクても仕事にかかるとその間は別世界で働けている。創作という仕事の有り難さをしみじみ思う。
幸い私は、妻も含めて夫婦二人、過去何十年の辛抱と頑張りとのお陰で、いま日々の現実生活に困窮していない、運動力は落ちているし、籠居に徹して外出や 旅行は出来ないが、概して、家居暮らしを苦にしない。有り難いなと思っている。「欝」に負けてしまうと、生活という活が冷え込んでしまう。それが怖い。
2020 11/26 228
* 午後はやめに「セイムス」へ買い物に行った。風邪薬や咳・痛みの薬などは予防的にも備えていたいので。この店には生の食べ物などはない。その分、人出も少なく、自転車だとものの一分間だとかからず行けて、ありがたい。
それでも妙に、あと、疲れた。たいして今日はなにもしないまま、横になって「指輪物語」第一巻を読み終えたりした。想像を絶してみごとな大自然の映像の 楽しめる映画作品とともにトールキンの名作が楽しめている。今ひとつ、いわゆるサイエンス・フィクションも読み始めているのだが、トールキンの『指輪物 語』とくらべると、マコトっぽく書かれてある分、月面の洞窟の奥に、宇宙装備のしかも五万年前と確定できる遺体が見つかるなど、ビルボやフロドや魔法使い などの物語よりも馴染みにくいウソくささに見えて、乗ってゆけない。
七時過ぎ。どんよりと疲労している。視力の弱さのせいと思うが、目まわりが腫れぼったい。
今日は、もう、ズルズルとでも、早く寝てしまおうと思う。
2020 11/26 228
* こころもち、頭痛がする。もう階下へ降りよう。休息ばかりしているようで、そうでもないのである。
2020 11/26 228
* 起床 8:15 血圧 159-82(78) 血糖値 83 体重 59.8kg
血圧やや低めのせいか今朝は昨日ほどのユラツキ無く。
2020 11/27 228
☆ 否応なしの
「ひきこもり」の冬を迎えようとしています。従来通りの引き籠りでもあるのですが、世の中の事に半ば驚き、そして半ば以上の? 困惑。
既に第三波の切迫が叫ばれ、札幌、東京、名古屋、大阪と具体的な都市名が挙げられています。
姑が熱を出して・・と 介護施設からの連絡があり、もしコロナだったら濃厚接触者に該当しますから数日落ち着かない日々でした。幸いなことにコロナではなく回復し、食欲も回復しました。
なだれ込むように時間が、月日が流れ過ぎていきます。目下相変わらず家事育児に忙しい日々です。孫はやっと這い這いしていますが、立ちたい歩きたい気持ちが強く、あまり這い這いしません。とにかく安全であることが大事。
昨晩NHKで産まない女の生き方を扱った番組を見ました。産む女、産まない女、その両者の気持ちが痛いほど分かります。或る意味 孫の世話でわたしは過 去を 産んだ女を 「再現」しているのですが、今こそ静かな稠密な時間をも過ごしたいという強い思いもあります。少しずつ読書と絵、それさえ体力と同時に 気力と向き合っていなければできません。
鴉は HPで 度々「老い」を述べていらっしゃいます。以前は俳優女優の名前をいくつ言えるかなど書かれていました。今数えたら 忘れてしまって、言える数は僅かに減っていますか? それとも激減ですか?
わたしは元気なつもりですけれど、やはり様々なことを忘れていると気づきます。が、焦ることなく、ため息はホンの少々に留めて 嘆いても仕方ないから笑い飛ばしています。
ごめんなさい、なかなkメールが書けません。
くれぐれもお身体大切に、この冬の始まりにコロナの状況を見定め、できる限り注意なさってください。元気に過ごしてください。 尾張の鳶
* 忘れるのは 名前 名詞。老け込んだ顔を映像で見ても、これは昔の誰それで映えていた、よかった方、これはダメだった誰々と、ま、思い出せます。昔々のことほど正 確にものや人の名も覚えています。小学校、中学、高校、大学、職場、文壇と、あとへ行くほど忘れています。自筆年譜をかなり大事に書いておいたのが何かの 助けにと。
からだが三つもあれば、もっと記憶を生かした仕事、創作が出来るのになあと思う。
* 地元の薬局へ聖路加処方薬ほ受け取りに自転車で走った。すこし厚着で走ってかえって少々草臥れ、すぐ帰ってきた。
2020 11/27 228
* すこしはやめ、師走に心備えた。
冬至の八十五歳誕生日まで、日は日々みぢかく、夜は夜々ながくなって行く。
2020 11/27 228
* 起床 9:00 血圧 163-83(69) 血糖値 94 体重 60.0kg
血圧やや低めのせいか今朝は昨日ほどのユラツキ無く。
2020 11/28 228
* 世の中のコロナ塗れに言いしれぬまま不安を抱いて日々を過ごしている、そんな感じ。これは冷静に堪えて乗り切って行かねばならぬ。平凡な言葉だが「用心」肝要と心得ていたい。今はウカと外界に触れて、危うい。過剰にでなく、「尋常に用心」していることが大事と思う。
2020 11/28 228
* 遺憾、体調はなはだ良からず、視野茫然とかすみ、かすかにも頭痛がつづき、のど元にきつい渇きがある。食欲無く、今日は酒類に手を出していない。そんなまま、仕事の手は止めたくなく。
晩にも機械の前で、必要な古文を書き写すのに、何十度も難漢字を拾って来ねばならない。ああ、しかも、一瞬の手違いから、あやうく全文を消してしまうの は免れたが、せっかくの今晩の文を喪ってしまった。呻くのみ。呻くのみ。諦めて、また取り組まねばならぬ。取り組まねばならぬ。無事に誕辰の朝を迎えたい ものだ。からだのどこがどうなのか分からず、いまは引き連れるようにのどが渇いている。構っていられない。
* こんな今に 何をこころを支える細い柱にしているか。読書、「指輪物語」「史記列傳」。そして映画の映像「ホビット」。
なんともいえない心神身体の不安定。苦しい。熱もない。嗅覚も味覚もシッカリしている。痛いつらいでもないが、どんよりと黒い雲のそらが身内に溜まっている。負けるわけに行かない、まだまだ。
* 執拗に手を掛けかけ、喪った部分を取り返した。九時半。休もう。
2020 11/28 228
* 起床 9:00 血圧 158-76(76) 血糖値 90 体重 59.2kg
血圧やや低めのせいか今朝は昨日ほどのユラツキ無く。
2020 11/29 228
* 朝から 目がジンジンしている。
2020 11/29 228
* あまりに体調宜しくなく、今週にも機械を見に来てもらえるという約束、残念ながら今回辞退すると。
2020 11/29 228
* あまりに体調宜しくなく、今週にも機械を見に来てもらえるという約束、残念ながら今回辞退すると 、郵便で。容易に体調が自身はかれない。医師は、用心が何よりと云う。 2020 11/29 228
* 起床 9:20 血圧 137-71(69) 血糖値 100 体重 59.25kg
血圧やや低めのせいか今朝は昨日ほどのユラツキ無く。
2020 11/30 228
* NHKブックス「梁塵秘抄」や「閑吟集」をつくって下さった安田鏡子さんから、キウイを沢山戴いた。
岩波「世界」に『最上徳内』を連載させて下さった高本邦彦さん、温州蜜柑を大きな箱で下さった。
京・古門前林の「おっ師匠はん」 果実菓子を沢山送ってきて呉れた。痛みきっている歯に有り難い。
ありがとう存じます。
* ヘトヘトの寝つぶれから起きて、今夜も懸命に文字漢字を逐い求め、頭中錯綜し 困惑停頓しながら、十時半をまわった。おはなしにならないキツイ毎日夜。誕生日をひかえ、それまで身がもつのかとふっと心配になる。
2020 11/30 228
* 起床 8:40 血圧 142-72(69) 血糖値 93 体重 59.25kg
血圧やや低めのせいか今朝は昨日ほどのユラツキ無く。
2020 12/1 229
* 頭のふらふら症状の顕著化に一昨日までまいっていた。妻の調査と示唆とにしたがい、夜、就寝前の「フリバス」という 薬をのみ止めてみたら、昨日そして今朝も症状がない。排尿のための、あるいは頻尿のための薬か、それすらわたしは確認もせず、胃全摘後の長期間言われるま ま服用していたのだが、脳みそに異様の生じるのはご免蒙りたく、妻の示唆にともあれ感謝してフリバス服用をやめてみる。排尿に異常はない。頻尿がすすむと も見えていない。
頭のふらふらには参っていた。いまは機械の画面も安定している。
* 胃袋が全部なくなり、食道と十二指腸とが結ばれて、管一筋、腸だけでの腹部唱歌と排泄の働きとなっている。大食は出来ない、すぐ腹が張り度を超すと全 身がつらくなる。そのことにだけは気をつけていないと体調を損なう。幸い、心肺にめだった違和感はないのだから、気をつけて暮らせば健康状態はなんとか維 持できよう。
2020 12/1 229
* 十時になろうとしている。目を使い根をつめ 優しいような難しいような しんどい おもしろい仕事ではある、が、疲労困憊する。
師走となり、コロナ禍は収まって行く気配もない。子供たちと一緒に正月が出来ない寂しさ。しかし、ここで気をゆるめて油断は成らぬ。建日子たちの無事と健康とを切に願う。
2020 12/1 229
* 起床 9:40 血圧 156-79(73) 血糖値 87 体重 59.5kg
血圧やや低めのせいか今朝は昨日ほどのユラツキ無く。
2020 12/2 229
* 暖房がきいて、温かく、よく寝た。しかし快く力づよく起きたとは謂えない、芯でよろけている。
構ってられず仕事している。量の嵩んだ大作を為しているのではない、ただもう、漢字とカタカナの日本語表現の難儀に取り組んでいる、妥協して逃げが打てない。私は過去世からの瘤かできもののような物書きなのだと惘れるが、尻尾を巻いて逃げられない。やれやれ。
* 食事より、横に寝て心神とも休む方へからだが誘う。抵抗しない。寝ていて、とびあがるほど胸やけしたりする。水分と乳酸系の消化器薬をときどき含んでいる。
陰々滅々は、体調という以上にはるかにコロナ禍のさきの読めない閉塞感に負けがちなのだと思う。気軽に、お遊びお怠け感覚の日々をあつかましく過ごすことだナと思う。老人夫婦にしてこれだもの、若い人たちに逼塞めく籠居や自粛はつらかろう。
2020 12/2 229
* テルさんに、今している仕事などメールを書いていたが、疲労に負けて途絶。両の肩が石垣のように堅く重い。ま、そこそこ仕事ははかどらせたのだから、休もうと思う。酒が、いま、わたくしに良く効くのか重く障るのかも分からない。「ホビット」と別世界へ旅してくるか。
2020 12/2 229
* 起床 9:30 血圧 137-83(69) 血糖値 94 体重 59.4kg
血圧やや低めのせいか今朝は昨日ほどのユラツキ無く。
2020 12/3 229
* 「マ・ア」の朝飯は八時と決まっていて、寝ていると「ふたり」で起こし攻撃に出てくる。妻は起きて行くがわたしはそのあとをも少し寝ているのが快適で、つい起床が遅くなる。ちっとも構わない。寝るも起きるも食べるも仕事も、好き勝手でよろしいと私に許可してある。
2020 12/3 229
* 十分着ていると思うのに、冷えて寒い。小さい頃から寒さに弱かった。寒さ疲れというのがあるか、床に就いていてもへんに疲れる。なにと無う気弱になる。どう転んでも誰の目にも相応の齢と見られよう。しかし、私自身は諦めているわけでない。
* 結局、機械の前へ来て、仕事する。仕事の間は、何トナシ気弱も不具合も忘れている。忘れているだけ。
仕掛かり仕事の六割方をこまかに読み返し、その辺までは納得。この先が、本稿の正念場になる。量的にはよほど行っているが。もう数日のうちに念を入れて仕上げたいが。暖房しているのに、ゾクゾクと背中が寒い。熱は、無いと思えるのに。
2020 12/3 229
* 起床 10:20 血圧 137-83(69) 血糖値 94 体重 59.1kg
血圧やや低めのせいか今朝は昨日ほどのユラツキ無く。
2020 12/4 229
* 起床 9:20 血圧 154-78(70) 血糖値 97 体重 59.8kg
血圧やや低めのせいか今朝は昨日ほどのユラツキ無く。
2020 12/5 229
* ただ一編の往昔文士の感懐を書き写しかつよく聴こうというのに、午後を費やした。もう木活字の本漢字を読み解ける視野ではない。休むしかない。「礟」 「ほう」とか「ひょう」とか訓む、この一字を機械の中で探索するのに時間がかかった。しかも原典の原字通りでない。原字だと、左側の「爻 コウ」が「交」でありたい、が、拾い切れない。意義は、なんだか物騒、凶器になりやすいビール瓶なみの酒器かも知れない。おまえは遊んでおるかと「湖の 本 151」を待ってて下さる読者のみなさんから叱られそう
* テルさん、なじみの茶菓子一箱、送ってきてくれた。わたしは、昔からの「茶くらい」(秦の母の呼んだあだ名)で、朝から晩まで、大薬缶のお茶、いわゆ る番茶を愛飲という以上にガブ飲みしていた。一つにはひもじさを宥めてもいたろうが、番茶煎茶は避けて通れぬ殆ど主食の一部だった、好きだった。茶菓子が あれば、たとえ炒り豆でも驚喜した。テルさんの茶菓子は上等である。感謝。
* じりじり。せめて退るのでなく 前へ出たい。むろん書き下ろしている作のこと。
* 休息の時は 飽きず 「ホビット」を観ている、
2020 12/5 229
* 起床 10:40 血圧 147-71(73) 血糖値 99 体重 59.3kg
血圧やや低めのせいか今朝は昨日ほどのユラツキ無く。
2020 12/6 229
* マスクが苦にならず、夜中も寒さしのぎの安心で愛用、加えてさいきん両眼も塞いで寝ているが熟睡でき、朝になっても安眠がむさぼれる。しいて起きても 外出出来ないしテレビの大方は下らないし、仕事は今は書き下ろし一つに集注して足りる。創作は、延々とやれば良い訳でなく、ある種は軽妙に付き合い続ける もの、という言い訳で朝寝が続いている。ま、よしとしている。
もの忘れはむろんかのように高じている、きつくは氣にかけない。
* それよりも、昨日の菅総理の談話も記者会見もひどいものだったらしい、評価不能と叩かれている。朗らかに快的に前方へ光をなげることの出来ない暗く陰 気な視線で、自信なげに呟いている、いつも。用人格のときはそれでいいが、国民に前途への開放の期待をもたせる眼と声と優れた言葉が必要なのに、どれも 持っていない。
2020 12/6 229
* ついにまた左奥の歯のまた上一本が落ちた。根から尖まで二センチもある。もう一本、右奥の下でも揺れている。入れ歯でない自分の歯はもう数あるまい。齢果てて行く証左よ。
もう少し もう少しと つぶやきながら先を見ている。胸苦しいほど。そして、もう夕刻五時を過ぎた。椅子から席を立つのも懶い。もう少し もう少し。
* 「正月、保谷へ帰ろうか」と建日子は云うてくれるが、わたしたちよりも、彼の外出のほうにコロナ禍が傾いてはいけないと、断っている。顔が見たいし話したいし酒も酌み交わしたくてたまらないけれど。
2020 12/6 229
* 起床 8:15 血圧 176-81(50) 血糖値 85 体重 59.2kg
血圧高めで 脈拍数が少ない。
2020 12/7 229
* 久しぶりに髯を剃って、少し若くなったか。白髪、思いの外に嵩があり、そのままにしておいた。
2020 12/7 229
* 亡き橋田二朗先生のお嬢さんから、思わず叫んでしまったまさしく京の「松茸佃煮」を一折り頂戴した。最高。有り難う存じます。
切れていた酒をせめてと早速「セイムス」へ走ろうとしたが、二度 出を試み二度とも転倒のおそれを感じてとりやめた。頭がふらつくのでない、カラダがよ ろめく。何を用意してもらっても、口へ運べていない日々が続いている。栄養失調のよろめきかと思われる。とにかくも自転車での転倒は怪我にもつながる。
2020 12/7 229
* もう一つ もう一つ と呟きながら、堅牢の石を左頸に貼り付けたまま今日も書いてきた。明日も続く。舌は噛まない、が、呼吸の出す息、呑む息を噛んでいる。明日も。むろん明後日も。大きな弛み歯が落ちたので、その箇所で、噛む痛みもいくらか抜けた。が、まだ有る。
2020 12/7 229
* 起床 8:40 血圧 142-80(75) 血糖値 106 体重 59.15kg
2020 12/8 229
* 口を覆い、両眼を被って一夜を過ごしている、温かに、安眠。息苦しいことなく、顔の冷えないのがラク。顔が冷たい冬が、小さい頃、床で寝ていても、イヤだった。
2020 12/8 229
* 起床 8:45 血圧 143-67(57) 血糖値 88 体重 59.3kg
2020 12/9 229
* 夜前の夢の 鮮明を極めて情況もの凄く、恐怖しつつ 京都という街の底知れない迷路の奥で立ち竦みながら、なにもかも見逃すまいと目も明き耳も開いていた。凄い、もの凄いという物言いの極度に嫌いなわたしは、時としてこういう凄い夢体験に立ち竦む。
* 寒乾期に入り、コロナの脅威は加わり増している。慣れの油断なく要慎しなくては。
2020 12/9 229
* 起床 7:45 血圧 143-67(57) 血糖値 88 体重 59.6kg
2020 12/10 229
* セイムスで「松竹梅」一升をもとめ、和加奈の寿司で夕食した。
今日の昼間は、ほとほと寝て過ごした。
2020 12/10 229
* 起床 8:20 血圧 149-72(71) 血糖値 78 体重 59.3kg
2020 12/11 229
* 起床 9:40 血圧 138-75(64) 血糖値 89 体重 59.5kg
2020 12/12 229
* しっかり朝寝ときめて。
2020 12/12 229
* 手のついた仕事が、きのう調べただけで少なくも10件はあり、的を絞りたくて、今日午後はずって寝入ったまま、それを想いつづけていた。前々からこれ ならと願って気に入りの「作」の思案、下書きが二つ三つ有り、夢うつつに「作』にして行く空気と色あいを目で追っていた。
慌てず、取り付きたい。
* 都の新感染者数がこわいほど多い。なんとかかとか理屈をつけて政府は適切な施策を欠いたまま。
* 肌着に肌を締め付けられるように苦しい。そして今日は、終日睡かった。それでも夥しい量の細かな「書き置き」「備忘」の類を機械から拾い取っては読み ふけりながら漠とした思案を重ねていた。まだ七時半だが瞼が痛いほど重たい。なにも焦ることはなく、ゆっくりと、ゆっくりと、ゆっくりと。
2020 12/12 229
* 起床 10:00 血圧 155-81(70) 血糖値 79 体重 59.45kg
2020 12/13 229
* 信じられない咄だが という想いが私にいつも動いていて、それを嫌っていない。今日も幾つかのそれらを舌にのせて味わっていた。
その一方で、疲れが重みになり五体を押してくるので、怠けるなどと思わずに横になれる時は横になり、睡ければ寝入り、さもなければさしあたり床から手の届く四冊を仰向きに両手でもって読み耽っていた。
ホーガンの『星を継ぐもの』はとても面白くなってきて読み進むになにの苦もないが、その実、なにが書かれているのか、どう読んでいいのか、全然理解でき ない。火星だか小惑星だかから砂を拾って無事帰還した「偉業」にでさえ途方に暮れるのに、隅から隅まで超弩級のサイエンスと宇宙人や宇宙国家を書いている 話は、隅から隅まで理解が届かない。それが面白いと思えてこまかに読み追えているのだから、こういうサイエンス・フィクションがまったく私とは別モノゴト だと分かる。それで居て、読み進める、面白がって。何なの、コレ?
トールキンの『指輪物語』とくればホーガンのそれとは別の途方もないフィクションだが、これは隅から隅までほとんど信仰して楽しみ読み進んでいる、それももう何度目かを。
何度目といえば『宇治十帖』など十度でもきかないのに、じつにしみじみと染められるほどの自覚と心酔とで読み進める。これは私だといえるほどの我がモノとしての世界の美しさに惹かれている。
そして今日は『史記列伝』は孔子周辺の人たちをかたりはじめるらしい、その直前の苛烈なほどの「伝」記を原文で、そして訓讀で、楽しんだ。
この世に「本」があって良かった有り難かったなあと、しみじみ感謝する。『柳北全集』も繰り返し各編耽読し、必要なのは書き写した。
合間合間には王充の『論衡』やアウレリウスの『自省録』を拾い読む。機械クンはなにかにつけ「待たせ」て暮れるその待ち時間の「拾い読み」に恰好なのである。
* のどもとの ヒリヒリ灼けるような渇きだか乾きだかがイヤな感じ。
2020 12/13 229
* 起床 10:00 血圧 155-81(70) 血糖値 79 体重 59.45kg
2020 12/14 229
* 書き出していると明言には、もう少し、いや、まだまだ試行錯誤のまま自身に向かい私語してゆくが、この「私語」は私自身にももうよっぽど妄想めく別世 界へ入って、出鱈目に幾筋にも心騒ぎ、独りで面白い。「コロナ禍」とも、あの愚かしい「ガス抜き」の必要とも無縁も無縁で、面白い。面白いことがないと此 の窒息じみた逼塞の日々、生き苦しくて。疲れたら、ためらいなく本を読み読み、何時間でも寝入ってしまう。
2020 12/14 229
* 起床 9:00 血圧 142-75(74) 血糖値 92 体重 58.4kg
* 胃全摘から12年半を経過して、8キロ余も体重以来最低に減った。それの是非は判断できないが、食べないのは宜しくないのだろう。
2020 12/15 229
* 八時過ぎて。今日も相応には働きました。
昨日今日、相当にからだがよろめいてヒヤッとすること二、三度。目のせいか、体調か。壁に手を軽くそえて足踏み機械をシッカリ「踏む」だけなら、かなり重く設定してあっても160度も踏めるが。朦朧と五体のよろめくのはアタマのせいか。
狭苦しい家のお蔭で、どこででも、一瞬ハッと崩れかけてもどこかに手が届く。支えられる。狭い家も、怪我や事故防ぎにはなるんだ。
春草畫『帰樵』 山をくだる夫婦部分の繪ハガキに目をやっては、気疲れを癒している。勝田貞夫さんに戴いた何度もの写真類で、ダントツ心穏やかに懐かしい有り難い一枚、左の手を斜めに出せば触れることも出来る。
2020 12/15 229
* 起床 9:00 血圧 150-79(55) 血糖値 90 体重 58.95kg
2020 12/16 229
* 朝機械にふれる手の冷たさ、マウスの右手にちっちゃな手袋。左はそのまま、の、手先の冷えが痛いほど。入ってすぐ25度に設定の部屋暖房が、十分もしてやっと稼働温を送って来始めた。
気に入りのルーム・メロディは、もう、すっかり、The Windmills of Your Mind(風のささやき)と決まって、朝一番から 夜最後まで、静かに部屋を満たしつづけている。読み書きのじゃまにはならない。建日子の呉れた盤であ り、鳴らしている機械(何と謂うのやら、電機屋で育ってながら分からない)も建日子のもらい物だが、シンプルに洒落たデザイン、嵩の小ささもすこぶる気に 入っている。
* 今日午後は、ひたすら寝入っていた。「寝てもの想ふ」という発想法もあり、これまでも何度も援けられてきた。ただ怠けているのでない、が。励んでいますとも威張らない。
2020 12/16 229
* 起床 9:00 血圧 128-64(95) 血糖値 106 体重 58.7kg
2020 12/17 229
* 不調極まってなにも出来なかった。床についても強い「不安感」に、「死期」にまで迫られる体調 で、異様だった。ナチに抑えられていたローマのユダヤ人らの必死の逼塞をテレビで観たり、東京コロナの爆発的な増加を聞いたり。自分が、ちっとも強い人間 でないのが分かる。それ自体は構わないが。
2020 12/17 229
* さて、「湖の本 151」の初校ゲラが届いたら、私のこのすこし気を緩めた休息期間はスッ飛んでしまう。書いていた時よりも さらに視力も手先も苛酷な日々になる。外出はしないが、歳末年初のわが毎日はうめき声で囃し立てられるだろう。
* 今日も、三度は「ヨロケ」て、かろうじてモノに掴まり転ばずに済んだ。怖い。
2020 12/17 229
* 起床 9:40 血圧 152-69(53) 血糖値 97 体重 58.8kg
2020 12/18 229
* 衰弱ということばが忍び寄る。活気が沈滞している。
気忙しくならず、骨休めの時季と思えばいいのだ。没入できる本を、もう幾作か選んで枕元へ置こうと思うが、気づいてみると、少年の昔没頭できた十九・二十世紀泰西文学へ心誘われていない、不思議なほど。
藤村、漱石、潤一郎などへ帰ろうか。
わたし自身の小説作を選集本で読み直そうか。なんだか、お別れするみたいで景気が悪いが。
いっそ新しい「湖の本」の難儀な校正刷りが届いたら、イヤもオウもなく没頭できるかも。
2020 12/18 229
* 起床 8:00 血圧 141-76(69) 血糖値 91 体重 58.1kg
体重 大患後八年半 最低を記録した。高校一年頃の重さか。
2020 12/19 229
* 宮崎櫻の郷酒造の凄いほどに美味い焼酎「赤魔王」の芋・麦セットを、三越を介して贈られてきた。私名宛で送り主は都内中野区本町の「株式会社エトー様」と荷札にあるが、はて。確かめもせず飛びつくように先に「芋のうま味」にのけぞった。すばらしい。
2020 12/19 229
* 蔽ってくるような疲労感に逆らわず、ほぼ一日、横になり寝入っていた。九時半をまわった。夜のインシュリンも注射してきた。強いてもう起きていることもなく。あれこれ読みながら、夢路へむかう。穏和にいい夢だと佳いが。
2020 12/19 229
* 起床 8:40 血圧 149-85(79) 血糖値 104 体重 57.7kg
体重減が 大患後にめざしたのを、3キロ余も越した。今朝 床で眺めた手指の細さにビックリ。
2020 12/20 229
* 暖房の機械まえも冷え込む。高城さん手編みの膝掛けが 寛かに温かく有り難い。
* 小滝英史さん、清酒「越之寒中梅」三種下さる。感謝感謝。
* 眼、しかと閉じたまま、息を引き息を吐いていた。左肩、石のように痛む。
* 午後、一時半、椅子へ腰をおとしたそのままうたた寝していて、膝上に濡れ紙を貼って痛いほどの冷たさで、目をあけた。今日の冷え、厳しい。
* 手入れできず、延び放題に乱れた髪を少し妻に切って貰った。
* 梅若万三郎さん、年越しの饂飩を下さる。恐れ入ります。
* 湯に漬かったが、湯に当たったか気分悪くなり寝入った。かろうじて、夕食はしたが、このまま寝る。八十四歳の最期の日を元気なく見送ることになった。明日が今年の冬至かどうか分からないが、八十五度目の誕生日。気をあらたに、元気も新たに何事もなく迎えたい。
2020 12/20 229
* 令和(二〇二〇)十二月二十一日 日 八十五歳
* 起床 9:30 血圧 149-85(79) 血糖値 104 体重 57.7kg
2020 12/21 229
* 昨夜はとにかくも寝入った、幸いに重苦しさ無く、九時半に目覚めた。祝いの朝食を夫婦二人と「マ・ア」とで。 その間にも、お茶の先生をされている吉田宗由(真由子)さん、豪奢に幾色もの薔薇の大花束を贈って下さる。
また世界ペンの堀武昭さんからもケーキを戴く。幸せ者である。
妻が用意の赤飯、そして純米の越乃寒中梅で盃をほす。
2020 12/21 229
* 問題はアタマにある、のだろうが、それよりも 「眼 やなあ」と つくづく思う。
* 建日子が、お祝いを持参、玄関外まで車で来るという。顔は見たい、話したい、が、この際要心第一にという他なく。 乾杯のかわりにと 呑みあましの 「獺祭」と、古備前の銘「餓鬼腹」とある堂々の古水指を持ち帰らす。これは、見るから異色豪快な古備前。大事に楽しんで欲しい。
2020 12/21 229
* 建日子の車、もう保谷駅へきていると。いっしょに食事もし話もしたいけれど。悔いは残したくない、建日子のためにも。
* 建日子 「 HENNESY XO 」持参で、誕生日を祝いに車で玄関まで来てくれた。上がって話していって欲しかった、が、お互いのために、戸外でそのまま当面直面を避けて、帰って貰った。残念至極。
* 蟹をつついて、戴いた銘酒のいろいろを味わいながら、夫婦だけ、「マ・ア」だけで夕食を終えた。
2020 12/21 229
* 七時にもならないが、しんどくならない間に、怠けて思いあそばせて、何もなければ寝床で乱読して寝入ろうと思う。
* ご厚意のお祝いを戴き、心安らいだ誕生日でした。ありがとう。建日子、ありがとう。
2020 12/21 229
* 起床 9:50 血圧 132-73(64) 血糖値 96 体重 59.5kg
2020 12/22 229
* いま 私には外向きに、先向きに、内向きにすら 何の望みもない。自身にたいし何の遠慮もない日々を過ごせれば、コロナがよそでどうあろうと関わりないよう。ほんまかな。
* 吉備の人、最上等の「獺祭」を二升、贈って下さった。師走を正月へ、何より。有り難う存じます。
* 元 講談社の書籍出版を統帥されていた天野敬子さん、例年のご厚意、すばらしい一連の吊し柿たくさんを贈って下さる。『選集』の三十三度を、心底深切 をきわめて励まし続けて戴いた。わたしは本当に果報者であった。心より御礼申し上げます。コロナのさなかです、どうぞお大切になさってください。
* 体調優れず、午後も、夕方へかけ寝入っていた。「孔子門弟列伝」を原文で読み進み、行き詰まると講釈に助けられながら、いつか、つぶれるように寝入っ ていた。起きても、夕食がまるで進まず、妻の心づくしに申し訳ない日々がつづく。今すぐにでも、また寝たいほどからだが懈い。
新しく「湖の本」次巻「初校出」までの今を、天与の休息時間と遠慮無う休んだ方がいいのだろうと思う。物忘れというほどでなく、語彙、モノの名忘れが日々に露骨になってきている、少しずつだけれど、そしておおかたは数分内にも思い出せるのだが。
* ま、(むかし親たちの物言いをまねれば、)キヤキヤしても始まらない。(ヤキヤキしても、とも謂うていた。)私のためにとご自身で織って戴いた厚手の温かな膝掛けを、つい背へ掛け回し、温まっている。
2020 12/22 229
* 起床 7:45 血圧 173-90(64) 血糖値 91 体重 59.0kg
,寒く 寝苦しかった。 血圧が高い。
2020 12/23 229
* 今年最期の、重い故紙束、十四、五も外へ出した。
* いよいよ 待ったなし、「湖の本 151」初校出の連絡が来た、もう休みもなにも無い、しっかり気を入れて働くまでのこと。元気か。決して元気ではないのだが。昨夜は床の中でも「冷え」のきつさに迫られて困惑した。
コロナ禍は危険さをむしろ強めて広がり続けている。かれらの味方は寒気だという、とすると、二月いっぱいまでは少なくも耐えぬかねば。これも容易でない。容易でない日々を決心して突き進むしかない。
戦争の昔は幼かった。山の奥へ疎開し、そばにいつも大人もいた。山にも京の街にも爆撃は無かった。
コロナ禍は思えば生涯にかつてなかった難儀である。ほんとうに賢く聡く立ち向かわねば負かされる。
* 北越の光明寺さん名酒「越乃寒梅」を、神戸のe-OLD芝田さん伝統の丹醸に、手触りも美味しそうな新酒粕を添え、送って下さる。ありがとう存じます。
* 誕生日に是非にと玄関外まで車でお祝いに顔を見せて呉れにきた建日子、いろんなお酒に加えて綺麗な箱入りの「レミー・マルタン」も呉れていた。オオウと声をあげ昨夜寝る少し前に、スコーゥシだけストレートで味わいました。
2020 12/23 229
* 起床 12:45(正午すぎ) 血圧 132-76(53) 血糖値 100 体重 59.35kg
よく寝たというのか寝過ぎたというのか。許されればもっと寝ておれた。よほどの心身疲労か。
2020 12/24 229
* 15時間寝たなど 入院時は覚えないが、つねの日々では異様なだけ、記憶がない。いま晩の七時半ちかいが、夕食もほ とど何も口に入らなかった、汁気や茶、少しの酒ばかり。安部前総理のウソ八百をごまかして喋るテレビは不快、録画の映画にもうまく当たらず、頽れる気分で 黒いマコと二階へ来たが、寝床で読書して寝てしまおうと思う。
2020 12/24 229
* 「湖(うみ)の本」151の初校出、明日と通知あり。落ち着いて読み返し、適宜に補足して意を尽くしたい。体力が無いならむりにも気力に頼みたい。わたしはまだ、あの、空から呼ばれるオールド・ブラック・ジョーでは無い。
* クリスマス・イヴには小指のさきも縁はないが、ひろい世界に楽しい平和な一夜は祈りたい。
2020 12/24 229
* 起床 9:30 血圧 154-68(56) 血糖値 85 体重 58.8kg
深夜から明け方への夢見がよかった、もう忘れているが。
2020 12/25 229
* そして。いよいよ「湖の本 151」の初校ゲラが届いた。 もう年内に休みは無い。夜前には心弾む不思議に佳い夢も見たこと。頑張りましょう。問題は、眼。機械画面から目を離して席を立つと、視野が蜘蛛の巣のように薄暗い。
2020 12/25 229
* 起床 9:40 血圧 140-71(81) 血糖値 89 体重 58.75kg
深夜から明け方への夢見がよかった、もう忘れているが。
2020 12/26 229
* 疲労仕切っているのか、朝もぼんやり、昼食が過ぎたか、寝入ってしまい、二時過ぎまで。
☆ 京・三条粟田坂下の星野画廊さん、例年の、私の好きな煎餅を下さる。
2020 12/26 229
* はや 三時半。夢のように茫々と生きているか。よくないと思うが、いいのかも知れない。
* 郵便物には当節のこと活字モノが断然多い。
今日来たなかでは、例年正月に公表二月に授賞式や会同の「京都府文化功労賞」の連絡によると、授賞式は受賞者だけで行いお祝いのパーティなどはコロナ 「中止」と。仕方ないですね。私が受賞の時は、授賞式やパーティに私自身が欠席した、体調のためであったろう。ごめんなさい。
郵便物のなかに、日本文藝家協会事務局から、これで何年がけ何度目になるか、私の「マイナンバー」を提出せよと。完全に「個人情報」そのものであり、 「国会成立」の際にも、公開や伝達を強いられるモノでないとの「国会確認」があった。協会は、何を考えているのか。文化庁など國が強いてくるのか。大きな 考え違いをしてませんか。
2020 12/26 229
* はやめの夕食して、また七時まで熟睡していた。機械クンに挨拶にきたが、呆然としている。
* 出版社や帝国ホテルのクラブから例年手帳をもらう。いま、気づいてみると、まるで手帳に用のないない一年だった。人の出入りなく、外出、会合はおろ か、医者、病院へもほとんど行かなかった。カレンダーを睨んでいれば事足る。のんびりせよとの配剤か。ポストへは自転車で走るが、頼まれていてそれも今日 は忘れた。今日明日を争う用向きも無いと言い切れるほど。
2020 12/26 229
* 起床 9:45 血圧 128-67(66) 血糖値 106 体重 59.2kg
2020 12/27 229
* 冬晴れの寒いなか、一通のハガキ投函に自転車で往復、いつになく胸苦しく疲れ、息切れしている。要心、要慎。立ち止まることに躊躇してはならぬ。
2020 12/27 229
* 目を瞠いているのに、この機械画面に自分で書いているこの大きな「かな漢字文」が「ヒヒらいで(こんなことばるかなあ)」見にくい。「セツセツ(切々)と」迫り来る、「終」マーク。
2020 12/27 229
* 目のまわりが、滲んで白い。右肩の石のような塊へ、錐を刺されるように痛む。七時。階下でやすみ、睡くなれば寝た方が良い。
2020 12/27 229
* 起床 9:20 血圧 132-71(64) 血糖値 659 体重 59.5kg
2020 12/28 229
☆ お元気ですね
最近は気力失せて、でも寝付く程の体力なしでもなく…
娘家族と同居で話相手に事欠かないし近所にもいい話相手がいます。
新宿も馬場も銀座も遠くになりました トホホ。 もっとも 今は外出は控えねばネ
あなたは元気で結構 結構
佳いお年を… 花小金井 千
* 翠苔いちめんに真っ白く霜をうったよう、いつも冴え冴えとした一つ下級生だったが。
老いは、誰一人も見逃さないか。
アタマが荒縄で縛られたよう、ナニも出て来ない。ナニをせよとも教えない。結構 結構か。
音楽を聴く。
* 聴きながら寝ていた。はや、二時半。
* 事実上の前半を初校した。要領、ほぼ納得した。問題は三分の二量にあたる後半分、しかも猛烈にルビを打たねばならない。新年の三が日には読み通したい。後半には追加補充も必要になろう。ま、打ち込んでし遂げたい。
夕過ぎて、また寝入っていた。八時になる。寝入る前後には史記列伝や指輪物語を読んでいる。このところは『オイノ・セクスアリス』の第一部も読み返し進んでいて、これは書いておくべき強い批評本の一冊に当たっていると自得もしている。かりに他人が書いた本としても、踏み込んで面白く読むだろう。
* なかば目をとぢている。もっと休みたい。八時過ぎた
2020 12/28 229
* 起床 9:20 血圧 146-71(64) 血糖値 84 体重 59.6kg
2020 12/29 229
* 老夫婦のいわばいまや孤立の日々、この孤立をほんとうに賢く護りきる以外に無い。ありがたいことに、「マ・ア」が嬉々としてそばに居てくれる。これも建日子の心遣い、感謝している。
建日子も、これぐらいは、も、ちょいコレダケはなどと色気に負けずに「方舟」に乗った気で篭城し抜いて欲しい。
幸いにそれに耐えられる備えと「書き仕事」のもてていること、感謝したい。想像力や創作力にはコロナも歯は立たない。
今しも 左胸、肺の辺に重い鈍痛が来ていたが、数分のうちに消散。なにしろ眼精疲労の極にあり肩凝りになり胸の痛みへ刺し込んでくるが、いつも、永くは続かない。
2020 12/29 229
* 起床 9:40 血圧 142-64(56) 血糖値 92 体重 59.5kg
2020 12/30 229
* 起床 10:00 血圧 149-72(58) 血糖値 88 体重 59.5kg
2020 12/31 229
* 大晦日。あらたまった感慨も用意もなく、昨日と明日のあいだとだけ、普通に過ごす、いや心持ちやすやすと何の義務感もなく、片づけ仕事もせず、のんびりと 酒を戴いて過ごすだけ。明元日のことも明年のことも思わない。東京へ出てきて、朝日子が生まれ建日子が生まれ、嫁いだ娘はともあれ、息子と共に祝わない雑 煮は無かったが、明日は夫婦二人だけの、つねの食事と同じに何身構えもない味噌雑煮を戴く。
* 今年は、紛れもなくコロナに逼塞を強いられて竦んでいる一年だった。来年とて感嘆には免れないだろう。
しかし仕事はした。「秦 恒平選集」全33巻完結は、神戸の岡田さんから「大偉業」と祝って戴いたのは気恥ずかしいが作家生涯の一つの山だった、『山縣有朋の「椿山集」を読』んで「秦 恒平・湖(うみ)の本」が150巻に届き、151巻も初校半ばというのも小さからぬ山であった。実に多くを読んだ歳であった。
* 気負わないで、健康と相談相談しながら新年を、幸いに元気にしている妻と、無事は無事に、有事は有事なりに賢く歩んで行こうと願っている。老齢と健康と、この二つとよくよく相談しながら、無理なことはムリと諦める落ち着きも失うまいと。
2020 12/31 229
* 久々に映画「マリア…」と歌いあげる、ジョージ・チャキリスら名作のダンス・ミュージカルを観た、戴いた鴨鍋に舌鼓をうち、戴いたお酒の「杉並木」に酔いながら。そして、また寝入って、気が付くと八時半。いまからゆっくり湯をつかう。
* 髯もあたった。映画「真昼の決闘」で、ゲイリー・クーパーとグレース・ケリーに久々に会った、懐かしい。名前を覚えられているのは奇跡のよう、じつはグレースの方は最後まで名前が出なかった。
このごろは、俳優などの忘れた名前を懸命に思い出すのがゲームのようになっているよ、呵々。
* 十一時になろうとしている、もう何もかも棚に上げで、ただ歳を越しましょう。昔むかしは神経質になにかと片づけた。もう久しくそんなまねは放擲した。ゆっくりと、のんびりと。
何と謂うてもことしは、「コロナ禍」にうちひしがれて終える一年、なんと、今日の東京の新感染者数は1300人を遙かに超えたとか。
ただただ、新年の病害のだれにも無かれ安かれと祈るのみ。
2020 12/31 229