* 近江の美酒に酔うて寝た。もうすぐ八時になる。
2014 1/1 147
* 副都心線で渋谷へ。観世能楽堂まで歩いて、開場の時間前を並んで待って。もう疲れていた。
研能会、梅若万三郎の「翁」は、立派に厳粛、しかもおおどかに明るく、めでたかった。脇正面の最後列、舞台最前部が真横から視野に確保できる席をとってみた。これは成功。面箱、荘重。千歳、凛乎。三番叟はやや期待に逸れたが。鼓頭取の幸清次郎、笛の一噌幸弘、上出来。祝ってもらったという祝福感をたっぷり浴び、それまでで、堀上さんらと新年の挨拶だけして、梅若夫人にも挨拶して松濤の能楽堂を辞してきた。駅の方へ歩き、すでに疲れていた。
上京した昔いらい馴染みの「まつ川」で、少しく鰻。菊正宗。これが身に堪えた。
浅草線で日本橋の高島屋へ。「星星会」展。竹内浩一、田淵澄夫、牧進ら実力派の四人展の解散記念に過去展の全作をならべていた。大作ぞろい。しかし、視力落ち、体力払底、しかとは鑑賞できないまま、のがれるように銀座一丁目まで車にのり、有楽町線で帰ってきた。当初の心づもりでは日本橋から浅草へ、仲見世を抜けて、ひさご通りの「米久」ですきやきか、言問通りの「山勢」で寿司をと楽しみにしていたのだが、それぐらいは気も体も保つとたかをくくっていたが、とてもムリだった。
帰宅後も茫然として九時前までテレビを観ていた。
* 復調まだこんなものかと落胆した。これでは新幹線にはまだ乗れそうにない。
2014 1・13 147
* 歯科の帰り江古田の「笑雲」で食事し、階下の「ボルボ」でウオツカを二杯呑んできた。顔なじみも出来て気楽な時間が持て、妻もごきげん。
2014 1・17 147
* ほんとうに、ほんとうに久しぶりに人と会い、たくさん話し、また話し合ってきた。角切りのステーキと「デンデンムシ」を、クラブのサービスしてくれたシャンパン、そしてヘネシーとアイスクリームと珈琲を。作家の名前や作の名前をド忘れしていることの多いのにわれながら惘れた。昼過ぎから晩までかなり長時間、文学や研究や出版や著述のはなしを楽しんだ。わたしには食欲が無く、もっぱら話を聴いて楽しんだ。
2014 1・18 147
* わたしの歯は、またとてもマグネットを装置しての入れ歯の拡大になるらしく、十万円かかると。一割治療とすると十倍の医療費、それを短期間に何度も繰り返さねばならなかったし、まだまだグラグラの歯があって、「ネバーエンディング トリートメント」だなあとドクターも嘆息。参る。
帰路、暫くぶりに「リオン」に寄り、赤ワイン二杯でひとコース食べてきた。食べながら、持参の選集作「三輪山」初校を終えてきた。
またしてもブックオフに立ち寄り、エドガー・アラン・ポーの代表作集と、中国で久しく禁書にされていた『結婚狂奏曲』上下を買ってきたが、はたして如何に。
2014 1・21 147
* 二時半、両国国技館の向正面中央の前桟敷へ入る。例の如く二人で、ゆっくり。ウイスキーのヴァレンチノをコーラで割って、たちどころに一瓶呑んでしまった、美味かった。弁当や焼き鳥などは食べず。大関復帰心細い琴欧州が懸命に大技で勝ち、大関カド番の琴奨菊が剛強に寄り切って貴重な七勝めをものにし、久しぶりに頑張っている大関鶴竜が危なげなく一敗だけの星を確保し、全勝横綱白鵬は豪榮道を豪快に投げ飛ばした。大関稀勢乃里はふがいなく五敗。
去年の夏場所には観ているだけで声も出なかったが、今日はウイスキーを美味く呑んだ勢いで、大声で盛んに声援を送った。
有楽町線を飯田橋でJRに乗り換えると両国へは真直ぐ。むかしは西武線を池袋でJRに乗り換え、秋葉原でまた総武線に乗り換え、かなり遠い気がしていた。ていた。お土産を二袋持って、つつがなく帰宅。ま、やっぱり疲れはする。夜前、よく眠れなかったので大丈夫かなと案じていたが、国技館のとびきりの陽気は活気も恵んでくれ、ちっとも居眠りもせず土俵の勝負を楽しんできました。
2014 1・23 147
* 現在こそまだ食べること、食べるものの魅力を語れる体調でないが、食べることや食べ物にふれて書いてきた箇所は創作にも此の「箚記」(さっき、とうき)にも少なくない。しかしいわゆる「食通」「美食家」などといった人間でなく、食材の詮索や、味付けの表裏や由来などに格別の興味も関心もない。何が識りたいわけでもない。食べ物を運んできてすぐさま「説明」にかかられると、時に不機嫌にさえなってしまう。何であれただ美味しくかつ無難に食べたいだけ。いかもの食いの趣味など全然もたない。欲しいのは給仕の人の親切な行儀と食器の清潔ぐらいなもの。「美味しそうにいろんな店でいろいろ食べてられる」と言われることは有るが、滅相な。店の人と自然になじめる和やかにこころよい店にしか行っていない。こうして、食べ物そのものより気持ちよく食べさせてくれる店や人の方を重んじている限り、じつは、他人様(ひとさま)に気軽にお奨めもしかねる。人との兼ね合いは誰も彼も同じではないのだから。たいていの店には妻としか行かない。東工大の学生達とはよく食べ歩いたけれど、その余はよほどでない限り吾から誘って他人様と会食を楽しもうというタチではない。
世間には、食べ物や食べ店案内の書籍で名を売っている作家や随筆家が何人もおられるが、そういう真似はしない。出来もしない。 2014 1・25 147
* 起床7:30 血圧156-71(63) 血糖値79 体重68.3kg
* 9:28のバスで保谷駅へ、9:55の有楽町線で新富町経由聖路加病院へ。その逆さまで帰宅したのは17:30。二科目の診療にまる八時間、一日仕事。
それでも眼科はケリがつかず、この毎日の眼のありさまなのに、ずいぶん「よくなっていますね」とはワケが分からない。左眼の白内障手術をしましょうかといわれてもこのテイタラクでは、おいそれと乗りにくい。結局二週間後に「メガネトライ」つまり検眼して処方箋を出しましょうと。現在の六つ造ってあるメガネは全部不要になるらしい。新調も構わないが、それがまた半年経たぬ間に不要で作り替えになるおそれもあるわけだ。なんと頼み甲斐のない眼科学であることよ。
点眼薬三種の処方と、地元眼科への検査資料を受け取ってきた。
* 昼には、ひさしぶり築地の更科蕎麦で、牡蛎そばと菊正を枡で。ぷっくらと大粒の美味い牡蛎だった。
2014 2・5 148
* 診察までが長引いた。空腹だったので、また更科蕎麦へ行き、軍鶏と鴨を鍋で食べてきた。有楽町線で、小竹向原を平和台まで乗り越し、戻ったりしたが。
疲れた。映画「グレースと公爵(タレイラン)」を観て休息。フランス革命後の恐怖の成り行きを、英国人のグレースとタレイラン公爵の友情という視点に足場を得ながら、実感豊かに描いていた。 2014 2・7 148
* 血管の健康に赤ワインがいいというので、日にカップ二杯ほどを薬と思って呑んでいる。卵納豆も欠かしていない。
たくさん食べると腹具合が不穏になる。きょうなど、朝に卵納豆だけで聖路加へ向かい診察が済んだ四時前まで何も口にしていなかった間、腹の気分は軽快で快かった。独りで鴨と軍鶏との鍋を、升酒つきで食べは食べきったが、満腹の気分はまことに不健康な具合でイヤになった。腹三分目ぐらいで足りる。
2014 2・7 148
* 東急八階の「揚州飯店」で、しっかり夕食してきた。うまい紹興酒を出してくれた、妻も初めておいしいと褒めた。料理はたっぷり有り、黒いマゴにもいくつも土産ができたほど。ほかに最後の炒飯は、土産にして貰った。
渋谷へは保谷から副都心線の急行をつかえば、あっという間に着く。ただし渋谷地駅下はややこしい。今年は新年の松濤能楽堂の「翁」についで今日文化村の松たか子と、渋谷へは二度目。帰りも急行快速でまっすぐ帰ってきた。
* 悪玉コレステロールの退治にいいと聴いて、このところ夫婦して赤いワインを日に一杯ずつ薬のように呑んでいる。保谷駅構内にワインの専門店があり、店員に教えられて二種類二本買って帰った。
なだめつすかしつ毎度のように二人がかりで黒いマゴに、輸液。
今日は、午後からは休息の日になった。いま、機械の視野が明るい。
2014 2・13 148
* ついで、入れ替わりにわたしが沼袋の歯科へ。
帰路、先週と同じ「中華家族」に入って「マオタイ」を三種の前菜(蒸し鶏、鮑、海月それにトマトと胡瓜)でゆっくり味わいながら「みごもりの湖」の後半を読んだ。マオタイは60度ちかく、じつに美味い。そのまま帰ろうかと思ったが、スタンドバーに寄って、ズブロッカをダブルそしてシングル、しみじみ楽しんだ。此所のマスター君は建日子のもう大昔の連続ドラマ「天体観測」の大フアン。お客もいろんな年齢差の人たちと出逢えて楽しい。それにそれに、凍らせたようなロシアの酒の美味いことも格別で。心楽しく、しかし気をつけないと電車を乗り越すと心配したが、心配までもなく無事に帰宅。
2014 2・17 148
* 歌舞伎座。とちりのと席で視野開けて絶好であったが、遠用眼鏡が見えにくく、今日は、舞台をおもに科白と繪がらで観ていた。 近年珍しい通し狂言での「心謎解色糸 こころのなぞとけたいろいと」小糸左七、お房綱五郎を、染五郎・菊之助、松緑・七之助でみせた。芝居そのものは四世南北ものとしてはお安い筋だが、そこは「花形」が気張って見せ、秀太郎、歌六、高麗蔵らが手堅く支えた。染五郎奮闘、菊のゆたかな色気、七の意気、そして松緑の手堅さ。楽しみました。染五郎夫人が喫茶の「檜」まで挨拶に追ってみえた。愛らしいすてきな高麗屋の若女房で、笑顔一つでこっちも晴れ晴れする。
はねて、有楽町まで歩くというので歩いたが、用事をもってビックカメラに入って出た、その辺で妻が貧血ぎみにダウン。がんばって「レバンテ」まで歩いてとびきり美味い生牡蛎や牡蛎のクリームシチュウーなどを赤いワインで食べて、息を吹き返した。期待して行き、期待通りのじつに佳い牡蛎だった、妻が四つ食べ、わたしは二つ。「レバンテ」なんて、何年ぶりだろう、八、九年も来なかったのではないか、懐かしかった。いまの店に移る前は有楽町駅のすぐ前の角店だった。ロシアからきたエレーナさんを作家達で歓迎したこともあった。むかしから、旬の牡蛎のとびきり美味いビヤホールで、八九年前に来たときはフライが美味かった。
有楽町からはまっすぐ保谷へ帰ってこれる。便利になった。
2014 2・20 148
* シーボルトは、いいことがあった日は、白い石で日記を書くと特記して、その日、最上徳内と会ったことを喜んでいた。
昨日は、久しく食したかった美味い生牡蛎に出会えたのが嬉しかった。放射能汚染のことは考えなかった。美味いものは美味いと思える内に食っておきたい。卵納豆でも叱られたが、せめて、線量検査にかなり熱心と聞いている生協から卵も納豆も手に入れている。ことに納豆は免疫環境への好影響を念頭に置いている。
2014 2・21 148
* 祇園に根の生えた友だち、中学のクラスメート、から「伊織」の美味い和菓子をもらった。懐かしく。また美味しくお茶うけに戴いた。
2014 2・22 148
* 沼袋の歯科へ。帰りに、先週と同じ江古田の「中華家族」でマオタイを楽しみ、ついで「VIVO」でズブロッカ一杯半を堪能して、途中こともなく帰宅。強い酒がたしかに美味い。くらべて食べ物は今一つ落ち着かない。
2014 2・25 148
* 歯科へ。娘よりも息子よりも若い女先生にお気をつけてと見送られて、江古田で、またしても「マオタイ」を楽しみ、鮑のスープと餃子を。「秘色」の再校を終えてから、「VIVO」に鞍替え。例の「ズブロッカ」と、おすすめのスコッチとを呑む。保谷駅でパンとワインとを買い、タクシーで帰宅。赤ワインは薬にして毎日少しずつ呑んでいる。買ってきたアップルパイ一つ。
2014 3・4 149
* 西銀座新橋寄りのアートセンターで妻の従妹が出展している画会を覗いてきた。小林忠という画家の「或る廃屋」が断然画境を安定させ確立していた。画家の思いが深かった。
帝国ホテルに寄って、「北京」で遅い昼食、総じて品良くあっさり味なのが、いまのわたしは淡泊なと感じてしまう。甕出しの紹興酒が美味かった。
2014 3・10 149
* 校正に追われ追われ追われて直しがまだ出るのに腐っている。フテ腐れているわけにも行かないので。浅草の米久には雨がひどすぎるので鶯谷蕎麦の公望荘に尻を据え、また池袋にもどって、ひさびさにメトロポに座り込んで校正をつづけたあと、地下の山海亭でステーキを日本酒で食べてきた。よく降ったが、幸い保谷でタクシーにはやく乗れた。タクシーに折り畳み傘を置き忘れてしまった。やれやれ。
2014 3・13 149
* 強風の中、凸版印刷まで。製本上の諒解点を煮詰める。消費税アップまえの業界的に慌ただしいなかで、慎重を欠く必要は何もないので、製作刊行時期も今となってはあえて慌てない。幸い「湖の本」は三月中の刊行になる。明日来る製本か上出来であるようにと願う。
強風の中、江戸川橋から直通の電車に乗ったが、ふらりと池袋で途中下車し、デパチカの「寿司政」で食べたいだけを美味く食べてきた。ひとまず肩の荷を下ろしたので、明日からの発送作業を慌てずに日延べしてでもしっかり送り出したい。来週水曜にはかたづくだろう。
2014 3・19 149
* 歯医者に思いの外時間がかかった。江古田へ戻って、焼き蕎麦でマオタイを呑み、vivoへ動いて、お奨めのスコッチとヘネシーをそれぞれダブルでゆっくり飲んで帰ってきた。
なんとなく三月終えてしまった気がする。どんな四月が来るかと思う。
2014 3・24 149
* 昼前、まっすぐ青山墓地へ。櫻は満開、人出も晴れやか。妻の祖父母、両親や兄夫婦たちの墓参。去年も一昨年もわたしの病気で来れなかった。絶好の日和、強かった風もおさまって、晴れ晴れとした櫻が日射しに輝いていた。まん満開だった。
「大江戸」という老舗で、鰻で昼食、わたしは八海山も。とても佳い感じの江戸前の店だった。
外苑前からタクシーで一気に靖国神社まで走り、境内の櫻、市ヶ谷通りの櫻並木に堪能した。市ヶ谷から有楽町線で妻は先に帰り、わたしは練馬から江古田へ戻って、歯医者へ。そこでも哲学堂への大通りは満開の桜並木だった。
またもや刺し歯一本が新たに入り、都合十万円。歯は齢というからなあ。実感としては、歯は弱いなあ。
江古田で「VTVO」に腰を据え、ズブロッカ(ウオトカ)を三杯、佳い赤ワインを一杯。馴染んだお店の青年が今夜でやめ、沿線で独立するという。お祝いの気持ちもあり、名残惜しくもあり、美味しくよく呑んだ。
2014 3・31 149
* 明日はまた暫くぶりに聖路加通院。他科診察に比し簡単に済むと期待しているが、分からない。雨が降るらしい、濡れたくはないが春雨のこと、厭うまでもないだろう。湖の本と選集①との重苦しいトンネル続きから抜け、幸い校正刷りを持って外出しなくて済む。書きかけのもののプリントにどこかで落ち着いて目を通せるかも知れない。食べたいという欲が無い。コーヒーの類もからだに合わない。近くなら出光美術館も佳い、博物館本館をゆっくり蟹歩きするのも佳いかも。しかし上野は花で雑踏しているだろう。e-OLD の勝田さん玉井さんと行った向島の百花園など隅田川寄りにも心惹かれる。ま、こう想っているうちが花かも。そういえば、桜餅を食べたなあ。言問まで行けば、浅草の肉の「米久」鮓の「高勢」、柳町まで戻れば洋食の「香美屋」あり支那料理もあり豆腐の「笹の雪」蕎麦の「公望荘」もある。西洋美術館で洋画を観て「すいれん」の庭をみてワインとステーキもいい。いっそ精養軒の見晴らしの席でコニャックかシェリーで大きな海老を食べてもいいが。困るのはこんなにわざわざ書いていても腹具合はよろしくなく、食欲などすこしも出てこない。やれやれ。結局は、花を愛でたいということか。
なにとはなし、後拾遺和歌集をひらいて、好きと選んだ歌の四、五十ほどを夢中で読んでいた。明日のことは明日きめればよい。
2014 4・2 150
* 雨の築地へ。
* 降るわ降るわ降るわ。花はまだ懸命にもっているが散りかけもしていた。わたしは、散る桜こそという派で、散らぬ桜過ぎるのはなにか気に障らぬでもない。それにしても雨にぬれた花の風情は絶対にわるくはない。
聖路加病院は、途次にも院内からもたくさん桜木が見える。食べるにも、タワーの上の上に「ルーク」があり、ステーキも美味い。あまり高すぎて雨の日は下界も遠望も曇ってしまうけれど雲の上の風情がある。
雨では歩きたくても歩けない日も、たいてい「仕事」を抱え持っているから、心持ちの佳い店で明るくさえあれば、ビールと牡蛎フライなどで十分用が足せる。「レバンテ」は最適で、店の側もテキトーに放っておいてくれる。
西武の地下は超満員だった。それでも「寿司政」は顔なじみで席をつくってくれる。しかし、あまり食欲はなかった。
保谷駅のタクシー乗り場で、ほぼ土砂降りのしたで四十五分も待った。こういう日もあるのだ、仕方なし。
* 新聞やテレビをみてしまうと、不愉快になる話ばかり。重金敦之さんの『ほろ酔い文学事典』など拾い読みながら機械をうごかす。ビールこそ酒づくりの到達点という考えようがあると教えられた。わたしはマオタイとかズブロッカなど強い酒が美味い。
2014 4・3 150
* 茜屋珈琲でゆっくりした。満員で大忙しのマスターとも歓談しいしい美味いコーヒーを楽しみ、昭和通りの画廊永井で安井曾太郎のスケッチ展をのぞいてから、有楽町線で麹町まで。
中華料理の「登龍」の前で建日子と合流、馴染みの店で和やかにながながと料理を楽しんだ。最初には、スッポンのスープと北京ダック、わたしはマオタイ、甕出しの紹興酒、妻は赤ワインで、車の建日子は黒烏龍茶。あとは思い思いの料理を心ゆくまで。わたしは、量を控えめに。親子三人、胸の底までのびのびできた。
それから建日子の大きな車で家まで送られ、家で佳い和菓子とお茶でいろいろに話せた。
凸版印刷から届いていたわたしの「選集①」の「函入りツカ見本」をこれは豪華だ、ちかごろこんな立派な本を見たこと無いよと気に入ってくれ、「もらって行きます」と持って帰った。それもそれで心嬉しかった。
妻の、いい誕生日になった。建日子と和やかにゆっくり食事でき、車にも乗って、親は他愛なくただ嬉しかった。
* 十時半。そういえば郵便も見てない。
2014 4・5 150
* さてまた今夕は歯医者へ。
* 帰りにVIVOでズヴロッカ三杯。妻は赤ワインとチーズケーキ。 2014 4・11 150
☆ 湖の本119
堪え・起ち・生きる に元気づけられました。
お誕生日祝いを兼ねて 塩蒸し桜鯛をお届けします。 四月 毅
* 妻の誕生祝いを兼ね添えて吉備人からりっぱな鯛一尾を頂戴した。夜、ウイスキーの「富士山麓」オンザロックで頂戴した。愛しんで大きな半身を明日に残した。美味かった。いつもいつも頂戴し、有り難う存じます。元気にならねばと気を励ます。
2014 4・15 150
* 二時半、国立能楽堂へ。いつもの展示室を観てから見所に入る、最前列。シテの一切が間近にしかと見える。橘香会に、梅若万三郎に感謝。独り置いて隣に馬場あき子さん、二人とも嬉しがって握手。
素晴らしい「江口」だった、とても凡手の舞える能でないが、そこから格段に高く抜け出せるシテがいま能界に何人いるだろうか。万三郎のことに後シテ、さらには序の舞になっての万三郎「江口」の長、じつは普賢菩薩のみごとに聡い落ち着きと境涯の高さには思わず泪が溢れた。
宝生閑のワキに衰えを感じたのは残念、もう何十年、彼の父親が活躍の頃から舞台を見続けてきたのだ。致し方ないか。だが、煮たようなお付き合いの山本東次郎間狂言の立派さにはあらためて惚れた。松田弘之の笛がなかなか面白かった。とても叙情的に鳴り響いた。能の前の仕舞四番は、みなつまらなかった。
能一番が果てて、出会った堀上謙さんとも見所で立ち話しし、今日の「江口」のみごとさに感想が揃った。
奔命の「江口」一番でわたしはもうからだが限界、馬場さんにも堀上さんにも失礼し、能楽堂を出た。夕方の冷えが身に堪えたので、いっそお茶の水へ向かい、地下鉄千代田線で日比谷へ出て、ホテルのクラブに入った。年会費の払い込みもしたかった。シャンパンのサービスがあり、好みの角切りステーキで、ヘネシー、そして竹鶴をゆっくり、たっぷり呑んだ。しごく落ち着いて、心地よくシートでうとうとさえした。
おかげで温かくなり、数寄屋橋センターを地下鉄丸ノ内線へ抜けて出ながら、途中、妻に便利そうな簡単服を買った。
保谷へついたら小雨が来た。辛うじて傘をひろげなくて済み、タクシーで帰宅。
2014 4・19 150
☆ こんばんは。
お元気ですか?
この度、ずっと目標にしていた自分の店を持つことになりました。
名前は
bistro&wine velvet
( フランスの郷土料理とワインを中心としたお酒を提供していきます)
open日は、ご報告が遅れてしまい急ですが、4/20( 日) を予定しております。
場所は
最寄り駅が豊島園( 池袋線、大江戸線2 線あります) です。すぐ近く。
20日はopen記念として、カウンター席を設けず、スタンディングでのご案内とさせていただきます。
( 通常営業時はカウンター席はあります)
その日は会費\3000 を頂戴いたしますが、その分、ワイン、フード共に食べ飲み放題とさせていただきます。
もしお時間がありましたら、ご来店下さい。
心よりお待ちしております。
open 17:00~close 26:00
p.s
メールでのご報告で申し訳ありません。 velvet
* こういう案内の来るのも楽しい。この人つい先日まで江古田のスタンドバー「vivo」を仕切っていた。歯医者の帰りに妻とももう何度も止まり木に止まってきた。
明日、雨でないといいがな。
2014 4・19 150
* 五時半に豊島園に着いた。オープンの店は見つかったが六時開店だったので、祝儀だけを先渡しして、馴染みのない豊島園の駅近くをゆっくり歩いてみた。遊園地の豊島園があるだけの田舎と思っていたのが今や認識不足らしく、、えらく駅前など賑わっていた。店もたくさんあった。「としまりん」というバーを見つけて入ってみた。感じのいい店と客あしらいが気に入り、少し珍しい名前のビールを呑み、カルヴァドスがあるかと聞くと有って、かるいつまみと一緒に味わった。店の雰囲気はちょっと較べにくいが、こころよさでは築地の「茜屋珈琲」がとても気に入っているのにやや似ていた。また来る機会があるかは分からないが印象にのこった。
六時半ごろ、オープンの「VELVET」に入ったが満員の立ちん坊で、わたしは大体立食や立ち飲みは苦手なので、今夜は飲み食べ放題という「スパークリングワイン」をカップ半分啜っただけで失敬してきた。
2014 4・20 150
* 冷えた白のシャブリを昼間から呑んで。うまい酒があると機嫌はいいが、仕事にならない。仕事からわたしを引っぺがす酒があるというのは、ま、幸福に類する。
2014 4・23 150
* 酒といっても今ウイスキーも日本酒も払底してて、缶ビールとワインが少々、その少々のうちシャブリの白を昨日と今日とでせいぜい一本足らずを呑んだだけなのに、昨日も二時間ほど、今日は昏睡ぎみに三時間以上も寝入ってしまった。いい具合に酒に弱くなっているのか、ふつうの缶ビールがこのごろ一缶呑みきれずに置いてしまう。そしてうたた寝する。「家では」である。
戸外、出先での酒には、めっぽう強い。強烈なスピリットのマオタイ酒とズヴロッカとをつづけざま杯を重ねても平気で、なにごともなく帰宅している。醸造酒に弱くなっているのなら、それはそれで良いと自覚している。酒はうまければ少量で足りるのが最適なのだから。仕事をする家で寝てしまうのは、気持ちは別としてもメイワクする。恥じ入るほどに仕事も用事も有るのだから。
2014 4・24 150
* 何をしたどうしたということもない漫然と上野で「時間」を食べ歩いて、最後に、手術以来久しぶりに、先日テレビで紹介していたという根岸の「香味屋」へタクシーで乗り込んだ。ここは何時でも店を開けている。フジタの繪がありビュフェがあり、相変わらず小気味のいい店であった。但し茄子の入ったコース料理には弱って品を替えてもらった。赤ワインもたっぷりと美味かった。この店の難は、鶯谷の駅まで歩いて帰るのに腰のいたくなること。途中で、二た休みもする。
驚いたのは、香味屋のま向かいに、浅草に店だししていた寿司の「高勢」が、大昔の元の場所に帰って店を開けていたこと。こんどは、高勢へ行きたい。上野の街には行きたい天麩羅の店が二軒有る。天麩羅にはまだ食味回復の自信がない。強の洋食は、まずまず。 2014 4・26 150
* べらぼうに安価な苺を売っていたので二函保谷駅で買って帰った。
2014 4・26 150
* 歯医者の帰り、江古田のブックオフで面白い小説の岩波文庫をと立ち寄ったが、気に入った物が見当たらず、岩波ではないキワモノの「京の魔界」探訪とか案内とかいう女性の書き物に手を出してしまったが、とんでもない雑駁至極の書き殴り本で、ま、予期していた物の呆れかえった。ブックオフ向かいの「中華華族」で、マオタイをダブルグラスに二杯呑んできた。
2014 4・28 150
* 能美の井口哲郎さん、 名酒「十代目」でお祝い戴いた。なんと嬉しいことか、越前の好きな盃で、ぐいぐいと頂戴した。わたくしから御礼申し上げねばならないところ、不調法を恥じ入りながら、お酒の美味さに身を任せている。一日に建日子が来てもかれには車の運転がある。二人分、しっとりと至醇の名酒を頂戴したい。ありがとう存じます。銘の「十代目」がおもしろい。有難い、が、それはいささか私書きかけの小説にかかわってくるので、この上は触れない。
* こころよく機械にむかい熟睡していた。宵の七時に目覚めた。 2014 4・29 150
* 五箇荘から、故国の清酒三種六本を戴く。「試みに酌めば百情遠」し。
2014 5・3 151
* ものが食べにくい。いまだに薄味のモノは頼りなく味無い。小海老をフライにした、かんじんの小海老が文字どおりまるで味無い。好きな天麩羅はまだまだ口に馴染まないようだ。と言ってシチューのようにどろりとしたものも視覚的にイヤがる。細い麺類がダメ、煮た菜も食べにくい。なによりもばらの飯が食べにくい。生卵で流し込んでいる。納豆はクスリと思って一回は食べるが、これも生卵で混ぜている。
細いモノ、バラついたもの、味の薄いもの、濃すぎるもの、が、概して困る。酢のもずく、煮たわかめ、生の玉葱、風味のチーズ、塩から、和菓子、クッキー、餡小豆、鮓、魚の刺身、そして、各種の酒類。これらでだいたいの食生活をしている。外出したときは、やはり食べ物が口に入りやすい。妻と食べたレバンテの生牡蛎は美味かった。季節のモノは、逸れてはいけない。
のんきな日記だ。一息ついているわけで、これって連休効果? 2014 5・4 151
* ときどき京都の飴を含んでいる。血糖値を気にしながらも、あまいモノはうまい。十時半、そろそろ休みたいが、もう少し眼が見えるあいだ、「雲居寺跡」を読みたい。
2014 5・5 151
* 雨もよいでやや鬱陶しかったが、発送の作業f一段落していたので、杖をついて街へでかけた。
こまの季節なら、繚乱の百花園だろう。勝田さん、玉井さんとの三老清閑の思い出もある。隅田川の方へはわたしの便宜では鶯谷駅がいちばん幸便で、タクシーが利く。帰りもよそへまわるより鶯谷へ戻るのが池袋へ最も好都合。今日は、久々の久しぶりに「笹の雪」で豆腐懐石を楽しんだ。淡泊だが、豆腐は好きであり、中華の麻婆豆腐も比較的口に合う。
池袋駅で豊島園行きが来ていたら行ってみようと思ったが、準急所沢行きが幸便で、まっすぐ帰宅ときめた。
2014 5・6 151
* 金沢の和菓子は京菓子とならんで天下一品、それが一日に二箱も戴けて、酒と同じほど和菓子好きのわたしはほくほくと喜んでいる。感謝、感謝。久しく久しい「いい読者」にも感謝。
2014 5・11 151
☆ 秦恒平様
緑の鮮やかな季節になってまいりました。
ところでこんなにすばらしい布装函入りの少数限定本を私が戴いていいのでしょうか ただただ恐縮しております。
『みごもりの湖』は冒頭の部分を読むだけで胸がキュンとしてしまいます。やはり私にとっても原点だったと思います。病をかかえてもなおこんなにすばらしいお仕事をされるとは ただただ尊敬するばかりです。
何かお礼にと考えまして 主人と相談して 我が家でも愛用している国産ハチミツにしました。郡上の古今伝授の里で買い求めたものです。 毎朝ヨーグルトに入れて食べています。
御本は 大切に 石井家のお宝にさせていただきます。
本当に 心よりお礼申し上げます。 岐阜各務原市 石井真知子
* 湖の本創刊のずっと以前からの久しい有難い「いい読者」で、湖の本は欠かさず三册ずつ買い上げて頂いてきた。感謝しきれない。酒だけでなく甘みのいつも恋しいわたしは、いいハチミツをいつも頼みにしている。有り難う存じます。
上越市の光明寺さんから、りっぱな筍を二本、頂戴した。筍は子供の頃から大好き、ことに出汁のきいた筍飯、大好き。嬉しく頂戴します。
* 地元病院での妻の循環系検査一泊入院。検査結果は幸いに良好とのこと。クスリと思って二人とも毎日少量の赤ワインをほぼ欠かさず飲んでいるのが幾らか奏功しているかなどと思っている。明朝退院。一日の休息と思ってのんびり過ごして欲しい。わたしも。
そうはいいながら検査前も検査中も、「雲居寺跡」原稿にルビ打ち。これが、いちばんしにくい仕事。相撲でも観て休もうか。市内の堀上さんへ本を届け方々話しに行こうかと思うのだが、イヤに風が吹いている。酒など飲むことになると帰りが危ない。
2014 5・12 151
* 市内の堀上謙さんの在宅を確かめてから「選集①」を届けに自転車で走った。壱岐対馬のいい焼酎がある、いらっしゃいと言われたが飲むと危ない、ではお茶をと訪ねていったが、やはりお茶では済まず、わたしの方から奥さんにその「壱岐対馬」の「ジンク」とか「ジンタ」とかいう焼酎をねだって、二、三杯いただきながら歓談、無事に帰ってきた。おみやげに韓国製のジンロ酒などもらってきた。ま、わたしがそんな風に訪ねて行けるのは堀上家だけ。
* 帰ったら竹西寛子さんから上等な胡麻豆腐をたくさん戴いていた。恐れ入ります。
* 昨日から食事らしい食事が出来てなかったが、今夕は、上越市の光明寺さんから戴いた、妻曰く「すてきに柔らかい」筍飯が食べられるようだ、炊けている佳い匂いが狭苦しい家中にしている。狭いながらも我が家である。「辺幅をかざらず」が佳い。
* 黒いマゴと二人の留守番は、やはり不慣れ疲れを溜めていたようだ。よろしくない。
明日の聖路加眼科、甲斐あることを望む。降られたくないが。
2014 5・13 151
* 眼科診療の流れを読んで、検査を診療予約より二時間はやく受けた。散瞳されるとそれだけで五十分ほども待たされる。幸い「湖の本120」の校正を持ち出していて、どんなに待たされてもそっちに打ち込める。
検査技師は視力が戻っていると云い、処方通りに眼鏡も出来ていると云う、が、現実その眼鏡をかけてもちっともクリアでない。見えないときは眼を近づけて見てください、疲れるとみえないだろうと思いますなどと、眼鏡屋とおなじ事を検査技師も医師も言う。フルメトロンという点眼薬が出ているが、検査技師も、保谷の地元眼科医もやめた方がよいと。しかし主治医はたっぷり処方してくれる。なんともはや難しいことである。三時からの診察予約だったが、三時には支払いも済み解放されてきた。
明日も出かけることゆえ、池袋まで帰り、西武地下の「寿司政」で暫くぶりにたっぷり食べて帰った。処方薬局に立ち寄ったので、その脚で歩いて帰ったのが疲れた。
筍と若布、それに筍飯もすこしだけ、美味しく食べた。
2014 5・14 151
☆ 秦恒平様
この度は 大変貴重な「選集」をお贈りいただき、ありがとうございました。
『みごもりの湖』は 私共華族にとって文学の原点ともいえるものです。
これを機に今一度 じっくり拝読させていただきます。
気持ちばかりの品ですが お送り致します。しょくせいかつのお供に加えていただけますでしょうか?
このところ気候も目まぐるしく変化しているようです。
奥様とお二人 どうぞ どうぞご自愛下さいますように。 新潟 藤田千鶴 奈良 藤田理史
* ご両親は、はやくはやくから一貫して私の文学に声援を送り続けてくださり、ご夫妻ばかりか、じつに小学生、中学生いらい理史クンはわたしのもっとも年少かつ適確な「いい読者」としてたくさんの手紙を送って来つづけてくれ、九大へ入り、卒業して就職し、奈良県で久しい恋人との結婚生活に入った。希有かつ大事な貴重な読者であり友である。故郷へ帰ったら、ご両親のお手元でわたしの心こめた新刊を手にして祝ってください。
お母さんから頂戴した有名な加島屋のご馳走で、もう早速岐阜の「三千歳」一升瓶を傾けています。
2014 5・14 151
* 笠間書院編集長橋本孝さんから、激励をかねてミツバチの「巣」を頂戴した。びっくり! こんな珍しい頂き物は初めてで、何一つあまさず食べるようにと。感謝。
2014 5・15 151
* せっかく新宿へ出てきたのだから、と、上京した新婚の昔懐かしさの残る伊勢丹に入って、七階の「南国酒家」で、幸いに佳いメニュの中華料理をこの頃としては上出来の美味しさで食べてきた。甕出しの紹興酒も美味かった。芝居のアトに妻と食事して観てきた芝居を話し合うのはもう久しい久しい習い。
2014 5・15 151
* 余儀なく、夕方、もう一度歯医者に出向く。
* 歯医者で新体験した口腔内環境はウーンと唸るようなモノであった。堪えて保つしかないのであろう。帰途、食べる気にも飲む気にもなれず、保谷駅で苺とチリの木の実とを、それにささやかなクッキー二種とプチパンとを買って、タクシーで帰った。
2014 5・19 151
* 原知佐子 生国土佐の小夏ちゃんをどさっと送ってきてくれた。ありがとう。土佐には文旦のような大きいのも小夏ちゃんのような愛らしい柑橘類もある。美味しい。
2014 5・22 151
* さて晩飯か。何を食えばいいのやら。出前の鮨を取るか。寿司屋、三度電話したが、「ただいま電話に出られません」と。めんどくさくて断念。酒を飲み缶ビールをのみ、余っているミルクを温めて飲んだ。パンには手が出ず。お腹、変調。
* 青田吉正さんから「お祝い」の名酒頂戴。
持田晴美さんから同じくりっぱな「お花」を戴いた。とりあえず、深い大きな函から出し、玄関に置いて写真を撮っておいた。
2014 5・25 151
* 病院へ出向く気だったが、テレビの前で坐ったまま寝入っていた。「寿司」屋へは電話が通じない。これも何かあったかと逆に心配。詩人の山中以都子さんに頂いた名酒「三千盛」二升を飲み干した。ご馳走様でした。お酒と、あまいものと、塩辛や生味噌で食生活している。ぼーッとしているので、寝るが何よりか。黒いマゴもまぢかで安眠している。
* 目が覚めたら五時前。病院へはムリしないと決めた。何か主食らしきを食べねばいけないが、さがしてみよう。まだ眠い。相変わらず黒いマゴはうしろで安眠してくれている。気が休まる。ひねものの三輪素麺をみつけた。とにかく熱湯に入れて、茹であがったのへ出汁をかけて食べた。腹だけが張った。
2014 5・26 151
* 目は霞み、眠くも。テレビはつまらなく、本が読めない。近江の美酒を戴いて酔って、黒いマゴと寝よう。
2014 5・26 151
* 神戸の岡田昌也さん、海胆を下さる。
* 埼玉病院で妻の手術をして下さった先生の最終の予後判定を受けに行き、お礼を申し上げてきた。大丈夫、「卒業」ですと。
成増駅から池袋へ戻り、久しぶり東武の懐かしい「美濃吉」で、妻の奢り、京料理と名酒「桃の雫」を堪能してきた。美味かった。
東武の中で、夏向きに妻のいい漢字のアンサンブルを見つけて買ってきた。電車では「湖の本120」の再校を読んでいた。
暑くなってくると、そうそう出歩けない。わたしは熱中症で痛い目に遭っている。
2014 6・3 152
* 帰り時間がきわどく下院の五時半になっていたので雨中バスを途中下車して、久しぶりフレンチの「リオン」へ駆け込んだ。コース料理、少し濃厚にすぎたけれど佳いワインを出してくれるので陶然とした。シェフとも談笑でき、この店は夫婦のお気に入り。独りで入ることは珍しいほど。
雨ははげしく、保谷駅前の本降りの下で永くタクシーを待ったが、ワインのおかげで冷えもしなかった。
2014 6・6 152
* 帰路、「中華家族」でいつものマオタイをもらい、冷やし中華蕎麦を半皿だけ食べてきた。食べ物、ちっとも欲しくない、これは宜しくないと思うが、どうも空腹時を工合良しと感じやすくなっている。マオタイを愛飲しながら、「湖の本」の校正をせっせと。午後、出かけたかったのだが、機先を制されて諦め、帰宅。なんとなく疲れていて、食欲がない。酒がどんなのも美味いが、家で飲むとたちまち寝入ってしまう。目のためには良いのかもしれないが。
2014 6・10 152
* ま、帰りは雨にも遭わず、保谷駅から寿司の「和可菜」へ寄ってきた。この店へ来ると妻もわたしも半分家に帰ってきた気がする。
2014 6・12 152
* 成増の埼玉病院へ入院保険の証明書を受けに行っていた妻が、有楽町線でまっすぐ新富町、そして聖路加へ来たのと合流し、築地の「更科蕎麦」で、菊正と梅酒とでおそい昼食をとり、、新富町から一路帰ってきた。猛烈なカンカン照り。真夏も真夏の眩しさだった。
これで来週いっぱい、仕事が出来る。いささか英気も養えるか。その次の月曜、火曜と医院・病院通い、二十五日からはいつもの発送になる。
2014 6・13 152
* ギンギラギンの日照りに出かける勇気無く。ウイスキー富士山麓など買ってきて、気を静める。眼の不調を和らげるため、かなり長時間、熟睡。もう九時前。この夏はよほど注意して熱中症にやられないように。
2014 6・15 152
* 「珠」さんから、「お父さん」への選集創刊お祝いとして、十二種の清酒一合瓶に枡と肴を添えたのを頂戴した。「お爺さん」でもいいものを「お父さん」とは恐れ入ります、ありがとう。
大患後、ひとしお各種のお酒が口に馴染み、他の食味に優っている。飲酒に溺れてはいけないと確かと思っているが、今日の昼も冷や奴と枡酒で、いと快適。
2014 6・16 152
☆ テレビニュースも
新聞記事も不愉快になるばかりですが、秦さんの「私語の刻」に日々元気づけられています。
いま岡山で旬を迎えているマスカットとニューピオーネ一房ずつを、一週間以内にお届けします。
平安をお祈りしています。 吉備の人
* ありがとう存じます。日々お大切にお過ごしください。いただいたワイン、美味しく戴きました。
2014 6・16 152
* 村上開新堂さんから、みごとにぎっしり詰められた美味しいクッキーを頂戴した。食が進まないときに、有難い。いま、絹ごしの豆腐にいい削り鰹をかけての冷や奴が、最良に近い主食になっている。卵納豆、赤ワインを薬として毎日欠かさない。
銀座のごく新橋寄りにおでんの店があると百味會の広告誌でみつけた。むかしの「やす幸」のようだといいが。夏場は、むしろ晩景に外出したい。
2014 6・17 152
* とうどう、たぶん三年ぶりか、浅草ひさご通りの「米久」ですきやきを贅沢に食ってきた。土曜日のせいか、かつて経験したことのない満員の客で、入ったことのない小座敷に通された。此処の「トク」の肉はしっかり食べられる。もっともいまの味覚では、味の濃さで食べているのではあるが。味のうすいものは、何を食べたかと忘れてしまう。
そういえば、昨夜から今朝へ、笠間書院の橋本編集長に戴いた、珍しい「ミツバチの巣」を美味しく食べていた。濃厚芳醇な甘み。血糖値がすこし心配になるほどだが、すこぶる美味かった。
今日はよく歩いた。雷門から上野駅までは「ぐるりん」とかいう小さなバスで、見知らぬ下町のいろんな大通りや小通りを走ったのがなかなか楽しかった。公園口で下り、もう一歩きと、鶯谷駅まで山を抜けていった。
ついでにと、池袋から豊島園行きに乗り、保谷(ほたに)君新出しのパブへ寄ってみた。どうっと予約の一群で溢れ、退散してきた。豊島園は近いけれど、保谷からの往きも帰りも練馬駅での乗り換えが逆向きになり邪魔くさい。
とにかく比較的よく歩き、電車などでの校正も捗らせた。雨に降られなくてよかった。
* 食べて体力をというのは、なにか気が進まない。今の体重がほぼ理想なのである。歩くのが無難な健康法だろう。不愉快なニュースなどに癇癪を起こしているよりも。
2014 6・21 152
* 夕刻、雨に遭わず歯医者へ。妻も。
五時半すこし前、「リオン」に。土佐四万十からの美味しいトマト小玉のサラダがとびきり美味く、貝と玉蜀黍の冷製スフレもすっきりと口当たりよろし。赤ワイン二杯、メインディシュは北海道から届いたばかりの大きな鰈。エンガワまでこんがり丸焼き、わたしが良く食べた。美味そして量も十二分。デザート二種類が、もう多かった。エスプレッソにちかい美味い珈琲、たっぷり。シェフたちともすっかりの馴染み、もう優に四半世紀も来ている。
江古田駅前のナガノ眼鏡店で、時計二つに電池を入れてもらう。
わたしの眼鏡の久しい不調の一原因は、瞳孔間距離が57mmと男性としてはかなり狭いのに、処方箋が60mmと出していたからだと強調された。さきに新調の遠用は57mmで出来ており、もう一つの以前のは60mmで出来ていて、たしかに60mmのは見にくい。
とはいえ、つまりは過労で眼精疲労すれば、要するにどれもかもまるで役立たない。
いま困っている一つは、室内用に新調してあった眼鏡の一つをケースごと見失っていること、家中探しても出てこない。
2014 6・23 152
* 院を出たとたんに黒雲の空からばらばらと雨の音。タクシーに飛び乗って「出光美術館」と頼んだら中年過ぎた女運転手が知らないと云う。イヤになって松屋へ入り、ついている杖のやや長く感じられる(それだけわが身が縮んだわけで。)のを、買った店で適当に斬って縮めてもらった。
ついでに八階の「つな八」へ入り、おそい昼食に、黒松白鹿二合で贅沢に天麩羅を食べた。気分としては食べてみた。天麩羅の美味の戻りが一等遅いからで。ま、ま、という感じ、うまいの先に満腹してしまった。
銀座一丁目から有楽町線で一気に保谷へ帰った。雨にも遭わず。やはり心もち疲れているなあ。それでも、持って出た好きな作の「繪巻」初校、地下鉄の行き帰りにも病院ででも、かなり進んだ。
2014 6・24 152
* 天麩羅はまだいけなかった。なんとなく、気分がわるい。明日からの労働が気がかり。十時半だが、機械から離れる。
2014 6・24 152
* 終日、発送に余念なかった。よく働いた。今回は、準備不足で、もう数日掛けねばならないかも。
十時。疲れを溜めないように、作業切り上げた。小一時間でも仕事して、やすもうと思っている。晩、シャブシャブ用の牛肉で実に久しぶりにカレーをつくってもらったのが口にあって良かった。冷えた西瓜も。赤ワインを、薬とおもってぽっちり。ビール一缶。清酒を180
ml。発送の仕事は、終始、妻との共同作業だが、まだ利き手の左手に、ことに手先に痛みを残しているので、そのぶん、わたしが奮励。本は重いです。
2014 6・25 152
* 岡山の有元毅さんに、山口の名酒「獺祭」を頂戴した。とびきり美味い日本酒のひとつである。いま日本酒は、技術的にも質的にも歴史的に最も洗練されていると教わったことがあるが、さもあらんと実感している。しかも造られる土地土地のよさがかなり顕著にうかがえるのが嬉しく、だからこそ多彩な銘柄にその意味と美味とが生まれている。
むかしは贔屓のお酒を一つに決めている知名の人も多かったが、わたしは、そうはしないで、無心に酒はうまいなあと喜ぶ。
* 大学の同窓、妻の親友から、こころづくしの香をたっぷり頂戴した。心地安らいで、香をしみじみきくのは嬉しい。
2014 6・27 152
* 「獺祭」に嬉しく酔って、ほっこりしているまに、九時に。さ、今度はまた選集②の初校了と選集③の入稿を進めながら、小説を書き進める。ツイッターもフェイスブックもまったく放棄している。「mixi」も、もう戻すに戻せない過去の闇に沈没したまま。すべて、わたしには、まったく無用の時間つぶしでしかない。
夕食後、入浴後にも残り作業があり、疲労。ぐっすり寝たい。
2014 6・28 152
* いちばん病後の苦しかった頃に、俳優座の公演が亀戸であった。そのあと、アテズッポウに車で向かった亀戸天満宮の、歌舞伎の書き割りによく似た境内に車で入って、たまたま出会った料亭で和食を食べ、店の人とも馴染みになった。
なにかというと、また行きたくなる。しかし足場はけっこう遠く、機会がない。思い立って最寄りの駅まで行っても旧の豪雨と雷に追い払われてきたり。
今日も、ごろごろとよく天候が崩れた。ま、長くはないと逃げ込んでは待つ、たいした苦ではない。場所さえあればわたしはいつも出来る仕事を持ち歩いている。
それでも、夕過ぎて保谷へついてタクシーに並んだが、雷鳴と降雨。ま、いいやと頭にはチンケな帽子があり、それ一つで凌いで肩から下は好きに雨に打たせながら寒くもなく少ないタクシーのくるのを待ちとおした。どうということはなかった。
* このところ、白粥の炊きたてを冷ましておいて主食にしている。いただき物の美味い梅干しがいつもあり、ばらばらの炊き飯よりうんと食べやすくくまた美味しい。そのうえに、美酒「獺祭」の美味いこと、放っておいたら一升をおおかた飲んでしまいそう。
2014 6・29 152
☆ 水無月祓え
俵屋吉富の水無月を買ってきました。
いまどきお好きな和菓子は、これかなぁと思いつつ。
みそぎ( 身削ぎ) の夏、今年ももう半年が過ぎたのですね。
世界も日本もわたくしも、心の大きく揺すぶられた半年でした。
今は祓うべき罪や汚れは想わず、六病息災を祈ります。
「述懐」のうたも、七月に変わりましたね。今日の退けは明るいうちだったので、寄り道して、立葵の写真を撮りました。
けふもまたこころの鉦をうち鳴らしうち鳴らしつつあくがれて行く
あくがれていくのは、魂でしょうか。
お元気ですか、秦さん。 眸
* 京都ではかならず懐かしい夏菓子を「みなづき」と謂うていた。わたしは今はひとかどの酒飲みになり、「生涯在酒」の印まで用いているが、甘い物も大好きで、ことに上等の和菓子は堪えられない。京、金沢の菓子は極みなく良い。東京では聖路加病院の近くに塩瀬の総本店があり、和菓子は観にゆくだけでも美しく懐かしく美味しそう。まして「俵屋吉富」と聴くと、直ぐにも京都へ行きたくなる。 みそぎぞ夏のしるし と百人一首にある。茶の湯では春秋でなく夏冬というけじめがだいじで、柄杓など、「夏のしるし」に竹すその身が削いである。
引かれているうたは牧水のように覚えている。わたしの「鐘」の述懐への反響か。
2014 6・30 152
* 獺祭に嬉しく酩酊しています。肴は梅びしお。梅が好きです。もう、やすみます。
2014 6・30 152
* 吉備の人お志のピオーネ・マスカットの一函が届いた。なんという美しい果物だろう。両親や父母の位牌の前にまず置いて、岡山の人にじっと頭をさげた。さきに戴いていた「獺祭39」の美味しかったことを残り惜しいまで感じながら、夏の風味をまずは眼で愛でた。
* 高麗屋のご夫妻からも、日本橋で選り抜きのめずらかな冷凍スープを頂戴した。
2014 7・3 153
* 両掌にどっしり重い黒いピオーネのみごとな照り輝きに眼をみはりながら、朝食のいちばんに五つ粒もいちどに戴いた。美味い。
食のすすまないわたしに、何を食べさせればいいかと妻はいささか途方に暮れている。細いもの、小さな粒々のもの(飯も)、くっつくもの、味の淡いもの、鶏の匂いなど、苦手。ひとつには治療された歯との相性が問題、それでたいがい食べたくない。酒とフレッシュな果物とが、つい過ぎてしまうほどに、美味い。甘い和菓子や飴なども、辛い塩辛や明太子、海苔なども幸い口に合う。ばらつく飯より炊いて冷えてきた粥の方がはるかに食べ良い。三度の食事よりも、つい、小刻みに我が儘な間食を口にしている。よろしくないと懼れながら。
鳩尾のところで食道と十二指腸とが直に繋がれ、胃袋はぜんぶ無い。その鳩尾辺でからだがくの字に折れるような気分があり、背筋が伸びにくい。前屈みになっている自分にいつも気づくのだが。
暑さより、むしろ冷えのほうを鋭敏に感じる。たしかに手術以降の三年ちかく、熱夏とは思い辟易しながらも汗みづくにならなかった。この数日など寒いとすら感じている。いまも機械の前でむき出し膝下、ふくらはぎなど、痛いほど冷えている、冷房していないのに。
2014 7・5 153
* 久保田千壽を買ってきた。その勢いで、仕事部屋、ソファの半分を占領していた山積みの何やら不明のものどもを整理し、辛うじて三分の一までに押しのけた。おかげで、在所不明を案じていた初出プリントの山が現れ出た。随筆選の継続に道が広がった。
それにしても、ものはむやみに捨てられない。癇癪を起こしてエイなどとやっつけると取り返しの付かない微妙な心覚えのメモや資料が無くなってしまう。そんなもの、いつ役に立つかと云えばそれまでだが、そんなふとしたメモに自分の命の匂いがのこっている。生きているとは、それらとも共に生きていたのだ。いまも、だ。「櫻の時代」の後ろの私語を結んで、書いて置いた。
☆ 小説の創作は容易ではない。「正しい手がかりを拾いあげる前に、無数の些末な材料を集めることの大切さ だがこの拾いあげが、いかにむずかしいことか--真の主題を露わにすることが。 余計な事実が多すぎるのだ。」 グレアム・グリーンが言う通りの苦労をいまもわたしは実感している。堪えねばならぬ 2014.01.29
呻くしかない。そして、いつもいつも、さがしもの。ばかげてるか? いいや。小説家の仕事は、それなのだ。
2014 7・5 153
* ひさびさ親切な編集者であった昔の友人と昼食する。食べるよりも会うのが楽しみ。もう何十年になるか、とうじまだ駆け出しのアーサー・ビナードに会ってやって呉れませんかと頼まれ、妻も一緒に、日比さん夫妻も一緒に、東武の「美濃吉」でにぎやかに食事した。あれ以来かも知れない。台風が来ているようだが、東京へはまだ遠い。
明日午後には聖路加内科での診察がある。台風は近づいているだろうが。
* 鶯谷駅で日比幸一さんと出会い、タクシーで柳通りの「香味屋」に入った。わたしとしては、よく食べた。呑めない日比さんを前にして、赤ワインもたっぷり二杯、妻も一杯。この店を好きな理由は、こぢんまりと静かなこと、ビュッフェや藤田嗣治らの佳い繪を惜しげなく美しく掛けていること、そして美味いワインを大きなグラスにたっぷり注いでくれること、二杯目はことに気前よく、加えて店員の行儀が佳いこと、さらに校正などの「仕事」にも好都合に或る程度外光が静かに満ちていること、で。有楽町の出店を閉じてこの本店に店が戻ってもう十数年、何度この店へ通っているだろう、柳の色の美しい柳通りにある。おまけに今日は入谷朝顔市の最終日で、お店のサービスで朝顔の鉢をお土産に呉れた。ありがとう。
ま、香味屋で問題はというと、往きは駅から車がつかえても、帰りはつい鶯谷駅まで歩いて戻る、その途中で、よく腰痛を起こしてへばってしまった。もうそこの駅へ戻って行く登り石段と陸橋の登り傾斜によくへこたれた。幸い今日は、日比さんとの時間が楽しくて、妻もよく頑張って、すたすた歩けた。途中に、細い、ちょっとした近道裏道もあるのだが、今日は柳の翠に心ひかれ、ずっと表通りを歩いて帰った。むかし早大の小林教授に教えられた鴬泉楼とかいった、これも懐かしいほどの中華料理店が無くなっていたのには驚いた。
日比さんには「選集①」をお土産に差し上げた。筑摩書房時代にはごくごく親切に仕事を手伝って戴いたが、わりと早めに退職された。
パナマ産の素晴らしくお洒落な瓶にたっぷりつめた紅茶と、なんだか貴重そうな化粧品とを妻は戴いた。亀有の方へ帰る日比さんとは日暮里駅で別れてきた。昼間の空いた電車で、「風の奏で」の校正もよくはかどった。
* 上越市の光明寺さんから、自然薯そばを何キロも頂戴した。この夏の主食に涼しやかに頂く。感謝。この前は境内の柔らかなとても大きな筍を二本頂いた。季節の香に満たされた。
2014 7・8 153
* 出かける直前に印刷所との電話打ち合わせが入り、予定より三十分遅れて家を出た。生理検査を終えて正午、診察と支払いを終えて二時前、まずは順調だった。
よたよたと築地を歩いて馴染みの「玉寿司」でいつもの「栄造(初代店主)握り」ら「八海山」二合。大とろや生き車海老の大きいのなど美味かった。しめ鯖と小鰭とを追加してご機嫌で、しかしよたよたと歌舞伎座脇へ歩き「茜屋珈琲」で一服。昼の部がはねたときで盛況、それでもカウンターでマスター千葉さんと歓談。
ついで歌舞伎座の地下売店で、先日買っ手忽ちに下げ緒が切れていつのまにか鈴が失せていたのを、買い替え。杖にも鞄にもリリ、リリと綺麗な鈴をつけている。すこしでも怪我を防げるかな、と。
きわどく雨に降られず帰宅。
2014 7・9 153
* 小松の八代啓子さん、金沢でもとびきりの名菓店から、観るから涼しい「くずきり」を沢山下さった。食の進まない季節、ありがとう存じます。
2014 7・9 153
* 注文して届いた萬歳楽醸造の「白山」純米大吟醸が美味い。夕飯としてはなにを食べたとも覚えないのに、酒は美味かったと謁に入り、食後機械の前で寝入っていた。
2014 7・11 153
☆ 前略 失礼します。
お好みに合わないかも存じませんが
お口汚しまでに 御笑納下さいませ。
これからの暑さに 御身御大切になさって下さいませ。 京白川 安藤節子
* 中学高校の同級生、京に創業、元禄二年「半兵衛麩」の、麩と湯葉の一包みを御見舞に下さる。感謝。
品に、「五観の偈(げ)」とある栞がついていた。禅の修行僧が食を受けるとき胸奥に想念の、反省と感謝を含んだ「偈文」だろう。
☆ 五観の偈 (括弧の中は私に略解した。)
一には功の多少を計り、彼の來処を量る。 (食が、いかに多くの人手と働きによっているか、ひいては自然の恵みを思う、と。)
二には己れが徳行の全欠を忖(はか)って供(く)に応ず。 (全欠とは努めて完成する意。意をよく省みつつ食を戴け、と。)
三には心(しん)を防ぎ、過貪等(とがとんとう)を離るるを宗とす。 (雑念に染まらず過や貪の愚痴のまま食してはならぬ、と。)
四には正に良薬を事とするは形枯(ぎょうこ)を療ぜんが為なり。 (食事こそは心身の良薬と感謝して受けよ、と。)
五には成道(じょうどう)の為の故に今此の食を受く。
2014 7・12 153
* 黒いマゴの輸液など済ませておいて、昼前から「選集②」の再校ゲラをもって出た。曇り空で昨日とは余程過ごしよく、幸い電車に座れる空きもあり、「清経入水」を克明に文字を追って読み進められた。今日は上野の街を主に。
遅い昼食をどこでどうと思案いたが、むかし、亡くなった玉井研一さんと楽しかったやはり天麩羅の「天庄」を試みて見たかった。今日は試みに、ま、成功したと思う、あぶら味がしつこくなく、種も清潔。店主のお薦めというのを頼んでお酒は二合。まだ出るのと思うほどたっぷりと最期のかき揚げまで、、ま、美味いと感じていた。よく食べました。
さすがに上野にはゲラをひろげながら休める店は多い。帰りは、ぜいたくかなあと思いつつエイと、タクシーで池袋まで。環状線はもう座れまいと思った。西武線ではらくに座れて。さらにゲラを読み進んだ。
家に着くなり、名古屋場所の初日結び、白鵬が三役へ還ってきた曲者の阿美錦と。ひやっとしたが、押し出した。
2014 7・13 153
* 食べる欲はなく、三階でわたしは少しの鯖寿司、妻はカツサンドイッチを買っておき、半分ずつ昼と夜との弁当場はそれぎりで済ませた。ただ、わたしは、昼には「大関」夜には「なま搾り」のカップ酒を美味しく。好きな塩瀬の小饅頭の小箱も買っておいた。
昼のはね出しのあと、例の「茜屋珈琲」カウンターで一服、満員の中でも店主と歓談もかわし、なんとなんと加山又三が描いたという珈琲カップで美味い思いを満喫、妻はいつもきまって特製のジュース。このお店、飲み物一律、千円渡して五円「ご縁」のおつりが出る。好きなお店である。
2014 7・14 153
* 雨もよい。それでも夕刻、歯医者へ行く。次回二十八日には、また歯一本を抜くと決まる。やれやれ。
帰路、「中華家族」でマオタイ二杯呑んできた。マオタイが美味い。
2014 7・18 153
* 日野の陸川さん、高石の東野さん、口当たり清しい夏のご馳走を下さる。夏柑糖の冷えて美味しいこと。
2014 7・27 153
* 奈良の理史君、加賀金澤から名酒「獅子の里」「奥能登の登雷」を贈ってきてくれました。ありがとう。奥さんと新潟へ帰ってきたのかな。
2014 7・27 153
* 来月「私語」を用意した「述懐」のなかに岩田正さんの「どんぶりを抱へてだれにも見られずに立蕎麦を食ふ時が好きなり」を貸してもらった。岩田さんは馬場あき子さんのご亭主でありよく存じ上げている。わたしにもかつてはこんな「好き」な「時」があったのに、今は麺類がとても食べにくい。残念な。いい歌かどうかの品評は控えておくが、心惹かれたのだからいい歌に違いない。わたしはもっぱら西武池袋線池袋駅地下改札内で、立ったまま蕎麦や饂飩を嘆賞していた。乗降客がいっぱい通るのである。だれか見てるかなあと思っていた。それも味のうちだった。
2014 7・29 153
* 四国の木村利孝さんから地元でこの季節に特別栽培されているという蜜柑、とても甘い美味しい蜜柑を沢山、また同じくジュースを沢山、頂戴した。じつは木村さんには大きな宿題をわたしの方で負うている。ご厚意には激励が含まれている。しっかと心得ています。気を引き締めて立ちむかっています。ありがとう存じます。
* 近江大津にお住まいの大学での恩師の奥様からも、暑中お見舞いのお達者なお手紙に添えて、贈り物を予告してきてくださった。 2014 7・30 153
* 午後、聖路加へ。三時の予約に一時に入って、昼食も抜いて校正また校正、幸い二時半に診察室へ呼び込まれて、あっさり済んだ。ともあれ百日分のお薬が処方され、次回には血液検査をしましょうと新保先生。帰り際、腫瘍内科の山内部長先生と出会った。明日にも渡米退職の名取先生に代わる若い先生をまたつけて下さいと頼んでおいた。こまごまと相談をもちかけるには若い先生の方が話しやすく、しかも主治医は部長先生となっている。まだ先は永いのだ。
* さて遅い昼食をと銀座へ出たが、空腹なのにまったく食欲が湧かない。目指すどの店の前まで行くと全然気乗りがしない。というより空腹の方がラクなのである。で、銀座一丁目の地下鉄の真上の店で、見るから涼しげに感じのいい服に、とんぼ玉などで映えるネクレスをつけた服をみつけ、妻の土産に買った。電車でもずうっと校正していた。
保谷ではギラギラ照りにタクシー無く、それならばと処方された薬を薬局で手に入れ、そのまま寿司の「和可菜」へ。この店にはいるとちょっと「帰ってきた」という安楽感がある。大将も奥さんもすこぶる親切。で、量は入らないが、うまい生牡蛎や蟹、とろ、しめ鯖などなどでお酒をいただき、ぶらぶらと家まで歩いて帰った。街で食べて満腹などしていたら疲れてへとへとになっていただろう。
* 金田先生の奥様より、北海道の鮭の切り身十二枚を送って戴いた。しっかり栄養をつけねば。根が大食だったのが胃袋無くなりとても量が入らなくなったのは、いっそ善いことだと思うようにしている。お酒だけは、何酒であれ、すこぶる美味しく入るのだから熱エネルギーは足りている。今朝は体重も67キロ台に下げていた。この辺で調整したい。
2014 7・31 153
* あす、修正された遠用の眼鏡と、サングラスを受け取りに行くか、行けるか、今はヨッポド、ぐたりとしている。一雨きそうな月曜に日延べしたい気分だが。今日も、ろくに食べていない。おいしい果物、ジュース、ゼリーなどいただき物に感謝し、炭水化物に手が出ない。飯も粥も麺類も重苦しい。
吉備の人から色も香もすばらしい「黄桃」を、今日頂戴した。掌に戴いて眺める内にも清い芳香に包まれる。
昨日は、真岡市の随筆家渡辺通枝さん方から、新宿高野のフルーツ各種の大籠を送って戴いた。みたこともない珍しい果物がいっぱいだった。
2014 8・2 154
* 「珠」さんからも、食のすすまないわたしを想って涼しげな美味しそうなご馳走が贈られてきた。ありがとう。
2014 8・5 154
* 遠い用普通の眼鏡と、同じくサングラスを受け取ってきた。このところのギラギラ照りにサングラス無しでは危険すら感じる。
最近用の修正眼鏡をもう一つ頼んできた。七日の十一時以降には出来ていると。
眼鏡の用を済ませたあと、「中華家族」へ寄り、灯りの良い席をもらって、マオタイと酢豚とで、『畜生塚』の校正を楽しんできた。此の作はわたしの私家版本第一册『畜生塚・此の世」の表題作として書かれた。昭和三十八年(一九六三)十二月に脱稿し、B5判8ポ二段組みの本は、勤務先で取引のあった(株)科学図書印刷につくってもらい、翌昭和三十九年(一九六四)十一月二十三日に出来ている。さらに五年、太宰治賞受賞後に徹底的に大幅に改稿し、「新潮」編集室の小島喜久江さんに認められて発表できた。処女作ではないが最も早い時機のわたしの作であり、桶谷秀昭さんらに作品を賞賛された。気持ちの上では次いで長編『齋王譜=慈子』が生まれた。「秦恒平選集」の第一巻に置いていい文壇的な処女作はこの『畜生塚』であった。わがヒロイン創作の真っ先の一人、原点に立つ女性が「町子」であった。
2014 8・5 154
* 自転車で近くへ切れた日本酒を買いに出かけた、その燃えさかる日照りの暑さ、生まれてはじめてという体験だった。こんな日照りの中を半時間も歩けばわたしは倒れてしまう。怖いほどだった。それでも日本酒が欲しかった。新潟の杜氏の里という初めての酒を買ってきた。
2014 8・5 154
* 起床9:00 血圧132-65(50) 血糖値90 体重68.8kg
☆ お酒は
利尿効果があるとききます。
隠れ脱水にならぬように、水分補給と休息を心がけて下さい。 読者
* 一日で一キロ体重増に驚いた。けれども酒は美味い。
2014 8・6 154
* 歯医者の帰り、しばらくぶりに「リオン」のフレンチを楽しんできた。ワインもうまく、前菜、南瓜のスープ、牛の肉料理も、マンゴーのシャーベットもとてもうまかった。駅前で、頼んでおいた乱視入りの最近用眼鏡も受け取ってきた。ついに眼鏡は眼鏡袋に七つになった。とっかえひっかえ、とにかくもその時その場に合う眼鏡をつかって何もかも乗りきって行く。それしかないなら、それでゆく。
2014 8・8 154
* 歯が痛む。ロキソニンを前夜からこの午後まで三度服した。紛らわせの酒が切れている。買いに行かねば。
風が物音を届けてくる。関西に大雨風。陸奥に強い地震。やれやれ。
それでも仕事は進んでいる。根をつめているのが歯にも堪えているのだろう。命と仕事とが競走しているなど愚の骨頂めくが、それでいいと思っている。それの出来るのを喜んでいる。
むかしから、わたしには逢いたい人がいつでもいて、それは生き甲斐のような物だと言いも書きもしてきたが。からだが動く働くということが出来なくなっては話にならない。仕事のできるあいだは体も動くだろう、と。ま、鰯の頭のように信仰しているわけだ。
* 小降りのうちに、ちと酒を買ってこようか。
* 「杜氏の里」の上等を一升買ってきた。寝てしまうほどは呑んではいけないと、また機械の前へ来て、一仕事、二仕事したところ、また階下へ。
2014 8・10 154
* 出来本受け入れの、とにかくも場所をあけた。20册の本包みを二包みは普通に持ち運んでいたが、今は一包みずつが限度。それだけ作業時間が何倍にも増えてしまう。暑さに、ふうふう。
「仕事」も、あれこれ、きっちり進める。食欲が無いのではないが、飯も麺類もパンも、また堅いものも食べにくい。酒、ワインはうまい。ビールはいまいち。アルコールが切れると、もっぱら果物や甘味の小菓子や飴などをばかり口にしている。腹が頼りなく、夏ばてか。脱水には気をつけているが、体力が落ちて行くのと、ときおりの低血糖気味に警戒している。
2014 8・13 154
* 今日は、とにもかくにも食べに出た、校正ゲラを二種類持って。そして食べ、そして読んだ。昼過ぎには西武で肴で八海山を、夕刻前には上野公園のフレンチ精養軒にはいり、つまみ、添え物はなにも口にしなかったが、フィレのステーキも、スープも、食前酒のシェリーも美味かった。わたしが独り占めのように店は静かで見晴らしよく、ひさびさにうっとりと佳い休養になった。元気になり、思い切って、手許で無くなっては困ると気がかりだったヒューレットパカードのプリンタインクを有楽町まで買いに行き、その足で日比谷のクラブに入り、ここでも独り占めの静かさで若いお嬢さんと愉快に話しながらヘネシーと竹鶴を、エスカルゴとブルーチーズとで愛飲。持って出た校正も、期待していた以上にここで静かに読み進んだ。さすがに食べて効いたか元気に歩いて保谷まで帰ったのが十時過ぎ。疲れていないのが、有り難い。いい休養になった。
2014 8・18 154
* さ、あすからに備えて、あまり気張らず、盃を少し傾け傾け心身をやすませておくか。
2014 8・19 154
* 鑑定団を見ながら酒杯に馴染んでいた。さ、もう今日はこれでいいだろう。本を読んで寝よう。明日は、神官を受け容れることと、眼科の検査・診察。涼しいことを望むのはありえない、せめて曇っていて欲しいが。慌てて帰るよりせっかくの街ゆえ、食欲を励まして帰りたい。
2014 8・19 154
* 九時過ぎ、無事に「秦恒平選集」第二巻『清経入水・雲居寺跡=初恋・風の奏で=寂光平家・繪巻』出来てきた。確認して置いて、炎暑に喘ぎながら聖路加病院眼科へ。よくなってますね、両方1.5ですね、どうしてでしょうね。左の白内障はすすんでますねえ。次回三ヶ月後には視野検査もしましょう。ブルーベリイなど、ま、気休めですけど、いいですよ」と。わたしの自覚からすると、ちょっとも良い視力でなく、どんなに眼鏡を使い分け使い分けしていても、疲れてくれば文字粒も潰れて読めず、視野は霞んでいる。わけが分からない。ま、諦め諦めやりくりして付き合ってゆくまで。
思い切り早くに出かけたので診察予約の二時半には、もう支払いも済ませ、近くの薬局で処方の点眼薬三種類を買ってきた。
有楽町「きく川」で鰻をと思ったが、有楽町までが億劫で、例の築地玉寿司で京の酒「古都」二合で特上の「栄蔵寿司あらため、極み」を食べて帰ってきた。電車でも、外来でも、また電車でも「選集③」の「隠沼(こもりぬ)」「隠水(こもりづ)の」の読み校正をずんずん進めていた。この二作も身に沁みて気に入っている。
2014 8・20 154
* 作業に入る。夜中少しめが醒め、拾遺和歌集の二撰をすすめたりヒルテイやマキリップやグリーンを読み、わたしの「隠水の」を校正読みしたり。すこし酒をのみ少しウイスキー「富士山麓」を含み、リーゼを一錠服して寝た。八時に目覚めた。、 2014 8・21 154
* 八時半にはねて、車で日比谷へ、そしてクラブへ入った。食事をし、妻は赤ワインを、わたしはヘネシーと竹鶴、そして二人ともアイスクリームで口を冷やした。のんびりと、丸ノ内線、西武線で帰ってきた。
2014 8・22 154
* 堀上さんからの「壱岐焼酎 ちんく」頂戴、久しぶりの焼酎、もう味わい戴いている。。
2014 8・24 154
* 輸液後、すぐ、烈しく労働した。朝食、すこしワインと「ちんぐ」を腹に入れた。二階へ上がったが機械の前でなくソファに落ち込み、昼前まで寝入っていた。からだが堅くなった。
2014 8・25 154
* ネバーエンデイングの歯医者へ。
帰り、中華家族で休息、妻は酢豚とクリーム煮の芝海老。わたしはマオタイと甕入り紹興酒。保谷駅でパンや果物買って帰る。
往来の電車や食事の店で、「誘惑」の初校をずんずん進めてきた。東横女子短大へ、一年だけ話しに(とても講義とはいえません)行ってたときの試みが按配よう生きてくれた。
2014 8・25 154
* 壱岐の「ちんぐ」もイタリアのワインもウイスキー「富士山麓」も飲み干した。缶の野菜ジュースが美味い、以前は全然見向かなかったのに。飯や固形の物が食べにくく、ことに細かく粉になったり粘ったりするもの、つまり歯に触るもの、素麺のように細いものなどがうまく口の奥へ通らない。むりをして呑み込むと苦しくなる。ひたすら飲み物を飲み、水とお茶を呑み、果物を食し、甘味が欲しいと白砂糖。これが美味い。ハハハ 血糖値は安定しているので油断もしている。
2014 8・26 154
* 竹西寛子さんより、山は富士、海苔は佐賀で知られた「佐賀海苔有明海一番」二缶を頂戴した。いつも変わらぬお心遣いに低頭する。ご健康を心よりお祈りする。
2014 8・30 154
* 名酒「八海山」最上乗の一升を頂戴した。嬉しくて。今夜は、陶淵明のように酔いたい。ありがとう存じます。
2014 8・30 154
* 朝から、眼の見えないのに困惑・憂鬱。視野がまぶしく濁っている。昼間からうまい山葵漬をさかなに、八海山を戴いている。
2014 8・31 154
* 帰りに、フレンチの「リオン」に寄り、ディナーで「選集②」の打ち上げを。前菜にシェフがとくべつにだしてくれたムール貝が、帝国ホテルのクラブでいつも食べるエスカルゴよりも美味くて、大喜びした。泡の盛り上がったキャベツの熱いスープも美味かった。メインには鰆の料理をもらい、冷たいデザートと珈琲。妻は、紅茶。お腹の張るのがつらいので、いつも頼んで量を按配して貰っている。とても肉と魚とを両方食べきれない。しかし赤ワインはたっぷりもらい、今晩はわたしから頼んで、美味いシェリーにも酔った。
めずらしく今日の外出には校正するゲラがなかった。雨には降られたが、都合良く帰りは駅からタクシーに乗れた。
2014 9・1 155
* 各務原の詩人、山中以都子さん。有元さんに頂戴していた「八海山」をちょうど飲み干したところへ、お心入れ最良の純米大吟醸「三千盛超特」と、燗ががことに美味い「三千盛本醸」の、一升瓶二本を下さった。美味いお酒で、感謝、感謝。元気が湧く。酒の秋が来つつある。
2014 9・2 155
* 岐阜各務原市の読者石井眞知子さんから、観るも美しい桃を、なんと十八顆も頂戴した。さっそく、二人して甘い美味い一つを分けて、戴いた。
2014 9・4 155
* 金澤の金田さんから、驚嘆の葡萄「ルビーロマン」一房戴く。大きな一粒一粒が底光りしている。
新潟の藤田さんご両親と理史君から、すばらしく上手そうな美しいほどの「どぶろく」二瓶を戴いた。山中さんの名酒「三千盛」に添えて、ともに秦の両親・叔母の位牌まえに先ず献じた。感謝します。
☆ 九月に入り
朝晩すずしくなってまいりました。
又又素晴らしい本が出来 贈っていただき恐縮しています。読みやすい字の大きさ、間違えやすい字にはルビがうってあり、自然と頭にはいってきます。だいじにします。
何かお礼でもと思い お隣りの市の美濃加茂市のJAの店に飛騨モモがあったので別便で送りました。小さくてすみません。
お体に留意され今後ともご活躍されますように。 岐阜各務原 石井眞知子 読者
* 桃の実 ちいさいどころか。甘く熟してすしも傷んでいない。食事ごとに妻と一つずつ満喫しています。十八も。よく傷めずに送ってこれるものだとビックリしている。
2014 9・5 155
* 山葵醤油の烏賊そうめんで、冷やした新潟のどぶろくを萩の豪快な酒杯で堪能、そらに三千盛を静かに傾けて、陶酔。善きグウ(感性・趣味)である。グウ。
2014 9・5 155
* うま酒に酔っている。陶然。暑いが、秋。
「咄咄 俗中の愚」
「吾が生 夢幻の間 何事ぞ 塵覊に紲(つな)がる。」
「一觴 独り進むと雖も 杯尽きて壺おのづから傾く。」 陶淵明
2014 9・5 155
* どぶろくの珍しさ三杯に「三千盛」二杯で、まことにまことに深く嬉しく酔える。
神戸の信太周さん、「稲庭うどん」をたくさん下さった。
2014 9・5 155
* ロスから帰国して京都へ行っていた池宮さんが東京へ戻ってきたので、急遽新橋のホテルへ妻と出向いた。お土産には「粉溜(ふんだめ)」「片輪車蒔絵」の大柄な平棗を上げてきた。螺鈿の蒔絵にすこし窶れのあるのが文字どおりの「時代物」で、金色の美しい出来で、どんな茶の湯の席にも大いばりで使ってもらえるだろう。
ホテルについたのが七時過ぎ。半をまわってから銀座へ出、十四年ぶりに八丁目のおでん「やす幸」へ。池宮さんの亡くなったご主人の大のひいきの店で、わたしも四丁目にあったころはよく来ていた。お店を引っ越したあと場所を確かめずに久しくご無沙汰していたのを一気に昔の儘に取り返した。おでんがたっぷり食べられたのも予想・希望の通り、しかも此処で呑む酒、しごく美味い。満足して、銀座大通りでまたの機会を約しハグして別れてきた。
銀座一丁目までゆっくり歩き、有楽町線で一気に帰ってきた。
2014 9・6 155
* 朝食には卵納豆と桃、それにクスリと思って小さい猪口いっぱいの赤ワイン。食前にインシュリン注射。食後に各種服薬。
黒いマゴの輸液から、ダスティン・ホフマン、キャサリン・モスそしてアン・バンクロフトの、主題歌美しい「卒業」を観た。
* 三島賞作家の久間十義さんから、日本橋屋の和菓子をたくさん頂戴し、さっそくに、久しぶりカリッと美味しい最中の美味を満喫。感謝します。
2014 9・7 155
* 新潟のどぶろく、二本目を今日一日で、飲み干してしまいそう。美味い。不思議なほど清酒「三千盛」と合わせ呑むのが酔心地すばらしい。薄揚げと小松菜を煮たのを晩の食事に。量は食べられない。しかし昨日の「やす幸」のおでんと酒は夢に見たほど美味かった。直ぐにもまた出掛けたい。
2014 9・7 155
* 池宮さん、ホテルから「OLD PAR12年」を、北海道のmaokatさんは結婚の「内祝」にと「余市15年」のウイスキーを下さった。恐れ入ります、感謝。
2014 9・9 155
* 歯医者へ。帰り、江古田の「中華家族」で、わたしはマオタイ、妻は梅酒。酢豚と肉韮炒めで夕食に。
帰ってからも十時まで発送作業。明日、終日頑張る。明後日から、来週いっぱい、病院がよいなどの連続になる。
2014 9・9 155
* 歌舞伎座から七丁目の「やす幸」へ歩いて、おでんで酒二合を楽しみ味わい、銀座一丁目から帰宅。幸い雨に降られなかった。黒いマゴに一日留守をさせた。
* 岡田昌也さんからとても洒落た感じの美味しそうなチョコレートとお手紙をいただいていた。ほかにもお手紙があったが、全て明日の記事として。
2014 9・11 155
* 妻の従弟の濱敏夫さんから葉山名物、日影茶屋のカステラ「らんとう」を戴いた。仙台の遠藤恵子さんに戴いた三段の蒲鉾料理もまた美味しく珍しいモノだった。おかげで、いろんな土地の名産名物を楽しませて戴いている。楽しくも心嬉しいこと。
2014 9・15 155
* 気が向くと京都から戴いた飴を舐めている。
2014 9・15 155
* 海外へ、また多部数読者への小包本を郵便局へ届けた。さ、築地へと思う目の前へ、世田谷の「珠」さんから、東尋坊で出逢ったという美味そうな粕漬けの肴と純米大吟醸とを戴いた。楽しみ。
そして妻は歯医者へ、わたしは聖路加へ。
2014 9・16 155
* 日照りでも、焦げ付くあつさではもう無かった。
二階生理検査室のまえで順番を待つうち、衝き上げるものを感じた。続いて聖路加病院の建物が唸るように横揺れ。
幸い被害はなく、震度は五弱。
検査を早い時間に済ませて内分泌・代謝の診察室へ早く乗り込み、二時半からの診察を一時半には済ませてもらえた。諸検査、のープロブレム。薬局で処方薬受け取りにゆっくり腰を据えて、「畜生塚」を読み上げ、帰路に「隠沼(こもりぬ)」も大半読み進めた。再校ゲラがよめさえすれば家にいても外にいても、おなじこと、つまり仕事は捗る。築地の宮川本廛で久しぶりに鰻をと思ったが時間外。せっかく小手指へ直通が来たのに鰻へ気が走って有楽町で途中下車。ところがめざす「きく川」が休業中。しかたなく有楽町線ホームへおりると目の前へ「保谷」直通では致し方なく、空腹の儘ゲラを読み読み帰ってきた。幸い永く待たずにタクシーに乗れた。
歯医者の診察台にいた妻も医師たちもほとんど地震に驚いていなかった。
2014 9・16 155
* 六本木をうろつかずに、練馬までもどって昔から馴染んだ店でロースとヒレのカツを、妻もわたしもビールで。美味しく満腹した。
保谷からもすんなり車に乗れた。ま、それでも、しっかり食べると必然疲れる。やれやれ。
2014 9・19 155
* だいたいが、料理を食していても、和にせよ洋にせよ食べようとする所へ人が現れ、これは何、これは何をどうしてと、食材の名や料理法を教えてくれようとするのが好きでない。覚えられるわけなく、べつに覚えたくもない。食って美味いかどうかだけの関心しかない。
で、何が言いたかったのか……忘れてしまった。こういうことが多くなった。気にしていない。としを取っただけのことと。
2014 9・23 155
* スコットランドへ旅してきた妻の親友持田晴美さんが、お土産に、珍しい、というより名前にとんと疎いわたしの知らないスコッチの細長い一瓶を、妻へのお土産とも一緒に、玄関外へそっと置いていってくれた。声を掛けても煩わせると気を遣ってくれたのでしょう、有り難う。「THE GLENLIVET」「NADURRA」とあり、沢山の横文字が書いてある。
先日は他の人から「OLD PARR」を戴いている。ふたつとも秦の親たちの位牌棚にのせてある。秦の父は梅干もダメな下戸だった。叔母は茶事での献杯ほどは受けられた。母は、性根は、憧れていたほど、量は別としてお酒好きだった。果物も好きだった。父と叔母の兄妹は甘いものが好きだった。戴き物があると、わたしはそっと廊下の奥の位牌棚へ置いている。
自作を読み返していると、まるで育ての秦の親たちへの反発や厭悪をさながら起爆剤かのように利用しながら「真の身内」はと追い求め続けていたことが身に痛く痛く思い当たれる。不孝の限りを尽くしたのだ、堪忍してください。
実の父母のことは、なんにも分からない。
自死した実兄恒彦はどうだったのだろう、今となればなにもかも霧の中だ。恒彦には二人の男子と一人の女子が成人しているが、結婚したのか、子がいるのかも、知らされていない。黒川創へわたしの仕事は漏れなく送っているが、彼からは葉書一枚の便りも絶えている。むかしのわたしに似ている。
生母から生まれた姉一人と兄三人はもうとうに亡くなった。晩年の姉とは懐かしい文通が繁くあった。長兄と末兄とは一度ずつ会い、心通っていた。よくして貰った。
実父から生まれた二人の妹は川崎で、達者に暮らしているだろう、か。
2014 9・23 155
* 雨もよいの夕刻、歯医者へ。幸いひどくは降られず。帰りね「VIVO」に寄り、スタンドでウオトカとバーボン。妻は赤いワイン。
2014 9・24 155
* 夕刻、歯医者へ出向く。 二人で治療に二時間かかる。わたしはいくら待たされても本がある限り平気。今日は佐伯真一さんの「建礼門院の悲劇」を持っていて、たくさん読めてよかった。
妻の抜歯は、出血に大事を取って、医科歯科大に依頼。
帰路中華家族で晩飯にする。わたしは例の、マオタイ。食は、酢豚ととりの唐揚げ。
2014 10・3 156
* 昨日は大阪の東野美智子さんから豪勢に重い「とらや」の菓子が届いた。このたび藍綬褒章をうけるという、永年「人権」のために働いてきたとか。この人は、もともと祇園の茶屋に生まれて聞こえた藝達者、弥栄中学茶道部の頃は、先輩で大学生だったわたしから茶の湯を習っていた。卒業すればあたりまえのように祇園の妓として生きる前途であったが、外へ出て成人したい、祇園を離れたいと熱心な相談を受けた。どんな力に成れたとも覚束ないが心から激励し、結果、敢然と遊廓のくらしから離れて、大阪で高校、大学を終え、結婚もし、教師になり、かたわら短歌や繪手紙などの趣味と、人のため社会的役割の人生を歩んできた。藍綬褒章がどんなものかにわたしは疎いけれど、彼女の努力と邁進とが報われたのであろう、おめでとう。
* 今朝は、四国の読者岡部洋子さんから、またやはり弥栄中学のころの同級生内田豊子さんから、それぞれ要冷蔵のご馳走を頂戴した。恐れ入ります。
2014 10・10 156
* 出掛けたかったが、出来なかった。目前の機械仕事に終日打ちこんでいた。もう目はほとんど見えない。へとほとに疲れている。しかし、厄介な手間の掛かる仕事を仕遂げたと思う。
妻も懸命に、十篇の対談・鼎談・座談会のコピーブリントをスキャンしてくれた。この校正の難しさ、原本プリントが年経て劣化しており想像を絶する。ま、根気よく根気よく根気よくやる。それだけのこと。
失せモノの捜索も手を抜けない。手書き原稿の電子データ化、これはもう自分でやるしかない、馴染んでいる妻にも読みづらい手書きだから。
酒が和洋とも切れ、ビールも切れ、クスリ代わりの赤ワインを呑んでいる。
マリリン・モンローの笑える映画で休息、ただし二メートル余の距離でモンローの顔がグジャグジャで見えない。
* 明日はまだ颱風が来ないとか。出掛けられるかな、早い内に。 2014 10・11 156
* 昼すぎから初校ゲラをもって出掛け、「蝶の皿」を仕上げ「廬山」へ。レバンテで牡蛎でビールを呑み、家には岡山の有元さんからお酒を頂いているのが楽しみで食事もせず、帰宅。「酒一筋」二升頂戴、歓声と共に頂く。なんだかお酒、しばらくぶりで美味いこと。
2014 10・12 156
* 幸い颱風はまだ此処までは来ず、無難な外出であった。
* 夕食を外でせず帰宅したのには、嬉しいワケがあった。このところ切れていた日本酒が今日にも岡山の有元さんから頂戴できるとお知らせをもらっていたのだ、ちゃんと「酒一筋」が二升届いていた。行儀悪く、あつかましく、恥ずかしいが歓声をあげて、晩食前にぐいぐい戴いた。美味い。ありがとう存じます。
さきごろ故郷新潟の美味い「どぶろく」を送ってくれた奈良住まいの理史くんから、湖の本の払い込みが来ていた。重ね重ねありがとう。
2014 10・12 156
* 雨の音が高くなって。
家にいて雨を聴くのは<何度も書いているが、昔から好き、家屋に被害が来ない限り。
本郷に「聴雨庵」というすき焼き専門の和風の大きな料亭があり、歳末など、編集委員の医学部教授らを招いて何度も忘年会をした。接待用の佳い店を探すのも仕事の内だった。
その頃のわたしはほとんど呑まなかった。すすんで呑むようになったのは務めをやめてから、むしろ老境近くなってからで。出版社は著者接待時代だったから、各社がいろんな店へ連れ出した。最後のバアまで辿り着いても、わたしは平然としていて、相手をしてくれる編集者が大概潰れていた。「いくらのましても酔ってくれない、ソンしたみたい」と何度もぼやかれた。
しかし、もうそうは行かぬ、が、昨日も、帰ると、岡山の秋の名酒に歓声をあげ、ご機嫌でしっかり楽しんだ。感謝。
2014 10・13 156
* 今日、聖路加での諸検査異常なく、早く終えた。検査データの出るのに一時間はかかる。それからまだ待って待って診察になる。その待ち時間を利して、「選集④」の「廬山」「青井戸」を初校し終え、さらに「閨秀」へも読み進めた。機械に向かうよりはゲラを読む方が眼は、ラクです。
それでもいつもより早めに診察を終えた。処方薬も築地の薬局で手に入れ、たいした雨でもなかったので、銀座西五番街での当代楽吉左衛門子息の石材による造形展を見てきた。新婚の夫人とも初対面。いろいろと創作上のことなど教わってきた。
近くの三笠会館で遅い昼食。食べ物は極度に少なくし、美味い紹興酒を二合。これは、しかし、効き過ぎた。銀座から池袋へ地下鉄に乗ったが、はっと目が覚めると「銀座駅」、ただし方角が逆様の新宿中野行き。いささか胸をしめつける感じが苦しかった。
幸い、地下鉄でも西武でも、いつでも、席を譲ってくださる方が十度に八度はあり有り難い。しかし、よほどひ弱に見えるのだろう、宜しくないことだ。幸いに小雨ながらタクシーが早く来てくれて無事帰宅した。
2014 10・15 156
* 国立劇場へ。幸四郎・染五郎父子のまさしく競演、「双蝶々曲輪日記」見応えの「引窓」まで親切の通しで分かりよく、感動も深かった。幸四郎の大きなうまさ、染五郎の各役懸命の打ち込み、東蔵のリアリテイの歌舞伎芝居、可憐な芝雀の誠実な女房お早。「引窓」へすべてを収斂して行く演劇作法。しかもさすが大高麗屋の濡髪長五郎の力感とあわれ、若高麗屋の南方十次兵衛の若やかに誠実な情味。けっこうでした。
* 夕方にはね、麹町の方へ中道をそぞろ歩いて「天重」という店へ舞い込み、久々に天麩羅定食を美味く食べた。酒もうまく、鱧と穴子と塩辛とを追加。妻ものんびりしていた。佳い店を見つけると、きっとまた来ようと思う。むかしは洋食の「DAIKAN」や佳い鰻ややイタリアンへ入っていた。たいていは文藝春秋の寺田さんや明野さんにご馳走になっていた。手術の後、国立劇場の帰りにシナ料理の「登龍」を見つけて、何度も通った。量は食べられないが食味はすこしずつ戻って来たろうか。
2014 10・16 156
* 岡山から戴いた「秋あがり 純米」の「酒一筋」があんまり美味くて、早くも一升を呑み尽くした。「酒は静かにのむべかりける」と。季節だなあ。
2014 10・17 156
☆ 名匠会 覗いてきました。
いづうの鯖でも、鯖は苦手なんです。で、名匠会では鯖寿司でなく、丹後とり松のばらずしを買おうかと見てみたら、此方にも鯖が…。
お昼に、東口の公園側で、パテやら仔牛のクリーム煮やらフランス料理をたっぷり食べてしまったので、あまり食欲が湧かず、京都弁の飛び交い、香の薫る会場で、京人形やら嵩山堂の文具等見てきました。
明日の朝は、井六園の抹茶を使ったパンを頂きます。
食欲、回復なさるといいですね。 蕪
* 「鯖の道」を通って京都へはいる鯖は、美味しかった。若い頃、鯖はイヤ、背の青い魚はシヤだったが、老境とみに背青の魚を鮓でも好んで食べるようになった。味の淡泊なモノはまた口に感触がのこりにくい。劇場ではよく鯖鮓を買う。
2014 10・19 156
* 神戸の岡田さんから手作りの綺麗な吊し柿を頂戴した。みごとな紅葉に「柿姫参上」と白く書き添えて二葉が美しい。感謝。「和歌大辞典」で押し葉にしよう。
京都の作家澤田ふじ子さんに、大阪「神宗」の名だたる塩昆布を戴く。感謝。
2014 10・25 156
* 各務原の山中以都子さん、名酒「三千盛」二升下さる。金澤の松田章一・左葉子さん、石川の名酒下さる。感謝。
2014 10・25 156
☆ 久し振りに
滋賀の鮒寿司を送ってみます。
お酒もあったほうがよいかと思い御前酒のナイン(当主の姉が岡山で初の杜氏になって仲間9 人で造ったお酒とのこと)というのを少し送ります。お酒は11月になるとすぐくらいに着く予定です。 岡山 玄
* 恐れ入ります。美味い肴、美味い酒。至福です。
2014 10・26 156
* 金澤の金田小夜子さん、桐箱純米大吟醸「能登誉」を下さる。感謝。
神戸の岡田昌也さん、「柿姫参上」に添えたお手紙が美味しい柿のしたから現れ、恐縮。
☆ 秦恒平先生
選集第三巻拝受。あの、えもいわれぬ香気に充ちた今集、好ましき限り。ありがたき幸せ。
狭庭の西条柿、手づくり 少しのみお届け申し上げます。 お口に合えばうれしく存じます。
何卒お体ご大切にと念じ上げつつ 不尽いただ (西条頌)
柿四十剥きて軒端に吊しけりわが秘儀ひとつ成し了ふるごと
陽に干せば甘柿よりも甘くなる渋柿なれど君は好むや
陽に干せば甘柿よりも甘くなる渋柿こそは柿の中の柿 柿の中の姫
返し
渋々とひとに読まるるわが筆のあやからましを西条の渋柿 遠
* じつにうまい甘い柿でした。遠慮深い妻が、率先手を出していました。
2014 10・27 156
* しばらくぶりに歯医者へ。湖の本121『京のひる寝』が面白かったと娘のような女先生。お土産に、長野小布施産特級、みごとな大粒の栗を一キロも袋に入れて頂いた。去年も戴いた。感謝。
帰りに「リヨン」で晩餐、二種類の赤ワインが美味く、フレンチをしみじみ前菜からデザート・珈琲まで楽しんだ。
家に帰ったら、留守に、どさっといろんな郵便物や頂き物がきていた。岡山のすばらしい葡萄、瀬戸ジャイアンツ。また有元さんからいつもお心入れのじつに味良い近江の特製「鮒鮨」も。有り難う存じます。
2014 10・27 156
* 戴いた鮒鮓がじつに美味い。酒は三千盛も手取川も能登誉もあり、肴には神宗の塩昆布もうまい。目が見えなくても酒も肴も美味い。ありがたい。オマケに西条吊し柿があり小布施のお送りがあり岡山の巨大葡萄も。珈琲・紅茶には老舗開進堂きわめつきのクッキーもある。目をつむっていても美味い物は美味い。とかと目はあけて、たゆまず仕事しなくては。いよいよ寿命との本式の競走になってきたか。
2014 10・28 156
* 日本酒は奈良で誕生したと、理・優夫妻から頂いた奈良のお酒に醸造元「ももたろう」のチラシがついていた。すこし虚をつかれた感じだが、なるほどなと合点できる。自然発生の濁酒は列島の各地に生まれる可能性はあったにせよ、清酒の誕生には寺院の僧たちの知恵が働いたろう、奈良は濃い可能性を持っていた。室町時代に濾して澄んださけが「奈良酒」といわれ、そういえばあのわたしが子供の頃から好きな「奈良漬」もあるではないか。
酒の名産地は水に恵まれた日本中にある。もう一つは、米。奈良の酒は、おなじ各地の清酒とくらべて独特の「味わい」をもっている。寺の門前には肉類や酒の入山を禁じた制札がよく立っているが、つまりはそれらが寺内に入っていた事実をまさに裏書きしている。娘道成寺で所化たちが鐘供養を談義のさいにも。ちゃっかり酒と肴を袖に忍ばせたのが歓迎されているように、「奈良酒」には古来坊さんが手塩に掛けてきた「味わい」が添うている。清酒はっ発祥は奈良「正暦寺」とちらしにはあった。
2014 10・29 156
* 仙台の遠藤恵子前学長さんから、すばらしい和菓子の詰め合わせを頂戴した。酒が好き、輪を掛けて和菓子も洋菓子も大好き。甘党で辛口の純米酒が好きという、あつかましい飲み助で食い助なのであります。
2014 10・30 156
* 各務原の石井真知子さんから、美味しい柿の葉寿司がたくさんの箱詰めを、朝いちばんに頂戴した。喜んで妻ともう朝食に頂いた。歌舞伎座や国立劇場で好んで柿の葉寿司を買うが、それより遙かに寿司飯がうまくて賞嘆した。感謝。
* ゲラを持って出かけた。駅へのバスに目の前で走り去られ、駅まで歩いたが胸が痛くなり閉口した。駅のホームであいにく倚子席が塞がっていて、しゃがみ込んで兎に角水分をとった。電車で、もう校正を始めた。坐ってしまえば不快はしずまった。リポビタンDとやらを買って呑み、手持ちのくすりのアリナミンなどを服した。すっかり回復した。歩きも出来た、仕事も出来た。四時には銀座おでんの「やす幸」の酒でゆっくり休息し、この前にあがった椿屋で、珈琲。
必要があって、歩いて帝国ホテルのクラブとちょっとした打ち合わせがしておきたくて五階へ上がった、が、祭日であることを失念していた。祭日は夜のクラブはお休み。しかたなかった。それでも、校正はよく捗らせた。
2014 11・3 157
* 朝いちばんに前の渋川市図書館長だった森田比路子さんから軽井沢などの軽妙な洋菓子を二箱も戴いた。想えば久しく久しいお付き合いである。
2014 11・4 157
* 雨は降らないはずと言う。バスを待つ間に雨がきた。
三井ガーデンホテルへはソニービル前からタクシーに乗った。
十三年ぶり、奥さんとはもっと久し振りに、和歌山の三宅貞雄夫妻と会った。懐かしい。越後湯沢の親戚が経営の温泉旅館へ行っての帰りと。和歌山から長途の電車旅行はさぞおつかれであったろう、わたしはとてもまだそんな自信がない。
選集③巻をおみやげにさしあげた。
今日午後に東京のホテルへ入って、なんとスカイツリーへ。夫妻ともとても草臥れてきましたと。さもあろうと気の毒だった。あの塔は都内のあちこち遠方から遙かに眼にするのが一番だ。
それでは、すこし夜の銀座を歩きましょうかと。ただし小雨がつづいていた。ホテルの傘を借りてあるいたが、銀座の灯、うるんできれいだった。わたしのわるい眼も潤んでいて、まるで水の中を泳ぐようだった。まぶしいほどキラキラした。
夫妻の希望で、前を通ったおでんの「やす幸」に入った。歓談。空腹にうまい酒がはやく周って、しっかり疲れてきたので、街頭、ソニービルの前で、健康を祈って別れてきた。うまくホテルへ戻られたろうか。送り届ける元気がもう抜けていた。
「墨牡丹」の校正ゲラを持っていたので、電車で仕事して疲れを躱した。喉が渇いた。保谷でタクシーが一台待っててくれ、無事に八時半に帰宅。酒の上へ疲れが出て、脱水と貧血気味だったか。番茶をガブガブ呑んだ。ほっこりして座り込み、例の「ドクターx」を観た。
2014 11・6 157
* 妻の従弟の濱敏夫さんから甘味の菓子を戴いた。妻の友だちの吉田章子さんから近江の名酒を戴いた。
2014 11・9 157
* 「選集④」の要再校ゲラを送り出しておいて、十時半に家を出、聖路加病院では前立腺に問題なしと。フリバス三ヶ月の処方をもらって、妻と出逢いの歌舞伎座へ。歌舞伎座顔見世夜の部は、染五郎、懸命の初役弁慶健闘を心から喜んで、また菊五郎の気の入ったいがみの権太にも感動し、おお満足して日比谷のクラブへ。例のサイコロステーキとエスカルゴで、わたしはヘネシーをかなり飲み、妻はビール。そしてアイスクリーム。マスターらとも歓談。帰宅は十一時。
病院の待ち時間や電車の中で「冬祭り」の初校、大いに、すいすい捗る。
2014 11・10 157
* 妻とは六本木で別れ、銀座へ出て、地下廊下の喫茶コーナーで「冬祭り」を校正して時間を用い、クラブへ先着してやはり校正しながら来客を待った。主人役として、先日チャージしておいたすてきに美味いコニャックとエスカルゴを差し上げながら、六時半から二時間余を用談かつ歓談。京みやげに大好きな末富のせんべいを一缶頂く。最終の新幹線へ送り出しておいて、わたしは居残って遅い晩食。その間にも「冬祭り」校正、丸ノ内線、西武線でもやはり校正。「冬祭り」を読むほどわたしにとって精神衛生のいい時間はない。帰宅は十一時。
* もう零時半。
* 実に久し振りに子松時博クンから連絡があった、心配した。鬱でないといいが。
もう一通いいてがみを貰っていたが、明日もう一度ゆつくり読もう。
下関の大庭緑さんから、美しい箱入り、海胆のご馳走(と想う。勿体なくてまだ明けていない)を頂戴した。
2014 11・13 157
* 朝一番に、奈良の西川絹子さんから調理のてだても出来たにゅうめんの大函が届いた。さっそく朝食にご馳走になった。歯の治療がすすんで少しく麺類も口に入りやすくなった。感謝。
2014 11・14 157
* 歯の帰り、江古田の中華家族でマオタイ、酢豚などさかなにダブルで二杯。校正用にすこぶる有用な簡易レンズを女将がブレゼントしてくれた。たいへん綺麗にゲラが読めて嬉しい。いつも苦心惨憺ゲラを読んでいるのを哀れんで親切に用意してくれていたらしく、感謝。感謝。
2014 11・14 157
* 下関の大庭緑さんに戴いた海胆の美味いこと、神戸の吉田章子さんに戴いた近江の名酒と相和し、夢のように佳い酔いをが楽しめている。美味い。
2014 11・6 157
* 干支の羊人形を買い、有楽町まで歩いて帝劇下の「きく川」で久し振りに鰻を食べて帰ってきた。
2014 11・17 157
* 電車の中で校正はひたすら進んだし、歩くのも上野の山をしっかり歩いたけれど、整養軒での軽食には食欲涌かず、ビールを二杯呑んで、魚の料理を少し食べ、デザートも小さいアイスクリームだけ食べ、パン二つも持って帰ってきた。なかなか、うまく美味い物に当たらない。昨日の「きく川」の鰻などよく食べたと思う。それでも「菊正宗」二本に力を得てであった。
2014 11・18 157
* 朝から三時半四時前まで、ほとんど食せず。病院と薬局のあと、玉寿司で酒と刺身。追加であなご、墨烏賊、つぶ貝、大トロを一貫ずつ。病院でも薬局でも「校正」だけは大いに捗った。帰路の有楽町線、清瀬まで乗り越して保谷へ戻った。
白鵬一敗を守り、全勝の鶴龍が稀勢乃里に負けた。
2014 11・19 157
* カレンダーの次々送られてくる季節になった。豊潤な「能登誉」をぐいぐい、酔いを発して睡る。眼が少し休まる。しかし時間は消える。
胸に灯のともるような「いい言葉(つごうのいい甘い言葉ではない、)を聴きたいし読みたいし、自分でも書きたい、話したい。心身が根で疲れていてはそんな言葉は生まれない。
結局、いい作品を読んで慰めている。
2014 11・22 157
* 日本酒が切れたので、とっておき、池宮さんロス土産の「Old Parr」の口を切ったのが、美味くて。酔うと寝てしまう。目のために酔いは良いと勝手なリクツをつけています。
2014 11・28 157
* 疲れたな、やすみたいなと思うと、今は「OldParr」をストレートで、少しずつ少しだけ口にする。すると寝入って行ける。
2014 11・30 157
* もし天気があまりにひどくなければ、発送前の半日を、街へ出て「校正」したり繪を観たりしてきたいが。有楽町の「レバンテ」でまた生牡蛎の美味いのでワインでも飲んでくるか。
2014 12・1 158
* 東池袋のアウルスポットで、秦建日子作・演出の「くるくると死と嫉妬」を観てきた。不感心。
* 帰途、練馬で寿司を夕食に。妻には、好きな生牡蛎を。わたしには酒は美味かったが寿司は味覚に届かず。
2014 12・5 158
* 有元毅さんから岡山産冬葡萄「紫苑」の大房についで、愛媛の木村利孝さんから「媛まどんな」または「紅まどんな」とも呼んで人気沸騰という立派なお蜜柑をたくさん戴いた。天野敬子さんからも縄なりの大吊し柿を二聯、高本邦彦さんからは純米宮城の名酒「浦霞」一升、杉田博明さんからも京は「西利」の漬け物各種を頂戴した。語の本来の「賑はふ」とはこういう喜びを謂うのであろう。 2014 12・6 158
* 夕食まで、発送の作業。残余を、あえてして明日に持ち越す。「浦霞」ひとえに美味。烏賊素麺を肴に。
2014 12・7 158
*朝、「浦霞」小酌 上煎茶で「とらや」羊羹一切れ 蜜柑 婚約以来五十七年を祝う。
* 同窓の西村明男君からいつもの「両口屋是清」の美味い和菓子を各種沢山もらった。
* 川崎の異母妹ひろ子からチョコレート、ひろ子の姉の昭子は電話を掛けてきた。妻に任せた。
* 有楽町の「レバンテ」で店が自慢の活牡蛎と牡蛎フライで、ビール。美味い。
三菱地所の美術館でミレー展(他にテオドールやコローやルソーらも)を観る。ビールのせいもあるか、相当疲れたが、大事にしたい日なので、よろよろと、なじみの帝国ホテルまで歩き、メインロビーで珈琲をのみながらわたしは「墨牡丹」再校、つまは今度送り出した「九年前の安倍政権と私」を読んで、五時半まで。正しくは八年前だがすぐ年が変わるので「九年前」としておいた。思ってたより読みやすいと妻は言う。
地下の「なだ万」で日本料理の「花」を。酒は純米の「浦霞」に。体調を損じていたので一合を二人でわけた。満腹。メインの焼物を黒いマゴの土産に。
とても電車で帰るのが辛くて、タクシーで保谷まで帰った。八時十五分。Dfileの「クローザー」を観て、ほっこり。
* 滋賀県湖南市の小田さん、「近江の美酒」二本、そして美味い梅干しのパックを下さる。
2014 12・10 158
* 滋賀県湖南市の小田さん、「近江の美酒」二本、そして美味い梅干しのパックを下さる。
☆ 前略
今年もまた初しぼりをお送りさせていただきます。
私の住んでいます湖南市は昔から美味しい地酒を作る酒屋があり、こちらに越してきて知りました。
日本酒が大好物だった主人が生きていたらとても喜んだと思います。
それで 私の心の支えになっていただいている先生に召し上がって阿いただければと思いお送りさせていただいています。
奥様からお葉書を頂戴する度に私も「とてもうれしい」と一人で喜んでおります。
これから本格的な寒さがますます やってまいります。
先生 奥様 どうぞ御身御大切にお過し下さいませ。 早々 敬
* 滋賀県の日本酒が、たしかに、あまり知られていないようだがとても美味い。五箇荘の川島さんから以前に送って頂いた近江の酒もまぎれもない美味い酒だった。
会社に勤めていた間は、ほとんど酒を飲まなかった。しかしいろんな酒に、強くはあった。勤めを辞めてからは、おもむくままに飲んできた。飲み屋通いをしたのではない、たいてい家で小説を書きながら一升瓶をそばに引きつけていた。
2014 12・10 158
* もう十時半。もう一晩、はやめにゆっくり熟睡に入りたい、と言いつつ、昨夜も校正ゲラをはじめ、『眠れぬ夜のために』『箴言集』『アブサロム、アブサロム』『族長の秋』『南総里見八犬伝』『ダブリン物語』などに読み耽ってしまった。白行簡の興味深い漢文も面白く楽しんでいる。泉鏡花の『山海評判記』も読み切りたいと手放していない。
今夜はやはり『新蔵人』に手を出さずにはおれないだろう。 2014 12・11 158
* 暫くぶりに歯医者へ行き、帰りに「中華家族」でマオタイを堪能して帰った。妻はカシューナツツだの酢豚だのビーフンなどを楽しんでいた。
2014 12・15 158
* 京山科の親戚鵜飼和子さん、詩人あきとしじゅんさんから、叶匠壽庵などと京和菓子を戴いた。
2014 12・15 158
* 朝いちばんに栃木の渡辺佳寛さんから徳島産、赤着ちゃんの拳大のみごとな苺を、吉備のご老人からは選り抜きの名酒二升で祝って頂いた。有り難う存じます。薬がわりの赤ワインそして佳いお酒で小さく乾杯し、蛤汁と赤飯で朝食を祝い、さっそく苺を一つずつ、また佳い茶を淹れ、京都から戴いていた大好きな柚餅を美味しく味わった。今日は、なんとなく外出も億劫、家でゆっくりやすみやすみ静かに仕事をしたい。
2014 12・21 158
* 「秋萩帖」が面白く運べている。おやおやこんなヒロインたちが現れるのか、懐かしいなと文字の見えない目尻をさげながら読んでいる。今日は郵便もこない。出向くのも重たい、「和加奈」からすこし美味そうに刺身の大皿でも取り寄せて酒を飲もう。睡くなったら寝よう。寝られなければ鏡花の美装本を読み上げよう、そうそう今晩は澤口靖子主演の特別番組があるはず。
2014 12・21 158
* 朝からほとんど食べていなかったが。昨日はなにも誕生日らしいことはしなかったので、帰路、帝国ホテルでシャンペンで乾杯し、キールとパンケーキで、「冬祭り」の三章分を読み校正、すこし酔い心地で夕過ぎて帰宅。日本酒をもうすこし飲み、柚餅と、さくらの巨きな「もも苺」を一顆。
2014 12・22 158
* 明夕の歯医者が済めばいちだんと気持ちのらくな歳末になる。暮れ正月という暦には一切不作法に怠けさせてもらい、楽しむための仕事をしたり、買い物の街歩きを楽しもう、少なくも雑煮の味噌だけは買いに出る役目がある。毎年入手に奔走し閉口する「蛤」は、今年からは冷凍品の買い置きにまかせることにした。新門前の養家いらいの久しい習いがとうとう一つ失せる。
* 岡山雄町の名酒、また群馬の名酒「赤城山」 また近江藤居本家の「旭日・琵琶の舞・杜氏の舞・新嘗祭神酒の白酒・黒酒」などを次々に舌鼓をうちうち静かに戴いている。けっして鯨飲も暴飲も大飲もしません。しみじみと味わって楽しんでいます。さまざまな地方色の一夜干しや干物も戴いている。二刀流のわたしは酒の前後に上等の和菓子や銘茶も、果物も、うれしく味わっている。なにもかも量はすしずつ、果実、高級蛋白質、酒、甘味。このところわたしのそういう食事である。
2014 12・23 158
* ペンの電子文藝館で同僚委員として一緒だった作家の牧南恭子さんがとても口当たり佳く美味しい搾りりんごジュースを沢山下さった。有り難い。果物と飲物とは必需の栄養源。口さっぱりし、一缶戴いて「おう、美味い」と声が出た。妻も大喜び。感謝。
* 十時半、もう、手探りでキイを見つけている。もう機械をはなれて休むことにする。
2014 12・23 158
*処方薬を請け出しにいったり、黒いマゴ正月にも掛かる輸液分を買いに行ったり、郵便局へ走ったり、故紙をまとめて出したり、なかなか忙しい中で、「和加奈」寿司がわざわざご馳走として運んでくれた鯛の兜煮を賞味して、栄養をつけた。
* 論著にはげみ、「秋萩帖」の読みにも励んで、このあとは今年最後の歯医者へ通う。
* 江古田でささやかなケーキを買い、帰りの電車まえに馴染みのスタンドバーで、わたしはウオツカのダブルを二杯それだけ、妻は赤ワインと鹿の肉料理。よく冷やしたズブロッカが素敵に美味かった。
* 帰って、ケーキを少しずつ、そしてパナマの紅茶。少し居眠りした。
* 嵯峨の田村由美子さんから牛肉のしぐれ煮いただく。平安神宮道の星野画廊に例年わたしの好きな白河煎餅をいただく。
2014 12・24 158
* 金銀彩の美しい骨壺を創ってくれた姫路夢前窯の原田隆子さんから便りと、見るも美しいちりめんじゃこが大きな筺で贈られてきた。いい出汁がとれるわと、妻が大喜び。
2014 12・25 158
* 「和加奈」の寿司と肴とで、美味い酒を飲んだ。高麗屋から貰ったキリンの別格飲み物、また牧南恭子さんに戴いた「摺り下ろし林檎ジュース」がサッパリと美味しい。
2014 12・26 158
* 寿司の「和可奈」が煮てくれた鯛の兜煮がじつに美味かった。
今晩はお礼に寿司と刺身二人前を出前して貰い、酒の「赤城山」で美味しく食べた。
食後の湯ではヒルテイを読み、また後撰和歌集と拾遺和歌集の撰歌をゆっくり楽しんだ。浴室に強い照明を入れてあり、湯気の効果もあり裸眼で字が読めます。
このごろ八時のDlifeドラマを一時間ぼんやり観て楽しんで眼を機械からやすめ、九時からまたうまくすれば日付の替わる頃まで仕事をしている。
うまくすると、今日の西友での買い物で、暮れに池袋まで出て行く定番の買い物に出掛けなくて済むかも知れない。
だいたい、午前から午後へ疲れが溜まり、午後から夜になるとしっかり疲れるというのがこのところの常例。その疲れを少しでも減らしたい。ほんとはその為にももっと街へ出て歩いてこなくてはいけないのだが。
2014 12・26 158
* 凸版印刷からの人形町「魚久」の京粕漬を頂戴。世田谷の「珠」さんからは、「鴨鍋」をたっぷりと頂戴した。感謝。
また京の染織家渋谷和子さんから、巧緻に美しく造形された祥瑞「水滴」を戴いた。
2014 12・29 158
* 美味い鴨鍋をご馳走になった。
* 尾張の「鳶」さん、京の羽生さんから、メールやお手紙に添えて、いろいろの京名菓を、名古屋の「珊」さんからもとりどりの揚げ物を、みな、たくさん頂戴した。有り難う存じます。
2014 12・30 158